就職氷河期世代
Last edited May 11, 2008
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就職氷河期世代のきわどさ―高まる雇用リスクにどう対応すべきか

NIRA研究報告書 2008/4発行

総合研究開発機構 発行



就職氷河期に増加した非正規雇用については100 万人を上回る規模で残存しており、彼
らが低水準の賃金で十分な年金が確保されないまま退職後に生活保護需給状態に陥ったと
すると、20 兆円程度の追加的な財政負担が発生するという試算結果が示される。これは非
正規雇用の増加がもたらす深刻な影響の一つの側面と言える。

雇用者全体に占める非正規雇用の比率は90 年代前半まで20 パーセント程度で推移して
きたが、90 年代後半以降は上昇を続け最近ではほぼ3 人に1 人が非正規雇用という水準に
まで至っている(図表1)。
非正規雇用を産業別にみると、飲食店・宿泊業、サービス業、卸売・小売業において非
正規雇用の割合が高い。特に、飲食店・宿泊業においては、従事者の6 割以上が非正規雇
用者(具体的にはパート・アルバイト)によって占められている(図表2)。非正規雇用者
の数が最も多いのが、卸売・小売業であって、特に、パート・アルバイトの数が全産業の
中で際立って多い。

労働者派遣法は1985 年に制定されたが、当初は派遣の
利用は一部業種に限られるなど限定的な影響にとどまっていた。しかし90 年代に入り企
業側から人件費圧縮圧力が高まる中で、96 年には対象業種が拡大され、さらに99 年には
特例業種以外は原則自由に派遣を利用できるまでに条件が緩められた。2003 年には派遣期
間制限が1 年から3 年に延長されるとともに、対象業種として製造業も解禁されることと
なった。このような制度改正に対応する形で派遣労働者の数も増加していることから、労
働者派遣法制度の変更は非正規雇用者を増加させる方向に寄与したものと考えられる(図
表6)。

■70 万人を上回る大規模な将来高齢生活困窮者に対する生活保護費用は累計で約20 兆円
すでにみてきたように現在問題視されている非正規雇用のなかでは、就職氷河期に大量
に発生した非正規雇用者の規模の大きさが目立っている。バブルが崩壊する前の非正規雇
用者比率、無業者比率とバブル崩壊後に経済状況が悪化した時期に大幅に上昇した比率と
の差を景気悪化による需要要因と考えて、就職氷河期を通じて需要要因により増加した分
の非正規雇用者、無業者の規模を試算すると120 万人程度となる。
新卒段階で正規採用されなかった若年層の正規雇用への転換は難しく、彼らの大部分が
低水準の賃金のまま年金対応もできずに高齢化に突入するという前提で生活保護に必要と
なる追加支出を試算すると約20 兆円程度の規模となり、社会的にも深刻な影響を与える
規模となる(資料3:就職氷河期世代の老後に関するシミュレーション参照)。
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