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新商品
函館開港150年の「祝杯」これで
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「蕎良」が完成させたほんのり緑がかった枝豆そば(右)。左は従来のそば |
【中札内】道の駅なかさつないの敷地内にあるそば店「蕎良(そばりょう)」(宮原ゆみ店長)が、村特産の枝豆を練り込んだ枝豆そばを完成させ、今月から一日十食限定で提供し始めた。
そばを打つ際、水の代わりに枝豆のペーストと豆乳を使う。普通のそばと比べると、ほんのり緑がかっており、食感がなめらかで甘みがある。
村農協で枝豆ペーストを作っていることを、宮原店長の父で調理担当の及川良さんが知り、「地場産品をメニューに取り入れたい」と考案した。豆乳も中札内産で、そば粉は十勝産という。
既存メニューはどれでも、価格に百円を加えると枝豆そばに変えられる。問い合わせは同店(電)0155・68・3898へ。(幸坂浩)
【根室】北方領土隣接地域振興対策根室管内市・町連絡協議会(北隣協)が進める「北方領土を目で見る運動」の修学旅行誘致で、本年度最後となる大阪教育大付属高校天王寺校舎の二年生三十七人が三日、根室入りした。本年度は同高を含め、前年度比百五十三人増の二百七十三人で終了。来年度はさらに多い三百八十人を見込んでいる。
誘致活動は全国の中高生に領土問題への関心を深めてもらう狙いで、二○○三年度から始まった。○五年度に初めて実を結び、二校百十人、○六年は三校百二十人と実績を伸ばしている。本年度は静岡県浜松市、神奈川県茅ケ崎市などから四校二百七十三人が訪れた。
来年度は既に大阪、奈良、東京の三校三百八十人が内定し、いずれも新規参加の高校。ここ二、三年で連続訪問している高校三校の参加が決まれば、さらに百−百五十人程度増えそうだ。
大教大付高の一行は道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)を訪れた後、納沙布岬に到着。北方館の望遠鏡で歯舞諸島の貝殻島、水晶島を眺めた。北隣協事務局の市北方領土対策室は「最近の修学旅行は希望に合わせ複数のコースに分散する形態に変わっている。宿泊可能人数が少ない根室にとってチャンス」と話している。(仁科裕章)
苫小牧の菓子製造販売、三星(三浦実社長)は、ハスカップ果汁を寒天で固めた和風ゼリー「ハスカップの雫(しずく)」を発売した。果汁を水で薄めずに濃厚な味に仕上げた。
ハスカップの粒が入った果肉タイプと、口溶けの良い果汁タイプの2種類。水を一滴も加えていない分、果実を多く使ったことで、ハスカップの甘酸っぱさを味わえるようにした。
同社は「冷やすとおいしく、これからの夏にはぴったり。苫小牧の味として贈り物にどうぞ」と話している。
苫小牧市内の全16店で販売している。1個(20グラム)100円。問い合わせは同社フリーダイヤル0120・333・153へ。
【岩見沢】市内のNPO法人などでつくる「岩見沢こだわりの燻製(くんせい)研究会」(西方洋昭代表)は、地元産のワイン用ブドウの枝で作った薫製用チップの販売を始めた。ブドウの枝のチップは珍しく、同会は岩見沢名物に育てようと考えている。
宝水ワイナリー(岩見沢)が栽培しているブドウの剪定(せんてい)枝を細かく砕いてチップにし、適度に発酵、乾燥させた。NPO法人薔薇(ばら)香る癒(いや)しのまち岩見沢や市川燻製屋本舗、同ワイナリーでつくる同会が昨年末から商品化に向け製造に取り組んできた。
当初、このチップで薫製を作ると食材にブドウの良い香りがつくと考えていたが、チップにしてから時間がたつと香りが薄れることが分かった。しかし、一般的な桜のチップなどに比べ、いぶすときに出る煙のにおいが柔らかいため、逆にさまざまな食材に使うことができるという。
同会は「初心者でも段ボールなどで手軽に薫製ができるので、ぜひ試してみて」とPRする。1袋90グラムで、400円。いわみざわ公園のカフェ「ローズガーデン」で販売している。
問い合わせはNPO法人薔薇香る癒しのまち岩見沢(電)0126・23・3993へ。(河相宏史)
【白老】2008年度の白老町の観光入り込み客数が、9年ぶりに200万人台となる207万9384人となった。前年より約14万6千人の大幅増。白老観光協会では温泉の宿泊客やアイヌ民族博物館の入場者は減少しているものの、再出発した大型宿泊施設や、新名物「白老バーガー&ベーグル」を目当てにした札幌など近隣からの個人客が増えたことが要因とみている。(門馬羊次)
白老の観光客入り込みは91年度の約250万人をピークに、99年度まで200万人台を維持していたが、修学旅行など団体客の落ち込みにより減少傾向が続いていた。
08年度も虎杖浜地区は宿泊客が減少した一方で町中心部の白老地区では前年比で約2万人も増えた。これは旧「しらおい厚生年金保養ホーム」が新たな経営母体に代わり、07年末から「ヴィラ・スピカしらおい」として再出発した効果が大きいとみられる。
バーガー&ベーグルは07年夏、白老牛など町特産品を使った「ご当地グルメ」として町内の店舗で販売開始したが、08年度は町内で約5万個(前年比約2万個増)も売れ、新名物として定着しつつある。
同協会は「ドライブで立ち寄る札幌など近場の個人客に人気」と分析する。
ただ、入り込み客数だけでは実際の経済効果を判断できない。町の主要観光施設であるアイヌ民族博物館は昨年度、過去最低の入場者数を記録し、虎杖浜温泉の宿泊客も減少が続く。同協会では、さらに詳しい分析や調査を行う方針だ。
【岩見沢】コンビニエンスストアチェーンのサークルKサンクス(東京)は、空知支庁の協力で、管内の食材を使ったケーキなどのオリジナル商品をこのほど開発した。六月から道内全百九十九店で販売する。二十八日には同支庁で試食会が開かれた。
特色ある道産食材を商品化し、地産地消を進める「北海道MOTプロジェクト」の一環で、支庁との連携は、昨年九月の渡島に次いで二回目。
今回は岩見沢産小麦「キタノカオリ」に米粉を加えた「米粉入りシフォンケーキ」(百五円)や、南幌産キャベツを具材にした「南幌産キャベツの塩焼きそば」(三百六十円)、道産コーンと三笠特産の鶏醤(けいしょう)を使った「北海道産コーンの炒飯(チャーハン)」(四百三十円)など十商品を開発した。
店頭ではさらに、幌加内そばや滝川の菜の花ドレッシングなど、管内特産の加工品六品も販売。一部の商品には空知の観光ガイドブックが添付される。
シフォンケーキを試食した坂井秀利支庁長は「もちもちしていておいしい。多くの人に味わってほしい」と話していた。商品は一部を除き、九日から七月六日まで販売される。(芝垣なの香)
【芦別】市カナディアンワールド公園の草地で、珍しい黄色のミズバショウが、訪れた観光客らの目を楽しませている。
黄色のミズバショウは、園内の「アンの家」に通じる散策路「恋人の小径」脇の湿地帯で咲いている。純白のミズバショウの中に、花びらのように見える黄色い仏炎苞(ぶつえんほう)を持つミズバショウが数株交じり、ひと際異彩を放っている。
ミズバショウは白が一般的で、黄色は極めて珍しい。
公園を管理する芦別振興公社によると「数年前から、少しずつ数を増やしている」と話し、訪れた観光客も「初めて見ました。とてもきれい」と驚いた様子。
同公社では「周辺の雑草を除去するなど整備を進め、大切に育てたい。将来は黄色のミズバショウの群生地にしたい」と期待している。(島谷泰史)
【余市】国指定史跡のフゴッペ洞窟(どうくつ)の刻画をモチーフにした手芸作品と中米パナマの民族衣装などを集めた「モラ展」が二十九日、町内の同洞窟展示ホールで始まった。
札幌の手芸作家、景山睦子さん(63)が刻画の中から、天使のように翼を広げた人物画を作品に取り入れた。
景山さんの主宰教室の受講生の作品を含めた十一点と、パナマ・サンブラス諸島に住むインディオの「モラ」と呼ばれる民族衣装など四十三点を展示している。五月末まで。(藤井正友)
【倶知安】管内の特産品をPRするため、後志支庁は「後志の逸品ガイドブック」を作製した。五十七品の価格や販売店を掲載、今月末から管内や札幌の観光施設などで無料配布する。
管内の道の駅や観光案内所などで観光客が買った特産品を調査(回答六百四十人)、特産品が多い小樽を除き、十九町村それぞれの上位三商品を選んだ。
支庁は「後志全体の特産品情報がまとまった冊子はあまりなかった。今回は酒のさかなやデザート、農水産物、ジュースと種類も幅広い」とPRする。
A4判縦二つ折りでカラー十六ページ。支庁のホームページからも商品情報が参照できる。問い合わせは支庁商工労働観光課(電)0136・23・1366へ。(内藤景太)
じっくり品定めしながら山崎ワイナリーの新作を楽しむ試飲会参加者 |
【三笠】自家栽培のブドウだけでワインを醸造、販売し今年で五周年を迎えた市内達布の「山崎ワイナリー」が、二十六日から今年分の製品の販売を始める。赤ワイン三種類と白ワイン二種類の全五種類は初の試飲会でも好評で、オーナーの山崎和幸さん(55)は「どれも心を込め、技術を尽くした自信作です」と話す。
同ワイナリーは二〇〇三年から出荷開始。節目の年の販売開始に先がけて二十四日夜、札幌市内のレストランで初めての試飲会「山崎ワイナリー五周年記念の会」を開き、取引のある酒販店関係者やファンなど二十二人を招待した。
今年発売するのは赤が「ツバイゲルトレーベ2006(たる熟成)」「ツバイゲルトレーベ07」「メルロー06」、白が「バッカス07」「ケルナー07」の五種類。試飲会参加者からは「土壌からのしっかりとしたミネラルが感じられる」などの声が上がり、好評だった。
山崎さんによると、〇六年、〇七年ともに天候に恵まれ、糖度の高い良質なブドウが採れたという。「今すぐ飲むのならバッカスとツバイゲルトレーベ(たる熟成)がお薦め。ほかは少し置いてもらえれば」と話す。
同ワイナリーは通常土、日曜と祝日のみの営業だが、二十六日−五月六日のゴールデンウイーク期間中は毎日営業する。営業時間は午前十時−午後六時(十一−三月は午後四時まで)。ワインの価格は七百五十ミリリットル入り瓶で二千二百円−二千九百四十円(税込み)。問い合わせは同ワイナリー(電)01267・4・4410へ。(渡辺佐保子)
【余市】地元出身の宇宙飛行士・毛利衛さんが二○○○年、スペースシャトル・エンデバーに持ち込んだエゾヤマザクラの種から育った「宇宙桜」が二十五日、余市宇宙記念館前で開花した。
七年目で初開花した一昨年は、花もまばらだったが、今年は三本のうち一本が見事に花を咲かせている。昨年より二週間早い開花。この日は同館のオープン十周年の当日で、職員も「一昨日はつぼみで昨日は雨だったのに、祝ってくれているように一気に咲いた」と喜んでいる。(石原宏治)
【登別】望月製麺所(泉田覚社長)が、道内発祥の「ラーメンサラダ」の専門サイトを開設した。レシピなどを掲載し、道産小麦や野菜を使った、地産地消メニューとして普及させる狙い。同社も今夏、サラダ用の道内産小麦のめんと、ドレッシングをセットにした新商品を発売する。
ラーメンサラダは、札幌グランドホテルのビアホール「ビッグジョッキ」が一九八五年に初めて提供し、おもに居酒屋のメニューとして、道内に広まったとされる。めんと生野菜などを皿に盛り、ごまだれやドレッシングなどをかける。
同社がラーメンサラダに着目したのは、道産小麦や野菜のPRに適していると考えたため。特に道産小麦で作っためんは香りが良く、こしも強いため、冷やして食べるのに適している。輸入小麦の高騰も追い風だ。
サイトは昨年十二月に開設。泉田社長の知人らから集めたレシピを紹介。ウドを添えた酢みそドレッシングや、梅カツオのものもある。ビッグジョッキ「元祖」に加え、室蘭を中心に居酒屋六店のサラダも掲載した。
自社製品の販売も計画する、泉田社長は「ドレッシングや、野菜などの具材をいろいろ工夫できるのが面白いところ。道内発の安心安全食品として、全国にラーメンサラダブームを巻き起こしたい」と話している。
アドレスはhttp://ra-sala.com/index.html
(徳永仁)
【江別】「こどもの日」を前に「第五回こいのぼりフェスティバル」(実行委主催)が二十三日、江別市河川防災ステーション(大川通六)で開幕した。色とりどりのこいのぼりやヤツメウナギ、サケののぼり計七十五匹が大空を泳いでいる。五月十二日まで。
大谷幼稚園と若葉幼稚園の園児計八十三人が、センター前の掲揚塔に、こいのぼり二十匹を掲げた。
続いて実行委メンバーが同ステーション屋上から千歳川の対岸へ張った約二百メートルのロープに、こいのぼりや、市内の民謡クラブが寄贈した江別名物のヤツメウナギとサケののぼり計五十五匹を付けた。全長約五メートルの大きなこいのぼりが風を受けてたなびくたび、園児たちは「たくさん泳いでいる」「色がすごいきれい」と歓声を上げていた。
五月十日のメーンイベントでは、市内の子どもたちによる太鼓演奏やダンスをはじめ、カヌーの試乗体験、人形劇、抽選会も行われる。実行委員長の洞野博文さんは「楽しい催しがあるので、ぜひ参加してほしい」と話している。(相川康暁)
小樽市の第三セクター・小樽観光振興公社は、二十六日から今季の営業を始める海上観光船の安全祈願祭を二十三日、小樽港第三埠頭(ふとう)の市港湾部観光船桟橋で行った。
同公社職員や港湾、観光業関係者ら約三十人が出席し、安全運航を祈った。
同公社の観光船は昨年六月、霧の中で座礁事故を起こした。それだけに本年度から同公社社長に就任した中松義治・小樽商工会議所専務理事は「事故を発生させ、ご迷惑をかけた。これを教訓に安全運航を十分に心がけ、頑張っていきたい」と厳しい表情であいさつ。山田勝麿市長は「多くの人が期待している観光船運航で、小樽観光の一翼を担ってほしい」と述べた。
営業は十月十三日まで。航路はオタモイ、祝津、小樽港内遊覧の三コース。屋形船の港内遊覧は周遊四十分で大人六百円など。乗船料金や運航時刻の問い合わせは同公社(電)0134・29・3131(午前九時−午後五時)へ。(平田康人)
【赤平】赤平青年会議所(堀口貴久理事長)を中心とした市民有志が、あかびら火まつりを題材にした自主映画を製作する。脚本や演出をはじめすべてが市民の手作り、ボランティアで行われる。財政難に負けることなく、イベントを通してマチを盛り上げるきっかけにしたいと意気込んでいる。
タイトルは「0からのRE−スタート〜あの火を未来へ」。財政難で中止が決まった火まつりを存続させようと、青年が仲間とともに奔走するフィクションだ。
出演者は中学生や主婦、会社員など十数人。エキストラを含めると百人以上の市民が参加する予定。かつて劇団に所属していた市民が演出を担当する。
監督は建材会社の社員、脚本は市職員が半年かけて書き上げた。カメラマンと映像編集は、平岸病院で患者や行事の様子の撮影を担当している職員が協力する。
また、大道具と小道具は建築会社や看板店、塗装店などの社員が担当。メークは理容師。音楽はバンド活動を行う市民がオリジナル音楽を作曲する。市民それぞれが普段の仕事や得意分野を生かして製作に携わる。
五月二十日に撮影を開始。七月まで撮影を続けた後、一時間ほどの映画に編集する。九月に市交流センターみらいで上映する予定。堀口理事長は「市民の潜在能力を結集させて、赤平はこんなに元気なんだと発信できる作品をつくりたい」と話している。
実際のあかびら火まつりは、市の財政健全化計画で本年度から三百万円の補助金は打ち切りとなったが、経済人らが補助金に頼らずに開催させることを決めている。今年は七月十九、二十日に行われる。(奥天卓也)
道新苫小牧政経文化懇話会四月例会が二十三日、苫小牧市表町のグランドホテルニュー王子で開かれ、獣医師で作家の竹田津実さん(71)=上川管内東川町在住=が「野生からの伝言」と題して講演した。
竹田津さんは大分県出身で、岐阜大獣医学科卒業。傷ついた野生動物の保護・治療を約三十年続けている。映画「キタキツネ物語」に企画・動物監督で参加。著書「子ぎつねヘレンがのこしたもの」は二〇〇六年に映画化された。
子ども四人を育てた竹田津さんは、世話していたカワセミの幼鳥に餌の魚を捕らせるために知恵を絞った苦労話を紹介し「大きくするには餌を与えればいいので簡単だ。だが、大人にするには餌を自分で取れるようにしなければいけない。お金がかからず、効率のいい育児はない」と説いた。約四十人が耳を傾けた。(舘山国敏)
【深川】市内音江町の製めん業「おかべフーズ麺創(めんそう)・麺庵(めんあん)」がこのほど、卵を一切使わないラーメンを発売した。岡部尚史社長は「卵アレルギーの人も食べられ、味や歯ざわりも普通のラーメンと比べて違和感ない」とPRしている。
同社は二○○○年の創業以来、化学添加物を極力使わず道内産原料にこだわっためん作りに取り組んできた。
今年八月、卵アレルギーがあるがラーメンを食べたいという客の要望を受け、卵を使わないラーメンの開発に着手した。岡部社長は、自身の二女(13)にもそばアレルギーがあるため「家族が同じ物を食べられないつらさは、よく知っていた」と語る。
ラーメンのめんにとって、卵白はつなぎ、卵黄はめんに色付けする役割があるため、これらの代用品として、佐呂間産カボチャの粉末を道産小麦100%の生地に練り込み、十月に完成させた。
「一般のめんと食べ比べれば少しざらついた食感はあるが、ほとんど遜色(そんしょく)ない。乳成分も入っていないので牛乳アレルギーの人にもおすすめ」と岡部社長は胸を張る。
十一月に静岡の百貨店で販売した際は約三十食を完売。深川市内の客からも「卵アレルギーがあっても食べられた」と好評だという。
ラーメンは二食(スープ付き)で店頭販売が四百二十円。商品は同社ホームページ(http://www.menso-menan.com/)でも購入でき 、価格は六百三十円(送料別)。問い合わせは同社(電)0164・26・3355。(吉田隆久)
中央公民館に登場した内藤選手の資料展示コーナー |
【豊浦】町出身の世界ボクシング評議会(WBC)世界フライ級王者、内藤大助選手(33)が獲得した王者認定証やトロフィーなど、資料三十点余りを展示する特設コーナーが町中央公民館(船見町)に開設された。
内藤大助豊浦後援会(工藤敏和会長)が「どんな副賞をもらっているのか気になる」との町内の声を受け、新年から展示。次の防衛戦が予想される二−三月ごろまでを予定している。展示品には、亀田大毅戦(昨年十月)に勝利した際に贈られた「金のグローブ」などもあり、話題を呼んでいる。
公開時間は午前九時−午後九時。問い合わせは豊浦後援会事務局の町役場(電)0142・83・2121へ。
小樽市稲穂三の中央市場内に「硝子工房NAKAMORI」が昨年末オープンした。商店が立ち並ぶ市場との異色の取り合わせ。主宰の中森信人さん(31)は「昔懐かしい、温かい感じがいい」と制作にいそしんでいる。
中森さんは出身の大阪にある専門学校でガラス工芸を専攻後、小樽へ。二○○六年、おたる潮まつり記念の風鈴に作品が選ばれた。昨年八月に独立を目指して会社を退社。工房の場所として知り合いに中央市場を紹介され、「雰囲気がいい」と決めた。
店舗は約二十三平方メートル。ガス形成炉や騒音を減らすための電気溶解炉などを置くと、ガラスを操る長棒を動かすのも窮屈そう。それでも、「ただ制作するだけではなく、販売や卸など経営のすべてを経験したかった」と気にしない。
作品は「一つの作品で二度楽しめる」がコンセプト。ペーパーウエートにもなる「サンタくんリングホルダー」や、愛らしさから笑みがこぼれる手作りガラスの「干支ねずみ」「鏡もち」などが並ぶ。「一つの作品で、場が明るく楽しくなるものを作っていきたい」と話す。
午前九時−午後六時。日曜定休。問い合わせは同工房(電)0134・27・6475へ。(平田康人)
【新ひだか】道内屈指の好漁場の静内沖で四日、恒例の静内沖カレイ船釣りダービー(静内遊漁船組合主催)が開かれ、札幌、苫小牧など全道から駆けつけた太公望三百七人が腕を競った。
今年で六回目。参加者は釣り船二十六隻に分乗し、早朝に東静内漁港を出港。この日は、潮回りが悪かったものの、なぎと好天に恵まれ、参加者は約三キロ沖合でマガレイを狙って釣り糸をたれた。
審査はマガレイ一匹の大きさを競う身長の部と、五匹の重さを競う重量の部で行われ、身長は安平町の大工半田賢二さん(47)が四六・五センチ、重量では千歳市の会社員神出富雄さん(53)が三・五八五キロで優勝した。
半田さんは「引きが強くてアブラコかなと思ったほどでした」と話し、神出さんは「前半は不調だったが、オリジナルの仕掛けに替えたら大物が釣れました」と喜びを語った。(横山清貴)
【壮瞥】「’08Toyako Summit sobetsu」の文字が浮かぶ特製リンゴの収穫が、町内の観光果樹園で行われている。特産物でサミットをもり立てようと、町は活用法を検討中だ。
“サミットリンゴ”の生産は、町が町果樹組合(矢野守組合長)に提案。リンゴ農家五軒が十月初旬、袋を外したばかりの「むつ」に文字入りシールを張り、一カ月ほど色づくのを待った。
十一月に入り、文字部分がくっきり浮かび上がったため、タカシナ観光果樹園では五日に約二百個を収穫した。「少しでも洞爺湖サミットPRに役立てば」と高階明修さんは期待する。
全体では千個程度の収穫になる予定で、町は新千歳空港などで配ってPRすることを検討中。一部は果樹園の直売所で販売(一個三百円程度)する予定だが、限定生産のため入手は難しそう。(増田智明)
苫小牧市のウトナイ湖野生鳥獣保護センターでは絶滅危惧(きぐ)種のオオワシを保護している。体力も回復し、年内にも放鳥される見通しとなった。同センターは「大自然に放しても大丈夫。あとは時期だけ」と“巣立ち”を心待ちにしている。
このオオワシは体重約五千グラムのメス。今年三月下旬、宗谷管内枝幸町の駐車場で飛べなくなっていたところを保護された。ロシア極東方面へ繁殖に向かう途中、何かに衝突し、負傷したとみられる。
すぐに治療設備の整った同センターに移され、四月からは着任したばかりの加藤智子獣医師(28)がビタミン剤投与や強制給餌などの処置を施した。当初は衰弱して食欲がなく、生命も危ぶまれたが、一カ月後には軽く飛べるように。現在はタラなど魚を旺盛に食べ、高所からも飛べるまでに回復した。三千九百五十グラムだった体重も千グラムほど増えた。
オオワシは通常北海道や中国東北部などで越冬。道内にも毎年十一月ごろ、ロシア極東、カムチャツカ半島などから飛来する。同湖でも毎年一、二羽が越冬する。
同センターは、湖面に落ちてもおぼれずに済むよう結氷を待ち、早ければ十二月中に放鳥する。一般公開はしていない。加藤獣医師は「オオワシを担当したのは初めてで、危険性もあり、緊張の日々だった。自然界に無事に帰ってほしい」と願っている。(安藤徹)
旧丸井今井小樽店撤退後の再開発ビルで二○○五年十一月から暫定営業している「おたるサンモール・ネオ」(二十五店舗)は、二周年を記念するセール「感謝祭」を二十八日までの日程で開催している。サンモール一番街商店街のセール「オータムフェア」と合同開催し、中心街に活気を取り戻す意向だ。
ネオは現在、地下一階で十二店、一階十三店が営業している。今年のセールは昨年と同様、開業日より一カ月ほど早く始め、各店舗が安売りを展開している。
一方、一番街は同日まで行うオータムフェアの目玉として、十五−十九日の午前十時から「現金二割払い戻しセール」を実施。当日買い物したレシート(五百円以上)を一番街の特設抽選所に持参すると、二割分の現金が戻ってくる。払戻額の上限は二千円。各日とも先着百人限定でネオで買い物した人も参加できる。(平田康人)
【寿都】町が歌棄地区に建設した「風太風力発電所」が十日、試験運転を終え本格稼働に入った。総出力は約一万キロワットで道内市町村が設置する風力発電所としては最大規模。開所式には関係者約六十人が出席し、稼働を祝った。
風太風力発電所は出力千九百九十キロワットの風車五基で、二○○五年に建設を開始。今年七月、据え付けを終え、試験運転を行っていた。
総工費は約二十六億円。北電、関西電力と十七年間の売電契約を結んでおり、総収入四十五億三千万円、収益約十三億円を見込む。
開所式では片岡春雄町長が「地球温暖化が進む中、クリーンエネルギーとしての風力発電に注目が集まっている。風車が計画通り稼働して利益を生み、地域の活性化につながることを願います」とあいさつ。続いて寿都保育園の園児らが風車の電源を入れるセレモニーを行った。最高点が九十九・五メートルの巨大風車がゆっくりと回転を始めると、園児たちは「動いた」「すごいすごい」と歓声を上げ、周囲を走り回っていた。(山田宏茂)
【洞爺湖】洞爺湖周辺温暖化対策まちづくり協議会メンバーのとうや湖農協(石川修一組合長)は来年一月、雪を利用してジャガイモを低温貯蔵できる「雪蔵」を新設する。これにより、来年度以降は減農薬と、低消費電力で環境に優しい「クリーン&雪蔵じゃがいも」を現在の二倍近い千二百トンに増産する。消費電力は半減され、二酸化炭素の排出量を年一五五トンに抑える。
同農協は二○○三年から、町内成香の既存の冷蔵施設に雪を持ち込み、夏に収穫したジャガイモを、室温二度で三カ月以上貯蔵。「クリーン&雪蔵じゃがいも」として、昨年度は六百五十トンを出荷した。
「雪蔵じゃがいも」の利点は、環境に優しいことに加え、低温貯蔵で糖度が高まる点。生産時に減農薬、減化学肥料で育てていることも評価されている。道産ジャガイモの端境期に出荷できる利点もあって、関西の量販店や、札幌の学校給食などで需要が高まっており、現在は「供給が追いつかない」(滝頭幹生参事)状態にある。
建設工事は、既存の雪蔵(冷蔵施設)に雪氷庫を増設し、消費電力を減らす。さらに雪氷、貯蔵が一体化した雪蔵を新設し、こちらは電力を使わない。総工費一億三千五百万円で、環境省に補助(六五%)を申請中。今月着工の予定。
施設の完成後、同農協はナガイモや、ニンジンなどの主力品種も、低温貯蔵を試験的に始める。「環境に優しく、しかもおいしい野菜を最大限に売り込みたい」と意気込んでいる。(増田智明)
市内の福祉施設で入所者と一緒に歌う雪次郎さん(左) |
【夕張】東京都心の路上で歌い続けている十勝管内池田町出身の元歌手「雪次郎」さん(73)が、自ら作詞作曲した応援歌「夕張に幸福の鐘が鳴る」とギターを携え、市内の福祉施設を慰問している。雪次郎さんは「市民が力を合わせれば夕張は必ずもう一度立ち直れる」と、歌に再建への願いを込める。
本名は吉田富男。子どもの時から歌が好きで、高校卒業後に歌手を目指して上京した。流しなど下積みを重ね二十六歳でデビューしたが、思うように売れず歌手を断念。福井で流通関係の仕事に就き、退職後に福祉施設で再び歌い始め、六十九歳で東京に戻った。都公認の路上アーティストになり、雪次郎と名乗るようになった。
応援歌「夕張に−」は自身が市民になったつもりで作った。激励の気持ちを込め、「明日の幸せかならず来るさ心ひとつに寄せ合って」などの思いを、歌詞に連ねた。
「市民に直接伝えたい」と今月一日に夕張入りし、二日には特別養護老人ホーム清光園を慰問。応援歌「夕張に−」や童謡などを、入所者と一緒に歌い上げた。
雪次郎さんは「東京にいると夕張のイメージは暗いが、実際に来てみると自然豊かで、住民もいい人たちばかり。必ず人が訪れたい場所になるので頑張ってほしい」と話す。
四日までの滞在中に、できるかぎり市内の各施設を回る考えだ。(田島工幸)
福島市で九月二十九、三十日に開かれた「第一回やきとリンピック」(実行委主催)の来場客アンケートで、室蘭から出場した「やきとりの一平」(本店・室蘭市中島町)が一位に輝いた。来年、室蘭で開催される第二回に向け、「これからが大変」と関係者は気を引き締めている。
「やきとリンピック」は、日本中央競馬会(JRA)福島競馬場内に全国のやきとり店二十店が軒を並べ、地鶏やシャモ、米沢牛のくし焼きなど多種多様なやきとりを食べてもらうイベント。二日間で約四万人が来場した。
「一番、味と雰囲気が良かった店」を問うアンケートには、来場者のうち約千人が回答。「一平」が大差をつけて一位になった。順位を競う大会ではないため、票数や二位以下の店名は公表していない。
二日間で約八千本を焼き上げた本店の山本学さん(25)と白鳥台店の勝間康尚店長(34)は「豚くしを食べるのは初めてという人がほとんどの中での高評価でうれしい」「庶民的な味が受けたのでは。今後の励みにしたい」と喜ぶ。
同行した石塚和義社長は「ほかの土地のやきとりも味わえて、二人にはいい勉強になったのでは」と語る。
来年八月末には、白鳥大橋開通十周年を記念し、「スワンフェスタ」に合わせて室蘭で第二回大会が開催されることも決まっている。二人は「地元開催の来年は、さらに気合を入れて臨みたい」と意気込んでいる。(長谷川善威)
苫小牧市沼ノ端北栄地区周辺の散策路「そよ風と遊ぶ道」で三十日、ウオーキングラリーが開かれた。秋空の下、大勢の家族連れら約二百人が思い思いのペースで歩きながら、周辺の景色などを楽しんだ。
沼ノ端地区四町内会体育部の主催。そよ風と遊ぶ道は、市が二○○五年に整備したJR沼ノ端駅を起点にした一周七・二キロのコースで、ウッドチップなどを敷き詰め、高齢者でもウオーキングを楽しめる。
午前八時半にJR沼ノ端駅北口で開かれた開会式では、四町内会を代表して中央町内会の星野邦夫会長が「大きく膨らんでいる沼ノ端のマチを楽しみながら歩いてください」とあいさつ。
その後、参加者たちは、ゆっくりとした歩調で、街並みや道路脇に植えられた豊かな樹木を見て楽しみながら、二−三時間かけて歩いていた。(合津和之)
函館市若松町の函館朝市(井上敏広理事長)は10日、観光客の利用状況調査や観光案内を行う「インフォメーションセンター」を函館どんぶり横丁市場1階に開設した。朝市が独自に観光客へのアンケートを行うのは初めて。課題を洗い出し、今後の取り組みに生かしたい考えだ。
函館市の緊急雇用推進事業のひとつで、専属職員6人を採用した。センターの設置期間は8月31日までで、毎日午前7時から午後2時まで。アンケートでは、来函目的のほか、食事、土産品への予算、朝市のイメージなどを聞く。9月以降に結果をまとめる。
この日設置されたセンターにはさっそく、観光地への行き方や土産品売り場などを尋ねる観光客が多く訪れた。
函館への観光客減少に伴って朝市への集客も減少傾向にあるといい、函館朝市は「調査を通じて、市民にも朝市に足を運んでもらうきっかけづくりをしていきたい」と話している。(成田智加)
【北斗】市商工会は、国の定額給付金支給に伴い4月20日に売り出した「ふれあいほくと商品券」の5月末現在の利用状況をまとめた。加盟294店のうち、大型店8店が全体の82・3%を占めたが、宣伝に力を入れて業績を伸ばす地元業者も出ている。商品券は6月30日まで使える。(山村晋)
商品券は市商工会が市の補助を受け、千円券10枚1組を2千円割引し8千円で販売。販売初日に5千組、5千万円分が市内の1088世帯に完売した。
中間まとめでは、札幌や函館など市外に本店のある食品スーパーとホームセンターの大型8店で2万5743枚が使われたのに対し、地元店は食料品店やコンビニ、ガソリンスタンドを中心に5523枚だった。市商工会は「利用が大型店に偏るのは予想通り」としている。
地元店では数枚から10枚程度の利用しかない飲食店や衣料品店も多い中、内装業の「インテリア明久」は独自のPRちらしを配り、カーテンやクロス張りなどの新規注文を伸ばした。同社の商品券利用は500枚近くに上り、渋谷洋一社長は「会社のPRと需要開拓ができた」と話している。
はこだて国際民俗芸術祭に出演する予定のスペインの「アラ・デ・マドリード」
八月七日から函館市内で開かれる「第二回はこだて国際民俗芸術祭」(同組織委主催)の出演者が決まった。今年は世界の九カ国・二地域から十一団体、約二百二十人が出演。出演者は昨年の二倍に増え、にぎやかな祭典になりそうだ。
国際民俗芸術祭は、八月七日から十三日まで一週間開催。期間中、入場無料のフリーステージやワークショップの開催、フォークダンスパーティー、全出演者の特別公演などが予定されている。
出演するのは、舞踊団「アラ・デ・マドリード」(スペイン)、アイルランド文化に基づく公演に取り組む「ケルティックルーツ」(アイルランド)、伝統的な民俗芸術を歌や踊りで受け継ぐ「Ce’po(セポ)劇團(げきだん)」(台湾)、フォークダンスグループ「ダンゼリーニ・ディ・ルチニコ」(イタリア)、舞台芸術グループ「イーマチケ」(クック諸島)、伝統音楽を演奏する「ロ・セゥ・デュ・ポ」(フランス)、「オヨ・ステート・カルチュラル・ダンスグループ」(ナイジェリア)、バイカル河畔に暮らす諸民族の歌と踊りを披露する「トーント」(ロシア・ブリヤート共和国)、ジャカルタを拠点に活動する舞踊と音楽のグループ「ラガム・マネジメント」(インドネシア)、民俗音楽グループ「ゼマイツカス」(リトアニア)、「ひのき屋」(日本)の予定。
今年は、すべての出演団体が生演奏で、踊りも演奏に合わせて披露される予定で、組織委メンバーのソガ直人さんは「昨年より多彩。見応えがあります」と話している。
期間中、さまざまな無料・割引特典がある「市民スポンサー・パス」(二千円)を函館市民会館などで発売中。問い合わせはヒトココチ(電)0138・51・5727へ。(押野友美)
函館−森間を走るJR北海道の観光列車「SL函館大沼号」が二十九日、今季の運行を始めた。ルートを一部変更し、急こう配を上る「仁山越え」が約四十年ぶりに復活。青空に煙を吐き出しながら、カメラを構えた鉄道ファンらの前を力強く走った。
仁山駅には二十人ほどのファンが集まり、熱心に写真を撮った。午前六時に一番乗りしたという江別市の無職冬野雅史さん(61)は「昔よく撮影に通っていたので懐かしい。四十年ぶりに仁山越えを見ることができ、うれしい」と話した。
出発前、函館駅で行われた式典では、箱館五稜郭祭実行委のメンバーらがペリー提督や箱館奉行などの衣装で登場し、函館共愛会中央保育園の園児十五人が「汽車ポッポ」の合唱を披露。SLと記念撮影する家族連れらの姿も目立った。
春のSL函館大沼号運行は五月六日まで。(内本智子)
【江差】道立江差病院の外科が四月から実質的に縮小され、手術に対応できなくなることが分かった。常勤医師二人のうち、女性医師が産休に入り、代わる医師確保のめどが立たないため。手術の再開時期は未定。二次医療機関の同病院外科が手術を休止するのは初めて。(細川伸哉)
同病院外科は、胃や腸の手術、脱腸、胆石摘出など主に消化器系疾病の手術を受け持っている。年間の手術件数は九十件程度。同病院はすでに、内科で手術が必要と診断された患者に対し、函館の病院を紹介するなどの対応を取り始めた。
常勤医師二人は、ともに札医大から派遣を受けている。このうち三十代の女性医師が四月から産休に入り、その後の育児休暇もあるため、勤務の復帰時期は未定。このため、同病院は札医大に新たな医師の派遣を求めたが、医師不足などを理由に派遣見通しが立たない、と伝えられた。
手術は執刀医と介助医師の二人体制で行うのが基本で、従来、同病院で行ってきたがん手術など大半の手術はできなくなる見通し。術後の経過処置も一人では対応しきれず、出張医の支援を受けての手術継続などは考えないという。医師一人で行える処置的手術は、可能な範囲で続ける。
手術は二十六日に予定されている一件を終えれば、再び医師二人の体制が整うまで、休止する。同病院で手術を受ける患者は、地元での入院を望む交通弱者の高齢者が多く、不便を強いられそうだ。
同病院の外科は従来、三人体制だったが、一昨年九月末に外科医だった院長が退職したことで二人体制となった。同病院は「できる限り早い時期に手術が再開できるよう、札医大などへの要請を続けていく」としている。
同病院は、檜山管内で唯一の、比較的高度な医療を提供できると位置付けられる二次医療機関。外科はこの機能を果たせなくなる。
骨折などに対応する整形外科や、循環器系、泌尿器科の手術は、四月以降も現体制のまま続ける。
函館開港百五十周年記念事業実行委員会は二十五日、公式ウェブサイト「ハコダテ150」を開設し、同サイト上で函館港とカモメがモチーフの公式シンボルマークを発表した。
サイトでは、同事業に向けた作業の進ちょく状況を報告するほか、函館の話題や生活情報なども提供する。各月特集コーナーを設け、今月は函館のラーメンにスポットを当て、歴史などを紹介した。このほか「函館の人百五十人」「函館の本百五十冊」のコーナーも設けた。
サイトとシンボルマークはともに、同実行委の下部組織のワーキンググループメンバーが作成している。(成田智加)
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見ごろになった桜並木=函館・桜が丘通り |
例年より一足早く、桜が開花した。連休前の二十五日、函館市内の公園などでは、早くも花見を満喫する市民の姿が見られた。
市内の松陰、柏木、人見、乃木の四町にまたがり、桜の名所として知られる「桜が丘通り」では、直線道路沿いの桜並木が彩り始め、桜を眺める人の姿も増えてきた。
五稜郭公園では、夕暮れの迫る中、家族連れや会社員のグループがシートを広げてジンギスカンを囲み、あちこちで「乾杯」の掛け声が上がった。市内の男性会社員(38)は同僚三十人と午後六時から宴会を始め、「桜はきれいだが、やっぱり夜は寒いね」と防寒具を着込みながらビールを飲んでいた。
函館公園と五稜郭公園では二十六日から夜桜を楽しむ夜間照明も始まり、連休のスタートに合わせ、本格的な花見シーズンが始まる。
しめ縄を四方に張った結界の中で冷水を浴びる副住職(手前)ら |
函館市谷地頭町一の臥牛山妙心寺(若松日信住職)の新春初祈祷(きとう)会が六日に開かれ、副住職ら九人が冷水を頭から浴びる「水行」に臨んだ。
新春初祈祷会は新年初めてのお払いをする恒例行事で、今年は道南の檀家(だんか)と信者の計約九十人が参加した。水行は昨年十一月一日から始まっており、この日を含めて計百日間、連日行う。
この日、若松裕泉副住職(30)、信者ら計九人が、境内に張った結界の中で祈願をし、「水行桶(おけ)」と呼ばれる木製の手おけで十数回、冷水をかぶった。その後は本堂で住職が初祈祷をし、今年の吉凶などの話をした。
副住職は「百日間の水行のうち、三十五日目までは自分を清めるため、以降は家族や世の中の無事を願って行います」と話していた。(松崎聖子)
【八雲】町役場の保健師だった町内栄町の山内智子さん(34)が、美容関連商品などのインターネット販売会社「Wellbeing(ウェルビング)」を設立、熊石海洋深層水などで作ったせっけんなどの販売を始めた。山内社長は「保健師の経験を生かし、地域の素材を使った商品で町を元気にしたい」と張り切っている。
山内さんは看護師の資格も持ち、昨年九月まで十一年間、町保健福祉課で、健康相談などにあたってきたが、退職し十月に会社を設立した。
以前から「いつか自分で会社を経営してみたいと思っていた」という山内社長。忙しい保健師の仕事で肌の悩みも抱えていたさなか、八雲町と合併した熊石の海洋深層水を知り「これで美容や健康に良い商品を作りたい」との思いが強まったという。
最初のオリジナル商品となるせっけん「プレミアムハニーソープ」は保湿効果がありミネラルが豊富な熊石海洋深層水のほか、八雲産はちみつ、深層水から作られた塩などを使用。「はちみつも保湿効果が高く、つっぱらない。自然素材がベースなので肌にも優しい」という。開発、製造は福岡県の職人に頼んだ。
このほか自分が気に入った化粧品やサプリメントなどを代理店としてネット販売。さらに深層水を使った入浴剤なども開発中だ。
せっけんは一個(百グラム)三千六百円。同社のホームページアドレスは「http://www.wellbeing-hokkaido.jp」(草間康弘)
【せたな】七十年以上営業してきた町内北桧山区の老舗(しにせ)「さくま旅館」が七日に閉館する。経営者の佐久間治男さん(77)、恵美さん(72)夫妻が体調を崩したことから、幕引きを決断した。利用者らから惜しむ声も多い。
同旅館は一九三一年(昭和六年)に創業、七五年ごろまでは佐久間さんの母親が切り盛りし、その後を恵美さんが引き継いできた。治男さんは町役場職員を定年まで務めた後、老人ホームの施設長を経て、九六年から旅館を手伝っている。
三二年の旧国鉄瀬棚線の開業や五五年の旧太櫓村と旧東瀬棚町の合併などまちのにぎわいとともに旅館も盛況だった。まだ道路事情が悪い時代は町内や近郊の商店に商品を卸す問屋のビジネス客が多く、最近では工事関係者が主流だった。「物がない時代はよく電球や布団を盗まれた」と治男さんは笑って話す。
七三、七八年のオイルショックからバブルの崩壊、不況など宿泊客は年々減少してきた。さらに、治男さんと恵美さんが今年に入って体調を崩し、後継者もいないため閉館を決めた。
利用客に惜しまれながらの閉館に、佐久間さん夫婦は「閉めると思うと寂しいが、体調を考えるとやむを得ない」と話している。(中村正)
フィリピンから訪れた(左から)マリッサさん、アナ・マリアさん、ベルナデッタさん |
函館白百合学園中学高校(青木タマキ校長、五百二十四人)は八日から、海外の教員を対象としたユニークな短期研修制度を始めた。第一陣はフィリピンの女性教師三人で、十日間の研修プログラムを通じて日本の教育現場を体験し、フィリピンの現状などを同校の生徒や先生に伝える。
三人は、マニラ市内にあるカトリック系高校の現役校長マリッサ・メンデズさん(42)、元校長のベルナデッタ・パダウェルさん(47)、英語教諭アナ・マリア・ヘルナンデスさん(32)。いずれも来日経験はなく、マリッサさんとベルナデッタさんは、白百合学園も運営するシャルトル聖パウロ修道女会(総本部イタリア)のシスターだ。
この制度は、白百合学園の英語科教諭でジャマイカ出身のナターシャ・ニコル・ウォーカーさん(31)が「先生は国際教育の場で指導力を磨くことができ、生徒は授業の中で異文化に触れられる」と、二年前から構想を温めてきた。今春から学校ぐるみで実現を目指すことが決まり、研修希望者の募集については同修道女会の協力を得た。
三人は七日に函館入りし、九日まで事前準備を行い、十日から教壇に立った。中学三年生の授業では、生徒たちから五稜郭、西部地区、湯の川といった函館の名所旧跡について英語で説明を受けたり、フィリピンのマンゴーにまつわる伝説や食文化などを笑顔で紹介。四十五分間の授業を終え、「素晴らしい生徒たち。滞在中はぜひ函館の魅力も堪能したい」と結んだ。
三人は寮生活をしながら、観光で市内を巡る土日を除き最終日の十九日まで、英語の授業や国際理解の研修会を実施する。最年少のアナ・マリアさんは「日本での貴重な経験を母国に持ち帰り、同僚たちと共有したい」と話した。授業を参観した青木校長は「初めての試みでどんな効果が出るか楽しみ。来年以降も国外から教員を受け入れていく」と意欲を語った。(山村晋)
【木古内】戊辰戦争で犠牲になった旧幕府軍兵士を慰霊する「第十六回戊辰役東軍殉難者追悼会」が十三日、町内の最勝寺で開かれ、激動の時代に倒れた兵士の冥福を祈った。
追悼会は敗れた旧幕軍戦死者の追悼を目的に、東京の出版社に勤める大出俊幸さん(70)らの呼び掛けで戊辰戦争ゆかりの全国各地で毎年開かれている。今年は戊辰戦争の最後の戦い、箱館戦争の激戦地の一つ、木古内が開催地となった。
この日は、旧幕軍兵士の子孫や歴史愛好家ら約九十人が参加。箱館戦争で二人の息子とともに戦死した中島三郎助の子孫、中島永昭さん(49)=札幌市=が「歴史の荒波に立ち向かわれ、覚悟の戦であったとお察しします。みなさまの追悼を行うとともに、世界中の不戦を願っております」と追悼文を読み上げた後、参加者が焼香した。
続いて、作家の合田一道さんが「咸臨丸と戊辰戦争」と題して講演した。十四日には、戊辰戦争にまつわる道南の史跡を巡るツアーが行われる。(満園徹)
【福島】町内の水産加工場十二社でつくる「福島町水産加工振興協議会」(湯浅章会長)は、前浜でとれたマイカでつくったスルメの味や鮮度をPRしようと、ブランド化を目指している。町民から公募した地場産スルメの新しい商品名も「イカす海峡スルメ」に決まった。
町のスルメの生産量は二○○六年で二千三百四十トン。全国有数の生産量を誇り、身が厚く、味もよい。その割に知名度は低く、他産地のイカでつくったスルメと同様の商品名で販売されてきた。このため同協議会は新しい商品名で販売することで差別化を図ることにした。
同協議会は今後、試作品をつくり、町内外の試食で評判が良ければ、「イカす海峡スルメ」の名前で商品化する方針だ。(満園徹)
【北斗】市教委は十一日、道南農試(北斗)開発のブランド米「ふっくりんこ」の北斗産米を、市内の全小中学校十六校の給食に導入する。今秋、道央にも販路が拡大され、人気が高まっているふっくりんこを、地元の子供たちに食べてもらおうと、新函館農協が米の提供に協力。今年の新米から、一日約五千食がほぼ毎日、学校給食で登場する予定だ。
同農協によると、ふっくりんこの学校給食導入は道内初。市内の学校給食は現在、北斗産ほしのゆめを使用。同農協がふっくりんこの産地でもある北斗の市教委に、導入を提案した。十一日からはパン食の日を除く週四日、通年で、学校給食にふっくりんこが出される。年間約六十トンを提供予定。
学校給食で使用する米は北斗産に限定。このため、同農協は学校給食用の北斗産と他地域産とを分けて精米。値段も通常、ふっくりんこはほしのゆめより二割ほど高いが、学校給食に導入しやすいように、ほしのゆめと同じ値段で提供する。
市学校給食共同調理場の沢村静夫所長は「ふっくりんこはおいしいと評判。給食を残さずに食べる子が増えてほしい」と期待。同農協米穀課は「ふっくりんこは今秋、札幌でも販売されるが、まず地元ファンを増やしたい。他にも学校給食に導入したい地域があれば、協力しますよ」としている。(堂本晴美)
十月二十七日に開幕する第三回はこだて湯の川温泉泊覧会(オンパク、実行委主催)の事前体験会が九月三十日開かれ、地元の観光や行政の関係者が函館市内に残る石川啄木の足跡をたどった。
一日の予約開始を前にオンパクの魅力をPRする狙い。二十八日に予定されているツアー「啄木の過ごした函館での132日間を探る」を短縮して行った。
日本近代文学会会員の桜井健治さんが案内人を務め、日乃出町の「啄木座像」や立待岬の「啄木一族の墓」など十数カ所を回った。桜井さんは「函館は啄木が歌作りへの思いを再燃させた特別な地」と述べ、参加者は興味深そうに聞いていた。
オンパクは湯の川温泉街などを舞台に散策やグルメ、美容など七十種類の体験型企画を用意。問い合わせは実行委事務局(電)0138・59・3789へ。(石井昇)
【津別】津別町農協(山下邦昭組合長)は、ポテトチップス加工用ジャガイモの貯蔵施設を町内活汲に建設する。製菓大手のカルビー(東京)向けの出荷施設で、温度、湿度の徹底管理で長期保存と品質保持を図る。早ければ8月下旬にも着工し、年内の完成を目指す。
建設地は、同農協のタマネギ集出荷貯蔵施設の隣接地。鉄骨造り平屋建て、延べ3420平方メートル。貯蔵能力は4351トンで、720トンごとに分かれた6室でコンテナ貯蔵する。空調冷蔵設備を備え、室温は夏でも7度前後に保てる。総事業費は約9億2千万円で、うち約4億3千万円は国の「強い農業づくり事業」の補助を受ける。
同農協は1975年から同社と取引があり、加工用ジャガイモは組合員の約25%に当たる40戸が生産。これまで年間4千トンを出荷しているが、新施設建設で1千トン増の5千トンを見込む。供用開始は来年8月の予定。
同農協経済部の有岡敏也部長は「安定的な出荷先の確保を図りながら、組合員の所得向上につなげたい」と話している。
網走管内では、美幌町農協が加工用ジャガイモ貯蔵施設を建設中。湖池屋(東京)に出荷するための施設で、貯蔵能力は3260トン。9月の完成を目指している。(斉藤和浩)
【稚内】宗谷管内の農園やチーズ工房などを回る「最北端農村ふれあいラリー」が、六月一日から九月三十日まで開催される。生産者と消費者や観光客の交流を深めるのが狙い。集めたスタンプの数に応じて、抽選で農畜産物が贈られる。
管内の農家などでつくる「最北端農村クロスロード交流会」の主催。九回目となる今回のチェックポイントは二十カ所で、サロベツレストハウス(豊富町)が新たに加わった。二カ所以上を回ると牛乳券またはヨーグルト券が百人に、六カ所以上で五千円相当の農畜産物詰め合わせが十人に、十二カ所以上回ると一万円相当の農畜産物が十人に、それぞれ抽選で当たる。
応募者は年々増え、二〇〇八年は過去最多の三百二十九人が応募した。昨年の参加者からは「このラリーがなければ行かなかった店に寄れたのがよかった」(神奈川、四十歳男性)といった感想のほか、転勤で宗谷にやって来た参加者から「土地を知る良いきっかけになった」などの声もあった。
用紙は各ポイントで配布されているほか、宗谷支庁農務課のホームページからもダウンロードできる。問い合わせは同支庁農務課(電)0162・33・2950へ。(片岡澄江)
ラリーのチェックポイントは次の通り。
▽稚内市=稚内牛乳、カヤニファーム、大硲(おおさこ)牧場、悠遊ファーム、ゲストハウスアルメリア▽猿払村=牛乳(ちち)と肉の館、円丁牧場▽浜頓別町=ゆうこのチーズ小屋、よつ葉乳業宗谷工場、ファーマーズ・マーケット・ペレ、山奥のファームインぶんちゃんの里▽中頓別町=高橋牧場チーズ工房▽枝幸町=歌登木イチゴ栽培耕作組合▽豊富町=サロベツファーム、ミセス・ロビンソン、工房レティエ、川島旅館、豊富牛乳公社、北崎農園、サロベツレストハウス
【上富良野】町特産・かみふらのポークをPRしようと、町商工会むらおこし委員会が「うまいものMAP」を三万部作った。町内の観光施設だけでなく、JR旭川駅や周辺市町の道の駅でも配布している。
観光資源を強化しようと、昨年発足した同委員会が、観光客から「地元産の豚肉はどこで食べられるか」といった問い合わせが多かったことから、昨年末から取り組んだ。
マップは縦二十一センチ、横三十七センチの表裏で、豚丼やとんかつ定食、焼き肉などでかみふらのポークを使った料理が食べられる店や、豚肉が購入できる店など二十七店を地図と料理写真付きで紹介している。
マップ制作をきっかけに新たなメニューを作った店もあり、商工会は「多くの観光客が来てくれればいいのはもちろんだが、地元の豚肉への関心がより高まれば」と期待している。(安房翼)
【富良野】市内在住の倉本聰さんが脚本を手がけ、昨年秋に放送されたテレビドラマ「風のガーデン」の舞台となった庭園が二十九日、市内中御料の新富良野プリンスホテル内にオープンした。
庭園は、旭川市の上野ファームの上野砂由紀さんの監修で二年間かけて造成。広さは約二千平方メートルあり、三百六十五品種、二万株以上の花を植えている。
咲いている花の種類はまだ少ないが、この日は午前八時のオープンからドラマのファンらが続々と訪れた。
白壁の「グリーンハウス」内には、ピアノや家具などのセットも再現されており、岩見沢市の市嘱託職員高橋通江さん(34)は「テレビの世界そのもの。花盛りの七月にまた来たい」と話した。
開園時間は午前八時から午後四時。五月六日まで毎日営業し、以降は土、日曜日のみ。五月三十−十月四日までは毎日営業する。料金は一人五百円。問い合わせは同ホテル(電)0167・22・1111。(山中いずみ)
売り上げの一部が旭山動物園に寄付されるカップラーメン「大吉」の新シリーズ |
【旭川】旭川市旭山動物園の新施設整備のための「あさひやま“もっと夢”基金」の応援商品として、エースコック(大阪府吹田市)がカップラーメン二種類を発売した。一個売れると同基金に一円が寄付される。
発売されたのは、同社のロングセラー「大吉」の新シリーズで「焼豚しょうゆ」と「焼豚塩とんこつ」。おみくじが付いており、当たると同動物園の本年度年間パスポート(千円)がプレゼントされる。希望小売価格は各百七十円(税別)で道内限定販売。
エースコックが同基金の応援商品を発売するのは一月のカップラーメンに続き二回目。すでに同基金に百五十万円を寄付している。
北見身体障害者福祉協会が運営する「麺(めん)や ふくっくる」(北見市北四東三)が、今月末で開店から丸一年を迎える。そばやうどん、天丼などをセルフ方式で提供する店で、足などに障害がある五人がいきいきと働いている。(熊井君予)
「いらっしゃいませー」。お昼、茶色ののれんをくぐると、レジの大江悦子さん(52)が元気な声で迎えてくれる。
客は、えびや野菜各種の天ぷらを好みに応じて皿に取り、レジの前でそばやうどんを注文する。天丼やおにぎりもあり、最近はカレーライスを始めた。
ふくっくるは、市の「障害者の働く場づくり市民プロジェクト」から生まれた。現在働くのは三十−六十代の女性三人、男性二人。
大江さんは股(こ)関節に人工骨を入れている。多くの職場で働いてきたが「みんな障害者なので、足が痛い時も気兼ねなく休み休みできて、働きやすい」と笑顔を見せる。
開店当初は従業員の不慣れもあり売り上げが伸びず、夏場に一カ月間休業。体制やメニューを刷新して再出発した。
店長の城丸直義さん(68)は「昼の混雑時も待たせない自信があります」という。北見身体障害者福祉協会の佐藤芳太郎会長は「健常者でも雇用情勢が厳しい中、何とか障害者の雇用を守りたい」と話している。
営業面は厳しく、初年度は同協会の別の事業で赤字を埋めざるを得ない。今後、めんとご飯物のセットなどもメニューに加え宣伝に努める考え。一日三十人から多くて五十人の集客を、毎日五十人程度まで増やすのが目標だ。
【斜里】知床毘沙門堂など三堂がある斜里町日の出の「知床知布泊(ちっぷどまり)村」で二十九日、例祭と村民祭が開かれ、京都仏教会の有馬頼底(らいてい)理事長や作家の立松和平さん、俳優の菅原文太さんら町内外の約三百五十人が参列した。
「知床知布泊村」は一九七九年、町内で自動車販売会社を経営する佐野博さんと立松さんが「知床の自然とかかわる場所を」と、旧日の出小学校跡地にログハウスを建てて「開村」した。京都仏教会などの協力で知床毘沙門堂、知床聖徳太子殿、知床観音堂が建立されている。
例祭は今年十四回目。法要では有馬理事長が「知床は素晴らしい緑と水の象徴。遺産登録後も変わらずに自然が守られていて素晴らしい」と講話した。その後の懇親会では地元産の農産物や海産物がふるまわれ、参列者同士で交流を深めた。(鈴木智恵)
【利尻富士】札幌医大医学部付属臨海医学研究所の高橋延昭副所長(62)と、高橋副所長と海藻成分の薬効に関する共同研究をしている西日本酵素(熊本県)は、廃棄物になっているウニ殻などを原料にした肥料の試作品を作った。
ウニは利尻島の主要な海産物だが、年間で約四百トンのウニ殻が廃棄されている。このため、高橋副所長はウニ殻の有効活用として、海藻を肥料にしている西日本酵素がホタテの貝殻を使った肥料づくりを進めていることに着目。二年前からウニ殻利用の開発に乗り出した。
町や利尻漁協、地元の加工場の協力を得て、一年目はウニ殻に米ぬかを混ぜて発酵させた肥料を試作した。知人に園芸栽培で使ってもらったところ、「栽培されたホウレンソウは土臭さが少なく、とても食べやすい」との評価を得た。
その後、肥料としての有効性を高めるため、ウニ殻と米ぬかのほかに利尻でとれた魚のアラ(サケの頭)を加え、発酵させた肥料を四月に開発した。
高橋副所長は「ウニ殻で肥料が作れることが分かり、成果があった。今後は、利尻島内で循環させていくアイデアを考えていきたい」と話している。(佐藤里恵通信員)
第四十九回旭川冬まつり(二月七日−十一日)の大雪像製作を担当する陸上自衛隊第二師団の協力隊編成完結式が八日、石狩川旭橋河畔会場(リベライン旭川パーク・コミュニティランド)で行われ、雪像作りがスタートした。
完結式には、第二特科連隊などから約二百五十人が参加し、吉永幸男連隊長が「妥協せずに、思い出に残る素晴らしい雪像を作ってほしい」と訓示。同まつり実行委会長の西川将人市長も「昨年以上の来場者数を目指してPRに努めるので、体調を崩さぬように取り組んで」と激励した。
会場には昨年十二月上旬から、市街地の排雪を運び込んだ。二百五十人の協力隊は、北海道洞爺湖サミット開催前に旭川から環境保護を訴えるメーン雪像「環境船テラ」、三コースの滑り台を備える「夢と勇気のすべり台」、会場入り口の「スノー・ポート・ゲート」の三基を製作し、二月七日に引き渡す。(五十嵐知彦)
北見市内で始まった全道高校カーリング大会 |
【北見】全道高校カーリング大会が四日、北見市内の河西建設カーリングホールで始まり、道内の男女六チームが日ごろの練習の成果を競った。大会は六日まで行われ、優勝チームは三月に青森市で開かれる全国大会への出場権を獲得する。
男子の部は、チーム妹背牛(空知管内妹背牛町)、南富良野高(上川管内南富良野町)、常呂ルーキー(北見市常呂町)、レパード(同)の四チーム、女子の部は、ウィンター・スター(妹背牛町)、南富良野高の二チームが出場した。男子は四チームによる総当たり戦の後、上位二チームが決勝戦を行う。女子は五試合を行い、三勝したチームを優勝とする。
会場内のリンクでは、選手たちが真剣な表情でストーンを投げていたが、思い通りの場所に行かず顔をしかめる姿も。チームの仲間からは「惜しい」「もうちょっと内側」など、大きな声が掛けられていた。(岡本玄吾)
【稚内】ゴマフアザラシが集まる市内抜海の抜海漁港に今年も、市の「ゴマフアザラシ観察所」が開設され、観光客らが早速訪れている。
観察所は二○○三年から毎年開設。これまでは望遠鏡や双眼鏡は置いておらず、観察所から数十メートル離れた地点で群れを成すアザラシが見えづらかった。このため、今年から遠隔操作でアザラシを写すビデオカメラを設置し、観察所内のテレビモニターで鮮明に見られるようになった。
現在、抜海漁港には二十−三十頭のアザラシが浅瀬の砂地や消波ブロックの上で寝そべるなどして、愛らしいしぐさを見せている。十二月から翌年三月のピーク時には、二百頭以上が集まるという。観察所は来年三月末まで、午前九時から午後四時まで開設している。(上家敬史)
訓子府町内で進行中の旧ふるさと銀河線のレール撤去作業=4日 |
【訓子府】町が売却した旧ふるさと銀河線のレールの撤去作業が本格化し、購入業者によって五日までに、旧訓子府駅周辺の約五百メートル分が取り外された。同町内の旧線路区間は十一キロで、十一月末をめどに全線撤去を予定している。
レール一本の長さは二十五メートル、重量は一トンに達するとあって、一日から始まった作業は慎重に進められている。枕木から外されたレールは、ショベルカーで旧訓子府駅構内までけん引。トラックでの運搬に備え、半分の長さに切断されて保管されている。レールは本州などで建材などとして再利用されるという。
訓子府町と同様、レールを業者に売却した置戸町内でも今月中旬から撤去作業が始まるほか、北見市は早ければ今月中にレール売却の競争入札を行う方針だ。(山本忠彦)
【紋別】流氷砕氷船「ガリンコ号2」(一五○トン)の女性船長として活躍してきた跡部幸(みゆき)さん(23)が、今月末で運営会社のオホーツク・ガリンコタワー社を退社する。カナダの語学学校で英語を学び、世界を旅して巡る夢を胸に、十四日、最後のクルーズを迎える。
大阪府堺市出身の跡部さんは、大島商船高等専門学校(山口県)を卒業した翌月の二○○五年十月、「流氷の中を走るオレンジ色の船に魅せられて」(跡部さん)、船長研修生として入社。三級海技士の資格をとり、山井茂船長(54)の指導のもと、操舵(そうだ)法や定置網の位置、潮の傾向などを学び、甲板員となった。今年四月から跡部さんも船長となり、ガリンコ号のかじを握ってきた。
オホーツクの地で過ごした冬は、○六年に海氷の積算面積が過去最小を記録するなど、流氷に恵まれない二年間だったが、「流氷帯に突き進むと(操舵室で)聞こえるお客さんの歓声がうれしかった」と振り返り、「毎回違った姿を見せてくれる流氷はきれいで、また紋別に来たい」と話す。
来春からカナダでホームステイをしながら英語を学び、「将来は船にも乗って世界中を旅して回りたい」という跡部さん。山井船長は「紅一点の人気者が居なくなるのは寂しい。でも跡部はここで一人前になれたんだから外国でだって頑張れる」とエールを送る。
十四日の釣りクルーズは午前七時から午後零時までで、跡部さんは甲板員として乗船する。(木村啓太)
【枝幸】宗谷管内郷土芸術祭写真展(宗谷管内文化団体連絡協議会など主催)が十四日まで、町中央コミュニティセンターで開かれている。四季折々の詩情あふれる風景を写した作品が、来場者の目を楽しませている。
枝幸と浜頓別二町の愛好家が、2Lサイズから半切までの六十一点を出品した。主管する枝幸町文化協会の写真サークル光と海の倶楽部の比嘉良宣代表は「ネーチャーフォトを中心に力作がそろいました」と話す。クッチャロ湖のコハクチョウや朝日に染まる漁港、秋の牧草地帯を彩る牧草ロールなど、どの作品も道北の自然の表情をとらえた力作ばかり。午前九時から午後五時まで。
【利尻富士】町内中心部にある鴛泊商店街のより魅力的な街並みの形成を目指し、町はこのほど、町役場で建築家の藤島喬さん(札幌在住)とデザイナーの藤島亮さん(空知管内栗山町在住)を招いた「まちなみ形成ミーティング」を開いた。
ミーティングは三日間で、商業関係者や役場職員ら延べ七十人が参加。藤島喬さんと藤島亮さんを交え、街並みづくりへの考えを出し合った。
会場には、全長四メートルほどの二百分の一の鴛泊商店街の模型が展示され、訪れた町民に街並みに関する意見を付せん紙に自由に書いてもらい、模型に張ってもらった。商店街から見える海の景観を生かした建物や遊歩道の整備などの意見が多く寄せられていた。
ミーティングの結果は今後、役場一階のロビーに展示される。二十日午後七時からは、今回の結果も踏まえた「まちなみ形成講演会」が利尻島開発総合センターで開かれる。
【網走】「ドドン、ドドン」。トナカイの皮の太鼓が響き、踊り手たちが一心不乱に体をうねらせる。「パチッ、パチッ」。祭壇の炎が闇を焦がす。網走の秋の長期イベント「カムバックサーモンin網走湖」が一日夜、網走湖畔の呼人浦キャンプ場(呼人二五)で開幕した。
湖に流れ込む川に遡上(そじょう)しようとするサケをライトアップし、網走の魅力として発信するのが目的。観光客ら約三百五十人が訪れ、無料のサケなべを味わったり、北方民族の伝統を取り入れたオロチョンの火祭りを見物した。ムックリや太鼓の音に合わせて踊る人も。家族四人で訪れていた岡山市の無職浜口征男さん(64)は「旅館で聞いて参加しました。雰囲気があって楽しい」と喜んでいた。
十一月十一日まで。平日は午後七時半から九時まで、土曜日と日曜日、祝日は午後一時から九時まで。問い合わせは市観光協会(電)0152・44・5849へ。(川浪伸介)
【稚内】高齢者施設や病院を訪問し、触れ合うことを通じて入所者や患者に安らぎを与えるセラピー犬の選考会が三十日、市動物ふれあいランド内のゲストハウスで開かれた。大型犬のゴールデンレトリバーから、小型のジャックラッセルテリアまで十五匹がセラピー犬の仲間入りを目指した。
二年前からセラピー犬の派遣活動に取り組んでいる市民有志「稚内スター犬の里を進める会」(山本四朗代表)が、新たなセラピー犬を発掘しようと初めて実施した。
稚内や留萌、豊富から飼い主と犬が参加。審査では、室内の長さ約三十メートルのじゅうたんの上を犬が飼い主と共に歩行。四カ所の関門があり、性格やしつけが試された。
車いすに乗ったお年寄り役のスタッフと触れ合う所では、知らない人にもおとなしく接することができるかを観察。ほかにも、突然テレビの大音量が流れてきたり、ボールが投げられたりし、動じないかをチェックした。思わずボールを追いかけてしまう犬も何頭か見受けられたが、大半は飼い主の指示に従い、ゆっくりと通路を歩いた。
審査の結果、参加したすべての犬が今後の訓練次第でセラピー犬になれると判断された。審査員を務めたドッグトレーナーの宮忠臣さんは「十月中に何頭かを連れて、市内の老人施設を訪問したい」と話していた。(上家敬史)
【網走】戦争体験を次世代にと、市民二人が相次いで第二次世界大戦にかかわる本を出版した。郷土史研究家の菊地慶一さん(75)は「沖縄で骨を掘る」を出し、沖縄戦で多くの犠牲者が出た、「ガマ」と呼ばれる自然洞窟(どうくつ)で遺骨を集める人びとを描いた。川柳作家の小玉カヨさん(73)は、生まれ育った樺太(サハリン)での自らの戦争体験を「敷香(しすか)の海鳴り」としてまとめた。それぞれに、戦争のむごさを訴えている。
一九四五年(昭和二十年)四月から六月にかけ、日米両軍が激しくぶつかり合った沖縄戦では、ガマに隠れた日本兵や住民が銃撃などで殺害されたり、集団自決した。菊地さんは、多くの道内出身者が沖縄戦で命を失い、現在もガマで遺骨収集を続ける遺族がいることに驚き、当時の状況や遺族の思いなどつづった。
兄の遺骨を求めて十五年間、ガマを掘り続けた斜里町の夫婦は、目的を達することができなかったが、六百七十三人の遺骨を掘り出し、「名も知れぬ人の遺骨を収集することによって兄の慰霊は十分にできた」と語る。
このほか、学徒出陣で沖縄へ赴いたが、終戦を知らずにガマで息絶えた小樽出身の青年の話、菊地さんが自ら遺骨掘りを体験した様子なども描かれている。B6判、二百八ページで、千二百円。
一方、小玉さんは三四年、樺太・敷香(ポロナイスク)の百貨店を営む家に生まれた。四五年、旧ソ連軍の樺太侵攻で家族とともに逃げまどうつらい経験をした。四七年、帰還がかない、真岡(ホルムスク)から船で函館にたどり着いた。
敷香で暮らしていた際、ソ連将校の家族と仲良くなったが、「個人的に付き合えば良い人だが、なぜ国となると戦争になるのか」と子ども心に感じた。兄が射殺され、その亡きがらを直接目にした時、「心が凍りつく思いがした」と振り返る。
小玉さんは二○○四年に五十七年ぶりに樺太を再訪した時の思いもつづった。反戦の思いを込めた川柳や童話なども盛り込んでいる。B6判、百二十三ページで八百円。
二人の本はいずれも、市内の書店で販売している。
農地の貸借や売買をインターネット上で仲介する「農地情報提供システム」が四月から本格スタートした。農地の有効活用が狙いで、新規就農の希望者にも貴重な情報になりそうだ。
運営するのは市町村農業委員会の全国組織である全国農業会議所(東京)。農林水産省から受託し、今年一月に試験運用を開始。ネット上に登録物件を公開し、希望者は地域や面積、価格などから希望の農地を検索できる仕組みだ。
登録件数は一万件が当面の目標。システムの利用料と仲介手数料はいずれも無料にしている。登録物件は現在、約五千件。アクセス数は十万件を超えた。既に道内の二件(いずれも岩見沢市内)で契約が成立した。
購入や借地の希望があれば、同会議所側が希望者を現地へ案内し、その意志が固まった段階で、所有者に連絡し交渉を始める。新規就農を希望する場合には、農地法の規制などを事前に説明した上で、交渉を進めるようサポートする。
物件登録については、同会議所が現地の農業委員会に照会し、虚偽登録などのトラブルが起きないようチェックもしている。
同会議所は「農地は貴重な財産。遺産相続で地方に農地を持つ都会暮らしの人や、新規就農を目指している人にも積極的に活用してもらえれば」と期待している。
道内のチーズ生産を支える乳製品・牛乳製造工場が二〇〇七年末で百十七カ所と、前年を十カ所下回ったことが農林水産省のまとめで分かった。右肩上がりだった工場数が前年を下回ったのは十九年ぶり。小規模経営のチーズ工房を中心に競争が激しくなり淘汰(とうた)が始まったためとみられる。
〇七年末の全国の乳製品・牛乳製造工場は前年比四十カ所減の六百九十九カ所。このうち道内は16・7%を占め、業態別の統計はないものの、チーズ工房が約半数を占めるとみられる。
道内は〇六年までの十年間だけで四十カ所以上も工場が増えた。だが、〇七年は減少に転じ、特に一日の生乳処理量二トン未満の小規模工場が九カ所減った。「競争の激化で廃業するところが出てきている」と農水省北海道農政事務所。
十勝管内のあるチーズ工房は「十数年前は業者数がまだ少なく注目されやすかった。今は味などでよほど特色がないと、新規参入しても顧客獲得は難しい」と指摘する。
ただ、輸入チーズの高騰などを背景に道産チーズの需要は増えている。関東や関西の販路開拓に成功したチーズ工房もあり、業績の明暗がはっきりし始めている。
道産メロンのトップを切って、上川管内愛別町産メロンの初競りが二十六日朝、札幌市中央卸売市場で行われ、最高で五玉(八キロ)三万三千円のご祝儀値が付いた。
メロンは同町の農家柳橋良雄さん(67)がビニールハウスで栽培した赤い果肉の「ルピアレッド」。二月上旬に定植し、収穫や初出荷の時期は例年並みという。五玉入り一箱と、二玉入り五箱の計十五玉が競りにかけられ、一万−一万三千円で競り落とされた。
上川中央農協(愛別町)は「暖かい日が続いたので、例年より一回り大きい。寒暖の差もあり、糖度も高い」と自信を見せる。
同市場の卸売業、丸果札幌青果の担当者も「今年はネットの張り方がいい」と話し、六月中旬から出荷が最盛期を迎える道産メロンの出来に期待していた。
【モスクワ25日加藤雅毅】北方領土・貝殻島周辺コンブ漁の操業条件を決める日ロ民間交渉は二十五日、妥結した。採取量は、前年比五百トン減の三千五百トン。これに伴い採取料は、同千三百十万円減の八千四百五十万円で合意した。
六月一日に出漁の予定。操業期間は九月末まで。前年より二隻少ない二百四十九隻が出漁を予定している。
採取量減少により、ロシア研究機関への機材供与も前年比五十万円減の三百五十万円に引き下げられた。採取量、金額の引き下げは、今年三月の流氷の影響などを考慮し、日本側が求めていた。
道水産会とロシア国家漁業委員会が、二十三日からモスクワで交渉していた。日本側団長の高橋英明道水産会副会長は「効率的な交渉ができ、ほぼ日本側の要望に沿った内容で妥結できた」と述べた。
遠別町の実行委関係者から、ヒラメの名誉オーナー証を受け取る星沢さん(左) |
【遠別】留萌管内遠別町の漁業者らが、同町沖の定置網で漁獲されるヒラメの「オーナー」を募集することになり、実行委員会のメンバーが二十四日、道庁を訪れて報告した。同管内小平町のタコ箱オーナー制度が昨年、二万人の応募がある人気を呼んだことから、留萌管内が道内一の水揚げを誇るヒラメに着目した。
三漁業者の定置網で漁獲されたヒラメを対象に、計百二十人のオーナーを一人一万円で募集。盛漁期の六月二十一日に水揚げされたヒラメを均等に分け、活締めにして宅配する。当日、船に乗って漁を見学するのも可能。漁がなくても最低二枚のヒラメを送る。
この日は、ヒラメとタコ箱のPR役の「名誉オーナー」に料理研究家の星沢幸子さんと高橋はるみ知事が決まり、星沢さんは「すてきな食材をPRできて、大変ありがたい」と話していた。
ヒラメオーナーの申し込みは二十七日−五月十日、実行委ホームページで。アドレスはhttp://rumoifan.net/hirame
表面がつややかな赤に仕上がった陶製のタコ(手前) |
【小平】本命が外れたらもらえます−。留萌管内小平町のいちい窯(村井フミ子代表)で、今年の「タコ箱漁オーナー・イン・おびら」記念品の陶製タコ作りが進んでいる。
五回予定している漁で、「タコが一匹も箱に入らなかった人にも楽しみを」と村井代表が考案。ボランティアで、一月から約三カ月間かけ、タコ箱募集枠と同じ三百個を一人で手作りしている。
信楽赤粘土が材料。縦四センチ、横八センチ、高さ五センチのタコ箱の上に、ひょうきんに足を踊らせた格好のタコが乗る。素焼きの後、上薬を塗り、一二三〇度で十六時間「本焼き」すると、表面はゆで上がったタコのように赤く、つやっぽくなる。
非売品で、タコが箱に入らなかったオーナーにのみ贈られる。
オーナー募集は五月七日から同二十日まで。
農林水産省がまとめた一−二月の農林水産物の貿易状況で、イカの輸出量が前年同期の六倍強となるなど、道内産を中心とする農水産物の海外輸出が急増していることが分かった。世界的な魚食ブームに加え、アジアの高所得者層が「高価だが安全でおいしい」と好んで買い始めていることが背景にある。
イカの輸出量は七千二百十三トンで、輸出額は前年同期の四倍近い九億五千九百万円。スルメイカが大半で、道内の通関量は前年同期の十倍以上の二百トン余りに達した。中国向けが多く、珍味原料などに使われている。
サンマはロシア、タイ、韓国などへの輸出量が前年同期の五倍近い一万二千九百トン、輸出額が四倍強の十億四千九百万円を記録。ホタテも米国向けを中心に、数量、金額とも約二倍のペースだ。
野菜や果物も同様で十勝管内から台湾などに輸出されているナガイモは金額で一割伸びた。道内産タマネギ、ジャガイモのアジア向け輸出も増えている。
輸出急増の背景には、「ロシアや米国などの大国で日本食が着実に浸透」(東京の水産物卸売業者)するなど、魚食が世界的に普及していることがある。
一般的に日本の生鮮食品は他国産よりも高価だが、中国産食品の安全性への懸念が広がる中、日本産の品質管理や味の良さが評価され、「香港、上海などの高所得者層が好んで購入し始めた」(大手商社)ことも大きい。
例えば育児用の調製粉乳は中国の消費者の間で「子供たちには安心なものを」と日本製品が人気に。一−二月の輸出額は四億五千万円ほどだが、道内酪農を下支えする商材に成長する可能性もある。
苫小牧のホッキで作った魚醤「北寄魚醤」 |
【苫小牧】食品加工のTSOスタッフ(苫小牧、太田正輝代表)は、水揚げ量日本一を誇る特産品のホッキ貝を使った魚醤(ぎょしょう)「北寄(ほっき)魚醤」を商品化した。うまみ成分のグルタミン酸や滋養強壮の作用があるタウリンを含んでいるのが特長で、今月末から販売する。
魚醤は、魚介類を発酵させたしょうゆに似た調味料。苫小牧産ホッキの付加価値を高めようと、二○○二年から苫小牧高専と産学連携で研究を重ね、商品化のネックとなっていたホッキ貝を新鮮な状態で保存する方法と、発酵臭を取り除く技術を確立した。
原材料は、ホッキと塩、こうじのみ。百ミリリットル当たりタウリンを五千ミリグラム、グルタミン酸を千二百ミリグラム含んでいるという。料理の隠し味として利用すると、ほのかにホッキの風味が出るほか、水で十倍程度に薄めれば、しょうゆとしても使える。百ミリリットル入り一本三千円。本年度は三百本を生産する。問い合わせはTSOスタッフ(電)0144・71・5139へ。
袋詰めされたばかりのホクレンパールライス「こだわり ふっくりんこ」(5キロ入り) |
ふっくら軟らかく、冷めても硬くなりにくい新高級ブランド道産米「ふっくりんこ」が三日、全道一斉に発売される。道南農試が開発し、二○○四年から道南地方限定で生産・販売されてきた銘柄で、全道規模の販売は今回が初めて。
道南では認知度が96%(北海道米販売拡大委員会調べ)とよく知られており、「おぼろづき」とともに「北の美食米」とされる。
今春から作付けを全道に広げ、夏には道南と北空知の四農協が品質維持のための栽培基準を含む協定を結んだ。
今年の作付面積は全道で千五百八十四ヘクタール。各産地とも好天に恵まれ、順調に生育が進み、約七千トン収穫される見通し。収穫後の試食では「食味も良く、本来のふっくら感が出て、上々の出来」(ホクレン米穀部)という。
道内の量販店、スーパーなどで販売。希望小売価格は五キロ二千百二十一円(税込み)。
大型コンバインを使って進められている稲の収穫作業。道民が道産米を食べる割合はさらに上がるか−=9月21日、岩見沢市 |
道民が道産米を食べる割合「道産米食率」が、今年初めて七割台に乗りそうだ。ホクレンが行ったアンケートでは、前年を7・6ポイントも上回る73・3%が「よく食べる米」として道産米を挙げており、道が卸売業者への調査などを基に近くまとめる食率推計でも70%を超えることが確実とみられている。ホクレンは「品種改良と『米チェンキャンペーン』などの成果」(米穀部)と分析。阿戸正明ホクレン専務は「目標の80%達成も見えてきた」と話している。(編集委員 久田徳二)
ホクレンのアンケートは、二十歳以上の女性モニターを対象に、「普段よく食べているお米」の銘柄を聞いた。その結果、六百二十六人中四百五十九人が「ほしのゆめ」「ななつぼし」などの道産米銘柄を挙げた。
前年のアンケートでは65・7%という数字が出ており、これは昨年の道の推計値67%と極めて近かった。このため、今年の道推計では70%台の半ばまで数字が伸びるのではないかと期待されている。
道のまとめによると、食率推計のデータが残っている一九七四年以降、最低は九六年の37%。以後二年間、低迷が続いたが、「ほしのゆめ」の本格販売が始まった九九年から急伸している。
好調な伸びについてホクレン米穀部は「道産米が確実においしくなってきたことに加え、官民挙げた食率向上の取り組みがある」とする。
JA道中央会などは十年前から食味に影響を与えるタンパク含有率の目標値を決め、食味で分類して用途を変えるなど、食味向上に取り組んできた。また、全国でも人気の高い「きらら397」に加え、「ほしのゆめ」「ななつぼし」「おぼろづき」など、立て続けに有力な良食味品種が登場、消費者の選択肢が広がってきた。
さらに、ホクレンと道、道米穀小売商業組合、コープさっぽろなど道内十六団体は二○○五年、北海道米食率向上戦略会議を設立。食べるコメを道産米に変える「米チェン」キャンペーンなど道産米消費拡大を進めてきた。
○三年の時点で、東北地方など道外主産県の県内食率がいずれも80%を超えていたことから、同会議は「二○一○年までに80%」を目標に設定した。悲願の「80%」は、目標年より早く達成されそうな情勢だ。
カナダ産牛肉の輸入条件見直しをめぐる日本とカナダ間の実務者協議が八日、東京で開かれた。カナダ側は日本が生後二十カ月以下としている輸入条件の緩和を求めており、牛海綿状脳症(BSE)感染を防ぐためのカナダの飼料規制の状況などを説明した。日本は月内にも報告書をまとめ、カナダとの交渉に入る。
協議ではカナダ側が《1》三年に一度だった飼料工場の検査を二○○二年から年一回に増加《2》○七年から脳など特定危険部位をすべての動物の飼料に使うことを禁止−などの対策を説明した。
カナダ産牛肉は米国産と同様、生後二十カ月以下の牛から特定危険部位を除くことが輸入条件。農水省は「ほぼ必要なデータが得られ、やりとりもできた」(動物衛生課)と評価。今後、条件見直しの交渉に入る。決着すれば内閣府の食品安全委員会に諮問する段取りだ。
価格の低迷が続く道内産ホッキ貝の消費を広げようと、道漁連は九−十一日、札幌市内などの鮮魚店百十店にホッキ貝を並べる初のセールを展開する。
道漁連によると、ホッキ貝の一キロあたりの道内平均市場価格は、二○○三年には四百円近かったが、○六年は三百七十二円、○七年上半期には三百三十円まで下がった。道漁連は「さばくのが難しい」という消費者の先入観がぬぐい切れない上、貝類のノロウイルス感染による風評などが影響し、消費が低迷しているためとみている。
セールは、札幌や江別などの鮮魚店百十店が毎月十日に合同で開く魚市「さっぽろ魚の日」の協力で実現。中でも札幌市内などの三十店では、大粒な胆振産黒ホッキ貝計一・二トンを販売する。ホッキ料理のレシピと貝のさばき方がわかる小冊子五万冊も用意し、各店で無料配布する。
参加店は「魚の日」の青いのぼりが目印。「さっぽろ魚の日」のホームページでも確認できる。アドレスはhttp://www.sapporo-sakananohi-10.com/
水産庁は八日、二○○七年度のサンマの長期漁況予報を発表した。道東沖から常磐沖までの北西太平洋海域の資源量は前年度比14%減の三百五十八万トン(推定値)で、体長二九センチ以上の大型サンマの割合も昨年度を下回る見通しだ。
調査は独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所(宮城県塩釜市)に委託して実施。今年六、七月に行ったトロール漁船などの漁獲調査で予測。同センターは「魚群の発見が少なく、日本近海に来るサンマは昨年度より減る見込み」としている。今年の国内のサンマ漁獲量上限である漁獲可能量(TAC)は三十一万六千トンで「資源量全体に大きな変動はなく、実際の水揚げ量に影響はないだろう」(同センター)と予測している。
朝霧が立ちこめる中、漁場を目指して出港するサンマ漁船=5日午前4時45分、釧路港 |
【釧路、厚岸、根室】サンマ漁の主力となる棒受け網漁は、小型船(一○トン以上二○トン未満)の操業が五日解禁され、釧路、厚岸、花咲(根室)など道東各港から約九十隻が、台風一過のロシア主張二百カイリ水域など道東沖の漁場へ向かった。六日午前にも初水揚げの見通し。
釧路港では午前四時すぎから、約三十隻が家族らに見送られ、順次出漁した。釧路市内の船主は「大ぶりの魚をたくさんとって、利益を出したい」と意気込んでいた。
ただ今年は、漁序盤の主漁場となるロシア水域で、ロシアが取り締まり強化を通告。漁業者団体の全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は、厳正な漁獲管理を目的に、同水域で各船の一日あたり漁獲量に上限を設けることにしたため、花咲港などでは「燃料代が高騰している中での漁獲量規制は経営への影響が大きい」と懸念する声もあった。
八日に中型船(二○トン以上五○トン未満)、十九日には大型船(五十一トン以上)の操業が解禁され、漁は最盛期を迎える。
26日の世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトル戦で、5度目の防衛を果たしたチャンピオン、内藤大助(宮田、胆振管内豊浦町出身)が27日、東京都内で会見し、34歳8カ月での防衛成功に「もう少しで35歳。でも、トレーニング次第で、まだまだ伸びる」と、さらなる防衛に意欲をみせた。
深く切った両まぶたの上の大きなばんそうこうが目立つ内藤は「口の中も、がっぱり切っちゃって、ご飯が食べられない」と苦笑い。ダウンを奪われるなど大苦戦の内容に「反省することばかり」と振り返ったが、スタミナについては「昨日も切れていなかった」と自信をのぞかせた。
次戦は暫定王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)との統一戦が90日以内に義務付けられる。内藤は「(90日は)きついな。せめて120日は欲しい」と言い、「次のことは全く考えていない。ボクシングのことは考えたくない」と、けむに巻いた。
迫力あるレースを展開した帯広競馬場 |
【帯広】帯広市単独開催二年目となる本年度のばんえい競馬が二十六日、帯広競馬場で開幕した。初日の馬券売り上げは約七千八百二十万円と、存廃問題で注目された昨年の開幕日を約三百五十万円上回り、好調な出足になった。
今年デビューした新馬戦など十一レースを行った。このうち、人気お笑いコンビ、タカアンドトシのトシさんが名付け、注目された新馬「ドオーダッシュ」は観客の声援を受け、二着と健闘した。同競馬場はカフェを新設するなど改装が進み、通常の週末の二倍近い約二千百人が来場した。
ばんえい競馬は来年三月三十日まで、週末を中心に百五十日間開催。帯広市は本年度の馬券の売り上げを前年度比約一割減の百十八億九千万円と予想している。
「満足してもらえるかな」。本番に向け調理の練習をする子どもたち |
【室蘭】経営の基礎を学ぶ起業体験として、室蘭や登別の小学六年生が十八日、一日限りのレストランを室蘭岳山麓(さんろく)総合公園内の研修施設に店開きする。子どもたちは、室蘭市の魚・クロソイのムニエルや、エゾシカ肉のステーキなど、地域の特産品を使ったメニューをすでに考案。八日には調理実習を行い、本番に向けて最終の準備を整えた。
室蘭信金が創立九十周年記念事業の一環で実施する。子どもの起業体験は全国的にブームになっているが、北海道経済産業局は、食べ物を扱う起業体験は「聞いたことがない」としている。
募集に応じた参加者は七十三人。七月から八班に分かれて準備を始め、フライドポテトなどのメニュー約二十品を考案。材料の仕入れ代や、人件費を計算し、例えばクロソイのムニエルなら、スープやデザート付きで九百円など“黒字”になるように価格を決めた。店長や会計などの役割を分担し、調理や接客も自分たちで行う。
この日の調理実習は、本番と同じ調理場で行われた。子どもたちは調理師の指導を受け、フライパンと格闘。売り上げや利益が最も高かった班は表彰されることもあり、室蘭市立地球岬小六年の山崎真瑠(まる)さんは「本番は注文を受け、急いで作るので大変そうだが、頑張りたい」と話していた。
当日は約三百人の来場を予定。午前十一時から午後二時まで開店する。
博物館のあり方を考える同大学院理学院の「博物館コミュニケーション特論」ゼミの主催。専門家と市民が科学談議を楽しむサイエンスカフェの歴史版で、人文的な面からも博物館に親しんでもらうのが狙いだ。大学院生が話し手となって、八月中旬まで三回開く。
初回の二十九日は、市販の鉄道時刻表から北海道の歴史を読み解く「化石としての時刻表」(一般対象、定員二十人)。理学院一年の柾谷(まさや)洋平さん(22)が、昭和四十年代からの時刻表を「化石」に見立て、時刻や駅間距離などの数字が物語る道内鉄道の盛衰を、写真やビデオとともに紹介する。
柾谷さんは「路線図や広告に世相が反映された時刻表は化石と同じ情報の宝庫。一カ月たてば用済みの時刻表が何十年かを経て、語りかけることを探りたい」と話している。
第二回は八月四日、「デスモスチルス化石の歴史」(中学生対象、定員十五人)で、化石の発掘から展示まで博物館の裏側を紹介。
第三回は同十八日に「北大の音楽史」(一般対象、定員七十人)。北大交響楽団の弦楽四重奏を交えながら西洋音楽と北大のかかわりについて話す。
各回とも午後一時半開始で、参加は無料。初回と第二回は予約が必要で、申し込みは氏名と参加テーマを記入し、電子メールhistorical@museum.hokudai.ac.jpへ。第三回につ いては当日直接会場へ。
全国千九百六十二市区町村の平均寿命「二〇〇五年市区町村別生命表」が二十四日、厚生労働省から発表され、女性では胆振管内壮瞥町の平均寿命が八番目の長寿となる八八・〇歳だった。また、十勝管内音更町が八七・四歳で二十四番目。男性では上位三十位に道内自治体は入らず、札幌市手稲区の八〇・一歳が最長寿だった。
一方、下位三十位に道内自治体から、男性で渡島管内森町の七五・七歳(十二位)、後志管内岩内町の七五・八歳(十五位)など六市町、女性は日高管内浦河町の八三・五歳(五位)、渡島管内福島町の八三・七歳(八位)など六市町が入った。
壮瞥町は平均寿命の男女差が一〇・三歳と道内で最大、全国でも二番目に大きかった。
最長寿の自治体は男性が横浜市青葉区の八一・七歳、女性は沖縄県北中城村の八九・三歳。全国の平均寿命は男性七八・八歳、女性八五・八歳だった。
調査は五年に一度実施。今回は〇四−〇六年の死亡数や〇三−〇六年の出生数などを元に算出した。
北海道社会保険事務局は、年金記録問題などの問い合わせに対応するため、道内に十六ある社会保険事務所と、二つの年金相談センターすべてで、土曜と日曜も相談を受け付けている。
十一日は、すべての社会保険事務所と相談センターで午前九時半から午後四時まで、十二日以降の土日は一部で午前九時半から正午まで受け付ける。
平日の相談は、相談センターを除く、すべての社会保険事務所で午後七時まで受け付ける。金曜日は十日を除き午後六時まで。問い合わせは、北海道社会保険事務局年金課(電)011・204・7008まで。
世界母乳育児週間(一−七日)にちなみ、八日午前十時から、米国やフィリピンなど約二十カ国で授乳イベントが開かれる。母乳育児に取り組む人が交流を深める狙い。国内では札幌の母親たちが呼び掛け、札幌など全国二十都市の母子約五百組が参加する予定だ。
一斉授乳は、母乳育児を進めるマレーシアの団体などが企画。参加者は現地時間の午前十時に次々と授乳する。五月にフィリピンで二万人以上が一斉授乳した記録があるが、複数の国での同時実施は初めてという。
国内で呼び掛けたのは、越後久美子さん(32)ら、札幌市内の母親七人。越後さんは登録会員だけが利用できるインターネットのウェブサイトのミクシィで、「母乳育児 in Hokkaido」の管理人を務める。
七人は、勤医協札幌病院小児科の瀬川雅史科長から企画を知り、七月からミクシィで情報を発信。東京や大阪などの母親から賛同を得た。
道内は札幌会場(白石区)だけ。約四十組が申し込んでおり、一分間授乳し、希望者にはスタッフが授乳の模様を写真に撮る。授乳後は瀬川科長が講演する。参加費は百五十円、写真希望者の参加費は二百円。
札幌会場のまとめ役の柴田奈緒美さん(37)は「会場に来られない人も自宅で同じ時間に授乳してほしい」と話す。参加申し込みはbf-in-hokkaido@sings.jpか、事務局へフ ァクス011・616・2319で。
不動産販売、バス事業のじょうてつ(札幌)は、来春完成する札幌市内の分譲マンションで、入居者が車を共同で使う「カーシェアリング」を導入する。同社によると、分譲マンションとしては道内初の試み。「二台目の自家用車」として使う利便性もPRし、マンション販売につなげたい考えだ。
今回はレンタカー会社のカーシェアリング事業を活用し、小型車二台を配備する。希望者は入会金三千百五十円のほか、月額の基本料金と時間ごとの加算料金をいくつかのプランから選び、毎月末に精算する仕組み。
じょうてつの試算では、買い物などで月八回、三十分間ずつ利用しても料金は約七千円程度で済むという。最大四十人まで登録でき、申し込みは実際に運転する五分前までできるようにする。
導入するのは札幌市豊平区月寒西三の一○に来年三月に完成する「じょうてつアイム月寒Aステージ」で、同社物件としては最大戸数の百四十一戸。「百戸以上を擁するマンションは初めてで、カーシェアリングを大きな売り物にしたい。買い物や子供の送り迎え用などを想定しているが、需要が大きければ導入物件を増やしたい」(不動産事業本部)としている。
カーシェアリングは駐車場料金やマイカー維持費を節約できるメリットがあり、札幌市は二○○五年に国から推進モデル地区に認定されている。
【足寄】乱獲などで自生地が減少している北海道遺産のラワンブキの保護・復元のため、産地の十勝管内足寄町は3日、「ラワンブキ保護条例」を制定する方針を固めた。来年秋以降の町議会提案を目指し、自生する河川敷の占用許可を得た上で、条例で保護区に指定して採取を禁止する。条例の実効性を確保するため、罰則規定も検討する。
道内では、複数の高山植物の希少種を保護する道条例はあるが、「単一植物を保護する条例は聞いたことがない」(道自然環境課)という。道外では新潟県柏崎市の雪割草保護条例、岩手県岩泉町や長野県生坂村が山菜、キノコを保護する条例を制定した例などがある。
ラワンブキの自生地は、足寄町を流れる螺湾(らわん)川沿いにかつて100ヘクタール以上あったが、現在は森林伐採による鉄砲水の増加や町外者の乱獲などで約15ヘクタールにまで減少した。
自生地の管理と収穫を担ってきた地元の螺湾地区のグループが4月に高齢化などを理由に解散したことを受け、町が保護策を検討していた。
自生地は一部に民有地もあるが、河川敷が大半。河川法では河川敷の砂や石の採取は河川管理者の許可が必要だが、ラワンブキのような山菜は対象外。
このため町は、螺湾川を管理する道と協議。帯広土現から「町条例などで北海道遺産であるラワンブキの保護を明確に打ち出せば、町に河川敷の占用許可を出すことは可能」との回答を得た。町が占用許可を受ければ、自生するラワンブキは町の管理下に置かれ、条例による規制も可能になる。
町はこうした考えを4日、螺湾地区の住民に説明する。今後、専門家に依頼して自生地の現況を1年かけて調査。その上で全体を保護区に指定して保護・復元に徹するか、保護区を一部にとどめ、収穫・販売との両立が可能かを探る。
町は「保護と利用のバランスを考慮し、条例化を進めたい」(経済課)と話している。
【標津】根室管内標津町のNPO法人・南知床ヒグマ情報センターを中心とする研究チームが六月中旬から、携帯電話の衛星利用測位システム(GPS)を活用してヒグマの行動を把握する調査を始めることになった。リアルタイムでヒグマの位置が分かる国内初の研究で、人家などに近づいた場合は追い払うことにも活用できるという。
チームは、ほかに北大大学院獣医学研究科の坪田敏男教授のグループとNTTドコモ北海道支社で構成。製作中の発信器は子どもの防犯用などに使われているシステムを改造する。
調査は今後、同町内で捕獲するヒグマ四、五頭に発信器を取り付けて放す。発信器は約四時間おきに衛星に向けて電波を発信して位置を確認。そのデータを携帯電話の電波で発信し、同センターなどで受信する。民家や施設などに近づいた場合は職員が追い払いに行く。
調査の期間は四カ月間で、発信器はその後、自然に外れる仕組みにする。
研究チームは、ニトリの北海道応援基金とセブン−イレブン緑の基金から計四百万円の助成を受ける。これまでもGPS機器を野生動物に取り付ける調査はあったが、位置情報を即座に知ることはできず、動物を再捕獲して回収した機器の記録から調べる方法だった。
同町はヒグマの出没が多く、昨年九月には男性が襲われて死亡している。
同センターの藤本靖事務局長は「ヒグマの活動範囲や経路を的確に把握し、事故を未然に防ぐことで、ヒグマと人の共存を目指したい」と期待する。坪田教授も「釣り人や農家、登山客などに対してヒグマの位置情報を素早く伝えたい」と話している。
【滝川】菜の花の作付面積日本一を誇る滝川市内で、満開を迎えた菜の花畑のじゅうたんが、田園風景をパッチワークのように彩っている。
菜の花畑が集中する江部乙地区では21日、平野部に広がるほとんどの畑で菜の花が満開に。丸加高原に続く丘陵地は七分咲き程度で、秋まきや初冬まきの小麦の緑と競うように菜の花が咲き誇っている。
菜の花畑では、強い日差しを受けて輝く花を撮影するカメラマンや、日傘をさして散歩する人も見られた。
24日には丸加高原で「たきかわ菜の花まつり」が開かれる。
ニューヨークの米自然史博物館で19日公開された4700万年前の霊長類の化石「アイダ」(ロイター=共同)
【ニューヨーク19日共同】ニューヨークにある米自然史博物館は19日、ヒトと類人猿とサルの共通の祖先の可能性がある4700万年前の霊長類のほぼ完全な化石を公開した。
「アイダ」と名付けられた化石はネコ程度の大きさのキツネザルのような姿。生後約9カ月のメスとみられ、体長は長い尾を含め約60センチ。指先のつめはヒトに近い特徴を備えているという。
化石は1983年にドイツ・フランクフルト近くで、一般の化石愛好家が発見。火山活動が原因で死んだとみられ、火山灰の中で完全に近い形で保存されたとみられている。発見後、オスロ大などで研究が続けられていた。
今年が進化論を唱えたダーウィンの生誕200年にあたるため、化石の学名は「ダーウィヌス・メッセラエ(ドイツのメッセル=採掘場=で発見されたダーウィンのつくったもの)」とされた。
新緑の中、咲き乱れるニリンソウ
【芽室】十勝管内芽室町のニリンソウの群生地で、かれんな花が咲きそろった。まるで白いじゅうたんのように、新緑の野山に広がっている。
群生地は芽室町中美生のめむろ新嵐山オートキャンプ場の敷地内一・二ヘクタール。ニリンソウは直径二センチほどの花を咲かせる多年草。林の間にびっしりと咲き乱れる光景が人気を呼び、毎年多くの植物愛好家や、写真愛好家が訪れる。
今年は五日ごろから咲き始めた。
同キャンプ場を管理する国民宿舎新嵐山荘の相馬光明支配人は「これだけ群生するところは道内でほかにないのでは」と話している。見ごろは、あと一週間ほど続く。
知床峠で世界自然遺産の雄大な景色を楽しむ観光客=2日午前10時25分(茂忠信撮影)
【斜里、羅臼】世界自然遺産・知床を貫く知床横断道路(国道334号、二三・八キロ)は二日午前十時、網走管内斜里町岩尾別と根室管内羅臼町湯ノ沢のゲートが開けられ、昨年十一月以来、半年ぶりに開通した。四月末の突然の積雪で、当初の開通予定より四日遅れ、昨年より七日遅れた。
待ちかねた車の列が続々と知床峠(七三八メートル)を目指した。峠付近も快晴に恵まれ、観光客は、残雪をたたえ、間近に迫る羅臼岳(一、六六一メートル)や、根室海峡に浮かぶ国後島などの眺めを楽しんだり、記念撮影したりしていた。
親類で旅行中の東京都杉並区の会社員高橋功さん(36)は「タイミングよく開通にぶつかり、迫力ある景色に感動です」と話していた。
知床半島を背景に、ゆったりと泳ぐシャチの群れ=30日午後0時20分、根室管内羅臼町沖(藤井泰生撮影)
【羅臼】「前方一・六マイル(約三キロ)にシャチの群れ」−。根室管内羅臼町の沖合にシャチの群れが集まり、観光船の乗客を楽しませている。観光船が羅臼漁港を出港して数分後、シャチとの接近を告げるアナウンスが流れた。
背びれが大きい雄。寄り添う母子…。六頭ほどの群れが「ブシュー」と潮を吹き上げながら、船とすれ違うようにゆったりと陸の方に向かっていった。
三十日は波もなく、観察には絶好の条件。三時間の航海で、三つの群れ、合わせて約三十頭のシャチと出合った。川崎市から夫婦で訪れた遠藤文子さん(43)は「こんな身近なところにシャチがいるなんて、日本じゃないみたい」。
観光船「エバーグリーン号」を運航する知床ネイチャークルーズによると、羅臼沖では例年四月から六月にかけて、シャチと出合う確率が高いという。
【上士幌】十勝管内上士幌町の畑で、オオハクチョウの群れが羽を休めている。シベリアへ帰る体力をつけるため、つかの間の休息を楽しんでいる。
数百羽単位の大きな群れで、三月ごろから増え始めた。中にはまだ羽が灰色をした子どもの姿も。時折「クワーッ、クワーッ」と鳴き交わしながら、刈り残しのデントコーンや秋まき小麦をついばんでいる。近づいても警戒する様子は見られない。
ひがし大雪博物館(上士幌町)の川辺百樹(ももき)学芸員は「オホーツク海を越える長旅に備え、体力を蓄える時期」と話す。
春耕の季節と入れ替わるように、間もなくハクチョウたちは北に飛び去る。
南極海でザトウクジラが増えている−。水産庁から委託を受けて財団法人日本鯨類研究所(東京)が昨年12月から今年3月に行った調査で、こんな資源状況が明らかになった。「長期の捕獲禁止で、大型鯨類の資源は着実に回復に向かっている」と分析。調査結果は、資源管理のあり方を見直す根拠として注目される。
調査は南緯六〇度以南、東経三五−一六五度で実施。目視により二千七百五十三頭のザトウを発見した。調査海域が同じだった前々回の調査(二〇〇五−〇六年)に比べると二割少ないものの、一九九〇年代前半のおおよそ十倍の頭数。調査海域のほぼ全域で分布が確認された。
大型種のシロナガスクジラも前々回に比べて二倍近い九十二頭。八七年の調査開始以来最も多かった。
その一方で、小型種のクロミンクは前々回より六割も少ない千九百六十一頭にとどまった。ただ、これは、数を増やした大型種に追いやられる形で、調査船が氷で入り込めない南極大陸に近い海域に生息域を移したためで、同研究所は「資源そのものの減少ではない」と見ている。
南極海などでは乱獲でザトウ、シロナガスが六〇年代までに激減。日本は八八年までに商業捕鯨を停止した。近年は特に東経七〇−一三〇度の海域で、ザトウの推定資源量が伸びているとされていたが、今回の調査でそれが裏打ちされたことになる。
同研究所の石川創・調査部次長は「南極海はクロミンクだけの天下ではなくなってきた」と語る。日本は北海道近海を含む沿岸小型捕鯨の拡大とともに、南極海でのクロミンクの商業捕鯨再開を目指している。石川次長は「種同士のバランスを考えた資源管理が必要。(このまま資源回復が進めば)ザトウを捕鯨できる可能性がある」と指摘する。水産庁はザトウを新たに調査捕鯨の対象とする方針だが、反捕鯨国の強い反発もあって〇七年度は見送っている。
オープン早々、観光客が訪れた知床五湖=25日午前11時30分同 |
【斜里】世界自然遺産・知床の人気観光スポット、知床五湖遊歩道(網走管内斜里町)が二十五日、オープンした。
知床五湖に至る道道知床公園線は昨年十一月下旬に冬季閉鎖となり、遊歩道も“冬ごもり”に入っていた。今年は二−三月、ガイド同伴を条件に、スキーや徒歩での散策が初めて可能となったが、往復七時間の長丁場。
今回のオープンで五湖まで車やバスで行けるようになり、より手軽に景色を楽しめる。駐車料は一台四百十円。
初日はあいにくの雨だったが、訪れた人たちは雪がところどころに残る湖畔の森を歩き、神秘的な湖の光景を楽しんでいた。
初めて訪れたという札幌の石井必出夫(ひでお)さん(63)は「湖面にまだ薄い氷が張っていて、この時期でしか見られない景色ですね」と話していた。
阿寒湖の湖底から引き揚げられたマリモ |
【阿寒湖温泉】国の特別天然記念物マリモの引き揚げ作業が二十五日、釧路市阿寒町の阿寒湖チュウルイ湾で行われた。
阿寒湖北側のチュウルイ島にあるマリモ展示観察センターの営業開始に合わせ、湖底で越冬させていた展示用マリモを引き揚げる、毎年春の恒例行事。
遊覧船を運航する阿寒観光汽船の職員らが作業船に乗り、直径七−二十七センチのマリモ百十四個が入ったかご七個を約五カ月ぶりに水深約二メートルの湖底から引き揚げた。阿寒湖は二十九日に湖水開きを行い本格的な観光シーズンに入る。
釧路湿原で、水草に産み付けた卵塊にからみつくように授精するキタサンショウウオの雄=21日、釧路管内鶴居村(藤井泰生撮影) |
【鶴居】春を迎えた釧路湿原で、「氷河期の生き残り」といわれるキタサンショウウオの産卵が始まった。水草に産み付けた卵塊は水中で青く光り、サファイアのような神秘的な輝きを放っている。
釧路管内鶴居村温根内の釧路湿原国立公園内の水辺には、日暮れとともにキタサンショウウオが次々と水面に。雌が水草の茎にゼリー状の卵塊を産み付けると、雄が素早く近寄ってきて授精する。
キタサンショウウオは国内では釧路湿原と北方領土だけに生息する準絶滅危惧(きぐ)種。産卵期は四月下旬から五月上旬だが、釧路市立博物館の針生勤学芸主幹は「今年は暖かいため例年より一週間ほど早い」と話している。
名前の由来になっている先端の黒い翼を広げ、優雅に舞うソデグロヅル=1日午前7時半ごろ、函館市の女那川下流域で、内山則子さん撮影 |
【函館】函館市的場町の野鳥愛好家、内山則子さん(62)が、同市女那川町の女那川の下流域で、繁殖地のロシアから飛来したとみられるソデグロヅルを撮影した。山階鳥類研究所(千葉)によると、世界でも二千五百羽ほどしかいないとされる希少種で、国内での確認は極めて珍しい。
内山さんは十月三十一日、夫の弘正さん(62)とともに野鳥観察中、草をついばんでいるソデグロヅルを発見し、同日と翌日の二日間撮影した。
「初めて見る鳥に興奮し、シャッターを押す指に力が入った」と話す。十一月四日まで付近で確認されたが、その後飛び立ったかどうかは不明。
ソデグロヅルはインド北部や中国南部で越冬する渡り鳥で、成鳥の体長は一三五センチ程度。湿地の減少などにより、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、最上位の「絶滅危惧(きぐ)種1A類」となっている。
高専生が「騎馬戦」で自作ロボットの性能を競った道地区予選 |
【苫小牧】高等専門学校生が自作ロボットの性能を競う全国高等専門学校ロボットコンテスト2007(高等専門学校連合会など主催)の北海道地区予選が十四日、苫小牧市総合体育館で開かれた。旭川高専Aチームが優勝し、審査員推薦を受けた苫小牧高専Aチームとともに、全国出場を決めた。
道内四高専から二チームずつ計八チームが出場。今年の課題は「騎馬戦」で、一チーム二台のロボットが三分間の制限時間内に五本の旗を奪い合った。
約千人の観客が見守る中、各チームは、半年をかけて製作した自慢のロボットを操作。旭川高専Aは、棒を高速回転させて相手の旗をはじき飛ばす戦法で、旭川高専Bとの決勝をわずか二十二秒で制した。
全国大会は十一月二十五日に東京で開かれる。
生物の生息地や産卵場所として重要な藻場。各地で破壊が進んでいる(米海洋大気局提供) |
沿岸開発により、藻場と呼ばれる海藻群落が過去10年間で少なくとも120万ヘクタール破壊され、沿岸のマングローブ林は既に50%以下に減ってしまうなど海の環境が急激に悪化、日本も広範に行っている公海漁業によって魚資源の減少も著しいとする報告書を米国の環境シンクタンク、ワールドウオッチ研究所が9日までにまとめた。
同研究所は、この傾向を止めるには、保護区の拡大などを早急に進めるのに加え、違法な漁業や乱獲を防ぐために現在ほとんど規制がない公海漁業の規制を強化するなど、国際的な海洋保全対策を求めている。
各国の専門家の研究成果に独自の調査結果を加えてまとめた報告書によると、藻場同様、多様な生物の生息地として重要なさんご礁も全体の20%がほぼ破壊され、50%が破壊の危機にさらされている。
沿岸開発に加えて陸上からの汚染物質や土砂の流入が大きな原因で、インドネシアではさんご礁周辺の海洋汚染のため生物種が30−60%も減ったとの報告もあるという。
旭川空港保安用地に広がるヒマワリ畑。遠くには雪化粧した大雪山系(岩崎勝撮影) |
【旭川】旭川市西神楽の旭川空港保安用地のヒマワリ畑で、雪をかぶった大雪山系を背景に黄色い花が満開になった。夏と冬の鮮やかなコントラストが注目を集めている。
ヒマワリ畑は保安用地約百七十ヘクタールのうち、滑走路南側の一角の約四ヘクタール。旭川市から管理を委託される旭川空港緑地管理組合の中田光司さん(70)らが、草地を有効活用して「観光スポットに」と発案。八月中旬に試験的に種をまいた。
ヒマワリは九月下旬から見ごろとなり、離着陸の際に機内からヒマワリの黄色いじゅうたんが楽しめ、口コミで評判が広まった。
旭岳(二、二九○メートル)が初冠雪した九月二十五日以降は、黄色と白の対比を狙った写真愛好家もつめかけている。同組合は「来年は四倍の広さに拡大したい」と話している。
飛行実験中の縮小模型=十勝管内大樹町多目的航空公園上空 |
【大樹】防衛省技術研究本部(東京)が進めている国産ステルス戦闘機の開発に向けた無人の縮小模型(スケールモデル)の飛行実験が二日、十勝管内大樹町多目的航空公園で報道陣に初公開された。
ステルス戦闘機は、レーダーに探知されにくい「ステルス性」と、機動性を備えているのが特徴。スケールモデルは技術実証機の五分の一の大きさで、長さ約三メートル、幅約二メートル。この日は同公園上空を約十分間飛行し、破損した機体の一部を修復できるかなどをテストした。飛行実験は十一月まで同公園で続く。
道は一日、年間三十億円に及ぶエゾシカの農林業被害に歯止めをかけるため、道東以外でも捕獲数を増やす「エゾシカ保護管理計画(第三期)」の素案をまとめた。来年度から道北・道央ではメスジカ年三万五千頭の捕獲数目標を初めて設けるほか、道南でも生息数の大幅な減少を目指す。
道東以外でのエゾシカの農林業被害は、昨年までの十年で六億円から十一億円に増加した。道は被害や目撃数から、生息数が過去約十年で倍増していると試算している。このため二○○八年度から五年間の新計画では、道東以外でも捕獲を積極的に行うことにした。
これまでの捕獲計画では、道内を道東と道東以外の二地域に分割。道東では捕獲目標を立てていたが、それ以外の地域は生息数も把握していなかった。
新たな素案では、道内を道東、道北・道央、道南の三地域に分け、地域の特性に合わせて捕獲する、とした。このうち、道北・道央では初めてメスジカ年三万五千頭の捕獲目標を盛り込む一方、一人一日に一頭の捕獲数制限緩和を明記し、生息数調査もする、とした。
道南では明治期にいったんエゾシカが絶滅し、その後道東から持ち込んだシカが増えたため保護の必要性は薄いとし、生息数を大幅に減らすことを目的に猟期を拡大し、捕獲の上限も設けない。
道は十二月上旬に公聴会を開き、年度内に正式な案を決定する。
大きく口を開け、産卵するサクラマスのメス(手前)。奥は産卵の瞬間に合わせ放精するオス(西村昌晃撮影) |
【洞爺湖】数匹のサクラマスのオスが待ち続ける中、メスは産卵床に腹をつけ、口を大きく開き、たくさんの卵を産んだ。その瞬間、一匹のオスが滑り込むようにメスの横に入り、放精した。
胆振管内洞爺湖町を流れるソウベツ川では、洞爺湖から大量のサクラマスが遡上(そじょう)し、川のあちこちで産卵行動を繰り広げている。
サクラマスは河川で一生を過ごすヤマメ(河川残留型)と、銀毛化して海に下り豊富な餌を得て大型化する降海型がよく知られている。ソウベツ川を遡上するサクラマスは洞爺湖を海の代わりにして大きくなる珍しい湖沼型だ。
洞爺湖のサクラマスの生態に詳しい北大北方生物圏フィールド科学センターの上田宏教授は「洞爺湖のサクラマスは海と湖などの内水面を結びつける重要な存在。湖の環境を大切にしなければ」と話す。ソウベツ川でのサクラマスの産卵は十月中旬ごろまで続く。
月周回衛星「かぐや」のハイビジョンカメラが撮影した地球。右下に見えるのが南米大陸(宇宙航空研究開発機構、NHK提供) |
宇宙航空研究開発機構などは1日、9月に同機構種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げた月周回衛星「かぐや」が、搭載しているハイビジョンカメラで初めて撮影した地球の動画を公開した。
9月29日、かぐやが地球の周回軌道から離れ月に向かって飛行中、地球から約11万キロの位置で撮影した。
真っ暗な宇宙空間に、ほぼ右半分が太陽光で照らされて青く輝く地球が浮かび、南米大陸の西海岸の海岸線や、大西洋上にある雲がくっきりと映っている。
宇宙機構によると、今回の撮影はカメラの点検が目的で、正常に作動することが確認された。地球のハイビジョン映像は、高度約340キロのスペースシャトルなどの軌道から撮影した例はあるが、これほど遠くからとらえたのは初めて。
【ワシントン17日共同】同じ面積の土地なら、バイオ燃料の原料となる作物を栽培するより植林する方が、温室効果ガスの削減効果が高いとの研究結果を、英国の環境保護団体ワールド・ランド・トラストの研究者が17日付の米科学誌サイエンスに発表した。
研究者は「バイオ燃料を増やすより、休耕地への植林や既存の森林の保全の方が温暖化防止効果がある」と指摘している。
研究では、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を出すガソリンや軽油をバイオ燃料で置き換えた場合と、CO2を吸収する木を植えた場合のCO2削減量を今後30年間の総量で比較した。
その結果、バイオ燃料のエタノールをサトウキビから生産すると、栽培面積1ヘクタール当たり炭素換算で53−59トン、トウモロコシからでは同12トン、削減できた。
これに対し、休耕地に植林すると熱帯では同120−240トン、温帯では96トン削減でき、「削減効果は植林の方が2−9倍高い」とした。
【斜里】地元関係団体や行政機関、自然保護関係者らで構成する知床国立公園利用適正化検討会議が八日、網走管内斜里町で開かれ、知床の中でも特に原始性の高い自然環境を残す半島先端部地区について登山者らが立ち入る際の留意点や禁止事項を明記した「利用の心得」をまとめた。環境省が原案を示してから二年半近い議論を重ね、ようやく世界遺産を守るための「知床ルール」の一部が形となった。環境省は年内にもパンフレットを作製し、配布する考えだ。
環境省が「先端部地区」としているのは、硫黄山より北東の陸域と、その周囲を中心とする海域で、知床半島のほぼ三分の一を占める。
「心得」に盛り込まれた主な項目は《1》動力船を使った観光目的の上陸は禁止《2》知床岬やルシャ、知床沼周辺など、植生に影響を与える場所での野営禁止《3》痛みやすい湿原など脆弱(ぜいじゃく)な植生地への立ち入り禁止《4》携帯トイレを携行し、排せつ物や紙類を持ち帰る−など。
「心得」に強制力はなく、登山者ら利用者の自主的マナーに負う部分が大きいが、環境省釧路自然環境事務所の北沢克巳所長は会議後「官民一体となってこうしたルールをまとめ、推進していこうという体制ができた意義は大きい」と語った。
二年半の議論では、「原生の自然をそのまま保護するべきだ」という保護論と、「一定の利用を認めて自然保護思想の普及に役立てるべきだ」との部分利用論とのせめぎ合いが繰り返されてきた。
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの二○一○年度国内排出量が、京都議定書の基準年の一九九○年度より0・9−2・1%増えるという政府の試算結果が八日、明らかになった。海外からの排出権購入などの対策を実施しても、京都議定書で公約した九○年度比6・0%減の目標達成は困難な状況だ。政府は産業界の自主削減計画拡大や、排出増が著しいオフィスや家庭の対策強化など追加削減策の具体化を急ぐ。
京都議定書の削減目標は二○○八−一二年度の平均排出量が対象。中間年の一○年度について産業、業務、家庭、運輸などの部門別に二酸化炭素排出量などを試算した。中間報告案に盛り込み、十日開催の京都議定書の目標達成計画見直しに関する審議会に提出する。
政府が○五年四月に閣議決定した現行の目標達成計画は、6%の削減目標のうち、純粋な排出量削減以外に、森林整備による温室効果ガス吸収で3・8%、海外からの排出権購入で1・6%の計5・4%をまかなうとした。しかし、0・9−2・1%増という試算結果は、これらの削減分を差し引いても目標に1・5−2・7%(排出量で約二千万−三千四百万トン)足りないという計算だ。
これらを踏まえ、中間報告案は、産業界の自主削減計画拡大などの追加対策を列挙。審議会は年末にまとめる最終報告までに追加対策を具体化する。国は対策実施に伴う税制や予算措置も検討する。
中間報告案は、削減に有効とされる一方、経済界から反対が強い国内の企業間の排出量取引制度や、環境税の導入については「最終報告に向けて検討する」と結論を先送りした。
【伊達】NPO法人だて観光協会(伊達市)は、来年七月の北海道洞爺湖サミットにちなみ、洞爺湖などを模したロゴマーク入りのあい染めのエコバッグを作った。十一、十二両日、胆振管内洞爺湖町で開かれるサミットの事前イベントで販売する。
環境問題が主要議題となる来年のサミットを意識し、レジ袋の削減につながるエコバッグと、自然に優しい天然染料のあいを組み合わせた。バッグは東京都内の業者から取り寄せ、観光協会のあい染め体験施設で染めた。
綿100%で縦三十センチ、横二十六センチ。マークは洞爺湖のほかに昆虫など数種類用意した。
十一日からの事前イベント「魅力発信とうや!いぶりフェア」(同フェア実行委主催)は洞爺湖畔の温泉街で開かれ、エコバッグは会場内の伊達市のアンテナショップで取り扱う。一袋千円(税込み)で二十枚の限定販売。
実験運行が始まった「知床乗り合いタクシー」 |
【斜里】世界自然遺産・知床の野生生物に対する自動車の排ガス被害や衝突事故を少しでも減らそうと、知床斜里町観光協会や知床温泉旅館協同組合、網走開建など網走管内斜里町の関連九団体は、観光拠点の集中する同町ウトロ地区を中心に、乗り合いタクシーの実験運行を始めた。
知床には年間百五十万−百六十万人が自家用車やレンタカー、バスなどで訪れるため、野生生物や森林など環境への悪影響が懸念されており、乗り合いタクシー運行はこれを軽減するのが目的。
乗り合いタクシーは、車体にかわいらしい絵をあしらった九人乗りのワゴン車。自転車三台をキャリアに積んで走り、希望者には無料で貸し出す。運行には、食用廃油によるバイオディーゼル燃料を使う。
タクシーは、ウトロ温泉街の各ホテル・旅館を回って客を乗せた上で、オシンコシンの滝、知床五湖、羅臼湖など観光スポット十カ所をめぐる十八のコースでダイヤ運行する。
客は事前に申し込んだ上で、好きなコースの、都合のいい便を利用する。料金はコースにより、一人三百−千円(小学生以下は半額)。一日乗り放題は千二百円(同)。
実験運行は九月三十日まで。利用状況を基礎データに、恒常的に運行するかどうか検討する。
予約は(電)090・9510・1664、問い合わせは(電)090・9510・0522へ。
新日本石油精製室蘭製油所内を見学する参加者たち |
【室蘭】工場見学を通じて科学を学ぶ「第二十二回なつやすみ科学バスツアー」(北海道新聞社主催)が六日、室蘭市陣屋町の新日本石油精製室蘭製油所などで行われ、札幌市内や近郊の小学生の親子約百二十人が原油が入った巨大タンクなどを見て回った。
参加者は、札幌ドーム十八個分もあるという同製油所の構内をバスで巡回。直径七十七メートル、高さ二十メートルの原油タンクなど巨大な設備が姿を現すたびに驚きの声をあげていた。
バスを降りてタンクを間近に見たほか、同製油所の消防車による放水訓練も見学した。
札幌・八軒北小六年の小野鈴歌さん(12)は「構内がこんなに広いとは思いもしなかった」と話していた。
1963年、ジョン・F・ケネディ米大統領暗殺の映像を受信した旧KDDI茨城衛星通信センター(茨城県高萩市)のパラボラアンテナ2機を、電波望遠鏡として宇宙観測に再利用することが6日、正式に決まった。日本国内の電波望遠鏡は11機となり、保有数では世界一になるという。
国立天文台とKDDIなどが水戸市で協定調印の記念式を行った。
国立天文台は2009年までに2機を改修、稼働させる予定。担当者は「ブラックホールの活動などを観測し、銀河の成り立ちを解明したい」と話している。
センターは人工衛星を使った初の日米テレビ中継で、ケネディ米大統領暗殺の映像を受信して以来、国際衛星通信の拠点として活動。衛星通信が下火になった影響で今年3月に閉所した。
KDDIは、直径32メートルのパラボラアンテナ2機を国立天文台に無償で提供。周波数を変え、通信用から観測用の電波望遠鏡に転用する。
釧路湿原の再生事業は国や地元自治体、住民などで二○○三年に設立した同協議会での検討を経た上で、釧路開建などが行っている。説明会には報道関係者と辻井会長、開建職員ら約三十人が参加。森林再生や湿原への土砂流入対策などを計画、実施している地域を約五時間かけて回った。
再蛇行化で旧川復元が行われる茅沼では、旧川復元小委員会委員長の神田房行道教大副学長が「旧川を復元すると、川幅は直線化した川の三分の一ほどになる。川をはんらんしやすくし、乾燥化した湿原を元に戻そうとしている」と説明した。
【根室】道の希少種に指定されているノサップマルハナバチの国内二カ所の生息地の一つ、根室半島(根室市)で、外来種のセイヨウオオマルハナバチが初めて確認されたことが十八日までに分かった。もう一カ所の生息地、野付半島先端(根室管内別海町)でもすでに「セイヨウ」が見つかっており、「ノサップ」への影響が懸念される。
東大大学院農学生命科学研究科博士課程三年の井上真紀さん(33)が昨年八月、根室半島中央部の沼地で女王バチ一匹を採集、セイヨウであると確認した。
ノサップとセイヨウの体長は、女王バチでは約二センチ。前者は腹部の先端が黒、後者は白などの違いがある。井上さんは「セイヨウは繁殖力が強く、着実に分布域を広げている。餌の花や巣の場所をめぐって競争が起き、ノサップが激減する恐れがある」と、駆除などの必要性を指摘する。
ハウス栽培の授粉用に導入され、野生化したセイヨウは、生態系に悪影響を及ぼす恐れがある「特定外来種」に指定されている。
ごう音とともに空へ飛び立った「CAMUI」=4日午前7時33分、十勝管内大樹町(鈴木英乙撮影) |
【大樹】NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、札幌)は四日早朝、十勝管内大樹町多目的航空公園そばの町有地で、道産ロケット「CAMUI(カムイ)」の打ち上げ実験を行い、成功した。初めて「CAMUI」に制御機能を持たせ、これまで最高の高度三・五キロに到達した。
「CAMUI」は北大大学院の永田晴紀教授(機械宇宙工学専攻)らが開発。今回打ち上げた「CAMUI−250S」は、気象観測を目指したもので、全長四・七メートル、重量四八・五キロ。地上からの指示でパラシュートを開かせる、遠隔制御機能の検証などを目的に打ち上げた。
午前七時三十三分、雨が時折降る中、ごう音とともに打ち上げられると、関係者や百人を超す一般見学者から拍手が起きた。遠隔制御は成功し、機体は約一分半後に海上に着水。大樹漁協の漁船三隻が回収に協力したが、機体からの電波の発信が途絶えたため発見できなかった。
永田教授は「機体を回収できなかったのは残念だが、打ち上げは大成功。改良を加えたのち、できれば年度内にも再び打ち上げたい」と語った。
米人気歌手のマイケル・ジャクソンさん(AP=共同)
【ロサンゼルス25日共同】米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)やCNNテレビは25日、「スリラー」など世界的ヒット曲で知られる米人気歌手マイケル・ジャクソンさんがロサンゼルスの病院に救急搬送され、死去したと報じた。50歳だった。救急隊が自宅に到着した際、呼吸をしていない状態だったため蘇生措置が行われた。
米メディアは、ジャクソンさんは25日午後0時半(日本時間26日午前4時半)前後、心不全で倒れ、自宅からロサンゼルスのカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)付属病院に搬送されたと報じた。病院が会見して詳しい状況などを説明する。
7月にはロンドンで公演を行う予定だったが、5月に主催者が延期を発表。健康問題が取りざたされていた。
ジャクソンさんは1958年、米インディアナ州ゲーリー生まれ。69年に兄弟5人で結成した「ジャクソン・ファイブ」のリードボーカルとしてデビュー。その後、ソロ活動を始め80年代以降、大ヒットを連発し世界的スターとなった。
「今夜はビート・イット」や「ビリー・ジーン」などを含む82年のアルバム「スリラー」は米音楽事業会社ソニー・ミュージックエンタテインメントによると、全世界で1億枚以上を売り上げ、世界で最も売れたアルバムとしてギネスブックに認定され、米音楽界の「キング」となった。
私生活では94年にエルビス・プレスリーの娘リサ・マリー・プレスリーさんと結婚したが、96年に離婚。同年に再婚したが約3年で破局した。子供が3人いる。
田んぼdeミュージカル委員会が手がける新作映画の練習撮影=17日
【むかわ】胆振管内むかわ町穂別地区のお年寄りたちによる自主映画の制作グループ「田んぼdeミュージカル委員会」が2011年夏の公開を目指し、4作目となる新作の制作に取り組んでいる。戦後間もなく穂別地区の住民が映画館を造った実話を基にした作品になるという。
同委は、映画監督の崔洋一さんの指導を受け、平均年齢78歳の高齢者が映画制作に励んでいる。
新作のタイトルや配役は未定だが、戦後、青年が映画館造りに奔走した話を基にシナリオを作り、当時は青年だった高齢者自ら出演する予定だ。17日には練習撮影し、穂別に勤務した獣医師がアフリカへ旅立つシーンを収録。本格的な撮影は来春からで完成は11年6月の予定。
脚本担当の斉藤征義さん(66)は、「歌や踊りを取り入れたミュージカル調の映画になる。映画館を造った当時の若者の活力が今の自主映画作りにもつながっている」。
代表の原田幸一さん(84)も「自分も昔、映画館造りに協力した。4作目に向けてまだまだ元気でいないと」と話し、新作でも高齢者たちのはつらつ演技が見られそうだ。
研究者らが各地を訪ね歩いて残した記録ノートやスケッチなどが並ぶ会場
ユーカラなどアイヌ民族の口承文芸の世界を紹介する企画展「語り、継ぐ。」が札幌市中央区の道立文学館で開かれている。今年、生誕100年を迎えた民族出身の言語学者知里真志保の聞き書きノートなど、これまでほとんど一般公開されたことのない資料を中心に約250点が並ぶ。
英雄叙事詩や神謡、説話など、アイヌ民族の幅広い口承文芸の体系的な記録・研究は昭和初期、金田一京助、弟子の久保寺逸彦、知里の3人を中核に始まり、葛野辰次郎さんや萱野茂さん(いずれも故人)などに引き継がれていった。
企画展は、知里のノートのほか金田一のスケッチ、久保寺が1930年代に撮影した道内や樺太の集落の映像・写真など研究者・伝承者たちが残した記録資料、刊行物などを展示し、口承文芸の豊かさを伝えている。
また、7月12日には同文学館で知里のめい、横山むつみさんと作家池澤夏樹さんの対談も行われる。
企画展は7月20日まで。入場料は一般400円、高校・大学生200円。
世界的な彫刻家故イサム・ノグチ(一九○四−八八年)の母を描く映画「レオニー」の撮影がこのほどアメリカで始まり、札幌ロケが七月、東区のモエレ沼公園で行われる。現在子供を中心にエキストラを募集中で、制作関係者は多くの市民と映画をつくりあげたい考えだ。
女手一つでイサムを育てたレオニー・ギルモア(一八七四−一九三三年)の生涯を日米を舞台に描く映画で、中村獅童さん、竹下景子さんらが出演する。映画「折り梅」などで知られる松井久子さんが監督、二〇一〇年の公開が予定されている。制作費は道内を含む企業や市民などが出資した。
モエレ沼公園はラストシーンに登場予定で、レオニーはイサムの成功を知らずに他界したが、天国からモエレ沼を見て幸せを感じる−という設定だ。
札幌ロケは七月四、五日で、募集するエキストラは両日とも小学生百人、幼児と親十組。撮影は早朝から始まり、屋外で長時間待つ必要があり、交通費も支給されない。定員になり次第締め切る。問い合わせはプリズム社内のマイレオニー札幌(電)011・252・3828へ。
札幌ドームで新応援歌を披露する福原さん
北海道日本ハムの新しい公式応援歌「LaLaLa FIGHTERS」が一日、札幌ドームで初めて披露された。札幌出身の歌手・福原美穂さん(21)が歌うアップテンポで元気がでる曲に、スタンドのファンから大きな拍手が送られた。
新応援歌は軽快なメロディーに「雪」「大地」など北海道をイメージした言葉を盛り込み、サビの部分は「ファイターズ」と繰り返す歌いやすい内容。「GO!GO!ファイターズ」が五周年を迎えたのを機に一新した。
西武戦の開始前、グラウンドに現れた福原さんは「ファイターズが大好き。末永く歌ってほしい」と語り、約四分間、新曲を熱唱。札幌市北区の看護師、及川真由美さん(29)は「チームを勇気づけるいい曲ですね」と気に入った様子だった。
また、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で稲葉篤紀、ダルビッシュ有選手が獲得した金メダルなどの展示も同日、札幌ドームで始まり、長蛇の列ができた。
創意あふれる書の競演となった北海道書道展 |
第四十九回北海道書道展(北海道新聞社主催、道書道連盟など後援)が三十日、札幌市民ギャラリー(市中央区南二東六)で幕を開けた。
漢字多字数をはじめ六部門の応募作品計千六百三十八点の中から、計千百七十九点が入賞・入選した。この日始まったのは、招待作家・同展会員の作品展で、二百十二点を展示。熱心なファンが詰めかけ、流麗に、あるいは大胆に個性的な線の躍る高レベルの作品を鑑賞していた。会期は五月五日まで。
引き続き、五月七日から十一日まで入賞・入選作品展(同ギャラリー)、九日から十三日まで会友作品展(札幌パークホテル)。移動展は七月五−二十七日に網走市立美術館、八月六−十一日に函館市芸術ホールでそれぞれ開かれる。
首都圏に住むアイヌ民族をテーマにした写真展が二十七日、東京都千代田区の日本外国特派員協会内の飲食店「メインバー」(有楽町一の七の一、電気ビル北館二十階)で始まった。
東京在住の写真家宇井真紀子さん(48)が、約十五年前から撮りためた代表作十六点を展示した。道内の知人から身近にアイヌの人たちが暮らしていることを知り、独自の文化を守り続ける活動に共感したのがきっかけだ。
アイヌの若者たちが、伝統的な儀式を首都圏でも続けるため道内から古老を招き、東京と神奈川の境界の多摩川で指導を受ける様子を活写。東京郊外に建てたアイヌ民族の伝統的家屋の前で父親がわが子を抱きかかえる姿は目を引く。アイヌ文化法制定を求め十二年前、都内で行われたデモ行進の写真も並ぶ。
訪れた都内の主婦(67)は「独自の文化をぜひ存続させてほしい」と話していた。宇井さんは「少数民族の誇りを大切にしている人々に目を向けてほしい」と来場を呼び掛ける。
首都圏のアイヌ民族の人々で組織するアイヌウタリ連絡会(東京)によると、首都圏在住のアイヌ民族は五千人以上。丸子美記子代表は「民族の自覚を持って生きる若い人は多いが、就職や結婚などで差別に苦しむ人もいる」と打ち明ける。五月三十一日まで。無休。入場無料。問い合わせは特派員協会(電)03・3211・3161へ。
発売された「平凡パンチ 甦れ、アイドルの時代」(マガジンハウス)の表紙 |
アグネス・ラムに夏目雅子、キャンディーズ。1960−70年代に若者を熱中させた雑誌「平凡パンチ」のグラビアから、当時人気絶頂だったアイドルたちの写真を集めた永久保存版写真集「平凡パンチ 甦(よみがえ)れ、アイドルの時代」(マガジンハウス)が発売された。
写真集は、22組の懐かしのアイドルたちの“お宝写真”を掲載。若くして亡くなった夏目の貴重なカットや、3人で一斉にジャンプするキャンディーズのはじける笑顔などがてんこ盛りとなっている。
中でも圧巻なのが写真集の表紙をめくって最初にある麻田奈美とハワイ出身の元祖“黒船アイドル”アグネス・ラムのポスター。麻田は一世を風靡した「リンゴヌード」。当時の若者の部屋に必ず張られていたとまでいわれる伝説の写真だ。一方、アグネスはグラマーなビキニ水着のまぶしすぎるショットを披露。
いまも時代劇などで活躍する由美かおるは、73年公開の映画「しなの川」に主演時のヌード写真を掲載。最近のデジタルカメラの写真にはない、フィルムの粒子感が時代の空気をそのまま包み込んでいるようだ。
その由美に、今回の写真集発売について聞いた。「あのころはテレビや映画、ステージで忙しく、寝る暇もないほどだったが毎日が楽しかった」と当時を懐かしく振り返りながらも、「いくつになっても青春の気持ちが人生に大切。この写真集を見て、当時のファンの方々が再び青春時代の喜びをよみがえらせてくれればうれしい」と、平凡パンチ世代のお父さんたちに熱いメッセージを寄せてくれた。
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マリリン・モンロー、原節子−。室蘭の元映画看板絵師・梅津成夫さん(78)が、往年の大女優を描いた油彩画を並べた「美人女優100人展」が、同市市民活動センターで開かれている。
梅津さんは五年前に引退。映画館に通い詰めた少年時代を思い出し、昨年九月から古い映画雑誌を参考に、半年あまりで3−30号の百枚を仕上げた。
一番のお気に入りは、かつて恋いこがれたドイツ出身の伝説的女優マレーネ・ディートリヒ。美女に囲まれ「やっぱり美人はいいね」とご満悦。五月十日まで。
新井満さん(左から2番目、帽子の男性)を招いた除幕式でお披露目されたモニュメント=25日午後、七飯町 |
【大沼公園】人気曲「千の風になって」が生まれた渡島管内七飯町の大沼湖畔で二十五日、「名曲誕生の地」を記念したモニュメントが完成。訳詞・作曲を手掛けた新井満さん(61)も出席して、除幕式を行った。
遊覧船乗り場のある大沼公園広場と歩道橋でつながる西大島に、地元有志らの実行委が造った。直径三メートルの円盤形で、町内産の安山岩をモザイク状に組み合わせ、中央に御影石のプレートをはめた。新井さんの意向で、大沼越しに望む駒ケ岳の眺めを妨げないよう、高さは三十センチにとどめた。
大沼の別荘で「千の風」を作ったという新井さんは、歌を通じての地域の観光振興に協力を約束。「大切な人を亡くした時に、心の中で千の風−を歌いながらしのぶ場所になってほしい」とあいさつした。
恵庭市の柏木川4遺跡から出土した縄文時代の模様編みの一部(道埋蔵文化財センター提供、最大長6・4センチ) |
恵庭市の柏木川4遺跡で二〇〇六年九月に出土した縄文時代後期の布について、道埋蔵文化財センター(江別)は二十四日、解析の結果、数種類の「模様編み」が施された編み布だったと発表した。解析を進めている国立民族学博物館(大阪)の吉本忍教授(民族技術)によると、縄文時代の模様編みが確認されたのは国内初。
編み布には非常に複雑な編み込みの技法が用いられており、吉本教授は「世界的にも類のない資料で、当時の人々が高い技術を持ち、デザイン性の高い衣服を身にまとっていた可能性がある」と話している。
編み布は柏木川河道跡から出土し、放射性炭素年代測定などにより、約三千二百年前のものと推定した。植物繊維によって作られたとみられる。縦一・二メートル、横六十センチの範囲から六十七の断片に分かれて発見された。すべてが一枚の布なのかは判明していないが、縄文遺跡から一度に出土した布としては国内最大級という。
縦糸と横糸を絡み合わせる「もじり編み」という技法が用いられ、そのパターンが一つの布片に複数見られた。中には横糸の一部を引き出して団子状の模様にした部分や、太い横糸に八本の細い縦糸を編み込んだ部分も確認され、技術の高さを裏付けているという。
縄文時代の編み布はこれまで、漆をこすための布が出土したことがあるが、編み方は単純だった。
【千歳】北海道ウタリ協会(加藤忠理事長)は二十三日、千歳市内で理事会を開き、名称を設立当時の「北海道アイヌ協会」に戻す議案を五月の総会に提出する方針を決めた。加藤理事長は「総会で可決されれば、来年度にも実施したい」としている。名称変更は何度か総会で議論されたが、反対が多く取り下げられた経緯がある。
アイヌは「人間」、ウタリは「同胞」という意味。先住民族の自決権など、各国が「達成を目指す基準」を明記した「先住民族の権利に関する国連宣言」が昨年採択され、道ウタリ協会がこれをアイヌ民族に適用するよう国に要請していることも踏まえて、出席した理事二十一人が全員一致した。
道ウタリ協会は一九四六年に「北海道アイヌ協会」として設立。だが「アイヌを差別的な意味で使われることがある」との意見が出て、六一年に現在の名称に変更。名称を戻すことは九七年の総会で初めて提案され、議論されたが、差別を受けた会員の意向をくみ、取り下げられていた。
【旭川】旭川市博物館(加茂千秋館長)は今年十一月に館内の一部を改装し、「アイヌ民族の古代から近世までの歴史」を展示の柱に据える。同館が蓄積してきた上川のアイヌ民族研究などに基づき、アイヌの人たちが交易や農耕に従事したことを前面に出して、「狩猟採集と自給自足という固定観念で見られがちなアイヌ民族の、多面的な姿を広く紹介したい」という。
同館は現在、アイヌ民族の伝統家屋などを復元し紹介しているが、所蔵する約二千点のアイヌ民族の生活資料の大半は展示していない。今回は地上館の六百七十平方メートルを改装し、「上川アイヌ研究の蓄積など館の“強み”を生かした展示に一新する」(同館)。
新テーマは「交易・生産民としてのアイヌ民族の歴史」。縄文期以降、本州との交易で道内からサケやワシの羽などが“輸出”された歴史を資料やパネルで展示する。また、交易網の拡大でサハリンに移住した「サハリン・アイヌ」が十三世紀には、当時中国を支配していた元と戦ったことも紹介。雑穀類の栽培や鉄器製作の様子もジオラマで再現する。
北海道開拓記念館(札幌)の出利葉(でりは)浩司学芸員は「アイヌ文化を紹介する施設は、衣服など生活資料を並べるにとどまる場合が多い。交易に焦点を当て、一つの歴史観を提示するのは意欲的で、道内博物館の活性化にもつながる試み」と話す。
改装費は約一億円。工事中の四−十月は休館する。
「啄木作品は現代人を短歌の世界にいざなう窓口のよう」と話す荒又重雄さん |
函館、札幌、小樽、釧路を転々としながら短歌を詠んだ歌人石川啄木の作品を道労働文化協会(札幌)会長の荒又重雄さん(72)が英訳し、自主制作の小冊子で発表し続けている。今年は、啄木が道内で初めて函館などで暮らした一九○七年(明治四十年)からちょうど百年。「北海道は啄木に大きな影響を与えた。ここから啄木の新たな魅力を発信したい」。荒又さんは意欲的だ。
荒又さんはもともと経済学者。北大経済学部長の後、一九九六年に釧路公立大学学長に就任した。釧路は啄木が一年弱の道内滞在の最後に住んだ地で、市内に二十六の歌碑が立つ。「でも外国人観光客が歌碑を見ても意味が分からない。それなら自分が、と英訳を始めた」ときっかけを語る。
二○○一年、釧路ゆかりの歌三十四首を訳し、市民団体制作のパンフレットに掲載。英訳に当たり啄木の短歌と向き合ううちに「和歌の素養がなくても理解でき、現代人にも共鳴できる部分が多い」とのめり込んだ。
啄木の表記は当時としては斬新な三行分かち書きだが、荒又さんは五七五七七のリズムを大切にしたいと五行書きで訳す。「啄木作品の英訳は他にもあるが、歌は読む人によって解釈が違い、多様に訳せるのが面白い」
○四年に学長を退任、札幌に戻っても英訳を続け、小冊子制作も始めた。これまでに百三十首を訳し、小冊子も「釧路」「札幌」「故郷」などテーマごとに六冊に上る。
次は「函館」をテーマとした小冊子の制作が目標。荒又さんは「いろいろな方に読んでいただき、訳し方などを議論できればうれしい」と話す。
小冊子はA4判、五−八ページ。希望者に無料で配布している(送料は実費)。問い合わせは道労働文化協会(電)011・261・0020へ。
道議会は定例会最終日の五日、「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択を受けて、アイヌ民族の権利などについて検討する審議機関を設置するよう国に要望する意見書案を、全会一致で可決する見通しになった。与野党の関係筋が明らかにした。
高橋はるみ知事も先に同様の考えを表明しており、アイヌ民族をめぐって、道と道議会が共同歩調をとるのは、一九八八年の「アイヌ新法」制定要請以来十九年ぶり。
意見書案は、アイヌ文化振興法の施行(九七年)によって、文化、伝統への理解は進んだが、「アイヌの人たちの人権、教育、生活などについて、多くの課題が残されている」と指摘。国連宣言の採択を機に「宣言におけるアイヌ民族の位置づけや(宣言に)盛り込まれた権利を審議する機関の設置」を求めている。
アイヌ民族の先住民族としての認知に関しても、知事と同じく、この審議機関での議論を想定している。
国連宣言には、政治的自決権、特別議席、土地権といった、実現には時間がかかる権利のほかに、宗教的、文化的な場所を維持・保護する権利や遺骨の返還を求める権利など、現行制度でも認められるものも多い。
道ウタリ協会は今後、どの権利を優先的に求め、それらを行使して、どんな活動を行っていくかについて、内部で協議する考えだ。
講談社は4日、5日発売予定だった写真週刊誌「フライデー」の発売を急きょ中止した。同社は「記事の作成過程で重大なミスがあった」としか説明していないが、大相撲の時津風部屋の力士が死亡した問題を扱う特集の写真と記事に間違いがあったためとみられる。
同編集部によると、フライデーが発売中止になるのは1984年11月の創刊以来初めて。
関係者によると、同誌はこの問題に関する特集で、死亡した力士の兄弟子を別の人間と間違えた写真と記事を掲載。4日早朝になって編集部が誤りに気付き、発売中止を決めたという。
同編集部は「訂正が間に合わず、発売を断念せざるを得なかった」としている。来週号は通常通り発行し、今週号の記事の扱いは今後検討する。
民族衣装をまとい、先祖の霊を供養する人たち |
人類学の研究資料として、札幌医大に保管されているアイヌ民族の古い遺骨の慰霊祭「イチャルパ」が三日、同大構内で開かれ、道ウタリ協会の役員、会員ら八十人余りが参列した。
遺骨は江戸時代以前の六百六十六体。主に、道内の市町村が遺跡を発掘した際に収集し、一九六○年代から札医大に預けてきた。慰霊祭は、札医大と道ウタリ協会が交わした覚書に基づき、昨年から催されている。
この日は、日本人類学会の馬場悠男(ひさお)会長(国立科学博物館人類研究部長)、同大の當瀬(とうせ)規嗣医学部長ら道内外の研究者も出席した。馬場会長はあいさつで、アイヌ民族の遺骨を通じた人類学研究を振り返り、「過去に人道的な配慮を欠いたこともあり、戒めとしなければならない」などと述べた。
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【小樽】一九四八年の帝銀事件で無実を訴えながら獄中死した小樽育ちのテンペラ画家、平沢貞通元死刑囚の第十九次再審請求で、養子の武彦さん(48)は、平沢元死刑囚が描いたとみられる春画を新証拠として十月中に東京高裁に提出する。男女の営みを描いた春画は当時、高額で取引されており、武彦さんは「大金目当てとされた犯行動機を覆すもの」と再審開始に期待を寄せている。
提出を前に、「没後20年 平沢貞通 絵探しの旅展」と題した展覧会が三日、小樽市堺町三の「ふうど館」三階ホールで始まり、新証拠となる春画が初公開された。武彦さんは「ほかの作品と対比することで、平沢が描いた春画と分かってもらえるはず」と話している。
展覧会は八日まで。午前十時から午後六時まで(最終日は午後三時まで)で入場無料。
一日から放送エリアが拡大した地上デジタル放送(地デジ)で、民放が道内全世帯をカバーするために必要な中継局百六十四局のうち、百局もの設置予定が定まらない「百局問題」が浮上している。過疎地に設ける百局の世帯カバー率は2%未満だが、一社当たり十五億円もの追加投資を余儀なくされるためだ。民放は「国が応分の負担をしてくれなければ、百局の建設は決められない」としており、地デジを見られない難視聴地域が残る恐れもある。
国は二○一一年七月までに、現在のアナログ放送から地デジへの切り替えを完了させる。道内では○六年六月に札幌圏で始まり、一日からは旭川や函館などでもスタート。世帯カバー率は84・1%に達した。
全世帯をカバーするためには、さらなる中継局設置が不可欠。NHKは現在のアナログ局と同じエリアをカバーするデジタル中継局を網羅する方針だが、テレビ北海道を除く民放四社は全道カバーに必要な百六十四局のうち、六十四局しか建設を決めていない。
予定が定まらないのは、過疎地にあるアナログ中継局百局の大半が難視聴解消を理由に、国や道の補助を受けた市町村が整備した経緯があるためだ。民放は「地デジ移行で民放だけが負担するのはおかしい」とする。
総務省も本年度から対策に乗り出し、網走管内置戸町と釧路管内白糠町で中継局建設に着手したが、放送局と国の負担割合が43%対57%のため、民放は不満を隠さない。民放幹部は「昨年末まで国が八割、放送局は二割という話だった。負担減になる新制度が新たに導入されなければ、これ以上の中継局整備は難しい」と反発する。
電波利用料を財源とした新たな支援策も検討されているが、来年度以降の負担割合は未定。面積が広く過疎地が多い道内の特殊事情を北海道総合通信局も認めるが、「中継局整備は放送事業者の責任。一一年までの整備を粘り強く求めたい」(放送課)との原則論に終始している。
民放にとって、地デジ移行に向けた中継局整備や放送機材導入による投資額は最終的に百億円を超える見通しで、○七年度決算では札幌テレビと北海道放送の赤字転落の要因にもなったほど。民放各社は「百億円以上もの投資は十年分の利益に相当し、経営を揺るがしかねない。地デジ移行は国の政策であり、公的支援の拡充は当然ではないか」と主張している。
国後島の郷土博物館で土器を手にする右代さん(右から2人目)と鈴木さん(同3人目)=北海道開拓記念館提供 |
【根室】北方領土ビザなし交流の専門家枠で北方文化専門家としては初めて国後島を訪れていた北海道開拓記念館員2人が1日、本年度最後の日本側訪問団とチャーター船「ロサ・ルゴサ」(480トン)で根室港に戻った。
北海道開拓記念館の右代啓視学芸第一課長(48)と鈴木琢也学芸員(32)で、専門は考古学。9月28日に根室港を出発、29、30の両日、国後島古釜布の郷土博物館で、考古資料を調べた。
1383点あり、縄文文化の北筒式土器や、オホーツク文化、擦文文化など道東と共通する土器がほとんどだった。国後島20カ所と歯舞諸島勇留島の1カ所で戦後、ロシア側が見つけたものという。
右代課長は「道東と国後、千島列島のつながりがあらためて分かった。今後、収蔵品の発見場所を視察するなどして戦後の研究の空白を埋めていきたい」と話している。郷土博物館からは、開拓記念館と収蔵品の相互展示をしたいとの提案があった。一行が乗った船では、元島民2世ら15人が国後島、道内の大学生ら50人が色丹島を訪問。専門家枠以外の日本側訪問は本年度の日程を終えた。
CDを手に「各地域の応援歌として親しんでもらえれば」と話す東さん |
【名寄】旭川刑務所名寄拘置支所長の東幸雄さん(56)が、函館など道内のまちを歌ったCDを自主制作した。「歌には人の心を開かせる力がある」と、これまでも刑務所や少年院を慰問し、歌声を披露してきた。東さんは「今後も仕事と歌を両立させたい」と張り切っている。
CDには、ふるさとの函館の情景を盛り込んだ「函館二人の浪漫(ロマンス)」と、紋別や網走などオホーツクのまちが登場する「北の浪漫『流氷の街』」の二曲を収録した。いずれも東さんが作詞作曲し、「湊あきら」の芸名で歌っている。
東さんは歌手になるのが夢で、上磯高校(北斗市)時代には東京の芸能プロダクションに履歴書を送ったこともある。しかし、母親が「安定した職に就いてほしい」と猛反対。親類に刑務官がいたことから、東さんも刑務官になった。
就職後は趣味として音楽に親しんだ。配属先で同僚を誘い、バンドを結成。ボーカル、ギター、キーボードと何役もこなした。慰問では、入所者の年代に合わせ、演歌やポップスなど何でも歌う。「矯正講話は歌で心を開いた後にすることにしています」と東さん。
CDは昨年十月、釧路での歌謡大会で全国優勝したのを記念し、五百枚制作。一部は歌詞に登場する自治体や観光協会に送った。東さんは「CDが地域を元気づけることに役立てば」と話している。
北海道テレビ放送(HTB)の自社制作番組「水曜どうでしょう」で2000年4月のロケの際、国立公園・鳥取砂丘の特別地域内で、自然公園法で禁止されている砂の採取をしていたことが8日分かった。
HTBの人気深夜番組で、レギュラー放送は○二年に終了したが、再構成を繰り返し、「水曜どうでしょうClassic」を現在放送中。全国的にも注目され、再構成版は海外一局を含む全三十二局で、放送されている。
問題となったのは、企画「原付西日本制覇」の第一回で、出演者が砂丘を見た後、砂をバイクに積んで走る場面。道内では二○○○年五月に放送。再構成版でも二回流した。
日本海テレビ(鳥取)が今年七月上旬、この場面を放送したところ、鳥取市役所に「違反ではないか」との指摘があった。同市役所は近く、環境省に報告する。
HTBによると、砂丘近くのレストハウス周辺に飛び散った砂で、採取したディレクターは「問題ないと思った」と話している。HTBは同市や同テレビなどに謝罪し、ホームページと八日放送の「Classic」でおわびを表明。この企画を含む回の放送と他局への番組販売を中止した。
全国的な人気のため砂丘の地元で放送され、七年ぶりに法律違反が発覚するという皮肉な結果。HTBは「大変申し訳ない。深く反省しており、今後社内に周知徹底していきたい」(CSR推進室)と話している。
自然保護法に時効はなく、違反した場合は原状回復が基本。しかし、「難しい場合もある」(環境省北海道地方環境事務所国立公園・保全整備課)。今回も砂を元に戻すのは難しそうだ。
解読された古文書の監修を進める佐々木馨教授(中央奥)ら |
【伊達】亘理(わたり)伊達家から伊達市に寄贈された膨大な古文書の解読が、道教育大函館校の佐々木馨教授らの監修で着々と進んでいる。伊達政宗から石田三成に送られた書簡や、お家騒動の時期につづられた書簡など、北海道開拓に携わった伊達家の実像が浮き彫りになると期待される資料で、刊行する計画もある。
伊達市の開拓は、仙台藩伊達一門に連なる亘理(現在の宮城県亘理町)の領主、伊達邦成(くにしげ)が一八六九年(明治二年)、明治政府から現在の伊達市域を含む「有珠郡」の担当を任せられ、翌年移住したことから始まった。
その亘理伊達家に保存されていた書簡など千八百点が一九五五年、市に寄贈され、市開拓記念館に収蔵されている。郷土の歴史につながる貴重な資料であるため、市噴火湾文化研究所(大島直行所長)が解読を進め、一九九四年から二○○四年にかけて、市民の協力を得てそれらを現代語に直した。
現代語訳は三百字詰めの原稿用紙三万枚に及ぶ膨大な量。佐々木教授や道教育大の学生らは、その現代語訳の精度を高めるため昨年から伊達市に協力する形で監修を担当。今年も夏休みを利用して二日から現物のある同研究所に詰め、六日まで古文書と現代語訳文を見比べ、精査してきた。
その中には一五九八年(慶長三年)一月十九日、伊達政宗から石田三成にあてた書簡や、徳川家康が亡くなった三日後の一六一六年(元和二年)四月二十日付で、政宗が一族の成実に葬儀に参列するよう求めた書簡、さらに一六六○年代のお家騒動の時期に慎重な行動を求めた資料も。
佐々木教授は「ドラマとは違う現実の歴史を物語る資料だけに新鮮さがあり、夢がある」といい、函館に戻ってさらに監修を続ける。同研究所の黒田格男学芸員も「伊達の宝として、市民が自慢できるよう、できれば来年度中に刊行したい」と希望を膨らませている。
【江差】映画「海風に吹かれて−Hokkaido−」(サトウトシキ監督)の撮影が今月から道内で始まり、七日は映画の主舞台となる桧山管内江差町でロケが行われた。
故郷の江差を離れて東京で働く男性が、高校時代の恋人に再会したのをきっかけに、ヨットで北海道を一周する自分探しの旅に出る−というストーリー。
同管内せたな町(旧大成町)出身で、東京の独立プロダクション代表の佐藤ヒデアキさんが企画。石黒賢さんを主役に、清水美砂さんや上原多香子さんらがメーンキャストを務める。
七日は、江差町内の居酒屋や旅館前で撮影が行われ、緊迫した雰囲気の中、石黒さんらが熱演を見せていた。ロケでは、江差町民が江差独特のなまりを指導しているほか、エキストラとしても出演する。
ロケは既に、洞爺湖や札幌市などで終えており、江差や近郊町では、今月いっぱい続けられる。その後、稚内市や知床半島、根室市で撮影が行われる。来年五月ごろの全国上映を目指している。
羅臼の道の駅に飾られるクジラの水性ペンキ画 |
【羅臼】クジラ壁画で知られる現代美術家の久保南海代(なみよ)さん=東京都在住=が、世界自然遺産知床の根室管内羅臼町を応援しようと、同町内の道の駅に縦一メートル、横十八メートルのクジラの水性ペンキ画を描いた。
全国公募で今春、事務局長になった知床羅臼町観光協会の三浦里紗さんらが、事務局のある道の駅のPRにと依頼。久保さんは「羅臼はマッコウクジラがいる。最も行きたかったところ」と快諾した。
作品は波間を泳ぐクジラの群れを生き生きと描いた。町内の子供たちが四、五の両日、好きな絵を描き加えた。久保さんが仕上げをして、今月中に道の駅のある海岸沿いのコンクリート壁に飾る。
久保さんは一九六六年、東京芸大美術学部卒。九○年に高知県でクジラを見て感動し、岸壁に壁画第一号を描いた。アイスランドのクジラ博物館に縦四メートル、横四百メートルの壁画を描くなど、海外でも活躍している。
古代アステカ帝国の神をかたどった巨大石板。石板の真下に、アウィツォトル皇帝の墓とみられる部屋が埋まっている=06年11月、メキシコ市(AP=共同) |
【メキシコ市3日共同】AP通信によると、メキシコ市中心部のテンプロ・マヨール遺跡付近で3日までに、14−16世紀にわたり栄えた古代アステカ帝国のアウィツォトル皇帝の墓である可能性のある部屋が地下に埋まっているのを、メキシコ政府考古学チームが突き止めた。これまでアステカ皇帝の墓が発掘された例はなく、確認されれば貴重な発見となる。
関係者によると、部屋が埋まっている場所の真上から昨年見つかった巨大な石板に描かれた絵文字が、アウィツォトル皇帝の死亡した1502年を表しており、同皇帝の墓の可能性が高いという。
部屋は少なくとも4つあり、そのうち1部屋に火葬されたとされる皇帝の遺灰が納められているとみている。部屋に続く約2メートル四方の通路は水や泥で埋まり発掘作業は難航しているが、チームは今秋までに部屋の内部に到達できると予測している。
全道から一万三千八百四十五点の応募があり、札幌市・厚別北小一年の石岡優芽さんら「フムフム大賞」の六点をはじめ、入賞の三十一点が表彰された。学校賞は札幌市・開成小と北見市・東相内小。
式では、坂本芳明審査委員長(札幌市・星置東小校長)が、「どの新聞も、何を伝えようかしっかりとらえ、観察や取材がじっくりできていた」などと講評した。入賞者には、賞状と盾が贈られた。
佳作以上の六百三十一点は三日まで、さっぽろ東急百貨店で展示されている。
同町や北海道新聞社などでつくる実行委の主催。撮影は各校三人一組で行い、テーマは自由。北海道代表の旭川工業高チームは忠別川河畔の岩場で、アイヌ民族の伝説に登場する小人コロポックルをイメージし撮影。「モデルと景色のバランスが難しい」と木下亜弥さん(三年)は話した。
この後、旭岳に場所を移し撮影を継続。同日午後六時半からは町農村環境改善センターで、写真家立木義浩さんら五人の審査員による一回目の公開審査が行われる。
撮影は二十七日まで毎日、場所を変えて行われ、審査結果は同日夜、発表される。
フムフム大賞に選ばれた国安誠君(江別市・文京台小六年)の作品は点字ブロックがテーマ。歴史や壊れた点字ブロックの危険性などを詳しく調査しまとめた。
高齢化や環境などの社会問題から、果物やみんなの夢、図書館など身近な話題まで多彩なテーマで、レイアウトにも工夫を凝らした力作が並ぶ。
入場無料。八月三日まで。
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賞状を笑顔で受け取る崎谷さん |
集英社の少女向け小説「コバルト文庫」の本年度のロマン大賞(集英社主催)の贈賞式が九日、東京都内のホテルで行われ、大賞に東京都の夏埜イズミさん(32)「眠れる島の王子様」と神奈川県のひずき優さん(29)「REAL×FAKE(リアルフェイク)」が選出された。佳作(一作品)は、札幌市在住の大学生崎谷真琴さん(21)=ペンネーム、稚内市出身=の「イクライナの鬼」が選ばれた。
崎谷さんは贈賞式で「評価に恥じることなく努力を重ねていきたい」とあいさつした。以上の三作品は八月、同文庫から出版される。ロマン大賞は一九九二年度にファンタジーロマン大賞として創設、九六年度から現名称に変わった。
二十九日午後二時二十六分ごろ、青森県東方沖を震源とする地震があり、函館市と青森県むつ市などで震度4を観測した。札幌管区気象台によると、震源の深さは約六〇キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は5・5と推定される。
震度3を記録した北斗市では、同市七重浜四の「ダイエー上磯店」(石井達也店長)で、配線を固定する重さ一・五キロの金具が、高さ四メートルの天井から落下し、買い物に訪れていた函館市の女性(34)が頭に軽いけが。
また、青森県によると、同県三沢市で建物の外壁が倒れ、六十代の女性が腕や背骨を折る重傷を負った。
函館、北斗を除く道内各地の主な震度は次の通り。
▽震度3=千歳、知内、苫小牧、登別、森、木古内、壮瞥、安平、むかわ、伊達、室蘭、洞爺湖
▽震度2=札幌、新篠津、江別、恵庭、江差、乙部、せたな、倶知安、浦河、広尾、小樽、七飯、新ひだか、由仁など
デモ行進する若者たち。「反貧困」「おれたちも人間だ」など賃金格差の解消などを訴えた |
障害者や派遣社員らが生きる権利を主張する「自由と生存の連帯メーデー in 札幌」が二十九日、札幌市の大通公園などで開かれた。参加した約二百人は市内中心部をデモ行進しながら「人間らしく暮らせる保障を」などとシュプレヒコールを繰り返した。
市民団体「障害者・マイノリティーなどの人権と生活を考える会」が中心となった実行委(新保清和代表)が、低賃金の待遇改善や困窮する生活実態などを訴えようと企画した。
同実行委の鴨川悠斗さんは大通公園で開かれた集会で「弱者同士を競わせるような現代の経済構造に抗議する声をあげよう」とあいさつ。DJが音楽を流すトラックを先頭に、低賃金、長時間労働などに反対する声をあげ、市内中心部でデモ行進を行った。
チベットとミャンマーでの人権弾圧に抗議しようと、浄土真宗本願寺派の僧侶でつくる「念仏者九条の会・北海道」の会員や支援者約三十人が二十六日、札幌市中央区の大通公園周辺で平和行進を行った。
参加者はチベットの旗やダライ・ラマ十四世の写真入りプラカードなどを掲げながら、「フリー、チベット。フリー、ビルマ(ミャンマー)」と唱和し、通行人にチベットとミャンマーの民主化実現を訴えた。同会代表の忍関(にんぜき)崇さん(40)は「仏教者として、支援の意思を示したかった」と話した。
行進に先立って中央区の本願寺札幌別院で開かれた同会の総会では、ミャンマーの民主化運動家ココラットさん(愛知県在住)が講演。北京五輪をめぐるチベット情勢にも触れながら、「中国はミャンマーの軍事独裁政権の最大の支援国」と述べ、中国政府を批判した。
開通したばかりの知床横断道路を通り、知床峠で残雪の景色を楽しむ家族連れ=26日午前10時25分、根室管内羅臼町(藤井泰生撮影) |
大型連休初日の二十六日、道内は好天に恵まれ、各行楽地は、春の陽気を待ちわびていた家族連れらが早朝から繰り出し、にぎわいをみせた。
世界自然遺産の知床では、根室管内羅臼町湯ノ沢と網走管内斜里町岩尾別を結ぶ知床横断道路(国道334号、二三・八キロ)が、昨年十一月以来、約半年ぶりに開通した。
四月中の開通は四年ぶり。安全祈願祭で、辻中義一知床羅臼町観光協会長は「素晴らしい天気にも恵まれた」と連休初日の開通を喜び、湯ノ沢のゲートからバスや乗用車など約十台が頂上の知床峠を目指して発進した。
夏季営業初日となった旭川市の旭山動物園では午前九時半前、小菅正夫園長がテープカット。「あざらし館」「ほっきょくぐま館」などの施設に早速、列ができた。ペンギンが水中を行き交う姿に「うわー」「さわれそう」など歓声も。家族四人で来た同市内の小学四年村上維輝君、耀隆ちゃん(5つ)兄弟は「泳いでいるペンギンの顔が見られた」と声を弾ませた。
函館市の五稜郭公園では、ソメイヨシノを中心に約千六百本のサクラがほぼ七分咲きに。春風に吹かれ、美しく花びらを散らすサクラもあり、公園周辺のそこかしこでシャッターを切る観光客の姿が見られた。
札幌管区気象台によると、二十六日の道内各地の気温は平年並み。低気圧の通過で二十七、二十八両日は雨模様となるが、二十九日は回復する見通し。
高橋はるみ知事にイカゴロの海中投入継続への理解を訴える桧山管内乙部町の漁業者ら(左) |
「磯焼け」対策としてイカの内臓(イカゴロ)の海中投入継続を求めた桧山管内乙部町と、中止を通知した道が対立していた問題で、高橋はるみ知事は二十三日、道庁を訪れた地元漁業者ら十七人に「大変ご迷惑をおかけした」と陳謝し、積極的な支援を約束した。
漁業者側は「知事は信頼している」と述べたが、この問題への対応で寺島光一郎町長との関係がこじれた佐藤俊夫副知事の謝罪は受け入れず、関係修復にはしこりを残した。
イカゴロの海中投入は、乙部町の漁業者らが二〇〇七年秋から実施。桧山支庁が当初の計画期間が切れる三月末、新計画を提出しないままでの投入は「摘発対象」と通知したことに、地元が反発。佐藤副知事が「(制度上は)違法」などと町長に述べたことで道への不信感を強めていた。
知事との面会後、同席していた山本邦彦副知事が「佐藤副知事が謝罪したいと言っている」と述べたが、漁業者側は「それはいいです」として受け入れなかった。ひやま漁協(乙部町)の阿部一副組合長(同町議会議長)は「浜の怒りは大きく、知事の部下の方々にはしっかり対応してほしい」と述べた。
この日は同席しなかった寺島町長は「漁業生産目的で投入するイカゴロを廃棄物だとして規制する道の解釈自体がおかしい。制度改正を求めていく」と話している。
ホームレスが売って自立資金を得る雑誌「ビッグイシュー日本版」が昨年十月の値上げで収支の改善に成功、黒字転換の見通しになった。二○○三年の発刊から五年目。発行元のビッグイシュー日本(大阪市)代表佐野章二さん(66)は「販売員の拡大と誌面改革を続け、部数を増やしたい」と意気込んでいる。
同誌は月二回刊。札幌でも昨年から、ホームレスの人たちが販売員となり、道庁前や市営地下鉄東西線大通駅コンコースなどで販売されている。全国で登録したホームレス販売員は計約百二十人で、実売約二万九千部。○三年の発刊以来一部二百円だったが採算は厳しく、累積赤字は約五千万円に達した。
事態打開のため、札幌を除く東京や大阪などの販売地域では昨年十月十五日号から、発売間もないとして価格を据え置いていた札幌でも今月一日号から三百円に値上げした。懸念された部数減もあまりなく、各号ベースで黒字になった。今年は年間を通じた黒字転換を狙う。
値上げで販売員の利益は一冊百十円から百六十円に増え、一人一日の標準的な売上冊数、二十−二十五冊で収入は三千二百−四千円に。「ネットカフェで一晩過ごせるナイトパック代千数百円に手が届き、路上で寝ずに済む。販売員はホームレスからネットカフェ難民に“昇格”です」と佐野さん。
東京の販売員、小泉隆さん(56)は一日五十冊前後を売る。「値上げ後、発売日の客の反応は鈍っている」というが、「収入は一割程度アップした。何とかアパートに入りたい」。住所が就職に不可欠だからだ。
誌面は写真、イラストを多用。環境、自殺、福祉、平和と堅い内容で「国内唯一の若者向け社会派雑誌」と佐野さんは胸を張る。読者の比率は二十代の女性が二割近くを占めて最高だ。
月刊メディア批評誌「創」編集長の篠田博之さんは「二万九千部という数字が正しければ、健闘といえるが、販売形態の珍しさや、社会運動とみるべき面もある。既存メディアと単純に比較できない」と指摘。二十代の女性が買う点は「ホームレスを助けたいという購買動機に支えられている可能性がある」とみる。
また出版ビジネスに詳しい、雑誌「宣伝会議」編集長の谷口優さんは「出版業界内であまり取り組まれていなかった新規の販路開拓が成功した例といえる。環境ビジネス同様、社会貢献の気持ちが追い風になるが、中身がつまらない雑誌ならここまで続かなかったはずだ」と分析する。
道内は十五日朝、晴れて地表の熱が奪われる放射冷却現象が起きた影響で、釧路管内弟子屈町川湯で氷点下三・五度を記録するなど各地で冷え込んだ。
札幌管区気象台によると、各地の最低気温は十勝管内幕別町糠内で氷点下三・一度、根室管内中標津町で同三・○度など。札幌市も平年より二度ほど低い四・六度まで下がった。
また、十四日も釧路管内標茶町で道内の今季最低となる氷点下四・一度を記録し、釧路で初氷、帯広で初氷と初霜、札幌の手稲山で初冠雪を観測した。同気象台によると、冷え込みは十六日も続き、十七日からは平年並みの気温に戻るという。
開所式後に町民に公開された沼田町就業支援センター |
【沼田】少年院や少年刑務所を仮退院・仮出所した若者が生活しながら就農訓練を受ける法務省の更生施設「沼田町就業支援センター」が四日、空知管内沼田町に開所した。同種の施設は全国で初めて。十月末に一人が入所する予定で、肉牛肥育などの実習を通じて社会復帰を目指す。
入所対象は就農を希望する十四−二十六歳の男性で定員十二人。二十四時間体制で駐在する保護観察官や保護司の指導の下、原則一年間、肉牛の世話やシイタケ栽培に取り組む。建物は旧石狩川開建北空知河川事業所沼田駐在所を改修した。
開所式にはセンター設置を同町に打診した当時の法相、杉浦正健衆院議員が出席し「職がないことが若者の再犯の大きな原因。センターが再チャレンジの模範例となってほしい」と述べた。式典後はセンターの建物や実習農場が町民に公開された。
運航中の旅客機内での電子機器の使用を制限する航空法の改正告示が1日施行され、「ニンテンドーDS」など携帯ゲーム機で無線通信を使った対戦機能を利用することが常時禁止された。電磁波の影響で計器に障害が出る可能性があるため。
これまでも国内航空各社は、無線通信機能は機内では使用しないよう利用客に求めていた。無線を使わないゲームであれば、離着陸時を除いて今後も機内で楽しむことができる。
ほかに新たに常時禁止されたのは、ワイヤレスマウスやワイヤレスヘッドホンなど、無線機能を利用した機器類。バッテリーの充電器や、音に反応するおもちゃも新たに、離着陸時の使用が禁止された。
一方、これまで離着陸時の使用が禁止されていたカセットプレーヤーや電卓、電気かみそりは、電磁波が微弱で計器に障害を与えないとして、離着陸時にも使用できることになった。
朝日新聞社、日本経済新聞社、読売新聞グループ本社の3社は1日、インターネットでのニュース配信や新聞配達に関して提携すると発表した。競争関係にある大手全国紙同士が提携するのは異例。
国内外に取材網を持つ3社が協力することで、ネット上でのニュース内容の充実を目指す。このほかコスト削減などに向け、新聞配達の共同化を進めるとしている。
1日には、産経新聞社とマイクロソフトがニュースサイト「MSN産経ニュース」を、毎日新聞社が「毎日jp」を、それぞれ開設。新聞社によるホームページ強化の動きが相次いでいる。
長崎は9日、被爆から62年の原爆の日を迎えた。長崎市松山町の平和公園で午前10時40分から、市主催の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が営まれ、被爆者や遺族、市民、安倍晋三首相、核保有国のロシア、パキスタンを含む15カ国の駐日大使ら計約4600人が参列。原爆投下時刻の午前11時2分に合わせて全員で黙とうし、犠牲者の冥福を祈る。
就任後初めての平和宣言に臨む田上富久市長は、4月に暴力団幹部に射殺された伊藤一長前市長の核兵器廃絶への遺志を継承する考えを表明。
久間章生前防衛相(衆院長崎2区選出)の原爆投下「しょうがない」発言や、昨年秋、自民党幹部らが日本の核保有論に言及したことを念頭に、核兵器廃絶に向けた政府全体の姿勢が揺らいでいるとの憂慮を示し、被爆国としての自覚を持つよう強く促す方針だ。
5度目の不審火を受け、記者会見する北電の石毛孝二・原子力業務グループリーダー(右) |
【泊】後志管内泊村で建設中の北電泊原発3号機で七日、七月以降五度目となる不審火が発生した。三日の屋内工事全面再開からわずか五日目の発生で、現場は監視強化の対象外だった屋外の仮設トイレ。完全に虚をつかれた形で、不信感を強める道や周辺自治体からは、さらに厳しい対策を求める声が出始めた。
北電は、3号機原子炉建屋でぼやがあった七月四日から警備体制を段階的に強化。四件目のぼやがあった同二十四日以降は監視員を五倍の七十人に増やし、監視カメラも数十台に増強した。
ただ、屋外対策としては、作業員の一人歩きを屋内外とも原則禁止とするなどしただけで、手薄だった面は否めない。
そんな中、発生した五度目の不審火。北電は七日、札幌市内の北海道経済記者クラブで記者会見し、《1》トイレの直後は、別の一人が中を確認《2》作業現場入出時のライター持ち込みのチェック強化−といった追加対策を示した。
しかし、道原子力安全対策課は、運転中の泊原発1、2号機に出入りする作業員には、空港並みの厳しいチェックを義務付け、私物の持ち込みも厳しく制限していることを挙げ、「道民の信頼を取り戻すには、3号機でも、同様に高いレベルの警備対策を取ることを考えては」と注文をつける。
七日の道議会総務委員会でも、道の伊東和紀危機管理監は「再発防止策が実施されている中、起きたことは大変遺憾」との考えを表明。道は八日にも周辺四町村とともに、再び泊原発3号機の現地調査に入る構えだ。
さらに泊、岩内、神恵内、共和の周辺四町村の関係者からも「現在、屋外工事は出入り口での入門証のチェックが一回だけ。二重、三重のチェック体制を取るべきだ」などの声が上がった。
住民の監視グループ「岩内原発問題研究会」(斉藤武一代表)は七日、北電に泊原発3号機の工事の全面中断を求める要望書を郵送した。
これに対し、北電は「今の段階ではそこまで強化する考えはない。工事が進み、原子炉を建屋内に搬入する段階などに合わせ、警備を強めていく計画だ」として、工事を続行する方針を強調している。
【大空】七日午後六時半ごろ、網走管内大空町女満別昭和、道の駅「メルヘンの丘めまんべつ」敷地内の屋外にあるあずまやの中のベンチで、岡山市福治の商店経営古市明男さん(59)がぐったりして座っているのを妻(53)が見つけ、119番通報した。古市さんは約一時間後、搬送先の病院で死亡した。
網走署の調べでは、古市さんの右手首の金属製ブレスレットと首の金属製ネックレス付近に焼けたあとがあり、落雷に直撃され、死亡したとみられている。
古市さんは妻と愛犬とともに、ワンボックスカーで岡山から来て道内旅行中だった。七日午後五時ごろ、道の駅の駐車場に車を止め、妻を車に残して犬と散歩に出たという。
大空町と同管内訓子府町では七日午後三時半ごろから五時半ごろにかけて雷が発生。配電施設などへの落雷が三件相次ぎ、両町で計約八百戸が最大で約四時間、停電した。
「四島を返せ」などと書かれたプラカードを掲げ、気勢を上げる参加者たち |
【根室】北方領土返還要求根室市民大会(根室市など主催)が五日、根室市内の道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)特設会場で開かれた。今年は同市の市制施行五十周年にあたり、出席者はあらためて領土の早期返還を求め、運動を進めていくことを決議した。
市民や元島民、政府関係者ら約千五百人が出席。長谷川俊輔市長は「根室市の五十年の歴史は、返還運動の歴史だった。島が返る日まで強力な運動を続けていく」と訴えた。続いて、元島民や中学生の代表ら五人が領土返還への思いを発表。参加者全員で「島を返せ」とシュプレヒコールを上げた。
根室の市制施行は、日ソ共同宣言で両国の国交が回復した翌年。大会に出席した元市長の大矢快治さん(79)は「当時は早期返還への期待が高まり、領土返還を前提にまちづくりを考えていました。あれから五十年たっても返還が実現しないのは本当に残念です」と話していた。
全国各地の役所や墓地に「報謝」「修業」などと書いた手紙と一緒に1万円札を置いたのは、どんな人物なのか。目的は何か。社会問題に詳しい識者らは「リタイア後の男性によるユーモアか」「年金問題と関係があるのでは」「宗教関係者ではない」などと分析に頭をひねっている。
13日までに見つかった1万円札は、北海道から沖縄まで19都道府県の50カ所で計454枚に上った。大阪府が最も多く計54枚。
最も早い時期の発見例は、昨年7月の兵庫県姫路市の墓地で、ジャーナリストの大谷昭宏さんは「文面から、身近な人を亡くしたばかりの年配の男性を思い浮かべる」と話す。
役所で相次いで見つかった今年5月以降は、年金記録不備問題が浮上した時期と重なる。「年金の問題に立腹し、身銭を切って行政にメッセージを送っているのかも。関西流のユーモアがあり、決して悪い人ではない」と付け加えた。
村と村とが争う「けんか祭り」が、昔の日本では盛んだった。棒を倒したり綱を引き合ったりして勝負する。結果は神の意志だ。中には、悪口を言い合う祭りもあった▼口論して勝った方が「収穫がよくなると考えられていた」。民俗学者の折口信夫(しのぶ)が紹介している。だが口論しても、勝敗は決めにくい。どちらも自分が勝ちだと思う場合には、間に立った「判者」が神の意志を決した▼現代の「まつりごと」でも、きのう似たような行事があった。麻生首相と鳩山民主党代表との党首討論だ。台本のない四十五分の攻防は、知見や即答力、人の性格もうかがえて、それなりに興味深かった▼友愛の理念を打ち出す鳩山代表と、政治の具体性を強調する麻生首相。全体としては鳩山代表が押している印象も受けたが、やはり小沢前代表の献金問題は明確に説明できなかったように思う。「判者」となるのは、もちろん有権者である▼折口の説によれば、村同士のけんか祭りで言い合う悪口の文句はしゃれている。「文学ではないが、即興的に作ったものが機知をもっていて、時どき胸をえぐるものがある」という▼二大政党の「村長」が、胸をえぐる文句や機知をどれほど示せたか、その評価は分かれるだろう。二人だけでなく、別の「村長」の言葉が心に響く判者もいるに違いない。機会を増やし、多彩な「言い合い」を聞いてみたいものだ。
ロンドン駐在の同僚が書いていた。気管支炎になり、診療所でマスクを渡された時「外で着けないように。警官に呼び止められます」と注意されたという。英国には着用の習慣がないらしい。ソウル駐在記者の報告でも、繁華街のマスク姿は日本人ばかりだ▼新型インフルエンザは世界で流行しているのに、日本人ばかりがマスクをする。かつて日本人は眼鏡にカメラ、という印象で見られた。無表情なマスク姿が、新たな日本人像になるのは不本意だ▼それでもマスクなしでは不安だ、という方は少なくないだろう。そこで、こんなのはどうですか。マスクは真っ白な「カンバス」だ。思い思いに口と鼻を描き、笑顔にする。スマイルマークやピエロのように、福笑いのように▼実例はある。タイの警察官だ。昨年来の反政府勢力との対立でこわもての印象が広がっていた。そこで白バイ隊がマスクに笑顔を手書きした。おかしくて、捕まる交通違反者が大笑いしたほどだ。ほほ笑みの国らしい▼込んだ電車やバスの中、日常の無表情な顔をスマイルマスクで覆えば、車内が和むかもしれない。札幌ドームで着けるなら、応援メッセージを入れたっていい▼予防効果がどうなるか心配もなくはないが、もともと欧米では、満員電車などを除き、マスクによる予防が疑問視されている。ウイルスにおびえるより、笑い飛ばす方が楽しくはないか。
アリの行列でも渋滞は起こる。前を行く仲間が分泌するフェロモンという化学物質の匂(にお)いに導かれて歩くが、互いの距離が体長(約一センチ)まで縮まると、歩みが遅くなる。速さは四分の一以下になるという▼西成活裕(にしなりかつひろ)東大准教授の「渋滞学」(新潮選書)で紹介されている。著者は航空宇宙工学の専門家。交通渋滞の原因に興味を抱き車だけでなく、人や虫など多様な分野の流れの停滞を探った▼大型連休が始まり、首都圏を中心に高速道路が混雑し始めた。燃料価格の高騰が収まり、ETC搭載車への休日割引もあってここ五年で最大級の渋滞予測だ。車間距離が四十メートル以下になると渋滞を招く、と西成氏は指摘する。過密が円滑な流れを阻害するのは虫も車も似ている▼渋滞が発生しやすい場所は運転者に分かりにくい緩やかな坂道。上り勾配(こうばい)に気付かずアクセルを強く踏まないと速度が落ち、後続車も減速、これが連鎖する。上り坂を知らせる看板設置が有効な対策と助言する▼渋滞に伴う物流の遅れなどの経済的な損失は年間十二兆円に上る。ハンドルを握る人たちの心掛けしだいで巨額なお金を節約することができる▼西成氏は二月の札幌市での講演で、利他精神の大切さを説いた。譲り合う心が渋滞緩和に効果的という。裏返せば、自己本位の運転が車の流れの停滞を招く。他を顧みない世相も、渋滞の背景にあるとすれば寂しい。
福田内閣の支持率が危険水域の30%割れに近づいている、と一カ月前の小欄に書いた。落ちるときは早い。少し後の共同通信の全国調査であっさり割ってしまった。マスコミ各社とも、似たような傾向だ。理由ははっきりしている。指導力の物足りなさだ▼このところ福田さんは謝ってばかりいる。年金記録問題で「(参院選では)三月末に全面解決するような、誤解を与える説明もあった」。後期高齢者医療制度では「いささかの不安も与えないようにしなくてはならなかったのに…」という具合▼本来の持ち味である飄々(ひょうひょう)とした風情は影を潜め、いらだちが目立つようになった。伝え聞くには、福田さんの身近に、本気で支えようとしている人があまりいないともいわれる▼党首討論で自ら「かわいそうなぐらい苦労している」と嘆いたのは、そんなことも頭にあったかもしれない。ウィルソン元英首相は首相の条件に「熟睡できること」を挙げた。「私はどこででも、眠りたい時に眠れます」▼昨今、安心して眠っていられないのは国民のほうだ、という嘆きもあろうが、さて福田さんはぐっすり眠れているかしら。今朝の目覚めはどうだったろう▼きのう、衆院山口2区の補欠選挙があった。軍配は民主党に上がった。たかが補選、されど補選。政局を左右した例はいくつもある。手痛い黒星で、支持率の見通しも一層、厳しくなった。
ごみは現代の金食い虫だ。私たちの家庭やオフィスから出るごみは一年間で国民一人あたり四百キロ余り。大半が焼却されるが、焼却炉建設費は、その市町村の庁舎を建て替える額にほぼ匹敵する▼焼却炉は、三十年もたてば古くなる。また建てねばならない。そこで庁舎はおんぼろのまま新しい焼却施設が誕生する。笑い話で済まされない▼ごみ収集の有料化が各地で進む。指定されたごみ袋を有料で買うことに不満を持つ人もいるだろう。だがごみ袋購入費より焼却炉建設や埋め立て処分費用の方がはるかに大きい。有料化の狙いはごみ減量にある▼岐阜県高山市の取り組みはユニークだ。各世帯に年間百枚ほどの「ごみシール」を無料で配り、ごみ袋に張ってもらう。シールが余れば、市が買い取るのだ。住民は熱心にごみを減らしシールをためる。ある年はシールの買い取りに二百万円かかったが、ごみ減量で一億円の経費節減になったという▼サミット開催を控え高橋知事が「北海道環境宣言」を発表した。暖房の工夫や節電とならんで、ごみの10%削減も盛り込んだ。道民のごみ発生量は全国平均より8%多い。ここで、一気に減らそうというわけだ▼とはいえお題目だけではごみは減らない。高山市のような知恵がいる。ここは自治体の構想力が試される。ちなみに高山方式は道内のある市のごみ有料化をヒントに誕生したそうだ。
暦の関係で今日から出社という方も多いのではないか。どんな正月休みだったろうか。〈めでたさもちう(中)位なりおらが春〉。小林一茶の句が浮かんだなら、まずまずといえそうだ▼ところで、この「中くらい」は、ほどほどの意味だと思っていたが、本当は違うらしい。一茶のふるさと信州の言い方で「ちゅっくれえ」は中途半端、いい加減(かげん)を意味するという▼だが、そうであっても「読み方の自由を束縛することはできない。この句は『中くらい』であるから愛唱されているのだ」(坪内稔典(としのり)「俳句のユーモア」)▼「中くらい」が、難しくなったのがいまの日本だ。格差社会。昨年は「ワーキングプア」とか「ネットカフェ難民」という言葉が広まり、持てる者と持たざる者が二極化、固定化する傾向が強まった。一億総中流といわれた一九七○年代、国民のほとんどが中流意識を持っていた時代が懐かしい▼そんな社会に少しでも戻せないものか。ほどほどで結構だから、明るく笑って暮らしたい。そこで子(ね)年の初めに「中」の小話。昔「升落とし」というネズミ捕りの方法があった。伏せた升を棒で支え、餌を置く。ネズミが触れると升が落ちて閉じこめる仕掛けだ▼「大きいやつをふん捕まえたぞ」「しっぽが出てるよ。これは小さいな」「いや、大きい」「小さい」。大か小で言い争ううち、升の中のネズミが「ちゅう」。
年が明けてもう六日になる。あすまでが「松のうち」だが、正月気分もきょう日曜日までだろう。どうしん川柳に「松の内美酒と賀状に酔う至福」(中尾照久)。賀状の整理や寒中見舞いをしたためて過ごす家庭もありそうだ▼きょうは寒の入り。来月三日の節分までが「寒の内」だ。北海道は冬空の下、厳しい冷え込みが続く。どうしん川柳に「はらわたに沁(し)みる燗酒(かんざけ)寒の入り」(須郷恵一)▼飲んべえならずともキューッと一杯やりたくなる季節の到来だ。家庭に風呂が普及していなかったころ、札幌あたりでも銭湯からの帰り道に手ぬぐいがカチンカチンに凍った。それでチャンバラしながら悪友たちと家路を急いでいたころが懐かしい▼そんな足元からしばれあがってくる寒さも最近めっきり減ってきた気がする。間もなくやってくる流氷もかつての勢いが見られない。オホーツク海沿岸では昨年、サザナミフグやシイラなど普段北海道では見かけない魚が相次いで網にかかった▼いちがいに地球温暖化の影響と言えないのかもしれない。でも普通ではない。環境をテーマにした北海道洞爺湖サミットの年だ。身の回りの異変に敏感になりたいと思う。そこから私たちのできることが見つかるのではないか▼昨年を表す漢字は「偽」だった。今年は原油高「騰」で幕開けた。「異」常気象が続くような「変」な年になりませんように。
ろくろ首という妖怪がいる。夜中に首が抜けたり、長く伸びたりする。そばで寝ている人の命を吸い、あんどんの油をすする▼油にまつわる妖怪は少なくない。昔は明かりに魚の油を使ったから、化け猫が出てきてなめた。「油坊」は、貴重な油を盗んだ坊さんが姿を変えたものだ。油瓶を下げ突然出てくる「油すまし」もいる▼そしていま、原油を求めて、一匹の妖怪が世界市場をうろついている。「投機マネー」という妖怪だ。正体はおカネだから、さまざまなモノからモノへと姿を変えられる。おまけに強欲だ▼少し前まで別の市場にいたが、こちらに乗り移った。一日に産出される原油の三千三百倍に相当する取引が成立する日もあった。こうなればゲームだ。買う人が本当に石油を必要としているのではない。実体のない、紙の上の売買なので「ペーパー・バレル」と呼ばれている▼それにしても、相場が一○○ドルとは異常だ。イラク戦争が始まるとして急騰した五年前でも、三○ドル台にとどまっていた。穏やかに明けたようにみえた新年だが、妖怪が悪さをする予感が広がり、株価は急落した。波乱の仕事始めである▼しわ寄せは、石油を本当に必要とする家庭や企業に回る。灯油やガソリンはさらに高くなるだろうか。輸送コストも増えるから、値上げは波及しそうだ。妖怪を退治する勇者はいるか。首を長くして待っている。
正月休み、雪見酒の合間に、少し本を読んだ。カントの「永遠平和のために」(綜合社)。本紙夕刊に毎月「文学フシギ帳」を書いている池内紀(おさむ)さんの新訳だ。「十六歳からの平和論」とうたう通り、写真が多く読みやすい▼ドイツの哲学者カントは、子供の時からうんざりするほど多くの戦争を見た。戦いをやめない世界にいらだった。七十歳をすぎてからこの本を書き上げる。その理念は国連や憲法九条の源流ともなった▼二百年も前に書かれたが、現代を語るようだ。〈「戦う勇気」の名のもとに、開戦そのものが高貴で意味深いものとされてきた〉。イラク開戦は多くの米国民に支持された。テロとの戦いの美名が、今では泥沼だ▼〈平和というのはすべての敵意が終わった状態をさす〉。力で相手を抑え込んでも、憎悪の種をまくばかりだ。戦いたがる人は、そのことがわからない。米国の対テロ戦争に協力してきたパキスタンではブット氏が暗殺された▼〈国の軍隊を、共通の敵でもない別の国を攻撃するため他国に貸すなどということはあってはならない〉。他国の艦船に給油するという行いは、カントにはどう映るだろう。わたしたちが「テロリスト」と非難する集団と、戦場で殺されている人々は同じなのか▼カントはこの書物を次の文章で結んでいる。〈永遠平和は空虚な理念ではなく、われわれに課された使命である〉
配達された年賀状を見る。ネズミの絵柄が楽しい。去年のイノシシは描きにくかったが、今年は傑作が多いようだ。やはりネズミは人と親しいのだろう。「トムとジェリー」や「ねずみの嫁入り」などはすぐ思い浮かぶ。児童文学では「トンデモネズミ大活躍」(ギャリコ)という傑作も知られる▼ネズミが俵の上で笑う賀状があった。ネズミが仕える大黒天の俵だ。大黒は七福神の一柱で、福袋や打ち出の小づちを持つ。豊かさを表して縁起がよい▼ねずみ算も繁栄の象徴だ。日本初の数学書「塵劫記(じんこうき)」に説明がある。ネズミ夫婦に雌雄六匹ずつ子供ができる。一家は十四匹になった。翌月、七組のつがいが同様に子供を産んだ。九十八匹になる。一年では? 二百七十六億匹に増える▼これは計算上の話で、実際はもっと少ない。それでも時々異常発生する。後志の島牧村で一九五九年、大群が出現した。木の上で騒ぎ、ササをかみちぎり、地面にひしめいた。幅六十メートル、長さ二キロにわたって食い尽くされた(宇田川竜男「ネズミ」)▼古くから農作物に被害を与えた。感染症を運びもした。鼠禍(そか)という言葉もある。それだけ悪さが知られていても、ゴキブリなどと違い、憎みきれない愛嬌(あいきょう)者である▼福ネズミと禍ネズミ、今年はどちらが主導するのか。少しのいたずらは大目に見よう。だが最後には、いい年だったね、と振り返りたい。
幕府の軍艦だった開陽丸がひそかに江戸湾を抜け出す。大政奉還で、江戸城は既に明治政府に引き渡されていた。船は北に向かう。行き先は箱館(函館)だ。新政府に反対する榎本武揚(たけあき)が乗っている▼蝦夷(えぞ)(北海道)を得ようとしていた。榎本は五稜郭に入り、箱館を占領する。国際法に通じた榎本は、自分たちを新政府と並ぶ「事実上の政権」と英仏関係者に認めさせた。選挙で総裁にもなる。いわゆる「蝦夷共和国」だ。今年が没後百年の榎本は、豊富な資源や農漁業の可能性を北の大地にみた▼坂本龍馬は、この前年に暗殺されている。死の少し前、自ら率いる貿易商社・海援隊が船を入手した。北海道をひらく龍馬の夢を実現するためのものだ。喜びをつづった手紙が残っている▼現代文で要約すると「わたしが北海道に渡ろうとしたころから、新しい国を開くことは一生の思いです。一人でもやります」。明治の開拓は先住するアイヌ民族の収奪を伴ったが、龍馬ならどうしたか▼同じころドイツ人ガルトネル兄弟は、道南の七飯に実験農場を開き、寒冷地に適した農業を追求した。千ヘクタールの土地を租借する契約を交わしている。兄弟のブナ林は、いまも保護されている▼百四十年も昔の話だ。ほかにも多くの人が、北海道の可能性をさまざまに信じた。たまに振り返るのも悪くない。今ここで何かできる、そう信じる力が生まれる。
きょう九日はビートルズのメンバーだった故ジョン・レノンの六十七回目の誕生日にあたる。この日に向け、妻のオノ・ヨーコさん(74)が平和を祈る「光の塔」の建設を進めてきた▼四十年前にレノンと一緒に夢見た塔だ。平和を想像する意味で、イマジン・ピース・タワーと名付けた。世界のどこにもあるはずの希望に光を当てる。暗殺という理不尽に夫を奪われた者として、戦争などの暴力を否定する思いを込めた▼アイスランドの首都レイキャビクに造った。この国の姿勢が環境に優しいからだという。光の高さは三十メートルと小ぶりだ。野鳥などへの配慮だろう。周囲の壁には平和への願いが二十四カ国語で刻まれた▼「誇り高く賢明であれ」。オノさんから、平和を望む人への呼びかけだ。旅をすることができる人に言う。朝日を、夕日を、月を、故郷のそれと比べよう。訪れた国で友人ができるまで、子供がかわいいと思えるまで、そこにとどまろう。ほほ笑みを持ち帰ろう▼旅をしない人にも語る。心で、夢で、旅に出よう。困っている国の人や、宗教や信念の違う人と文通しよう。壁に世界地図を張ろう。自分や仲間の鼓動、動物や星の声を聞こう▼オノさんはまた「世界中の人たちが平和に生きているのを想像しよう」とも言っている。レノンが愛して歌った「イマジン」の歌詞だ。誰にでも、すぐにでも、できることだろう。
オランダの国際都市ハーグの近郊に、北海に面した保養地がある。国際会議が開かれ、海水浴客でにぎわう。スヘベニンゲンの街だ▼北杜夫さんは、船医として漁業調査船に乗った若いころにここを訪れた。「どくとるマンボウ航海記」では「スケヴェニンゲン」と呼んでいる。「この名がそのまま日本語として使えるのでみんな喜ぶ」。二つの言語の奇妙な重なりだ。「人間」との響きは、どこか普遍的にも聞こえる▼人間は多面的な存在だ。「まじめ人間」がいる。そうでもない人がいる。一概には割り切れない。だが、表の顔と裏の顔がこうも異なれば驚くばかりだ。札幌の小学校教頭が児童買春容疑で逮捕された▼写真投稿で巨額の利益を得たとされる。相手の多くは少女だという。カネを払うからとモデルに誘った。子供の人格を育てる立場にいるはずが、人間性を否定する▼カネで売れるものと売れぬもの、決して売ってはならないもの。区分けして諭すのが教師であり、大人だったはずだ。これでは、人間は信じるに値しないと教えたようなものだ▼この件に限らず、少女買春などで摘発される大人は多すぎないか。いい年の男たちが、なぜ次々と堕(お)ちてゆくのだろう。怪しげな情報がはんらんする社会は悪い。だがそのせいばかりにはできない。行動するのは自分だ。「だめなものはだめ」である。大人の男の誇りがほしい。
元は、町道のなだらかな坂だった。今は数メートルもの段差があちこちにある。アスファルトがちぎれ、めくれている。大きな陥没が連なっている。有珠山の西山火口周辺を歩いた▼一九七七年の噴火が始まってから七日で三十年になる。この時は山頂から噴煙を上げた。活動は一年以上続き三人が亡くなった。西山火口は二○○○年にできた。この山は短い間に二度も噴火したのだ▼西山火口周辺は国道と町道が走っていた。爆発はその真下で起きた。幼稚園や菓子工場の跡は今も穴だらけだ。旧町道を利用した散策路を行くと、火口が噴気を上げている。地面は熱い。地表の下でマグマが放熱を続けているからだ。厚い泥に埋まる重機の残骸(ざんがい)からも水蒸気が噴き出す▼自然は怖いと、多くの人が考えている。だがそれを実感できる機会は少ない。ここは自然が人間社会に刻み込んだ鋭いつめ跡だ。自然の力の大きさと人の限界とを雄弁に教える▼人間は自分の力や知識を過信しがちだ。原発を造ったら、「想定もしない」活断層が直下にあった。わかった時にはもう遅い。既に何基もが同じ場所に建てられた後だ。自然の力を前に、おごりを捨て謙虚さを学ばなければ、そんな暴走はやまないようにみえる▼火口からは、来年のサミット会場が間近だ。世界の頂上(サミット)に立つ首脳にとっても、おごりの有無を映す鏡になるかもしれない。
参院選での惨敗の責任を取り、橋本、宇野の両首相は、投票日の翌日に退陣を表明した。橋本氏は「消えろと言われたから消えるよ」と周囲に漏らした。宇野氏は「あかんな」とつぶやき腹を固めた▼宇野氏の辞任に「誰が首相をやってもこんな選挙結果では辞めざるを得ない」と述べたのは安倍晋太郎氏だ。今回も同じ程度の大敗だが、息子の安倍晋三首相はきのう「結果を出すことで責任を果たす」と続投理由を説明した▼党本部で開票を見守るとき、首相の目は涙で潤んでいた。「お友達内閣」をつくる良家の子弟だ。打たれ強さが足りず、外の風がこれほど冷たいとは知らなかったのだろうか。安倍さんお辞めなさい、という国民の空気も読めないらしい▼赤城農水相のばんそうこう姿が自民党惨敗を象徴するように思える。年金や政治資金などの政策は、抜本策ではなく「ばんそうこう」にみえた。農水相が「大したことない」と説明を拒絶したのに似た多数派のおごりもあった▼安倍首相は、郵政解散で総選挙に勝った小泉前首相の後任だ。自ら信任を得ていないのに、戦後体制からの脱却へひた走った。「トラの威を借るタカ派」政権である。大きな勘違いだった▼それでも続投するなら、暴走をやめバランス重視に転じることが欠かせない。「安倍体制からの脱却」だ。今回の選挙で初めて自分の身の丈を知ったはずだから。
中央政界で「若い」と言えば、年齢でなく当選回数を指す場合が多い。安倍首相は衆院当選五回。かつての自民党なら初当選から三十年ぐらいかかって総理・総裁の座を射止めるのがふつうだった▼安倍さんはわずか十三年である。見栄えがする、毛並みがよい−。小泉さんの後も選挙に勝てる人をとの判断を優先し、党内の大勢が支持した。その安倍さんが迎えた初の参院選で自民党は大負けした▼政治は時として皮肉な結果を生む。年金記録の不備、政治とカネ、閣僚の失言と、与党に強い逆風が吹いていた。そのうえ、傷口を広げたのは、安倍さんの若さのせいだったように思えてならない。気負いと経験不足▼美しい国、憲法改正と彼なりの理想論を唱える分はよいとしても、先の国会では次々と採決を強行し、法案を送られた参院自民党からさえ、責任は持てないとぼやきの声が漏れた。政治は妥協の芸術という。理想の実現は力ずくではいかない▼安倍さんが卒業した成蹊大学の名の由来は「桃李(とうり)もの言はざれども下自(おの)づから蹊(けい)を成す」(史記)。桃やスモモは何も言わないが、花や実があるから自然と人が来て下に小道ができる▼政界は大乱の兆しだ。衆院は解散含みになる。安倍さんは続投すると強気だが、なぜこうなったかを考えればここは身を引いた方がよい。まだ五十二歳。もし再登場するなら円熟した政治家として。
麻生太郎首相と民主党の鳩山由紀夫代表による初の党首討論が行われた。
衆院議員の任期切れまであと百日余。政権をかけて戦う総選挙がいつ行われても不思議ではない。首相も鳩山氏もいつになく緊張した面持ちで、対決ムードは十分だった。
しかし、討論では両者とも空回りする場面が目立ち、すれ違いに終わった感が否めない。
鳩山氏は、公設秘書の西松献金事件で辞任した小沢一郎前代表の後を継いで代表に就いたばかりだ。
きのうの討論は、持論の「友愛社会」の建設から切り出した。新生民主党をアピールし、攻勢に出たいという思いが強かったのだろう。
「きずながずたずたに切れている」。不況が深刻化し、ギスギスした日本社会をこう表現した。では傷んだ部分をどう修復するか。体系的に示さなければ国民は納得できまい。
社会を立て直したいという鳩山氏の情熱は分かった。だが、もっと具体的な各論を聞きたい。
応酬の口火を切ったのは首相の方だった。「国民の最大関心事は西松の問題だ」と小沢氏の問題を取り上げ、「政治とカネ」に絡めて民主党の説明責任を突いた。
鳩山氏は自民党議員への西松献金の波及や検察批判で反論したが、この場面では守勢に回った。企業・団体献金の廃止など政治の浄化に向け指導力を発揮してもらいたい。
一方、参院で審議中の本年度補正予算案について鳩山氏は「税金の無駄遣いだ」と批判した。
十五兆円という過去最大の規模も「官僚任せの積み上げだ」と断じた。自公政権の官依存体質を印象づけようとしたが、首相を追い詰めることはできなかった。
政権の理念を提示するよう迫る鳩山氏に、首相は「政権交代は手段であって目的ではない」と切り返した。現実の政策課題への民主党の対応力に疑問符をつける狙いだろう。
だが、雇用や景気など国民生活に密着した問題で苦境脱却に十分な説明ができたとは言えない。
討論では「空理空論」(首相)、「上から目線」(鳩山氏)などと相手を非難するような言葉が飛び交った。総選挙は目前だ。であればこそ、もっと冷静に政治の課題を定め、論議を深める必要がある。
党首討論は一月五日に始まった今国会で、これまで一度も開かれてこなかった。与党の呼び掛けに小沢氏が消極的だったのが大きな理由だ。
鳩山氏は「存分にやりたい」と討論に積極的で、首相も受けて立つ構えでいる。国会は延長される見通しだ。ならば毎週でも開き、国民に政権の選択肢を示すべきである。
ファミリー企業との不明朗な取引が問題となっていた日本漢字能力検定協会の前理事長と前副理事長父子が、背任容疑で京都地検に逮捕された。
前理事長らは、自ら役員を務める広告会社に架空の業務を委託し、協会に約二億六千万円の損害を与えた疑いが持たれている。
広告会社から両容疑者側には、計約一億八千万円の報酬や配当が支払われていたという。地検には、容疑事実の徹底捜査を求めたい。
父子は記者会見などで違法性の認識はなかった、と主張していた。
しかし、ファミリー企業四社への委託費の総額は二百五十億円にも上っている。前理事長は理事会の議決を得ずに多額の退職金を受け取っていたことなども判明している。数々の疑惑の全容解明が急がれる。
漢検協会は、漢字文化の普及という社会貢献を果たす役割を担っていた。だからこそ、公益法人として税を優遇されてきた。
公益を隠れみのに私腹を肥やしていたとすれば、憤りを禁じ得ない。
巨額の収益を支えていたのは、子供からお年寄りまで約二百九十万人の受検料だ。
協会は前理事長の辞任後、元日弁連会長の鬼追明夫氏を新理事長に迎えた。新体制のもと、腐敗を許した体質を一掃してほしい。
前理事長一族に流出した資金は速やかに損害賠償請求などで回収し、検定料の値下げなどで受検者に還元するのが筋だろう。
漢検が「国民的検定」といわれるまでに急成長した背景には、文部科学省の認定(のちに後援)というお墨付きがあったことが大きい。
被害額がこれほど巨額になるまで創始者父子の暴走を止められなかった文科省の責任は重い。
また、漢検協会の理事会には各界の著名人が名を連ねていた。なぜ内部チェック機能が働かなかったのか。反省と検証は欠かせない。
一部の公益法人をめぐっては、これまでも官僚の天下りや不正経理の温床との批判が出ていた。
公益法人改革の一環として、国は監督官庁ごとに行っていた認可権限を、内閣府と都道府県に集約した。
新たに「公益社団」「公益財団」の認可を受けると、第三者機関による財務チェックが義務づけられる。運営の透明化にとっては前進だろう。
だが、監査の仕組みが改まっても、公益法人を私益の道具にしようとの悪意が働けば、抜け道はいくらでもあるのではないか。
何よりも大切なのは公益法人関係者が、社会貢献の志を深く自覚することだ。漢検問題を他山の石とし、あらためて自己検証してほしい。
福田康夫政権に対する有権者の不満は予想を上回るものだった。
衆院山口2区補欠選挙で民主党候補が自民党候補を大差で破った。
主要な争点となった後期高齢者医療制度と道路財源問題で、首相ははっきりとノーを突きつけられたといっていいだろう。
保守王国・山口で総力戦に敗れた事実は重い。これを一選挙区だけの民意と考えてはなるまい。
医療も道路も見直すべきは見直す。その謙虚さと柔軟さが求められていると肝に銘じるべきだ。
自民、民主の一騎打ちとなった今回補選は、首相が初めて迎える国政選挙だった。
自民党は地域の活性化を公約の前面に打ち出し、人々の関心が高い国政上の課題を争点から外すことに躍起となった。
一方の民主党は「道路、年金、医療」を三点セットに、政府・与党の失政批判を繰り広げた。
各報道機関による事前の世論調査では「年金、医療」や「道路財源」が争点として上位を占めていた。当日の投票率も高かった。
結果的に有権者は与党の争点隠しには乗らず、福田政権への審判の機会と位置づけたといえよう。
与党にとって最大の逆風は後期高齢者医療制度だったに違いない。
新制度の導入に当たり政府の説明は不十分すぎた。批判の高まりを直視せずに対応は後手に回り、選挙戦を通じても有権者の不信感を解消できなかった。
道路財源問題をめぐっては、暫定税率の復活を望まないという意見は各種世論調査で六割近い。にもかかわらず、政府・与党は衆院の三分の二勢力を使い三十日に再議決する意向を再三表明してきた。
国民を説得できないままやみくもに再議決に突き進もうとする強引さも、今回の手痛い敗北に結びついたのではないか。
内閣支持率が20%台にまで落ち込む中で、首相は重要な反転攻勢の好機を逃した。
このうえ直近の民意を正面から受け止めず、立ち止まることさえいとうのであれば、支持率低下には歯止めがかからないだろう。
ここは正面突破を断念し、野党との修正協議に力を注ぐべきだ。
民主党にも自制を求めたい。
国民は医療、年金の現状と将来に深刻な不安を訴えている。政治の優先課題は道路問題だけではない。補選でそのことがはっきりした。
野党の次の仕事は国会の場で政府の対応をただしていくことだ。問責決議案の提出を急ぐことで、その責任を放棄してはならない。
経済交流拡大をてこにして北方領土交渉を動かす−。政府が考えている対ロシア外交戦略だ。
そのためには首脳同士がしっかりと信頼関係を築かなければならない。福田康夫首相訪ロの最大の狙いもそこにあった。
プーチン大統領との初めての会談では、東シベリアでの石油・天然ガスの共同開発に合意した。領土交渉を継続していくことも確認した。
メドベージェフ次期大統領とは、北海道洞爺湖サミットの主要議題となる地球温暖化対策で足並みをそろえた。
領土についていえば、前進があったわけではない。
ロシアはかたくなだ。だからまずは「交渉継続」を確認する。
政府はそれでよしとしていないか。日ロの政治対話は小泉純一郎政権時代に停滞した。今回はその仕切り直しの意味もあるようだ。
だが交渉を切り開く次の一手がさっぱり見えない。このままだと経済協力だけが先行し、領土問題は置き去りにされるのではと心配になる。
「双方が受け入れ可能な解決策を、今後とも話し合う」
プーチン氏に語ったこの通りいっぺんな首相の言葉を、領土返還を待ち望む元島民らは歯がゆい思いで受け止めるに違いない。
政府・与党内では、二島先行返還論や四島の面積二分割論が語られてきた。四島返還の原則がふらつくようでは、真剣さも疑われる。
首相に求めたいのは領土交渉の具体的戦略と熱意を示すことだ。
今回の訪ロには、サミットに向けた首相の顔つなぎという目的もあった。限られた日程の中、訪問先として首相が欧州主要国ではなくロシアを選んだことは評価したい。
ロシアは日本の大切な隣国であり、世界有数の軍事大国、エネルギー資源大国でもある。一方、市場経済や民主主義の面ではまだ途上国といっていい。
その国と信頼関係を深めていくことは安全保障の観点からも大事だ。
ロシアは近年、豊かなエネルギー資源の市場としてアジア・太平洋地域に強い関心を示している。
日本はその窓口に位置しているだけでなく、資源開発や物流などで高い技術を持っている。ロシアが抱える課題であるエネルギーの効率的な活用などの温暖化対策でも、日本の技術力への期待は大きい。
逆に北朝鮮の核問題や拉致問題では、北朝鮮とパイプがあるロシアにもっと積極的に動いてもらわなければならない。
そんな積み重ねから生まれる「高い次元」の日ロ関係には、もちろん領土問題の解決も含まれるはずだ。
おやっ、と思った道民が多いだろう。
北海道新聞の全道世論調査で高橋はるみ知事の支持率が50%を割り込んだ。
知事という仕事は就任二期目がいちばん力をふるえる時期とされる。二期目も一年が過ぎて、勢いが出て当然のはずだ。
それとはどうも逆の道民反応だ。その意味合いに、少し立ち止まって思いを巡らしてほしい。
知事自身は支持率の低下を「重く受け止める」とする一方で「織り込み済み」とも表現した。
五兆円超の道債圧縮や職員削減を図る行財政改革、十四支庁を総合振興局と振興局にする支庁再編という道政の柱に据える改革で「影響を受ける人が多い」との理由だ。
いわば不人気政策との考えなのかもしれない。だが、一期目から続く改革メニューだ。同じ改革で支持率が下がるとしたら、そこに道民の思いとのずれがありはしないか。
高橋知事は「未来の子どもたちの評価」を意識して道政運営を進めるとコメントした。
その考え方はいい。政策が道民のため、つまりは未来の道民のために役立つか、ということだ。
重い改革だからこそ、その先にどんな未来を期待できるか、丁寧に説明することが欠かせない。
減らす、なくすの「引き算」でなく、どのぐらい我慢すればこうなるという「足し算」を知りたい。
道財政の引き締めはいつ終わるのか。振興局になる支庁所在地は地域の縮小をプラスにできるのか。
道内は人口減で過疎が進み、自治体は財政難、景気も低迷する。
それと改革はどう結びつくのか。ここの説明が道民にしっかり届いていないうらみはないか。だから未来の子に役立つか不安になる。
道民の思いは、高橋道政からもう少し元気の出るメッセージがほしいということだろう。
改革以外にも道民には気がかりなことがある。その評価も支持率に映し出されたに違いない。
聴覚障害の問題で市町村からの相談を職員が長い間放置していた。新千歳空港ビルを管理する北海道空港の社長人事で演じた「泥仕合」。利害関係者との飲食−などだ。
足元に緩みがある。しっかりした目配りと緊張感が道政運営には欠かせないはずだ。
二期目の残る任期は三年間だ。長い時間ではない。高橋道政は新たに何を目指すのか。鮮明に見えて来ないのも道民には物足りない。
道政の主役は道民だ。このことを忘れることはあるまい。そのうえで未来の子どもを意識したメッセージを丁寧に発信してもらいたい。
収穫の秋、新米が出回り始めた。
店頭に並ぶ道産米に対する道民の評価が様変わりしている。
道内で消費されたコメのうち、道産米が占める割合である「道産米食率」が今年、初めて70%台に乗りそうだ。
道産米食率は最低だった一九九六年の37%に対し、ほぼ倍増だ。
食率向上は品種改良や官民挙げたキャンペーンの成果でもあるが、「売れるコメ作り」を目指した道内生産者や農業団体の地道な努力があってこそだろう。
道産米は「きらら397」をはじめ「ほしのゆめ」「ななつぼし」「おぼろづき」「ふっくりんこ」など、立て続けに有力品種が登場した。
かつてコメは作っただけ政府が買い上げてくれた。味より収量に目が向き、道産米は「まずいコメ」のレッテルを張られていた。
いまや割安な価格に加え、食味でも本州のブランド米と肩を並べる。
流通の自由化でおいしいコメへの品種改良に向けて、道内の農業試験場は研究開発に力を注いだ。
しかし、いくら良い品種でも生産者の取り組み次第でコメに差が出る。稲作農家は土づくりから施肥、減農薬など生産技術の改良に取り組んだ。
集荷段階でも、道内は全国で唯一、全域で粒ぞろえとタンパク質含有率の二つの品質基準で高品質米を選別し、商品価値を高めている。
タンパク質の含有率が低いほどコメが軟らかくなり、食味が増すためだ。
道産米人気の中で、気がかりなのはコメ余りが懸念されていることだ。
農水省は今年の全国のコメ生産量を八百二十八万トンに設定した。
ところが、道外の多くの県で過剰作付けがあり、全体で約二十三万トンが供給過剰になる見通しだ。
余剰感から、三日の全国米穀取引・価格形成センターの入札では、道外の本州産米を中心とした落札平均価格は、前年に比べ8%安だった。
道産米は九月下旬の入札で、「きらら397」が前年を上回る価格で全量落札されるなど、ほぼ堅調なスタートを切った。
だが、本州産米の値下がりが続けば道産米の割安感が薄れる。本年産米の販売と価格維持に暗雲が漂っている。
今年の道内食率の向上は歓迎だが、先行きにこうした不安がある。
道内食率が70%台といっても新潟や秋田など米どころでは80%を超える。地元産米の消費は食味向上に努力する農家を支えることにつながる。
道産米の古いイメージが残って、本州産米を選んでいる消費者もいるのではないか。「地産地消」の意識をコメにも向け、食卓により身近なものにしたい。
家電量販店の競争が激しさを増す中、業界五位のビックカメラ(東京)と七位のベスト電器(福岡)が資本・業務提携することで合意した。
この提携で、年間売上高は計八千五百億円となり、業界トップのヤマダ電機(群馬)に次ぐ規模となる。
ヤマダもこうした動きに対抗してベスト株を7・7%まで買い進めたほか、東京都心で家電やブランド品などのディスカウント店を展開するキムラヤセレクトを買収した。
ヨドバシカメラ(東京)やコジマ(栃木)など業界上位を核とした再編も取りざたされる。将来的には数社に再編されるとの予測もある。
生き残りをかけた合従連衡はもはや時代の大きな流れだ。
ビックの道内店舗は札幌だけだが、ベストは各地に店舗がある。両社の提携の行方は道内の消費者にとっても気がかりだ。
ただ、提携で規模が拡大すれば消費者が満足するわけではない。提携の効果をいかに価格やサービスに還元していくか。これを念頭に置くことを忘れてはならない。
国内の家電製品の市場規模は約七兆円とされる。人口が減少する中で、市場は縮小傾向にあり、逆に店舗は過剰気味だ。業界再編が加速するのは、こんな厳しい環境に対する量販店の危機感の表れともいえる。
提携の動きに拍車をかけているのは首位を独走するヤマダの拡大戦略だ。
ヤマダは四十七都道府県すべてに店舗をもち、二○○五年三月期には業界初の売上高一兆円を突破した。最近は郊外から都市部への進出に一段と力を入れている。こうした攻勢が再編の引き金になっているのもうなずける。
ヤマダは道内にも十六店舗を展開しているだけに、その動向からも目が離せない。
こうした家電量販店が地方にとっていかに脅威であるかは、JR札幌駅周辺で安さと品数を競い合う店舗のにぎわいを見れば明らかだろう。
取り扱う商品はいまや家電製品にとどまらない。時計や貴金属、書籍、香水、眼鏡など実に幅広い。地域の商店街とも競合する。
とりわけ、中小の電器店にとっては、生き残りの道はますます厳しくなっているのではないか。
地方には逆境にめげず、顧客を定期的に巡回し、家電製品を点検したり、高齢者宅の電球を付け替えるなど、便利屋的機能で地域に溶け込んでいる業者もいる。
地域や暮らしに密着したきめ細かなサービスを徹底することは、量販店に対抗する有力な手段だろう。
行政や商工会議所には中小零細業者への支援の手を緩めず、商店街の活性化に向けた知恵を絞ってほしい。
札幌市の小学校教頭が、十六歳の少女とわいせつな行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された。
教頭は十数年前から、女性のわいせつ写真を撮って雑誌に投稿していたと供述している。六百人の写真を投稿し、計千八百万円の報酬を得ていたとされる。警察は同法の児童ポルノ製造容疑でも立件する方針だ。
未来ある子供を教育する現場にいる人間がとんでもない事件を起こした。しかも、一般教員を指導する管理職がこんなことをしていたとは驚きを通り越して、あきれ、怒り心頭に発する。
犯行の事実経過や余罪など、わからないことが多い。警察は徹底的に解明してほしい。
学校関係者は一様にふだんの教頭を「まじめで誠実」と語る。しかし「出会い系喫茶」で声をかけられた女性によると、教頭は半年前からほぼ毎日来ていたという。
教頭職が忙しいはずなのに勤務後、毎日のように通っていた。どうして周りが気づかなかったのだろう。
確かに校外での「趣味的」行為まで同僚や校長も目が届きにくいかもしれない。だが、十数年もの長い間、雑誌への写真投稿などの行動が露見しなかったことも、腑(ふ)に落ちない。
市教委が教頭に起用するにあたり、こうした点を見抜けなかっただろうか。父母の信頼を失いかねない事態だけに、市教委にも任命責任があると言わざるを得ない。
教員のわいせつ行為が増えている。昨年度、道内の公立学校でわいせつやセクハラ、痴漢行為で懲戒処分を受けた教員は過去最多の十七人に上った。
不祥事を学校が表に出したがらない雰囲気もある。道東では教師の生徒への性的暴行を親が訴え出たのに校長が表ざたにせず、その後も半年間、暴行が続いた。一つ一つを教育委員会が厳しく検証し、教訓を引き出すべきだ。
警察の調べでは、教頭は知人にわいせつ写真を撮らせてくれる女子高生らの紹介を求めていた。出会い系喫茶でも十八歳未満の中から、わいせつ行為や撮影の対象を探していたという。
投稿写真の雑誌ではペンネームで、少女をだます「撮影」の手口まで披露していた。子供にかけがえのない生命や愛情の大切さを教える立場の人間として倫理観も問われる。
十八歳未満への性的行為が重大な人権侵害にあたるという観点から、八年前に児童買春・児童ポルノ禁止法が成立した。性的行為はむろん、写真や画像を含む児童ポルノの販売、そのための製造、所持も犯罪にあたる。
同法の摘発者が増え続けている。そもそも、児童買春や児童ポルノの市場は、金を払う大人が求めるから成り立つ。大人は、子供に対して恥ずかしいことをやめようではないか。
安倍晋三首相が原爆症の認定基準を緩和する意向を表明した。政府が認定基準の見直しで踏み込むのは初めてだ。
ただし、いまの基準のどこが問題で、どのように見直すのか、首相は一切触れていない。
原爆被爆者の中には歓迎の声がある一方で、「問題の本質と重要性を分かって言っているのか」と懐疑的な受け止めが少なくない。
首相の発言が具体性と方向性を欠いているからだ。
そもそも、今回の発言は唐突な印象を否めない。
柳沢伯夫厚生労働相は、首相が被爆者団体の代表と会談する見通しについて、「いままでの判断基準を変更するとは聞いていない」と記者会見で事前に述べていた。
所管大臣とのすり合わせすらなかったのであれば驚きだ。
一国の首相が被爆地の広島を訪ね、被爆者団体の代表に約束した。発言は大変な重みを持っている。
首相は、専門家による検討会に議論を預ける前に、認定基準をどう変更したいのか、自らの言葉を尽くして被爆者に説明すべきだ。
でないと、参院選で与党が惨敗したあとの失地回復を狙った発言だと受け取られても仕方がないだろう。
原爆症の認定却下の取り消しを求めて被爆者が全国で争っている集団訴訟で、国の敗訴が六地裁で相次いだ。
国は、被爆した際の爆心地からの距離で被ばく線量を推定し、年齢や性別を考慮した「原因確率」を加味した方式を認定のよりどころとしている。
これに対し、各地裁判決は「爆心地から離れた場所での被ばく線量を過小評価している」「残留放射線による被爆の影響が考慮されていない」と認定基準の不備を批判している。
被爆して被爆者健康手帳を持つ人は全国に二十五万人余いる。このうち、被爆によって発病したとして原爆症に認定された人は1%に満たない。
認定されると、月額十三万七千円余の医療特別手当が支給されるが、申請しても大半が却下されてきた。
国の認定基準のあいまいさについて司法判断はほぼ定着した。認定基準を科学的知見を踏まえて見直すことが急務だ。原爆症に本来認定されるべき人を認定して救済する必要がある。
首相が言う通り、認定基準は専門家の意見を仰いで見直すべきだ。だが、専門家の検討会に「丸投げ」するのであれば無責任のそしりを免れない。
認定のあり方を自分の言葉で語らない限り、指導者としての責務を全うしたとは言えないだろう。
政治解決を目指す一方で裁判を続けるのでは理解は得られない。国は控訴を取り下げ、和解を模索すべきだ。首相は指導力を発揮してほしい。
「改革を進めるのが自分の使命だ」。安倍晋三首相は疲れきった表情でこう言い切った。敗北の将の続投宣言に拍手を送った人がどれだけいただろう。
参院選の惨敗を受けた記者会見で、首相は「すべての責任を負っている」と潔さを見せた。だが辞任する考えはないのだという。
責任はあるが、取らない。この不思議な論法が国民の政権不信に拍車をかけることを首相は分かっていない。
辞めない理由の一つは政策の基本路線について国民の理解を得られたからだという。根拠を聞かれ「演説の聴衆の反応で分かった」と答えた。
首相の感覚より確かなのは参院選で示された民意だ。自民党の獲得議席は三十七。下回れば首相の進退問題に発展するとされた一九九八年の四十四議席を大きく割り込み、結党以来最低だった八九年の三十六議席に迫った。
有権者が首相の退場を求めたと見るのが常識というものだ。
首相は「改革のスケジュールを示し約束している」と述べ、国民との約束を果たすことも続投の理由に挙げた。
十カ月の政権実績を前面に掲げて戦った選挙で一敗地にまみれたのだ。その約束自体を有権者が拒絶したと考えるのが当たり前だ。
国民の判断が示された選挙結果と正面から向き合わずに、いくら「国民の厳しい声を真摯(しんし)に受け止める」と反省されても信じられるものではない。
首相がここまで続投にこだわるのは、逆風に遭った自分は不運な被害者だと内心思っているからではないか。
だが年金記録不備問題も閣僚の失言や政治とカネの問題も、みな首相の足元で起きたことだ。不幸なのは適切な対応を迅速にしてもらえなかった国民で、最高責任者たる首相ではない。
首相は衆院の解散も否定した。会見では「戦後体制からの脱却」に触れず、参院の主導権を握る民主党とよく話し合って国会運営に臨むと言った。
民意に背き、安倍カラーを押し殺してまで退陣を拒むとすれば、一体何のためか。政権を担い続ける正統性を首相は最後まで説明できなかった。
この状態で、辞任を当然視する世論や野党の攻勢に立ち向かっていくことができると本当に考えているのか。
首相の辞任を求める声が自民党内から聞こえてこないことに驚かされる。辞意表明した中川秀直幹事長も当面は「敗戦処理」で居残るらしい。
自分たちが担いだ首相が国民から不信任を突きつけられた。なのに早々と続投を容認する。これでは政権政党としてあまりに民意に鈍感すぎる。
辞任論が高まらないのは有力な後継候補が見当たらないからだという。国民不在の論理だ。党内に活力はなく、人材もいない。それが現状なら下野して政権を野党に渡すしかなくなる。
参院選期間中、与党の一部からはこんな脅しめいた発言があった。「自民党が大敗すれば株価は暴落する」。だが、市場は織り込み済みだったようだ。
週明けの東京株式市場は日経平均株価が一時、一万七○○○円割れ寸前まで下落したが、終値は前週末をわずかながら上回った。
ただ、警戒は必要だ。衆参のねじれが政局の混乱につながるようだと、外国人投資家による「日本売り」で、株価の低迷が長引く恐れもある。
米国の住宅融資焦げ付きに端を発した世界同時株安の流れも、まだ完全に収まったわけではない。
最近の円高傾向も不安材料だ。これまで円安の恩恵を受けて景気をけん引してきた輸出産業の業績が悪化すれば、経済全体の足を引っ張ることにもなりかねない。
景気が腰折れしないよう、政府・日銀にはこれまで以上に慎重できめ細かな政策運営を求めたい。
株式市場などでは、日銀が八月下旬にも追加利上げに踏み切るとの見方が広がっていた。
金融政策は本来、政治の動向に左右されることがあってはならないが、やはり選挙の結果をまったく無視するわけにはいかないだろう。
今回の選挙戦で浮かび上がったのは、大企業に比べ業績の回復が遅れている中小企業や、都市との経済格差を訴える地方の切実な声だ。
金融政策を変更するかどうかの判断にあたっては、こうした声にも配慮してもらいたい。
与党が参院で過半数割れしたことで、これから本格化する予算編成や税制改革への影響も避けられない。
最大の懸念は財政再建路線が後戻りしないかということだ。
公共事業の増額を求める声は選挙期間中にも与党内から出ていたが、今後、さらに強まることが予想される。
近くまとまる二○○八年度予算の概算要求基準に公共事業費の削減を明記できなければ、ようやく軌道に乗ってきた財政再建が再び遠のいてしまう。かつての「ばらまき予算」に逆戻りするようなことは許されない。
秋にも始まる抜本的な税制改革についても、消費税率据え置きを公約した民主党が議席を伸ばしたことで、議論は混迷が予想される。
社会保障費の増大を考えれば、歳出削減を進める一方で、歳入をいかに確保するかは大きな課題であり、与野党とも逃げずに議論すべきだ。
その際に注意しなければならないのは、企業ばかりを優遇し、個人に税負担が偏るような改革であってはならないということだ。
初めに消費税率引き上げありきでなく、所得税や法人税などとのバランスのとれた議論を忘れないでほしい。
安倍晋三政権を信任せず−首相が初めて臨んだ全国規模の国政選挙で示された民意は明白だ。
自民党は三十議席台の歴史的大敗を喫し、一けたに後退した公明党と合わせても過半数を大きく下回った。第一党に躍り出た民主党を軸に野党勢力が参院の主導権を奪うこととなった。
投票率は過去二回をしのいだ。うねりのような民意の表出は政権与党への単なる「懲らしめ」ではない。
にもかかわらず、首相は引き続き政権を担う意向を明らかにした。
首相は選挙戦で、自分と民主党の小沢一郎代表と「どちらが首相にふさわしいか国民に聞く」と述べていた。
今回の選挙結果を謙虚に受け止めれば、続投に理はあるだろうか。
*解散・総選挙こそが筋だ
年金記録に関する社会保険庁のずさんな事務処理が国民の怒りを買った。それが安倍首相の政権運営に対する不信に結びついたのが、自民惨敗の一番の要因だろう。
首相の当初の対応は拙劣すぎた。野党の追及に対して「国民の不安をあおる」と及び腰だったのに、世論が沸騰するとあわてて関連法案を強行採決する。逃げの姿勢と付け焼き刃的な手法が政権の信頼性を揺るがした。
自殺した松岡利勝前農水相や後任の赤城徳彦農水相の事務所費問題が次々と表面化し、久間章生前防衛相、麻生太郎外相と主要閣僚の失言も続いた。
緊張感を欠いた内閣と首相の指導力不足に有権者は愛想を尽かし、失望したのではないか。首相が打ち出した年金記録漏れ対策を国民が評価しなかったのもこのためだろう。
半面、先の国会で強行採決を連発した強引さは際立つ。タカ派的な国家観や歴史認識に基づく「戦後体制からの脱却」に向け、九条改憲などに突き進む危うさを感じ取り、ブレーキをかけようと考えた人も少なくなかった。
もう一つの大きな敗因は小泉改革のひずみだ。公共事業を減らし、地方自治体への交付税や補助金を削る政策は地方に大きな痛みをもたらした。
金城湯池である九州や四国の一人区で軒並み敗れ去ったことは、首相が引き継いだ改革路線の見直しを求める声がいかに大きいかを示す。
自民党と八年間連立を組んできた公明党も苦杯をなめた。支持団体の平和志向と安倍政治との間に距離があったことも背景にあるだろう。
参院選は衆院選と違い、首相を選ぶ政権選択選挙ではない。ただ首相も自民党も今回は党首力の競い合いだと位置付け、安倍か小沢か、自民党か民主党かと有権者に選択を迫ってきた。
二大政党化の流れの中で、それが参院選に政権選択的な意味合いを帯びさせたことは否定できない。
首相は昨夜、選挙の敗北について「責任は私にある」と認めた。ところが、「改革を続行していくことが私の使命だ」と述べ、辞任は否定した。
これでは安倍政治を拒否した民意をないがしろにすることになる。
政権をかけて戦うのはあくまで衆院選だと言うのなら、国民は総選挙を求めるしかない。首相は早期に衆院を解散し、国民の信を問うのが筋だ。
*重み増した民主党の責任
民主党は結党以来の大勝利だ。
小沢代表は一人区が勝負のかぎを握ると見て地方行脚を続け、大胆な農業政策を打ち出して票固めに専念した。負ければ政界を引退すると退路を断った。この選挙戦術が功を奏した。
「政権交代の最後のチャンス」と訴えた小沢代表は絶好の足場を得た。
参院での法案審議を通じて、与党を早期の解散・総選挙に追い込むことに全力を傾注することになろう。
民主党が政権批判票をほぼ独占したのは、有権者が政権交代の受け皿と期待したためだろう。それだけに責任は一段と重くなる。
今回のマニフェストでは、体系的で総合的な政策を提示したとは言えない。財源にあいまいさが残るし、党内で意見が分かれる憲法や安全保障政策ははっきりと書かれていない。
安倍政権の「美しい国」と違う、どんな国づくりを目指すのか。対抗軸を明確に語らねばならない。
共産党、社民党、国民新党、新党日本の野党各党は伸び悩んだ。だが野党が多数を占める参院で果たすべき役割は大きい。その中でいかに独自性を発揮していくかが課題になるだろう。
*道民は「格差」を批判した
道選挙区は、民主党現職の小川勝也氏に次いで、自民党現職の伊達忠一氏が当選し、民主、新党大地など推薦の新人多原香里氏は及ばなかった。
一九九八年以来、三回続いていた、自民、民主で一議席ずつ「指定席」を分け合う図式が今回も繰り返された。
しかし、伊達氏は二議席独占を狙う民主党の戦略に、最後まで苦しんだ。北海道新聞の出口調査では、自民党支持層も固め切れていなかった。
年金問題に加えて、格差問題が道内有権者の判断に影響した。
道内の賃金水準は全国を下回り、仕事も少なくて就業人口も急激に減っている。公共事業の減少を打開する展望が開けず、道民には疲弊感が募る。
構造改革で格差が広がったと指摘した民主党に勢いがあった。
地方切り捨てと厳しく問う道民の声を、与党は重く受け止めるべきだ。
かつての「夕張メロンまつり」の光景。会場の夕張市公設卸売市場から人があふれる人気だった=1989年8月
【夕張】夕張市の補助金廃止などで二〇〇〇年を最後に中止された「夕張メロンまつり」が六月二十八日、市内の民間団体が協力し九年ぶりに復活することが決まった。同まつりは、かつて全道から五千人が詰め掛けたイベントで、関係者は「全国区のメロンを地域再生のバネに」と意気込んでいる。
同まつりは、市公設卸売市場などが一九八三年から八月中旬の日曜日に開催。メロンの格安販売や試食会で人気を集めた。ただ、出荷のピークが過ぎた時期の開催のため品薄で中止の年もあり、徐々に来場者が減少。九六年に地元夏まつりと合体してからは存在感も薄れ、市の財政悪化で百万円の補助金が廃止されたのを機に中止となった。
今回は夕張商工会議所が「市の財政破綻(はたん)で地域衰退は深刻。協力してまつりを復活させ、メロンをはじめとする特産品を売り込もう」と開催を呼び掛け、地元農協、観光協会など十以上の団体・企業が賛同した。
当日は夕張友酉(ゆうゆう)市場を会場に午前十一時から午後二時半まで、格安販売や試食会、市民参加の模擬競り市、夕張スイーツのフェアやコンテストなど多彩な催しを繰り広げる。
同会議所の小網敏男専務は「おいしい食べ方や生産方法など知識を広めるビデオも上映し、夕張メロンを再認識してもらいたい」と訴えている。
「負の遺産」見学ツアーで夕張を訪れ、石炭博物館で展示を見る韓国の自治体議員ら=昨年9月10日 |
【夕張】夕張市の財政破たんの原因となった観光施設など“負の遺産”を見学する「ドキュメンタリー・ツアー」(夕張リゾート主催)の昨年度の参加者が、三百六十五人に上ったことが同リゾートのまとめで分かった。このうち、旧産炭地の問題に関心が高い韓国からが百七人と三分の一近くを占めた。
ツアーは昨年七月に始まり、石炭博物館など観光施設が集まる「石炭の歴史村」や夕張市役所をガイドの説明を聞きながら巡る。昨年度は約九カ月間に計三十団体が参加。国内からは、東北から九州まで、自治体の議員や職員、大学など研究機関の職員や学生らが訪れた。
韓国からは、国家公務員や自治体の議員、報道関係者らの七団体が参加。本年度に入っても四月五日、経営コンサルタント業者の十人が訪れた。
夕張リゾートは「韓国でも旧産炭地の再生は課題で、新聞やテレビが夕張問題や視察の様子を報じたため関心が高まったのでは」と話し、本年度の参加者増に期待している。
北海道新聞社の広告が掲載された夕張市のスクールバス |
【夕張】財政再建策の一環で市所有物への広告募集を検討していた夕張市は、第一弾としてスクールバスと公用車の車体広告を募り、北海道新聞社が二十四日、同バスへの広告掲載を始めた。夕張市が公式ホームページ以外で広告を受けるのは初めてで「多くの企業・団体に協力してほしい」とPRしている。
同バスは、市が昨年度末に廃止した幌南小・中の子どもが統合先の清水沢小・中に通うため市が初めて導入。道新の広告は、車体左右側面と後部の計三カ所に紅色の文字で「北海道新聞は夕張を応援します」と記した。バスの広告料は三カ所合わせ月五万円で道新は最低半年間続ける。
市は、ほかに公用車三十台を保有。十月に市養護老人ホームを譲渡する恵庭市の社会福祉法人「いちはつの会」が広告掲載を申し込んでいる。市庁舎などの壁も希望があれば広告掲載基準を整備し、公共物に見合う広告なら受ける方針。広告募集の詳細は同市総務課(電)0123・52・3170へ。
夕張市のネットオークション第3弾の目玉の磯舟 |
【夕張】夕張市が財政再建策の一環で市所有の“お宝”を競売に掛けるインターネットオークション第三弾の参加受け付けが二十四日始まった。今回のテーマは「海」で、木製の磯舟や霧笛、捕鯨の銛(もり)まで多彩な二十点を出品する。
骨董(こっとう)収集家だった故石川十四夫元道議が市に寄贈した品々。磯舟は全長六メートルで、櫓(ろ)