JP2018530516A - 新規な抗菌ペプチド、その変異体及び使用 - Google Patents

新規な抗菌ペプチド、その変異体及び使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗菌ペプチド又はその変異体に関する。本発明はさらに、微生物の殺滅又は増殖阻害方法、及び医薬、飼料添加物、防腐剤又は界面活性剤としての本明細書に記載のペプチドの使用に関する。

Description

本発明は、抗菌ペプチド又はその変異体、微生物の殺滅又は増殖阻害方法、及び医薬、飼料添加物、防腐剤又は界面活性剤としての本明細書に記載のペプチドの使用に関する。
医薬化合物の中で、抗生物質は人類の平均余命に大きな影響を与えている。しかし、微生物が耐性を創り出す能力はほとんど無制限である。多剤耐性は、多くのヒト病原体の非常に一般的で危険な特徴となってきており、薬剤耐性は世界中に広がっている。
エンドファイト(内生寄生菌)は、生物医学、製薬及びヘルスケア産業における潜在的な用途を有する、おびただしい数の二次代謝産物の有望な生産者である。エンドファイトの機能の多様性を研究するために典型的に用いられる方法論は、急速に増殖する菌株に重点を置いた単離に基づいており、従って、完全な生物多様性が表わされていない。変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、制限断片長多型(RFLP)又はクローニング及び直接配列決定等の方法が、植物における培養できない真菌群の多様性を分析するために用いられているが、そのような方法は機能の研究には適していない。エンドファイトに頻繁に生じる問題は、インビトロで特定の期間のみ代謝産物を生産し、その後、不活性になって、生存能力を失い、又は生物活性を有する二次代謝産物を生産する能力を失うことである。以前から、このような培養上の問題が他の微生物にあったことが、微生物から得られる広大な貴重な産物を入手するための新しい方法を開発する原動力の1つであった。
抗菌ペプチド(AMP)は、進化的に保存され、全ての複雑な生物において先天性免疫系によって産生される。これら抗菌ペプチドは、人間や哺乳動物の防衛の第一線としての役割を果たす。AMPは、≧30%の疎水性比と正電荷を有する10〜50アミノ酸からなるポリペプチドである。一般に、AMPは、細菌、真菌及び酵母に対して広域抗菌スペクトルの抗菌活性を有する。
WO2011/113999は、セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)のエンドファイト由来のトリプシンポリペプチド及びそれらを得るための方法を開示する。in silico分析に基づいて、ペプチドが抗菌活性を有することが予測されている。
WO2011/113999
様々な病原性微生物に対して活性を有する新規分子が緊急に必要とされている。本発明は、以下に説明するように、この要求を満たすものである。
クロウベリー(セイヨウガンコウラン,Empetrum nigrum)は、北半球で生育する多年生の低木であり、従来、感染性疾患を治療するために用いられ、上記の研究のための適した候補と考えられた。本発明は、種々の微生物に対して改善された活性を有する、セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)のエンドファイト由来の新規な抗菌(ポリ)ペプチド及びその変異体を提供する。
本発明の第1の側面は、抗菌ペプチド又はその変異体を提供することである。本発明に従って、前記ポリペプチドは配列番号5を含むか、又は配列番号5と少なくとも37%の同一性を有する。
本発明の第2の側面は、微生物の殺滅又は増殖阻害方法である。本発明に従って、前記方法は、本明細書に記載されたペプチド又はその変異体で前記微生物を処理する工程を含む。
本発明の第3の側面は、医薬、飼料添加物、防腐剤又は界面活性剤としての本明細書に記載のペプチド又はその変異体の使用である。
本発明によって、かなりの利点が得られる。AMPは、真菌及びグラム陽性細菌とグラム陰性細菌の両方を含む広域スペクトルの微生物に対して活性であることが知られている。小さなAMPは、合成が容易であり、合成コストが最小限であるために商業的に実現性がある。AMPは細菌において耐性を創り出すことは知られていない。本発明は、新規な抗菌ペプチド、その変異体及び種々の用途における使用に関する。
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)ベースのエンドファイトメタゲノムライブラリーで同定された、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)に対して抗細菌活性を有するサブクローン(a)及び抗細菌活性を有さないサブクローン(s)を示す寒天重層アッセイである。 セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)メタゲノム抗細菌タンパク質1の予測されるアミノ酸配列である。予測されるタンパク質は549残基を有する。高度に保存されたPPR配列(ペンタトリコペプチドリピート)に下線が引かれている。 エシェリヒア・コリ(A)及びスタフィロコッカス・アウレウス(B)に対して試験した、合成ペプチドMet1〜Met12それぞれ100μg、NC=ネガティブコントロールと、ゲンタマイシン10μgの代表的な放射拡散アッセイ(RDA)である。 配列番号4で定義される「Met10」ペプチド(鎖100)の25個の変異体の配列を示す。 配列番号5で定義される「Met11」ペプチド(鎖200)の23個の変異体の配列を示す。 配列番号6で定義される「Met12」ペプチド(鎖300)の25個の変異体の配列を示す。 配列番号4で定義される「Met10」ペプチド(鎖100)の9個の変異体の配列を示す。 配列番号5で定義される「Met11」ペプチド(鎖200)の10個の変異体の配列を示す。 配列番号6で定義される「Met12」ペプチド(鎖300)の13個の変異体の配列を示す。 エシェリヒア・コリ(ATCC 25922)、スタフィロコッカス・アウレウス(ATCC 25923)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae,ATCC 10031)及びシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa,ATCC 27853)に対して試験した、合成ペプチド変異体鎖100〜109それぞれ50μg、NC=ネガティブコントロールと、ゲンタマイシン5μgの放射拡散アッセイ(RDA)である。 エシェリヒア・コリ(ATCC 25922)、スタフィロコッカス・アウレウス(ATCC 25923)、クレブシエラ・ニューモニエ(ATCC 10031)及びシュードモナス・エルギノーサ(ATCC 27853)に対して試験した、合成ペプチド変異体鎖200〜210それぞれ50μg、NC=ネガティブコントロールと、ゲンタマイシン5μgの放射拡散アッセイ(RDA)である。 エシェリヒア・コリ(ATCC 25922)、スタフィロコッカス・アウレウス(ATCC 25923)、クレブシエラ・ニューモニエ(ATCC 10031)及びシュードモナス・エルギノーサ(ATCC 27853)に対して試験した、合成ペプチド変異体鎖300〜313それぞれ50μg、NC=ネガティブコントロールと、ゲンタマイシン5μgの放射拡散アッセイ(RDA)である。 アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus,DSM 1959)に対して試験した、合成ペプチド変異体鎖109、105、104、201、204、310、308、307及び306それぞれ20μg、NC=ネガティブコントロールと、アンホテリシンB 20μgの放射拡散アッセイ(RDA)である。 ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum,DSM 1075)に対して試験した、合成ペプチド変異体鎖109、105、104、201、204、310、308、307及び306それぞれ20μg、NC=ネガティブコントロールと、アンホテリシンB 20μgの放射拡散アッセイ(RDA)である。 放射拡散アッセイで、14日間にわたって様々な温度で試験した鎖ペプチド104(A〜D)及び105(E〜H)の熱安定性である。異なる温度でインキュベートしたペプチドを20μg分取することで抗細菌活性を試験し、阻止域で活性を測定した。−20℃のペプチドをコントロールとした。 放射拡散アッセイで、14日間にわたって様々な温度で試験した鎖ペプチド201(A〜D)及び204(E〜H)の熱安定性である。異なる温度でインキュベートしたペプチドを20μg分取することで抗細菌活性を試験し、阻止域で活性を測定した。−20℃のペプチドをコントロールとした。 放射拡散アッセイで、14日間にわたって様々な温度で試験した鎖ペプチド306(A〜D)及び308(E〜H)の熱安定性である。異なる温度でインキュベートしたペプチドを20μg分取することで抗細菌活性を試験し、阻止域で活性を測定した。−20℃のペプチドをコントロールとした。 鎖ペプチド104及び105のpH安定性は、放射拡散アッセイ(RDA)で決定した。4〜9の範囲の異なるpHを用いて阻止域を確認した。 鎖ペプチド201及び204のpH安定性は、放射拡散アッセイ(RDA)で決定した。4〜9の範囲の異なるpHを用いて阻止域を確認した。 鎖ペプチド306及び308のpH安定性は、放射拡散アッセイ(RDA)で決定した。4〜9の範囲の異なるpHを用いて阻止域を確認した。 鎖ペプチド306の狭いスペクトルの抗菌活性を示す。 10μg/mlの鎖105に37℃で1時間曝露したエシェリヒア・コリ(A〜C)及びスタフィロコッカス・アウレウス(D〜G)の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。コントロール(A及びD)。鎖105(B〜C及びE〜G)で処理した。 10μg/mlの鎖201に37℃で1時間曝露したエシェリヒア・コリ(A〜C)及びスタフィロコッカス・アウレウス(D〜G)の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。コントロール(A及びD)。鎖201(B〜C及びE〜G)で処理した。 10μg/mlの鎖308に37℃で1時間曝露したエシェリヒア・コリ(A〜C)及びスタフィロコッカス・アウレウス(D〜G)の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。コントロール(A及びD)。鎖308(B〜C及びE〜G)で処理した。 鎖105及び201固定化カテーテルの抗細菌活性である。シリコンカテーテルをコントロールとして用いた。
エンドファイトは、そのライフサイクルのすべて又はその一部を宿主植物の健康な組織の内部で過ごす微生物であり、すべての植物種で見出される。エンドファイトの大部分は培養できないが、植物から単離された化学構造が実際に微生物の起源を有していることは驚くべきことではない。メタゲノミクスは、培養できない微生物由来の生物活性を有する化合物の資源を入手するための貴重なツールを提供する。
本研究では、エンドファイトからメタゲノムライブラリーを構築し、抗細菌活性についてスクリーニングした。スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を標的微生物としてライブラリーを二重寒天層法によってスクリーニングして、抗菌クローンを選択した。メタゲノムライブラリーから、抗細菌活性を示す1個の特異なクローンを選択した。二次ライブラリーを生成して、抗細菌活性を担う遺伝子の特徴付けのためのインサートサイズを減少させた抗細菌サブクローンを得た。
サブクローンの核酸配列を、GenBankデータベースに存在する配列に対してBLAST分析に供したが、既知の配列との類似性は同定されなかった。WO2011/113999に開示されたタンパク質をコードする単離された遺伝子は、セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)メタゲノム抗細菌タンパク質1(En-MAP1、GenBankアクセッション番号KC466596)と命名されている。推測されたアミノ酸配列(配列番号1)を分析することで、En-MAP1が、シュードザイマ・フベイエンシス(Pseudozyma hubeiensis)由来の推定タンパク質と最も高い32%の類似性を共有する549アミノ酸のタンパク質をコードしており、既知の機能のタンパク質のいずれとも類似性がないことが明らかとなった。
単離されたエンドファイトのタンパク質が発現され、単離されたが、抗菌活性は観察されなかった。次に、in silicoで消化されたペプチドの抗菌活性を、実験の部に記載されたアルゴリズムを用いて予測した。ペプチドはまた、スタフィロコッカス・アウレウス、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)及びバーティシリウム・ダリアエ(Verticillium dahliae)に対する抗菌活性について試験した。予備試験において、抗菌活性を有すると予測されたペプチドのいくつかは、インビトロ試験でも活性を示した。最も良い候補ペプチドが後の研究のために選ばれた。
抗菌ペプチドは、細菌膜と相互作用して、最適濃度で効率的に殺菌する。AMPは、生体適合性、耐塩性及び広域抗菌スペクトルの抗菌活性も有するべきである。合理的な設計技術を用いることによって、様々なアミノ酸を付加するか又は置換することで、ペプチドの抗菌活性を改善することができた。本発明者らは、抗細菌活性を改善するために、様々な位置にトリプトファン(W)、アルギニン(R)及びリジン(K)を有する、Met10(配列番号4で定義される鎖100)、Met11(配列番号5で定義される鎖200)及びMet12(配列番号6で定義される鎖300)ペプチドを設計し、改変した。
APD2データベースを利用して、本ペプチドの既知の抗菌剤との相同性及び同一性を確認した(Wangら,2009)。
本発明の一実施態様は、配列番号4(Met10、鎖100)、配列番号5(Met11、鎖200)、配列番号6(Met12、鎖300)を含む抗菌ペプチド、又は配列番号4、配列番号5若しくは配列番号6と少なくとも37%の同一性を有するその変異体である。驚くべきことに、比較的小さい断片が所望の活性を有し得ることが見出された。
一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、配列番号4、配列番号5若しくは配列番号6のいずれかを含むか、又は前記配列番号のいずれかと少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、60%、70%の同一性、より好ましくは前記配列番号のいずれかと少なくとも80%の同一性、最も好ましくは前記配列番号4、配列番号5若しくは配列番号6と90%若しくは更に95%の同一性を有するペプチドを含む。
これに関連して、用語「同一性」は、最初のアミノ酸から最後の対応するアミノ酸まで互いに比較された、2つのアミノ酸配列間の全体的な同一性を表す。従って、断片は、成熟(ポリ)ペプチドのそれぞれのアミノ酸(本質的に等しい数のアミノ酸)としか比較できない。
本発明の一実施態様では、配列番号4、配列番号5及び配列番号6のいずれかを含むペプチドは、抗菌活性を向上させるために改変されている。
一実施態様に従って、本ペプチドは、W、R、K、L、C、I、F及びAの1個以上の置換で、より好ましくはW、R及びAの1個以上の置換で改変されている。これらの置換によって、微生物膜との相互作用が増加し、それによって抗菌活性が改善される。
一実施態様では、配列番号4(鎖100)で定義されるペプチドは、V16K/L/W/R、Q15R/L/W/I/F/C、N14L/K/R/W、/W、A11W、M6W及びI7Wからなる群から選択される1個以上、好ましくは5、6又はさらには7個の置換を含む。
好ましくは、配列番号4のアミノ酸残基R8、L9及びH10は改変されていない。
一実施態様に従って、本ペプチドは、配列番号4(鎖100)において、
a. D1−/R
b. C2−/K
c. W3−
d. S4−/R
e. A5−
f. M6W
g. I7W
h. A11W
i. Y13W/R
j. N14L/K
k. Q15R/L
l. V16K/W
(式中、「−」はアミノ酸の欠失を示す。)
からなる群から選択される1個以上の置換又は欠失を含む。
本発明の一実施態様では、本ペプチドは、配列番号4(鎖100)で定義される元のペプチドと比較して、1〜5個、好ましくは5個のN末端アミノ酸を欠失している。より短いペプチドはその抗菌活性を維持することができることが見出された。さらに、より短いペプチドでは合成コストが低下する。
さらなる実施態様では、N末端が欠失した配列番号4のペプチド変異体は、V16K/W、Q15R/L、N14L/K、Y13R/W、A11W、I7W及びM6Wからなる群から選択される1、2、3、4、5、6、7個又はすべてのアミノ酸の改変をさらに含む。
一実施態様に従って、配列番号5で定義されるペプチドは、W、R、K、F、I及びLの1個以上の置換で、より好ましくはW、K及びRの1個以上の置換で改変される。これらの置換は、微生物の膜との相互作用を増加させ、それによって抗菌活性を改善する。
一実施態様では、配列番号5(鎖200)で定義されるペプチドは、N1R/K/W、R2W、I3L、V4I/L、Q5W/K/R、Q6R/L/W、R7W、T8R/W/F、S9F/W/R/L及びS10K/Lからなる群から選択される1個以上、好ましくは少なくとも6、7、8、9又はさらには10個の置換を含む。
代替的又は付加的に、配列番号5で定義されるペプチドは、KのC末端付加(例えば、配列番号15で定義される鎖207)で改変することができる。
一実施態様では、配列番号5で定義されるペプチドのアミノ酸残基R11は改変されていない。
一実施態様に従って、本ペプチドは、配列番号5(鎖200)において、
a. N1K/R/W
b. R2W
c. I3L
d. V4I/L
e. Q5W/K/R
f. Q6R/L/W
g. R7W/R
h. T8R/W/F/K
i. S9F/W/R/L
j. S10K/L
からなる群から選択される1個以上の置換又は欠失を含む。
一実施態様に従って、配列番号6で定義されるペプチドは、W、R、K、L及びIの1個以上の置換で、より好ましくはW及びRの1個以上の置換で改変される。これらの置換は、微生物の膜との相互作用を増加させ、それによって抗菌活性を改善する。
一実施態様では、配列番号6(鎖300)で定義されるペプチドは、Y1I/R/W/K、D2I/L/W/R、G4R/W、F5W/R、G6R/W/L、F8R、K9R、K10R及びM11L/R/W/Kからなる群から選択される1個以上、好ましくは少なくとも4、5、6、7、8又はさらには9個の置換を含む。
好ましくは、配列番号6で定義されるペプチドのアミノ酸残基K3及びL7は改変されていない。
代替的又は付加的に、配列番号6で定義されるペプチドは、アミノ酸残基9と10の間にKの付加で改変することができる(例えば、配列番号32で定義される鎖313)。
一実施態様に従って、本ペプチドは、配列番号6(鎖300)において、
a. Y1I/R/W/K
b. D2I/L/W/R
d. G4R/W
e. F5W/R
f. G6R/W/L
h. F8R
i. K9R
j. K10R
k. M11L/R/W/K
からなる群から選択される1個以上の置換又は欠失を含む。
一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、配列番号4(鎖100)若しくは配列番号7〜31(鎖101〜125)の1個から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。
一実施態様では、本ペプチド変異体(ペプチド)は、配列番号7〜15(鎖101〜109)から選択される配列を含むか、又はそこの配列からなる。一実施態様では、ペプチド変異体は、配列番号10〜15(鎖104〜109)から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。一実施態様では、ペプチド変異体は、配列番号10、11及び15(鎖104,105及び109)から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。
一実施態様では、本ペプチドは配列番号4(鎖100)を含む。一実施態様では、ペプチドは配列番号4(鎖100)からなる。
一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、配列番号5(鎖200)若しくは配列番号32〜54(鎖201〜223)の1個から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。
一実施態様では、本ペプチド変異体は、配列番号32〜41(鎖201〜210)から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。一実施態様では、本ペプチド変異体は、配列番号32、34、35及び39(鎖201,203,204又は208)から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。
一実施態様では、本ペプチドは配列番号5(鎖200)を含む。一実施態様では、本ペプチドは配列番号5(鎖200)からなる。
一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、配列番号6(鎖300)若しくは配列番号55〜79(鎖301〜325)の1個から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。
一実施態様では、本ペプチド変異体は、配列番号55〜67(鎖301〜313)から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。一実施態様では、本ペプチド変異体は、配列番号55、58、59及び61〜65(鎖301,304,305又は307〜311)から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。
一実施態様では、本ペプチド変異体は、配列番号61及び62(鎖307及び308)から選択される配列を含むか、又はその配列からなる。
一実施態様では、本ペプチドは配列番号6(鎖300)を含む。一実施態様では、本ペプチドは配列番号6(鎖300)からなる。
本ペプチド及びその変異体は、異なる微生物に対して異なる抗菌活性を有することは明らかである。本研究では、細菌と真菌の両方に対して抗菌活性を試験した。
選択されたペプチド(ペプチド変異体)の抗細菌活性を、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli,ATCC 25922)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae,ATCC 10031)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa,ATCC 27853)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus,ATCC 25923)に対して試験した。本ペプチド変異体の抗細菌活性を、放射状拡散アッセイ及び最小阻止濃度を用いて測定した。また、本ペプチド変異体の抗真菌活性を、放射状拡散アッセイを用いて評価した。
抗真菌活性を、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus,DSM 1959)及びペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum,DSM 1075)に対して試験した。
一実施態様では、本ペプチド又はその断片は化学的に合成される(合成ペプチド)。別の実施態様では、本ペプチドは組換法で製造される。一実施態様では、本ペプチド又は複数のペプチドは、組換ペプチド製造の増殖培地又は合成培地から単離される。
一実施態様では、本抗菌ペプチドは、場合によってリンカーペプチドを用いて、医療機器、食品パッケージ、担体物質、又は例えばバイオセンサーの表面に付着される。代替的又は付加的に、別の実施態様では、例えば、本抗菌ペプチドをバイオセンサーに用いる場合、本ペプチドは蛍光剤又は酵素基質等の検出可能な物質に結合される。一実施態様では、前記ペプチドは、医薬品又はコーティング剤として使用するために、シリコン、ポリエチレン及び他の材料に固定化される。
溶血アッセイでは、ヒト赤血球を溶解してヘモグロビンを放出する128μg/ml濃度での本ペプチドの能力を測定した。本明細書に記載のペプチドは、好ましくは、哺乳類の体内で低い溶血活性(0.2〜3.8%溶血)を有する。試験した溶血濃度(128μg/ml)は、鎖105、201及び308の最小阻止濃度(MIC)の50倍を超え、溶血はそれぞれ0.2〜0.5%で無視できる。これらのペプチドは、細菌の殺滅に必要な濃度で副作用をほとんど又は全く示さないので、抗菌剤として有用である。
一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、微生物、特にグラム陽性及びグラム陰性細菌、特にスタフィロコッカス科(Staphylococcaceae)及びエンテロバクター科(Enterobacteriaceae)に対して活性を示す。一実施態様では、本ペプチドは、酵母及び/又は真菌に対して活性を示す。
一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、細菌に対して活性を示す。一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、真菌に対して活性を示す。一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、細菌及び真菌に対して活性を示す。細菌及び/又は真菌に対する活性は、例えば、前記微生物の繁殖若しくは増殖の抑制又は殺滅であり得る。
一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、グラム陽性細菌、特にスタフィロコッカス科の微生物、特にスタフィロコッカス・アウレウスの微生物に対して活性を示す。
配列番号10〜15(鎖104〜109)、配列番号32、34〜36、39〜41(鎖201,203〜205,208〜210)並びに配列番号55〜65及び67(鎖301〜311及び313)のいずれかを本質的に含むペプチドは、スタフィロコッカス科、特にスタフィロコッカス・アウレウスに対して特に活性である。スタフィロコッカス・アウレウスは、市販の抗生物質のほとんどに対して耐性を持つようになっている。本発明者らが本明細書で述べる抗菌ペプチドは、微生物に耐性を誘導しないため、有望で新規な種類の抗生物質である。
一実施態様では、本ペプチドは、グラム陰性菌、特にエシェリヒア・コリに対して活性を示す。配列番号10〜15(鎖104〜109)、配列番号32、34〜36、39〜41(鎖201,203〜206,208〜210)並びに配列番号55〜65及び67(鎖301〜311及び313)のいずれかを本質的に含むペプチドは、エシェリヒア・コリに対して特に活性である。
一実施態様では、本ペプチドは、クレブシエラ属(Klebsiella)、特にクレブシエラ・ニューモニエに対して活性を示す。配列番号10〜15(鎖104〜109)、配列番号32、34、35、39〜41(鎖201,203,204,208〜210)並びに配列番号55、58、59、61〜65及び67(鎖301,304,305,307〜311及び313)のいずれかを本質的に含むペプチドは、クレブシエラ属に対して特に活性である。
一実施態様では、本ペプチドは、シュードモナス属(Pseudomonas)、特にシュードモナス・エルギノーサに対して活性を示す。配列番号10〜12及び15(鎖104〜106,109)、配列番号32、34、35及び39(鎖201,203,204,208)並びに配列番号55〜65及び67(鎖301〜311及び313)のいずれかを本質的に含むペプチドは、シュードモナス属に対して特に活性である。
一実施態様では、本ペプチドはアスペルギルス属(Aspergilli)、特にアスペルギルス・フラバスに対して活性を示す。配列番号10、11又は15(鎖104,105又は109)、配列番号32又は35(鎖201又は204)並びに配列番号60、61、62及び64(鎖306,307,308及び310)のいずれかを本質的に含むペプチドは、アスペルギルス属に対して特に活性である。
一実施態様では、本ペプチドはペニシリウム属(Penicillium)、特にペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)に対して活性を示す。配列番号10、11又は15(鎖104,105又は109)、配列番号32又は35(鎖201又は204)並びに配列番号60、61、62及び64(鎖306,307,308及び310)のいずれかを本質的に含むペプチドは、ペニシリウム属に対して特に活性である。
一実施態様では、本ペプチドは、エシェリヒア・コリ、クレブシエラ・ニューモニエ、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、シュードモナス・エルギノーサ、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、アシネトバクター・バウマンニー(Acinetobacter baumannii)、アシネトバクター・ジョンソニイ(Acinetobacter johnsonii)、スタフィロコッカス・アウレウス、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)及びカンジダ・キルエルモンディエ(Candida quillermondiae)の臨床に関する菌株に対して活性を示す。配列番号10、11又は15(鎖104,105又は109)、配列番号32又は35(鎖201又は204)並びに配列番号58、60、61、62、63、64及び65(鎖304,306,307,308,309,310及び311)のいずれかを本質的に含むペプチド。
鎖104、鎖105、鎖109、鎖201、鎖204、鎖307、鎖308及び鎖310は、明らかに広域スペクトル抗菌ペプチドであり、グラム陽性及び陰性細菌に対して0.5〜32μg/mlの範囲で活性があり、溶血アッセイの試験でヒトへの副作用がほぼない。
本発明はまた、本明細書に記載の抗菌ペプチド又は複数のペプチドを含む抗菌組成物に関する。一実施態様では、この組成物は、薬学上許容される担体及び場合により他の従来の成分をさらに含む。
治療における使用、特に抗菌剤としての使用のための、配列番号4(鎖100)、配列番号5(鎖200)又は配列番号6(鎖300)を有するペプチド、又は前記配列と少なくとも37%、好ましくは少なくとも40%、50%、60%、70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の同一性を有する本ペプチドの変異体、又は本明細書に開示されたいずれかのペプチド。
抗菌活性は、細菌若しくは真菌に対して、又は細菌及び真菌に対して活性を示すことができる。細菌は、グラム陽性細菌又はグラム陰性細菌であり得る。特に、本ペプチドは、スタフィロコッカス属若しくはエシェリヒア・コリ属の微生物、又はスタフィロコッカス属及びエシェリヒア・コリ属の両方に対して活性を有する。本ペプチドの種々の抗菌活性及び溶血特性は上記にて議論されている。
本発明のさらなる一実施態様は、医薬、飼料添加物、保存剤又は界面活性剤としての本明細書に開示されたペプチドの使用である。
一実施態様では、配列番号4、5又は6のいずれかを有するペプチド、又は前記配列と少なくとも37%、好ましくは少なくとも40%、50%、60%、70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の同一性を有する本ペプチドの変異体、又は本明細書に開示されたいずれかのペプチドが、医薬として、特に前記のスタフィロコッカス・アウレウスを含む混入する微生物に対する医薬として使用される。
本発明はまた、医薬、飼料添加物、防腐剤又は界面活性剤としての、本明細書に記載された本ペプチド及びその変異体の使用に関する。種々の微生物によって産生される毒素はヒトの食物及び動物飼料を汚染する。防腐剤として用いられる本ペプチドは、この汚染物の増加を減少させることができる。本ペプチドの活性及び他の特性は、他の実施態様に関連して上記にて議論されている。
ペプチド鎖104、鎖105、鎖109、鎖201、鎖204、鎖307、鎖308及び鎖310のペプチドは、明白に広域スペクトル抗菌ペプチドであり、0.5〜32μg/mlの範囲でグラム陽性及び陰性細菌に対して活性であり、溶血アッセイの試験でヒトへの副作用はほぼない。これらのペプチドは、エシェリヒア・コリ(ATCC 25922)、クレブシエラ・ニューモニエ(ATCC 10031)、シュードモナス・エルギノーサ(ATCC 27853)及びグラム陽性スタフィロコッカス・アウレウス(ATCC 25923)によって引き起こされるグラム陰性感染症に対する治療の可能性を有する。
本発明はまた、本明細書に記載のペプチド又はその変異体で微生物を処理する工程を含む、前記微生物の殺滅又は増殖阻害方法に関する。一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、微生物、特にグラム陽性細菌及び/又はグラム陰性細菌、特にスタフィロコッカス科及びエンテロバクター科、特にスタフィロコッカス・アウレウス及び/又はエシェリヒア・コリの微生物に対して活性を示す。一実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、真菌に対して活性を示す。さらなる実施態様では、本ペプチド又はその変異体は、真菌及び細菌の両方に対して活性を示す。本ペプチドの活性及び他の特性は、他の実施態様を参照して上記にて議論されている。
カテーテルは、その表面に付着した後、尿道の内腔に付着することによって細菌のキャリアとして働く。大部分のカテーテルはシリコーンゴム製であり、微生物が容易にカテーテルに付着して、バイオフィルムを形成し、感染を引き起こす。これらの問題を克服するために、リファンピン及びミノサイクリン等の抗生物質、又はカテーテル表面の銀被覆を用いることによるいくつかの戦略が開発されている。しかし、抗生物質を用いることで、臨床適用で細菌の耐性が発現し、抗生物質の効力を危険にさらすことは、よく知られていない。銀被覆カテーテルは、インビトロ研究で効果がないことが判明している。
カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)は、抗菌ペプチド(AMP)被覆尿路カテーテルを使用することによって防止することができ、抗生物質の耐性の広がりも防止する。
本発明のペプチド又はその変異体は、抗菌活性を必要とする様々な用途で用いることができることも理解されるべきである。
本明細書で用いられる用語は、説明のためのものであり、限定的に捉えられるべきではないことを理解されたい。
本明細書に別々の実施態様として記載される本発明の特徴は、組み合わせて、又は単一の実施態様で提供されてもよい。また、単一の実施態様の文脈で本明細書に記載される本発明の様々な特徴は、別々に又は任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。上記の説明で与えられた実施態様は例示の目的のみのためであり、本開示の範囲内で様々な変更及び改変が可能であることを理解されたい。
引用文献のリストを以下に示す。すべての引用文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
以下の非限定的な実施例で、本発明を説明する。
実施例1:全植物DNAの単離
セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum L.)の新鮮な若葉を70%エタノール(v/v)で1分間、及び次亜塩素酸ナトリウム(3.5%v/v)で5分間、表面滅菌し、ゲノムDNAの単離に用いたの(Pirttilaら,2001)。
実施例2:メタゲノムライブラリーの構築及び抗細菌活性のスクリーニング
セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)から単離した植物DNAを滅菌水に溶解して、0.1μg/μlの濃度にした。次に、DNAをCHEF-DRII(Bio-Rad)システムで分取パルスフィールドゲル電気泳動に供した。電気泳動条件(パルス間隔及び時間)は、6V/cmの電圧及び120°固定角で、0.15×トリス/ホウ酸/EDTA(TBE)緩衝液を用いて、それぞれN/S 60秒及びE/W 60秒で6時間、N/S 90秒及びE/W 90秒で6時間;N/S 99秒及びE/W 99秒で6時間であった。電気泳動の間、温度を10℃に維持した。電気泳動後、ゲルの両側からストリップを切り取り、臭化エチジウムで染色してDNAを可視化した。その後、高分子量のDNAを、染色されていない残存するゲルの部分から切り取り、0.15×TBEを含む透析バッグ中で100Vで1時間電気溶出した。従来の方法(Koskimakiら,2010、Tejesviら,2010)に従って、真菌及び細菌に特異的なプライマーによる増幅を行い、微生物DNAの分離を確認した。クローニングのために、約25〜30kbのDNAを末端修復して5’−リン酸化DNAを生成し、平滑末端脱リン酸化pCC1FOS(商標)ベクターに連結した。MaxPlax Lambda Packaging Extracts(Epicenter)を用いて、連結混合物をラムダファージにパッケージングした。パッケージされたライブラリーをエシェリヒア・コリEPI-300に形質導入し、クロラムフェニコールを補充したLB寒天プレート上で形質転換体を選択した。スクリーニングするまで、パッケージされたフォスミッドライブラリーを、プール当たり約10個のクローンを含むクローンプールとしてクライオチューブ中で保存した。
フォスミッドライブラリースクリーニングを以下のように行った。クローンプールを解凍し、クロラムフェニコールを補充した150mmのLB寒天プレート上に広げてプレート当たり約1000個のコロニーを得た。ライブラリープレートを30℃で一晩インキュベートし、続いてさらに3〜5日間、室温でインキュベートした。指数関数的に増殖するスタフィロコッカス・アウレウスを含むプレートを上部寒天で覆い、37℃で一晩インキュベートし、続いてさらに3〜5日間、室温でインキュベートした。抗細菌活性を有するコロニーを、スタフィロコッカス・アウレウスの増殖の阻止域で同定した。このコロニーを上部寒天を通して採取し、アンピシリン及びクロラムフェニコールを含有するLBプレート上に縞を付けることで、クロラムフェニコール感受性アッセイ菌株(スタフィロコッカス・アウレウス)から分離した。BamHIでの消化および電気泳動によって、選択された抗細菌性フォスミドクローンの制限分析を行った。
実施例3:菌株、プラスミド及び増殖条件
EPI-300(商標)−T1(登録商標)ファージT1耐性エシェリヒア・コリ培養物を、適切な抗生物質を補充したLuria-Bertani(LB)寒天又はLBブロス+10mM MgSO上で37℃で増殖させた。以下の抗生物質濃度をエシェリヒア・コリ株に用いた。クロラムフェニコール12.5μg/ml及びアンピシリン100μg/ml。セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)のエンドファイトからメタゲノムライブラリーを構築するために、またこのような抗細菌活性を与える遺伝子をサブクローニングするために、2つの複製起点:単一コピー起点(ori2)及び誘導性高コピー起点(oriV)を有するプラスミドpCC1FOS(商標)(Epicentre,マディソン,米国)を用いた。pET11-cベクターを用いて、宿主株エシェリヒア・コリBL21(DE3)金中、抗細菌活性を担う遺伝子を発現させた。
実施例4:クローンpFosS1Aのサブクローニング及び配列決定
寒天重層アッセイから選択した抗細菌性フォスミドクローンをpFosS1と命名した。プラスミドMidiprep Kit(Qiagen)を用いてメタゲノムフォスミドを単離し、Sau3AI(0.1U/μlのDNA,37℃,15分間)で部分消化し、DNAのサイズ選択及びサブクローニングのために、電気泳動に付した。1.5kbより大きな断片をゲルから抽出し、末端修復し、平滑末端脱リン酸化pCC1FOS(商標)に連結した。連結混合物をエシェリヒア・コリに形質転換し、組換えクローンを寒天重層アッセイでスクリーニングし、クロラムフェニコールを補充したLBプレート上に広げた。BamHIで消化した後、ゲル電気泳動でスタフィロコッカス・アウレウスの明確な阻止域を示すサブクローンを分析し、約1.8kbの最小挿入物を有するサブクローンを選択した。このサブクローンをpFosS1Aと命名し、製造者の指示(Abi 3730 DNA Analyzer,Abi Prism BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit,Applied Biosystems,ウォリントン,英国)に従ってプライマーpCC1フォアードプライマー及びpCC1リバースプライマーを用いて配列決定した。サブクローンpFosS1A内に含まれるオープンリーディングフレームをEn-MAP1と命名し、GenbankのBLASTプログラム並びにSignalP及びPfamで分析した。
実施例5:メタゲノムライブラリーの構築およびスクリーニング
パルスフィールドゲル電気泳動後、アガロースゲルのウェルに残存したセイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)ゲノムDNAから、エンドファイトDNAに対応するバンドを分離した。バンド中のエンドファイトDNAの存在は、真菌及び細菌に特異的なプライマーを用いたPCR産物の増幅によって確認された。20μgのDNAから約8,000個のメタゲノムクローンを得た。寒天重層アッセイ法でメタゲノムライブラリーをスクリーニングすることで、スタフィロコッカス・アウレウスの阻止域を示す1個の抗細菌クローンを同定した。しかし、宿主エシェリヒア・コリの増殖阻害は観察されなかった。制限断片分析によって、クローンは30kb以上の挿入DNAを保持していることが示された。抗細菌性クローンから二次ライブラリーを作製して、抗細菌性サブクローンを選択し、抗細菌活性を担う個々の遺伝子を特徴付けた。抗細菌性サブクローンの制限断片分析によって、依然として寒天重層アッセイでスタフィロコッカス・アウレウスの増殖阻害を示したサブクローンpFosS1Aにおいて、最小1.8kbの挿入物が同定された(図1)。
実施例6:クローン上清の分画及び分析
サブクローンpFosS1A及びコントロール(空ベクター)を担持するエシェリヒア・コリ細胞を、クロラムフェニコールを含有するLBブロス中、37℃で一晩増殖させた。これらの培養物をコピー数増幅手順のための接種材料として用いた。これらの培養物の1容量を10倍量の新鮮なLB+クロラムフェニコールに添加し、1/100のCopyControl Induction Solution(Epicenter)を培地に加えてクローンを高コピー数に誘導した。培養物を37℃で20時間激しく振盪した後、4℃で、3040×gで20分間遠心分離することにより、上清を細菌細胞から分離した。上清をHeto PowerDry LL1500凍結乾燥機(ThermoElectron,ムカジョフ,チェコ共和国)で凍結乾燥させた。凍結乾燥したブロスを秤量し、50mgを蒸留水2mlに溶解させた。材料を超音波処理器で20分間保持し、10分間遠心分離し、濾過(GHP Bulk Acrodisc 13,Pall Life Sciences)し、セミ分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分画した。次いで、96ウェルプレート標準法で試験菌株としてスタフィロコッカス・アウレウスを用いて、この画分の抗細菌活性を試験した。Micromass LCT Time-of-flight質量分析法(TOFMS)(Micromass,オルトリナム,英国)と組み合わせたAlliance 2690 HPLC(Waters,ミルフォード,マサチューセッツ,米国)で、サブクローンpFosS1Aの上清及びコントロールを分析した。
実施例7:抗細菌性サブクローンの配列解析
サブクローンpFosS1Aの挿入部は、両方向で完全に配列決定され、約1650bpの特有のオープンリーディングフレームを含んでいた。推定のリボソーム結合部位及びプロモーター配列は、開始コドンから−35/−10上流領域に存在する。核酸配列をGenbankデータベースに存在する配列に対してBLAST分析に供したが、既知の配列との類似性は同定されなかった。これは、単離された遺伝子が新規な構造のタンパク質をコードしていることを示している。従って、このタンパク質を、セイヨウガンコウラン(Empetrum nigrum)メタゲノム抗菌タンパク質1(En-MAP1)と命名した。推定アミノ酸配列の解析から、En-MAP1が549アミノ酸のタンパク質(図2)をコードしており、シュードザイマ・フベイエンシス(Pseudozyma hubeiensis)由来の推定タンパク質と最も高い32%の類似性を有し、既知の機能を有するタンパク質と類似性を共有していないことが明らかになった。SignalP分析によって、En-MAP1のアミノ酸配列が、分泌又は転座のための推定上のアミノ末端シグナル配列を有さないことが示された。推定されたアミノ酸配列を、Pfamタンパク質ファミリーデータベースを用いて保存モチーフについて分析したところ、77〜107,126〜153及び392〜420AAの位置(図2)で3個のペンタトリコペプチドリピートモチーフが同定された。En-MAP1は、TMpred及びPSORTで分析したところ、膜貫通領域を有さない可溶性タンパク質であると推測された。残基147〜176はまた、PSORTで分析したところ、タンパク質−タンパク質相互作用に関与するタンパク質に典型的な推測コイル−コイル領域、及び残基490で開始する可能性のあるロイシンジッパーを有していた。
実施例8:pET23(b)におけるタンパク質発現
遺伝子En-MAP1を、Nde1及びSal1制限部位を有するプライマーpFosS1F(CATATGAGACTAGTAGCTCATCCTGTTCCTGATGC;配列番号2)及びpFosS1R(GTCGACTTATTAACGAGATGACGTCCTCTGCTGTACG;配列番号3)を用いて増幅した。増幅産物をpET23(b)ベクターにクローニングし、XL1コンピテント細胞に形質転換し、遺伝子同一性を配列決定により確認した。発現研究を、エシェリヒア・コリ株BL21 pLysS及びBL21 pRAREを宿主として用いて行った。タンパク質を封入体として両方の菌株で発現し、単離した(van Lithら,2007)。封入体を5Mグアニジン塩酸塩/0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に懸濁した。AKTA FPLC中で4時間かけて3Mグアニジン/0.2Mリン酸ナトリウム(pH7.0)から0.2Mリン酸ナトリウム(pH7.0)に線状緩衝液交換を用いて、HisTrapカラム(GE Healthcare Life Sciences)でタンパク質をリフォールディングし、最後に50mMEDTA/20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で溶出した。En-MAP1の核酸配列は、受託番号KC466596でGenBankに寄託されている。
実施例9:タンパク質の抗細菌活性分析
10μgのタンパク質をLBプレート上のスタフィロコッカス・アウレウス培養物上にピペットで入れることによって、リフォールディングされたタンパク質及びリフォールディングされていないタンパク質の両方のスタフィロコッカス・アウレウスに対する抗細菌活性を試験した。0.01%酢酸中、トリプシンで消化したリフォールディングされたタンパク質及びリフォールディングされていないタンパク質の活性を、30及び60μg/mlの濃度で試験した。
実施例10:抗菌ペプチドの予測及びペプチド合成
タンパク質En-MAP1は、in silicoトリプシン消化され(http://au.expasy.org)、12個のペプチド(Met1〜Met12)が3つの異なるアルゴリズム(サポートベクターマシン(SVM)分類、ランダムフォレスト分類及び判別分析分類)によって、並びにAPD2(http://aps.unmc.edu/AP/prediction/prediction_main.php)によって、抗菌性であることが推測された(http://www.bicnirrh.res.in/antimicrobial)。合成ペプチドは、GenScript(米国)から購入した。
実施例11:合成ペプチドの抗菌活性
Andersenら(2010)の記載に従って、放射拡散アッセイ(RDA)を行った。簡潔には、1%アガロース、及び5.0×10CFU/mlのスタフィロコッカス・アウレウス、エシェリヒア・コリ、クレブシエラ・ニューモニエ又はシュードモナス・エルギノーサの細胞を補充した1/10ミューラー・ヒントン・ブロス(MHB)30mlを、1つのウェルのオムニトレイ(omnitray,Nunc)に移し、TSP96ウェルプレートを重ねた。100μgの各合成ペプチドを試験した。また、1/3ポテトデキストロースアガロースを用いて、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)及びバーティシリウム・ダーリエ(Verticillium dahliae)に対してペプチドを試験した。ペプチドの相乗効果を試験するために、各ペプチドを等モル濃度で混合した。Mix1(Met1〜12)、Mix2(Met3,4及び5)、Mix3(Met8,9及び10)、Mix4(Met11,12)及びMix5(8,9,10,11,12)を調製し、エシェリヒア・コリ及びスタフィロコッカス・アウレウスに対して試験した。ゲンタマイシン及びバンコマイシンを細菌に対するポジティブコントロールとして含め、アンホテリシンBを真菌に対するコントロールとして用いた。
エシェリヒア・コリ(ATCC 25922)、スタフィロコッカス・アウレウス(ATCC 25923)、クレブシエラ・ニューモニエ(ATCC 10031)及びシュードモナス・エルギノーサ(ATCC 27853)に対して最小阻止濃度(MIC)を測定した。また、エシェリヒア・コリ、クレブシエラ・ニューモニエ、エンテロバクター・クロアカ、シュードモナス・エルギノーサ、セラチア・マルセッセンス、プロテウス・ミラビリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、アシネトバクター・バウマンニー、アシネトバクター・ジョンソニイ及びスタフィロコッカス・アウレウスの臨床株もMICアッセイに用いた。さらに、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラータ、カンジダ・パラプシローシス及びカンジダ・キルエルモンディエを含む酵母の臨床株を用いた。マイクロブロス希釈アッセイを用いて、これらの微生物の鎖ペプチドに対する感受性を測定した。一晩インキュベートしたミューラー・ヒントン(MH)寒天プレートからの各微生物のコロニーをMHブロス培地中で懸濁させ、微生物の最終濃度を5.0×10CFU/mlに調整した。各鎖ペプチド又は参照抗生物質としてゲンタマイシン若しくはテトラサイクリンの10μlのアリコートを異なる濃度で、90μlの細菌懸濁液とともに96ウェルのポリプロピレンプレートに加えて、37℃で20〜24時間インキュベートした。鎖ペプチド及び参照抗生物質の濃度は0.125〜128μg/mlの範囲であり、MICは細菌の視覚的増殖がない最低濃度として記録した。同様に、抗真菌MICをポテトデキストロースブロスで試験した。
実施例12:抗細菌性クローンの発現分析
液体培地中の小さな抗菌分子の可能な生成について、pFosS1Aを発現するサブクローンをHPLC−MSで分析し、コントロール(空ベクター)と比較した。抗細菌クローン及びコントロールのピークのクロマトグラム及びスペクトルは同一であった。培地を分画し、スタフィロコッカス・アウレウスに対する抗細菌活性を試験したが、活性は検出されなかった。これによって、スタフィロコッカス・アウレウスに対する抗細菌活性が、En-MAP1活性によって生成された代謝産物に由来しないことが示唆された。
次いで、En-MAP1遺伝子を発現プラスミドpET23(b)にクローン化し、抗細菌活性がタンパク質それ自体に起因するものであったかどうかを分析した。得られた構築物pET23(b)-FosS1Aは、En-MAP1遺伝子をインフレームに含有していた。エシェリヒア・コリ発現株BL21(DE3)pLyseS及びBL21(DE3)pRAREに形質転換したところ、約63kDa(推定質量63.3kDa)のタンパク質が、誘導された培養物の細胞抽出物中に産生されたが、誘導されていない培養物では産生されなかった。得られたタンパク質は、タンパク質の配列の最初のアミノ酸の前にアミノ酸配列MHHHHHHM−を含む。タンパク質を封入体として両菌株で発現し、封入体をHis-Trapカラムで精製し、フォールドし、約1mgの純粋なフォールドされたタンパク質を得た。フォールドされたタンパク質のスタフィロコッカス・アウレウスに対する抗細菌活性を試験したが、活性は観察されなかった。代わりの翻訳開始部位によるより短い断片が抗細菌活性に関与するかを試験するために、En-MAP1の短い断片をコードする3つの構築物を設計し、発現させたが、活性は認められなかった。しかし、フォールドされた完全なEn-MAP1タンパク質(配列番号1)をトリプシンで消化した場合、消化後2時間まで抗細菌活性が観察された(データ示さず)。フォールドされていないタンパク質のトリプシン消化物には活性が検出されなかった。この結果から、抗菌活性が、フォールドされた構造で保護された内部のトリプシン切断部位を含む、ペプチドを産生するタンパク質の断片化に起因することが示唆された。
抗菌活性に関与するペプチドをさらに同定するために、En-MAP1タンパク質をin silicoで消化し、抗菌剤であると予測されたペプチドを合成した。ArgCプロテイナーゼ、Asp-Nエンドペプチダーゼ(EC 3.4.24.33)、キモトリプシン-HS30(EC 3.4.21.1)、クロストリパイン、CNBr(EC 208-051-2)、ギ酸、Lys-C、ヨードソ安息香酸、プロリンエンドペプチダーゼ及びトリプシン等のいくつかの制限酵素、プロテアーゼ及び化学物質の切断部位をin-silico分析に含めた。ペプチド断片の抗菌活性は4つの異なるアルゴリズム(サポートベクターマシン(SVM)分類、ランダムフォレスト分類、判別分析分類及びAPD2)を用いて予測された。
これらのペプチドの大部分はトリプシン消化の予測に由来した。3個のペプチド(図3でMet10、Met11及びMet12として示され、それぞれ表1、2a、2b、2c、3a、3b及び3c並びに配列表に示される、配列番号4で定義される鎖100、配列番号5で定義される鎖200、及び配列番号6で定義される鎖300)はそれぞれ、Asp-Nエンドペプチダーゼ16、キモトリプシン-HS30及びCNBrの消化に由来した。これらのペプチドのうち8個は、内部のトリプシン切断部位を含んでいた。
実施例13:塩、pH及び熱安定性
PBS緩衝液(pH7.4)中、2mg/mlの濃度にペプチドを希釈し、+4℃、25℃(RT)、37℃及び45℃等の異なる温度でインキュベートすることで、熱安定性を評価した。また、−20℃で保存したペプチドをコントロールとして使用した。各々の時間間隔の後、100μl(2mg/ml)のペプチドを採取し、放射拡散アッセイのために−20℃で保存して、抗細菌活性を測定した(図8)。ペプチドはまた、それらをpH4〜9の異なるpH値で希釈することで試験した。異なる濃度(50,100及び200mM)のNaClをMH培地に添加することで抗菌活性に対するNaClの効果を試験し、4個のATCC細菌株に対する最小阻止濃度を試験した。
実施例15:被覆シリコンカテーテル及び非被覆シリコンカテーテルの細菌付着
被覆(鎖105又は鎖201)及び非被覆シリコンカテーテルを0.5cm片に切断し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、5×10CFU/mlの細菌(エシェリヒア・コリ及びスタフィロコッカス・アウレウス)培養物1mlで懸濁した24ウェルプレートに入れた。サンプルを37℃で6時間、150rpmでインキュベートした。インキュベーション後、新鮮なPBSを用いて各カテーテル片を1mlのPBSで2回すすいだ。カテーテル片をエッペンドルフチューブに移し、500μlのPBSを加え、水浴中で2分間超音波処理し、5秒間ボルテックスし、連続希釈し、CFUを測定した。
実施例14:透過型電子顕微鏡(TEM)のための細胞の調製
エシェリヒア・コリ及びスタフィロコッカス・アウレウスを等比級数増殖期(mid-exponential phase)まで増殖させ、600nmでの吸光度を測定することでミューラー・ヒントン・ブロス(MHB)培地で0.1の細胞密度に希釈し、10μg/mlの鎖ペプチドと共に37℃で1時間、インキュベートした。インキュベーション後、等容量の0.1Mリン酸緩衝液中の2%グルタルアルデヒドを添加し、2分間、5000rpmで遠心分離することで細胞をペレット化し、細胞ペレットを0.1Mリン酸塩中の1%グルタルアルデヒドで固定した。細胞を四酸化オスミウムで後固定し、アセトン又はアルコールの濃度を漸増させて脱水し、プラスチック樹脂(Epon)に包埋した。超薄切片(70〜80nm)を、酢酸ウラニル及びクエン酸鉛で後染色し、TEMで観察した。Veleta及びQuemesaCCDカメラを備えたTecnai G2 Spirit 120kV TEMを用いて顕微鏡撮影をした。



























スタフィロコッカス・アウレウス、エシェリヒア・コリ及びバチルス・ダリアに対する12個のペプチド(Met1〜Met12)の抗菌活性を試験した。最初のスクリーニングは、放射拡散アッセイによって行い、抗菌活性を確認した。ペプチドMet1、Met3、Met4、Met5、Met10、Met11及びMet12はそれぞれ100μg/ウェルの濃度でエシェリヒア・コリに対して活性であった(図3)。Met3、Met10及びMet11はそれぞれ100μg/ウェルの濃度でスタフィロコッカス・アウレウスに対して活性を示した。等モル濃度のペプチドを混合することによって、ペプチドの相乗効果を試験したが、活性に有意差は見られなかった。Met8にバチルス・ダリアに対する中程度の抗真菌活性が観察された(データは示さず)。すべてのサンプルについてエシェリヒア・コリ及びスタフィロコッカス・アウレウスに対する最小抑制濃度(MIC)アッセイを行った。Met11は95μMの濃度で活性であり、残りのペプチドは>190μMのMICを有していた。Met12以外のすべてのペプチドはα−ヘリックス構造を有すると予測された。
合理的な設計技術を用いて、元のペプチドに様々なアミノ酸を組み込むか置換することによって、ペプチドの変異体を設計した。従って、抗菌活性を改善するために様々な位置でトリプトファン(W)、アルギニン(R)及びリジン(K)で鎖100、鎖200及び鎖300を設計及び改変した(図4a〜c及び図5a〜c)。一部のペプチドでは、ロイシン(L)、システイン(C)、イソロイシン(I)、フェニルアラニン(F)及びアラニン(A)等の他のアミノ酸も用いた。正電荷、脂肪族指標及び不安定性指標等の種々のパラメータに基づいて、32個の変異体及び3個の元のペプチドを合成のために選択した。エシェリヒア・コリ(ATCC 25922)、スタフィロコッカス・アウレウス(ATCC 25923)、クレブシエラ・ニューモニエ(ATCC 10031)及びシュードモナス・エルギノーサ(ATCC 27853)に対して放射拡散アッセイを用いてペプチド変異体を試験した(図6a〜c)。阻止域は、エシェリヒア・コリ及びスタフィロコッカス・アウレウスについては10〜18mm、シュードモナス・エルギノーサ及びクレブシエラ・ニューモニエについては6〜18mm及び8〜18mmの範囲であった(表2)。ゲンタマイシンについては22〜24mmであった。アスペルギルス・フラバス(DSM 1959)及びペニシリウム・クリソゲナム(DSM 1075)に対して有望な抗細菌ペプチド(鎖104,105,109,201,204,306,307,308,310)について抗真菌活性を試験した。これらのすべてのペプチドは、20μgの濃度で活性を有し、アンフォテリシンBを20μgでポジティブコントロールとして用いた(図7)。
最小阻止濃度(MIC)をマイクロブロス希釈法により試験した。そして、鎖104、105及び109は、それぞれエシェリヒア・コリ(ATCC 25922)、スタフィロコッカス・アウレウス(ATCC 25923)、クレブシエラ・ニューモニエ(ATCC 10031)及びシュードモナス・エルギノーサ(ATCC 27853)の増殖を1〜8μg/mlで抑制した(表3a、3b及び3c)。ボランティアから寄付された新鮮な血液の赤血球からのヘモグロビンの放出を測定することによって、ペプチドの膜溶解活性を試験した。Schmidtchenら,2011のプロトコルに従って540nmでODを取ることで、分光測定的にヘモグロビンレベルを測定した。溶血%は0.1〜9%の範囲であり、これらのペプチドの大部分が128μg/mlの濃度では宿主に何の影響も及ぼさないことが示された(表3)。
12個のペプチド鎖104、鎖105、鎖109、鎖201、鎖204、鎖304、鎖306、鎖307、鎖308、鎖309、鎖310及び鎖311は、4つのATCC株に対して非常に活性であることが見出された。従って、これら12個のペプチドをD型アミノ酸として合成し、エシェリヒア・コリ、クレブシエラ・ニューモニエ、エンテロバクター・クロアカ、シュードモナス・エルギノーサ、セラチア・マルセッセンス、プロテウス・ミラビリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、アシネトバクター・バウマニ、アシネトバクター・ジョンソニイ及びスタフィロコッカス・アウレウスの臨床株に対して試験した。カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラータ、カンジダ・パラプシローシス及びカンジダ・キルエルモンディエを含む酵母の臨床株も、12個の鎖ペプチドについて試験した。最小阻止濃度(MIC)はこれらのペプチド間で異なり、表4a、4b、4c及び5a、5b、5cに示されている。ペプチド鎖105、201及び308は、セラチア・マルセッセンス及びプロテウス・ミラビリスを除いて、すべての細菌及び酵母に対して0.5〜32μg/mlの間のMICを有する広域スペクトル抗菌剤であり、セラチア・マルセッセンス及びプロテウス・ミラビリスに対するMICは64〜128μg/mlの間であった。ペプチド鎖306は、エシェリヒア・コリに対して1μg/mlであり、残りの細菌株で>32μg/mlである狭いスペクトル活性を有する(図10c)。
スタフィロコッカス・アウレウスRN4220の抗生物質感受性株及びスタフィロコッカス・アウレウスCOL(MRSA)のメチシリン耐性株に対して、ペプチド鎖104、鎖105、鎖201、鎖308及び鎖310を試験した。L型又はD型アミノ酸のいずれかを含む鎖ペプチドをこれらの細菌に対して試験した。D型ペプチドはL型と比較してより良好な活性を有することが見出された(表6)。鎖ペプチドとエルタペネム(4μg/ml)との相乗的活性を、MRSA株に対する活性に影響するかを知るために試験した。すべての鎖ペプチドは、0.03〜4μg/mlの範囲のMICでMRSA株に対して抗細菌活性を有することが見出された。鎖310は、L型及びD型の両方の態様について、エルタペネム(4μg/ml)とともに0.06及び0.03μg/mlのMICでMRSA株に対して最良の抗菌活性を有する(表6)。
多くの抗菌ペプチド(AMP)は、細菌及び真菌の臨床菌株に対して広範囲の抗菌活性を有する。抗菌ペプチドは、塩感受性ステップによって細菌膜との静電相互作用によって二次構造を形成する。従って、ヒト体液中の高い塩濃度が多くのAMPを失活させる可能性があり、医療における適用のためには耐塩性AMPを開発することが不可欠である。しかし、生理学的状態、pH、温度及び高い塩濃度がこれらのペプチドの活性に影響を及ぼすことはよく知られている。本発明者らは、鎖104、105、201、204、306及び308のpH、塩及び熱安定性を評価し、これらのペプチドが14日間にわたって45℃まででもpH又は温度によって妨げられないことを見出した(図8及び9)。しかし、200mMのNaCl濃度を用いた場合、鎖104、105、201、204、306及び308のMIC値は2倍に増加する。
細胞表面上の5×MICでの処置時の細胞に対するAMP作用メカニズム及び細胞内変化を知るために、電子顕微鏡研究が必要とされた。一般的にAMPは低濃度でも細胞膜に多数のストレスを引き起こす。エシェリヒア・コリは、細胞質膜(7nm)、ペプチドグリカン層(7〜8nm)及び外膜(10〜15nm)を有する複雑な細胞構造を有する。エシェリヒア・コリの抗生物質耐性は、外膜と一緒にある内部ペプチドグリカンの存在に起因する。鎖ペプチド(105,201,308)とインキュベーションすると、エシェリヒア・コリ細胞のほぼすべてが棒状の構造的完全性を失い、顆粒構造の蓄積、細胞表面から突出した泡様構造及び歪みが細胞に見られた(図11)。スタフィロコッカス・アウレウス脂質二重層と鎖ペプチドの相互作用は、膜面積の拡大とともに見ることができる。本発明者らはまた、細胞質膜、及び細胞内二重層膜としての球状メソソーム、及び細胞内に形成されたメソゾーム様構造が拡大することを認めた。
カテーテル関連感染は、生体材料表面への浮遊細菌細胞の付着、並びにコロニー形成及びバイオフィルム形成によって開始された。鎖201又は鎖105で固定されたカテーテルは、エシェリヒア・コリ及びスタフィロコッカス・アウレウスに対して優れた抗菌活性を示した。スタフィロコッカス・アウレウス及びエシェリヒア・コリの生存細胞がそれぞれ70%及び30%を超えて減少することが観察された(図12)。













































































































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Claims (14)

  1. 配列番号4を含むか、又は配列番号4と少なくとも37%、好ましくは少なくとも50%の同一性を有する抗菌ペプチド又はその変異体。
  2. 前記ペプチドが抗菌活性の向上のために改変されている、請求項1に記載のペプチド。
  3. 前記ペプチドが、W、R、K、L、C、I、F及びAの1個以上の置換で、好ましくはW、R及びAの1個以上の置換で改変されている、請求項1又は2に記載のペプチド。
  4. 配列番号4において、
    a. D1−/R
    b. C2−/K
    c. W3−
    d. S4−/R
    e. A5−
    f. M6W
    g. I7W
    h. A11W
    i. Y13W/R
    j. N14L/K
    k. Q15R/L
    l. V16K/W
    (式中、「−」はアミノ酸の欠失を示す。)
    からなる群から選択される1個以上の置換又は欠失を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のペプチド。
  5. 1〜5個のN末端アミノ酸が欠失している、請求項1〜4のいずれかに記載のペプチド。
  6. V16K/W、Q15R/L、N14L/K、Y13R/W、A11W、I7W及びM6Wからなる群から選択される1個以上の置換をさらに含む、請求項5に記載のペプチド。
  7. 配列番号4及び7〜31のいずれか、好ましくは配列番号8〜15のいずれかを含む、請求項1に記載のペプチド。
  8. 配列番号10、11及び15のいずれかを含む、請求項8に記載のペプチド。
  9. 真菌又は酵母に対する活性を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のペプチド。
  10. 細菌に対する活性を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のペプチド。
  11. 治療における使用、特に抗菌剤としての使用のための、請求項1〜10のいずれかに記載のペプチド。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載のペプチドで微生物を処理する工程を含む、微生物の殺滅又は増殖阻害方法。
  13. 前記ペプチドが、細菌若しくは真菌に対して、又は細菌及び真菌の両方に対して活性を示す、請求項12に記載の方法。
  14. 医薬、飼料添加物、防腐剤又は界面活性剤としての請求項1〜10のいずれかに記載のペプチドの使用。
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