WO1996026781A1 - Procede de regulation de la cristallisation de composes organique et composant a semi-conducteur pour la modulation de la cristallisation dans ledit procede - Google Patents

Procede de regulation de la cristallisation de composes organique et composant a semi-conducteur pour la modulation de la cristallisation dans ledit procede Download PDF

Info

Publication number
WO1996026781A1
WO1996026781A1 PCT/JP1996/000462 JP9600462W WO9626781A1 WO 1996026781 A1 WO1996026781 A1 WO 1996026781A1 JP 9600462 W JP9600462 W JP 9600462W WO 9626781 A1 WO9626781 A1 WO 9626781A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
solid
crystallization
region
silicon
state device
Prior art date
Application number
PCT/JP1996/000462
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
Akira Sanjoh
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries, Ltd.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries, Ltd. filed Critical Sumitomo Metal Industries, Ltd.
Priority to DE69618581T priority Critical patent/DE69618581T2/de
Priority to CA002219766A priority patent/CA2219766C/en
Priority to EP96904268A priority patent/EP0821987B1/en
Priority to US08/894,717 priority patent/US6117232A/en
Publication of WO1996026781A1 publication Critical patent/WO1996026781A1/ja

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B7/00Single-crystal growth from solutions using solvents which are liquid at normal temperature, e.g. aqueous solutions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/54Organic compounds
    • C30B29/58Macromolecular compounds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S117/00Single-crystal, oriented-crystal, and epitaxy growth processes; non-coating apparatus therefor
    • Y10S117/90Apparatus characterized by composition or treatment thereof, e.g. surface finish, surface coating
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S260/00Chemistry of carbon compounds
    • Y10S260/35Crystallization
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T117/00Single-crystal, oriented-crystal, and epitaxy growth processes; non-coating apparatus therefor
    • Y10T117/10Apparatus
    • Y10T117/1024Apparatus for crystallization from liquid or supercritical state

Description

明 細 書
有機化合物の結晶化制御方法
およびそれに用いる結晶化制御用固体素子
技術分野
本発明は、 有機化合物の結晶化を積極的に制御するため の方法に関し、 特に、 価電子が制御された半導体基板等を 用いて、 蛋白質を始めとする種々の生体高分子の結晶化を 制御するための方法に関する。
背景技術
蛋白質を始めとする各種生体高分子およびそれらの複合 体における特異的性質および機能を理解する上で、 それら の詳細な立体構造は、 不可欠な情報となっている。 たとえ ば、 基礎生化学的な観点から、 蛋白質等の三次元構造の情 報は、 酵素やホルモン等による生化学系での機能発現のメ 力二ズムを理解する上で基礎となる。 また、 産業界のうち 特に薬学、 遺伝子工学、 化学工学の分野においては、 三次 元構造は、 ドラ ッ グデザイ ン、 プロテイ ンエンジニア リ ン グ、 生化学的合成等を進める上で合理的な分子設計に欠か せない情報を提供する。
このような生体高分子の原子レベルでの三次元立体構造 情報を得る方法と しては、 現在のところ X線結晶構造解析 が最も有力かつ高精度な手段である。 近年の X線光源 · 回 折装置のハ ー ドウ ア上の改良による測定時間の短縮、 測 定精度の向上に加え、 コ ン ピュータの計算処理速度の飛躍 的な向上により、 解析スピー ドが大幅に向上してきており、 今後も X線結晶解析を主流として三次元構造が明らかにさ れていく ものと思われる。
一方、 X線結晶構造解析により生体高分子の三次元構造 を決定するためには、 目的とする物質を抽出 · 精製後、 結 晶化するこ とが必須となる。 しかし、 現在のところ、 どの 物質に対しても適用すれば必ず結晶化できるといった手法 および装置がないため、 勘と経験に頼った ト ライア ン ドエ ラーを繰返しながら結晶化を進めているのが実情である。 生体高分子の結晶を得るためには、 非常に多く の実験条件 による探索が必要であり、 結晶成長が X線結晶解析の分野 での最も大きなボ トルネッ ク となっている。
蛋白質等の生体高分子の結晶化は、 通常の無機塩等の低 分子量化合物の場合と同様、 高分子を含む水または非水溶 液から溶媒を奪う処理を施すこ とにより、 過飽和状態にし て、 結晶を成長させるのが基本となっている。 このための 代表的な方法と して、 ( 1 ) バッチ法、 ( 2 ) 透析法、 ( 3 ) 気液相間拡散法があり、 試料の種類、 量、 性質等に よって使い分けられている。
バッチ法は、 生体高分子を含む溶液に、 水和水を奪う沈 澱剤を直接添加して、 生体高分子の溶解度を低下させ、 固 相へ変化させる方法である。 この方法では、 たとえば固体 の硫酸アンモニゥ厶 (硫安) がよ く使用される。 この方法 は、 溶液試料を大量に必要とし、 塩濃度、 p Hの微妙な調 整が困難であるこ と、 さ らに操作に熟練を要し、 再現性が 低いといった欠点を有する。 透析法は、 バッチ法の欠点を 改善した方法で、 たとえば図 4 5 に示すように、 透析チュ ーブ 5 1 の内部に生体高分子を含む溶液 5 2を密封し、 透 析チューブ外液 5 3 (たとえば緩衝溶液) の p H等を連続 的に変化させ結晶化を行なう方法である。 この方法によれ ば、 内外液の塩濃度、 p H差を任意の速度で調節可能であ るため、 結晶化の条件を見出しやすい。 気液相間拡散法は、 たとえば図 4 6 に示すように、 カバ一ガラス等の試料台 6 1 上に、 試料溶液の液滴 6 2を載せ、 密閉した容器 6 3内 にこの液滴と沈澱剤溶液 6 4 を入れるこ とにより、 両者間 の揮発成分の蒸発によって緩やかに平衡を成立させる手法 である。
しかし、 蛋白質等の生体高分子の結晶化には、 前述した ように種々の問題点があるのが実情である。 第 1 に、 結晶 性が良好でないこ とである。 生体高分子には、 他の物質の 結晶とは異なり、 多量の溶媒 (主として水) が含まれてい る (≥ 5 0体積%) 。 この溶媒が、 無秩序であり、 かつ結 晶中で分子間の空隙となっている部分を容易に可動し得る。 また、 分子が巨大であるにもかかわらず、 結晶中で広範囲 な分子間のパッキングコンタ ク トカ ほとんどなく 、 わずか の分子—分子間コ ンタク トまたは水分子を介した水素結合 によるコンタク ト しか存在していない。 このような要因の ため結晶性は良好でない。 第 2に、 結晶条件に非常に敏感 である こ とである。 生体高分子は、 個々 の分子表面間の相 互作用によ り、 溶媒中で安定化されている一方、 分子表面 の電荷分布、 特にア ミ ノ酸の分子表面近傍でのコ ンフ オ メ ー シ ヨ ン等は、 環境、 すなわち溶液の p H、 イ オ ン強度、 温度、 緩衝溶液の種類、 誘電率等によ り大き く 変化する。 したかって、 結晶化プロセスは、 複雑な種々 の条件の絡み 合ったマルチパラ メ 一夕プロセスとなり、 どの物質に対し ても適用できる統一的な手法が確立できていない。 また蛋 白質については、 水溶性蛋白質に比べ、 生化学的に非常に 重要であるにもかかわらず、 疎水性の膜蛋白質の結晶化が、 現在、 非常に困難であり、 結晶化を行ないさ らに高分解能 の解析に成功した例はこれまでわずか 2件のみである。
以上のよう に、 蛋白質を始めとする生体高分子およびこ れらの複合体の結晶化は、 学術および産業上の重要なプロ セスであるにもかかわらず、 これまで試行錯誤を繰返しな がら進められてきたため、 X線結晶構造解析の最大のネ ッ ク となっている。 したかって、 今後結晶化の基本原理を理 解して、 どの分子に対しても適用 し得る結晶化技術を開発 する必要がある。
発明の開示
本発明の目的は、 上述したよう に多様な特性を有するた めにどの物質に対しても適用できる手法がな く 、 試行錯誤 を繰返しながら進められてきた従来の結晶化プロセスの欠 点を、 技術的に解消する こ とである。 具体的には、 本発明は、 種々 の生体高分子および生体高 分子から主として構成される生体組織の結晶化の初期過程 における核形成を制御し、 これにより微結晶の大量生成を 抑制または制御する方法、 ならびに X線構造解析を可能に し得る大型の結晶にまで成長させる技術を提供するこ とを 目的と している。
本発明に従って、 溶媒中に含まれる有機化合物の結晶化 を制御するための方法は、 有機化合物を含む溶媒の環境に 応じて表面部分の正孔または電子の濃度を制御できるよう 価電子が制御された固体素子を与える工程と、 固体素子を 有機化合物を含む溶媒に接触させ、 固体素子の表面におい て有機化合物の結晶を析出させる工程とを備え、 そこにお いて、 制御された価電子により固体表面にもたらされる電 気的状態によって、 有機化合物の結晶化は制御される。
本発明は、 脂肪族化合物、 芳香族化合物等、 種々の有機 化合物を結晶化するため用いるこ とができる。 また本発明 は、 特に、 有機化合物の中で、 ア ミ ノ酸、 蛋白質、 脂質、 糖質、 核酸などの生体を構成する化合物、 ならびにこれら の複合体および誘導体を結晶化させるため好ま しく適用さ れる。 本発明は、 生体高分子の結晶化のため好ま しく適用 される。
本発明では、 価電子制御が可能な固体素子の表面に有機 化合物を析出させる。 そのような固体素子と して、 半導体 基板を用いるこ とができる。 半導体には、 G e、 S i 等の 単体のもの、 G a— A s 、 C d S等の化合物のものが含ま れる。 また本発明では、 価電子制御が可能なものであれば、 その他の材料を用いる こ と もでき、 たとえば、 チタ ン酸バ リ ウ厶、 チタ ン酸ス ト ロ ンチウム等の強誘電体を用いる こ と もできる。
さ らに、 該固体素子である半導体基板は、 P N接合部を 有する こ とができる。 すなわち、 P N接合を有する半導体 デバイス (素子) を、 固体素子と して用いる こ とができる。 一方、 該固体素子は、 溝を有するこ とができ、 溝におい て、 有機化合物を析出させるこ とができる。 P N接合を有 する半導体基板を固体素子と して用いる場合、 溝において P N接合部が露出しているこ とが好ま しい。
なお本発明において、 溶媒は、 結晶化すべき有機化合物 を保持するための液体であれば特に限定される ものではな い。 溶媒と して、 多 く の場合、 水または緩衝塩溶液等の水 溶液が用いられるが、 その他の有機溶媒等を用いる こ と も できる。 本発明において、 電解質溶液が溶媒と して好ま し く 用いられる。
本発明の方法では、 用いる固体素子に空間電荷層を形成 し、 該空間電荷層に基づく 表面電位によって、 有機化合物 の結晶化を制御する こ とができる。 また、 該表面電位を固 体素子の表面の部位によって異ならしめ、 それによ り、 固 体素子表面の特定の領域で所望の結晶化を行なう こ とかで きる。 固体素子の表面電位または表面の電気的状態は、 固体素 子中に ドーピングされる不純物の濃度によって制御するこ とができる。 固体素子中に含有される不純物の濃度は、 通 常、 固体素子の表面部分と内部とで異なっている。
また、 固体素子の表面部分において、 第 1 の所定領域か ら第 2の所定領域まで、 不純物の濃度を連続的または段階 的に減少または増加させるこ とができる。 さ らに、 固体素 子の表面部分において、 不純物濃度は、 特定の領域におい て極大もし く は最大または極小も しく は最小となるよう設 定するこ ともできる。
本発明の方法において、 固体素子の表面部分は、 互いに 不純物濃度の異なる第 1 の領域と第 2の領域とを少な く と も有するこ とができる。 第 1 の領域および第 2の領域のい ずれかで結晶化を促進し、 残りの領域で結晶化を抑制する こ とができる。 このような第 1 の領域と第 2の領域は、 2 次元的に配列するこ とができる。
また、 本発明に従い、 上述してきた方法に用いる結晶化 制御用固体素子を提供するこ とができる。 このような素子 は、 溶媒中に含まれる有機化合物の結晶化を制御するため、 所定の表面電位をもたらすよう、 少な く とも表面部分に不 純物が添加されている半導体基板を備える。
図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明に従って、 固体素子の表面に結晶核が固 定化され、 結晶成長が進んでいく ようすを示す模式図であ る o
図 2は、 本発明を実施するための装置の一例を示す模式 図である。
図 3 は、 本発明を実施するための装置のもう 1 つの例を 示す模式図である。
図 4 は、 本発明において固体素子として用いられるシ リ コ ン結晶の構造の一例を示す概略断面図である。
図 5 は、 本発明の固体素子を形成するプロセスを示す概 略断面図である。
図 6 は、 不純物濃度の異なる領域を有する固体素子を示 す概略断面図である。
図 7 は、 不純物濃度の異なる領域を有する他の固体素子 を示す概略断面図である。
図 8 は、 不純物濃度の異なる領域を有する固体素子にお いて結晶化が制御される状態を説明するための概略断面図 である。
図 9 は、 不純物濃度の異なる領域が 2次元的に配列され た固体素子の具体例を示す斜視図である。
図 1 0 は、 図 9の固体素子の一部を示す概略断面図であ 図 1 1 は、 図 1 0 に示す素子の部分における表面電荷密 度分布を示す図である。
図 1 2は、 図 9 に示す固体素子の製造プロセスの一例を 示す概略断面図である。 図 1 3 は、 溝を有する固体素子の製造プロセスの 1 つの 例を示す概略断面図である。
図 I 4 は、 不純物濃度が段階的に変化した固体素子の具 体例を示す概略断面図である。
図 1 5 は、 図 1 4 に示す固体素子における不純物濃度の 分布および表面電位の変化を示す図である。
図 1 6 は、 不純物濃度が連続的に変化した固体素子の一 具体例を示す概略断面図である。
図 1 7 は、 図 1 6 に示す固体素子における不純物濃度の 分布および表面電位の変化を示す図である。
図 1 8 は、 中央部に不純物濃度が最も低い領域を有する 固体素子の具体例を示す概略断面図である。
図 1 9 は、 図 1 8 に示す固体素子における不純物濃度の 分布および表面電位の変化を示す図である。
図 2 0 は、 中央部に不純物濃度が最も高い領域を有する 固体素子の具体例を示す断面図である。
図 2 1 は、 図 2 0 に示す固体素子における不純物濃度の 分布および表面電位の変化を示す図である。
図 2 2は、 価電子制御されたシ リ コ ン基板と、 結晶化す べき分子との間の電気的凝集効果を、 電気二重層間の静電 相互作用ポテ ン シャ ルによって説明するための図である。
図 2 3、 2 4、 2 5 および 2 6 は、 例 1 において生成し た結晶構造の顕微鏡写真である。
図 2 7、 2 8、 2 9および 3 0 は、 例 2において生成し た結晶構造の顕微鏡写真である。
図 3 1 、 3 2、 3 3および 3 4 は、 例 3において生成し た結晶構造の顕微鏡写真である。
図 3 5は、 シ リ コ ン基板上に溝を形成するプロセスを示 す模式図である。
図 3 6および 3 7 は、 例 4 において生成した結晶構造の 顕微鏡写真である。
図 3 8、 3 9 および 4 0 は、 例 5 において生成した結晶 構造の顕微鏡写真である。
図 4 1 、 4 2、 4 3および 4 4 は、 例 7において生成し た結晶構造の顕微鏡写真である。
図 4 5 は、 従来の方法に用いられる装置の一例を示す模 式図である。
図 4 6 は、 従来の方法に用いられる装置のもう 1 つの例 を示す模式図である。
発明を実施するための最良の形態
蛋白質を始めとする生体高分子物質は、 他の低分子化合 物と異なり比重が非常に大きい。 そして溶液内においては、 ほとんど幾何学的に特異的な構造および静電的な相互作用 (静電斥力 ' 引力、 フ ァ ンデルワールス力) によって分子 間同士の認識が行なわれている。 静電的なエネルギに基づ く 分子間の相互作用においては、 個々の分子最表面でのわ ずかの空間的な電荷分布の相違が、 分子間の認識度合、 分 子集合体の作りやすさに決定的な影響を及ぼすこ とが予想 される。 したがって、 比重の大きな生体高分子が、 溶液中 で沈降、 凝集する際に、 周囲の溶液の密度が局部的に変化 し、 低密度溶液が上昇して対流を引起こすこ とにより、 均 一な結晶成長が妨げられると考えられる。 さ らには、 結晶 核が形成されたとしても、 核分子表面の分子構造、 電荷分 布が、 分子の変性 (立体構造が変形した状態になるこ と) 等の影響により、 同一でなく なってく れば、 核の周囲に集 合する各分子は、 互いに緩く結合するこ とになり、 よって 結晶性が低下するものと考えられる。
本発明では、 結晶核を安定して生成させるため、 価電子 が制御された固体素子を結晶化すべき有機化合物を含む液 に接触させる。 該固体素子は、 液と接触する表面から内部 に向かって、 あるいは該固体素子の断面内において、 価電 子制御により電子および正孔の濃度を制御するこ とができ、 それによつて固体素子表面の電気的性状を制御するこ とが できる。 たとえば、 結晶化の対象となる分子の有する実効 表面電荷の極性および電荷量に対して、 少なく とも 1 分子 当たりの実効電荷量と同等かあるいはそれ以上の制御され た電荷量を有する固体素子をもたらすこ とができる。 また、 該固体素子における価電子制御により、 結晶化の対象とな る分子に対して、 ォー ミ ッ ク特性、 非才一 ミ ッ ク特性、 ォ ー ミ ッ ク特性と非ォー ミ ッ ク特性の空間的に混在した特性 のうち少な く とも 1 つ以上の電気的特性を有する固体素子 表面をもたらすこ とができる。 このような価電子制御は、 たとえば、 半導体結晶中に所定の濃度で所定の領域に ドー パン トを導入するこ とにより可能となる。 本発明によれば- このような固体素子の表面に電気的作用によって結晶核を 固定し、 該固体素子の表面において結晶の成長を制御する こ とができる。
たとえば図 1 に、 本発明に従い、 固体素子表面において 結晶核が固定され、 結晶が成長していく ようすを模式的に 示す。 本発明では、 図 1 ( a ) に示すように、 価電子制御 により、 所定の電気的状態とされる固体素子 1 の表面に、 結晶核 2が静電的な作用によって固定される。 そして、 図 1 ( b ) に示すように、 蛋白質等の有機化合物は、 静電的 な相互作用により、 固体素子表面に凝集し、 結晶核の生成 が促進され、 結晶の成長がもたらされる。 したがって、 固 体素子表面の電気的特性を制御するこ とにより、 結晶化の 制御が可能となる。 たとえば、 固体素子表面に固定される 結晶核の種類、 量、 配列密度等を価電子制御により調整す るこ とができ、 それによつて結晶化の制御が可能となる。 また、 生成された結晶核が固体素子表面に固定されている ため、 溶液内の対流等による核の微小な変動が抑制され、 核の形成に従って規則的に分子が集合し、 結晶性が向上す るこ とも期待される。
また、 一般に電解質溶液内における帯電物質または分子 の凝集性は、 それらの間の電気二重層斥力とフ ァ ンデルヮ 一ルスカとの和に依存するため、 物質または分子同士を凝 集させる場合、 電解質溶液中に添加する表面電位を調整す るための塩濃度をコ ン トロールするこ とが非常に重要とな るが、 本発明によれば、 固体素子表面の静電特性は予め価 電子制御により調整できるため、 塩濃度の調整が容易また は不要になるという長所も有する。
このような目的に供される固体と しては、 上述したよう な静電特性を有し、 電荷量および極性の制御可能な物質で、 さ らに溶液中で化学的に安定な物質であれば、 どのような 物質でもよいが、 好ま しい材料の 1 つと して半導体結晶で あるシ リ コ ンが挙げられる。 以下、 シ リ コ ン結晶を用いた 場合について予想される結晶化のメ カニズムを以下に説明 する。 しかしながら、 以下に記載されるメカニズムは、 本 発明に従って用いられる他の固体素子にもあてはめるこ と ができる。
たとえば、 負の実効電荷を有する生体高分子を含む電解 質水溶液から結晶を析出させるこ とを考える。 固体素子と して、 価電子制御された N型または P型のシ リ コ ン結晶を 用いるこ とができる。 N型または P型のシ リ コ ン結晶を電 解質水溶液にそれぞれ浸漬すると、 N型シ リ コ ン表面に対 してはシ ョ ッ トキー障壁が形成される一方、 P型シ リ コ ン 表面に対してはォー ミ ッ ク性接触が得られると考えられる。 N型シ リ コ ンの表面には、 水溶液の電解質濃度に依存した 表面電位が発生するとともに、 内部に空間電荷層領域が形 成される。 こ の空間電荷量は、 N型シ リ コ ンの ドーパン ト 濃度にも依存する。 したがって、 電解質水溶液中の負電荷 を有する生体高分子は、 N型シ リ コ ンの有する正の空間電 荷を少な く と も補慣するまでシ リ コ ン表面に凝集し続ける こ とが予想される。 一方、 P型シ リ コ ン表面では、 負の電 荷を有する分子に対して、 シ リ コ ン側から常に正孔が供給 されるため (ォー ミ ッ ク特性) 、 生体高分子は、 常にシ リ コ ン表面に凝集し続けるこ とが予想される。 よって、 空間 電荷層領域が形成される シ リ コ ン表面に対しては、 生体高 分子の凝集、 結晶化が制限されて起こ るのに比べ、 ォー ミ ッ ク性接触が生成されるシ リ コ ン表面に対しては、 生体高 分子の凝集が無制限に進行するこ とが考えられる。 以上、 負の実効電荷を有する分子の結晶化について説明したが、 正の実効電荷を有する分子の結晶化の場合、 N型シ リ コ ン および P型シ リ コ ンに対して上述と逆のメ カニズムで結晶 化が進むと考えられる。 すなわち、 N型シ リ コ ン表面では、 正の実効電荷を有する分子に対して、 シ リ コ ン側から豊富 な電子が供給されるため (ォー ミ ッ ク特性) 、 分子の凝集 が進みやすいと考えられる。 一方、 P型シ リ コ ン表面では、 形成される負の空間電荷を補償するまで、 分子がシ リ コ ン 表面に凝集される と考えられる。 したがって、 P型シ リ コ ン表面では、 分子の結晶化は制限される と考えられる。
本発明に用いられる N型および P型のシ リ コ ン結晶は、 通常の L S I プロセスにて用いられる シ リ コ ンウ ェハと同 等の特性を有する ものでよい。 シ リ コ ン結晶の比抵抗は、 0 . 0 0 1 〜 1 0 0 O Q c m程度の範囲内であればよ く 、 0 . 0 0 1 〜 1 0 O Q c mの範囲のものがよ り望ま しい。 またシ リ コ ン結晶の表面は、 ミ ラ一ボリ ッ シュ されたもの が結晶核の制御を行なう上で好ま しい。
また、 表面から内部に向かって、 N型および P型となる よう に価電子が制御されたシ リ コ ン結晶 ( P型と N型の積 層構造) を用いる こ と もできる。 この場合、 電解質水溶液 中において負の実効電荷を有する分子に対し、 シ リ コ ン表 面は順バイァス状態となつてシ リ コ ン側から常に正孔が表 面に洪給される。 これによ り、 負の実効電荷を有する分子 はシ リ コ ン表面に静電的に凝集する こ とになる と考えられ る。 一方、 表面から内部に向かって P型および N型となる よ う価電子制御されたシ リ コ ン結晶 (N型と P型の積層構 造) を用いる こ と もできる。 この場合、 負の実効電荷を有 する分子を含む電解質溶液に対して、 シ リ コ ン表面は逆バ ィァス状態となるため、 P N接合部に空乏層が形成され、 したがって空間電荷が発生する。 この空間電荷は、 価電子 制御を行なうのに必要な不純物濃度およびその勾配、 さ ら に表面電位に依存する。 よって、 負の実効電荷を有する分 子は、 このシ リ コ ンの空間電荷量と補償するまで表面に凝 集する ものと考えられ、 表面から内部に向かって N型およ び P型となるよう価電子制御されたシ リ コ ン とは異なる結 晶成長がなされる こ とが予想される。 つま り、 順バイアス されたシ リ コ ン表面に対しては、 分子の凝集か無制限に進 行するのに対し、 空間電荷層領域が形成される逆バイアス されたシ リ コ ンに対しては、 分子の凝集、 結晶化が制限さ れて、 電荷が補償されるまで進行する こ と と考えられる。
このような手法に用いられる N型および P型のシ リ コ ン 結晶は、 通常の L S I プロセスにて用いられるシ リ コ ンゥ ェハと同等の特性を有する ものでよい。 シ リ コ ン結晶の比 抵抗は、 0 . 0 0 1 〜 1 0 0 0 Ω c m程度の範囲内であれ ばよ く 、 0 . 0 0 1 〜 1 0 0 Q c mの範囲のものがよ り望 ま しい。 また結晶の表面は、 ミ ラ一ポリ ッ シュ されるこ と が余分な結晶核の生成を抑制する上で好ま しい。
本発明において、 シ リ コ ン基板表面に不純物を含有する 層を形成する際、 当該層の厚みは、 望ま し く は 0 . ! 〜 2 0 であり、 より望ま し く は 1 〜 5 0 mの範囲であ る。 これ以外の範囲では作製が容易でなかったり、 効果的 でな く なるため望ま し く ない。
本発明にて用いられる N型および P型に価電子制御され たシ リ コ ンの作製方法と して、 種々 のものが考えられ、 ど のような方式のものでもよいが、 最も簡便で不純物濃度の 制御が正確に行なえる方法と して、 イオン注入法が挙げら れる。 こ の方法の場合、 P型および N型の価電子制御は、 それぞれ、 周期律表第 I I I 族および第 V族に属する元素 のイオンをシ リ コ ン中に注入、 ァニールする こ とによって 容易に行なう こ とができる。 P型にするための第 I I I 族 元素と して B、 A l 、 G a、 I n、 T l 等を挙げる こ と力 でき、 特に Bが一般的である。 N型にするための第 V族元 素として N、 P、 A s、 S b、 B i 等を挙げるこ とができ、 特に P、 A s、 S bが一般的である。
本発明において、 P N接合を生成する際、 その厚みは、 たとえば次のとおりが好ま しい。 N型基板上に P型シリ コ ン層を形成する場合は、 N型のシ リ コ ン表面に P型のシ リ コ ン層を好ま しく は l 〜 2 0 0 m、 より好ま しく は 3〜 5 O / mの範囲で形成するのがよい。 これ以外の範囲では 作製が容易でなかったり、 効果がな く なったりするため望 ま し く ない。 また P型基板上に N型シ リ コ ン層を形成する 場合も同様であり、 P型シ リ コ ンの表面に同様な厚みの N 型層を形成するのが望ま しい。
また本発明において、 価電子制御された固体素子表面か らその内部に向かって、 等方的あるいは異方的エ ッ チ ン グ により凹状の溝部を設けてもよい。 該固体素子には、 その 内部に、 価電子制御のための不純物元素を少なく とも 1 種 以上含有させるこ とができる。 たとえば、 固体をシ リ コ ン 結晶とし、 その表面から内部に向かって N型、 P型の不純 物層を形成し ( P型シ リ コ ン上に N型の ドー ピン グ層を形 成するこ とと同一) 、 これをエ ッ チ ン グ加工して P型層に 十分到達するように溝を形成するこ とができる。 この場合、 溝断面には P N接合に基づく空間電荷層の領域が露出する こ とになる。 こ の固体を、 生体高分子を含有する電解質水 溶液中に浸漬すると、 比重の大きな生体高分子の凝集体は、 固体最表面および溝部に集合して結晶核を形成する こ とに なる。 そ して、 溝部の両側壁には、 空間電荷層の領域が存 在するため、 電解質水溶液中の可動電解質イオンおよび水 和水に、 静電的な引力が作用 し、 溝部内での対流が抑制さ れるこ とになる。 溶液内での対流速度の変動は、 結晶核へ の分子の拡散律速による供給を変調するため、 結晶性に悪 影響を及ぼすと考えられている。 したがって、 このよ う に 溝部を形成する こ とによ り、 溶液内の対流が抑制されるた め、 表面に規則的に集合する分子の結晶性は向上する こ と が期待される。
本発明において、 シ リ コ ン等に形成される溝部は、 等方 性または異方性エ ッ チ ン グによって形成する こ とができる。 いずれの方法においても、 溝の深さは、 表層に形成された 不純物層の厚み以上、 すなわち、 好ま しく は 1 〜 2 0 0 m以上、 より好ま し く は 3〜 5 0 m以上の範囲にて形成 されるのがよい。 これ以外の範囲では、 作製が容易でな く なる場合が多い。 また、 固体素子表面における溝の幅は、 生成させるべき結晶のサイズと関係して く るが、 通常最大 で 1 〜 2 m m程度であればよ く 、 場合によっては 1 m m以 下でもよい。 等方性または異方性エッチングと しては、 一 般的な酸、 アルカ リ の化学薬品を用いた湿式法、 および反 応ガスを用いた ドライエッチング法が適用でき、 溝部の形 状、 幅、 および深さに応じてこれらを適宜使い分ける こ と ができる。 以上、 価電子制御が容易な半導体結晶シ リ コ ンを用いた 例について説明したが、 本目的を達成するため、 他の同様 の機能を有する物質を適宜用いるこ とができる。 また、 溶 液中において安定であれば、 半導体結晶でな く てもどのよ うな物質も用いるこ とができ、 たとえば電荷分布の制御さ れた無機化合物、 有機化合物、 有機高分子等を結晶化のた めの固体素子の候補として挙げるこ とができる。
本発明の技術は、 たとえば、 生体高分子の機能を応用し た分子デバイスや免疫反応模倣デバイスの作製に応用し得 ると考えられる。 たとえば、 シ リ コ ンの固体表面を微細加 ェし、 本発明に従って、 各種の生体高分子を表面に固定す れば、 たとえばレセプ夕として働く生体高分子からの情報 を半導体デバイスで検出し、 電気的に処理を行なう こ との できる装置を提供するこ とができると期待される。 シリ コ ンを用いれば、 集積回路の技術をそのまま応用するこ とが でき、 種々の反応のセンシングゃ信号の制御等がワンチッ プ化できるといった利点がある。 このようなデバイスの提 供に当たり、 本発明に従う固体素子表面への結晶核の固定 および結晶成長のプロセスが有用であると考えられる。
また、 生体高分子は、 分子間の認識において静電相互作 用および立体特異性を利用している。 本発明に従う固体素 子表面への分子の静電的固定は、 上述の静電相互作用に対 応させるこ とができる。 そして、 本発明で固体素子の溝部 にこの立体特異性と似た作用を持たせれば、 固体素子上で の特異的な分子の固定、 結晶成長が可能となると考えられ、 これに基づき、 生体高分子を用いた電子デバイスが可能に なると期待される。
図 2および図 3 に、 本発明を行なうためのより具体的な 装置を示す。
図 2に示す装置では、 容器 1 1 内に緩衝溶液 1 2が収容 され、 その中に透析膜チューブ 1 3が設けられている。 透 析膜チューブ 1 3内には、 生体高分子を含む母液 1 4 とと もに、 結晶化制御用の固体素子、 たとえば所定の濃度の不 純物が ドーピングされたシ リ コ ン結晶 1 5が収容されてい る。 透析膜チューブ 1 3は、 ノ、'ッキン 1 6で密封され、 緩 衝溶液 1 2に浸漬される。 容器 1 1 の開口は、 フ ィ ルム 1 7 によって覆われている。 この装置において、 透析が進め られるとともに、 シ リ コ ン結晶 1 5上に母液 1 4から生体 高分子の結晶が析出されていく。
図 3 に示す装置は、 容器 2 1 (たとえばガラス製) 内で、 本発明に従い固体素子上に結晶を析出させるものである。 容器 2 1 の下部には、 緩衝溶液 2 2が収容される。 一方、 容器 2 1 の上部には、 シ リ コ ン結晶 2 5か載置され、 その 上に生体高分子を含む母液の液滴 2 4が載せられる。 緩衝 溶液 2 2および液滴 2 4 を載せたシ リ コ ン結晶 2 5 を収容 する容器 2 1 の開口は、 キャ ップ 2 7によって密閉される。 そして、 緩衝溶液 2 2 と液滴 2 4 の間では、 両者における 揮発成分の蒸発によって、 緩やかな平衡が成立しており、 本発明に従いシ リ コ ン結晶 2 5上で生体高分子の結晶析出 がなされる。
本発明において用いられるシ リ コ ン結晶は、 たとえば図 4 に示すような構成とするこ とができる。 図 4 ( a ) に示 すシリ コ ン結晶 3 0では、 P型シリ コン 3 1 上に N型シリ コ ン 3 2が形成されているか、 または N型シ リ コ ン 3 1 上 に P型シ リ コ ン 3 2が形成されている。 こ の積層構造によ り、 P N接合部が形成される。 図 4 ( b ) に示すシ リ コ ン 結晶 3 5では、 P型または N型シ リ コ ン 3 6上に、 N型ま たは P型領域 3 、 形成されている。 いずれにおいても、 表面 3 0 aおよび 3 5 aは、 鏡面研磨されているこ とが好 ま しい。
上述してきたところからもわかるように、 本発明では、 固体素子に空間電荷層を形成し、 この空間電荷層に基づく 表面電位によって、 結晶化を制御することができる。 表面 電位は、 たとえば、 本発明の固体素子として用いられる半 導体基板中の不純物濃度によって制御できる。 たとえば図 5 ( a ) に示すように、 高抵抗の半導体基板 7 1 を準備し、 図 5 ( b ) に示すように表面部分に不純物を導入して低抵 抗の領域 7 1 a (斜線で示す) を形成するこ とにより、 所 定の表面電位を示し得る固体素子が得られる。 こ の固体素 子において、 表面部分の不純物濃度とその内部の不純物濃 度は異なり、 表面部分に空間電荷層が形成されている。
また、 固体素子表面の部位によって表面電位を異ならし め、 それにより、 固体素子表面において結晶化に適した表 面電位を有する特定の領域で、 所望の結晶化を行なう こ と ができる。 このような表面電位の設定も、 固体素子中に含 有される不純物の濃度によって制御するこ とができる。 以 下、 不純物の濃度を変えて固体素子表面での結晶化を制御 する具体例について述べていく。
まず、 図 6 に示すように、 結晶化を制御する固体素子 1 の表面部分において、 不純物濃度が高い領域 1 a (斜線で 示す) と、 不純物濃度が低い領域 1 b とを混在させるこ と ができる。 固体素子 1 としては、 通常、 シリ コン等の半導 体基板が用いられる。 不純物濃度は、 結晶化の対象となる 分子が有する実効表面電荷の極性および荷電量に応じて設 定される。 結晶化の際に溶媒に接触する表面において、 不 純物濃度の高い表面領域は、 低抵抗であり、 不純物濃度の 低い表面領域は、 高抵抗である。 これにより、 生体高分子 等の有機化合物が静電的な相互作用によって固体素子表面 に凝集する際、 結晶核の生成が空間的に制御されるこ とに なる。 すなわち、 高抵抗の領域と低抵抗の領域とで、 結晶 化の態様 (特に結晶化速度) が異なり、 いずれかの領域で 結晶化を促進させ、 残りの領域で結晶化を抑制するこ とが できる。 これにより、 固体素子の特定の場所において、 所 望の態様の結晶化が可能になる。 また、 特定の領域で生成 された結晶の核は、 固体素子表面に固定され、 溶媒内の対 流等による核の微妙な動きが抑制される。 このため、 核の 表面に規則的に分子が集合し、 結晶性が良好となるこ とが 期待される。
不純物濃度の異なる領域を有する固体素子の具体例と し て、 たとえば図 7に示すものを挙げるこ とができる。 図 7 ( a ) は、 低抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 1 内に、 高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 2 の領域が形成されている例である。 図 7 ( b ) は、 逆に高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 2内に低 抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 1 の領域が形成されている例で ある。 図 7 ( c ) では、 低抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 1 上 に、 高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 2 のパタ ー ンが形成され ている。 図 7 ( d ) では、 高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 2 上に低抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 1 の層が形成され、 その 層の一部に溝 8 3が形成されている。 溝 8 3の底において、 高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 2 が露出しているため、 低抵 抗シ リ コ ン 8 1 内に高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ンが形成され た構成となっている。 また、 溝は、 図 7 ( e ) に示すよう な形状とするこ とができる。 図 7 ( e ) に示す固体素子で は、 高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 2上に V字形状の溝を有 する低抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 1 の層が形成され、 溝の 底から高抵抗 N ( P ) 型シ リ コ ン 8 2が靦いている。 これ ら高抵抗の領域および低抵抗の領域は、 上述したように、 シ リ コ ン中に含有される不純物の濃度を制御するこ とによ つて形成される。
図 7 ( a ) および ( b ) に示す固体素子は、 通常の半導 体装置の製造プロセス等に従って、 シ リ コ ン基板表面にレ ジス ト等のマスクを予め形成し、 局所的にイオンを注入す るこ とによって形成する こ とができる。 図 7 ( c ) 、 ( d ) および ( e ) に示す固体素子も、 通常の半導体装置の 製造プロセスにおいて用いられる技術によって作製される 力 、 これ らの場合、 シ リ コ ン基板表面に、 まず全面的にィ オ ンを注入し、 その後、 レ ジス ト等を用いた局所的なエツ チングによ り必要なパターンを形成する。 溝が形成された 固体素子の場合、 結晶の核は、 平面上よ り も溝部内に流れ 込み、 溝の中で安定化されやすい。 したがって、 溝によつ て結晶化が促進される。 これらの固体素子の中で、 ( a ) および (b ) は、 1 m以下の微細な領域を形成するのに 有利である。 一方、 それほど微細化の必要がなければ、 ( c ) 〜 ( e ) でも十分である。 また、 ( c ) 〜 ( e ) で は、 シ リ コ ン表面に溝が形成されているため、 たとえばマ ィ ク ロマシ ンに結晶化機能を付与する場合などに有利に適 用できる と考えられる。 なお、 以上、 シ リ コ ン基板を用い た例を示したが、 他の半導体や価電子制御が可能なその他 の材料を用いても、 同様の固体素子を得るこ とができる。 固体素子表面に低抵抗の領域と高抵抗の領域を混在させ た場合、 次に示すような態様で結晶化を制御できる。 まず、 固体素子の表面が、 均一な抵抗値の表面であった場合、 図
8 ( a ) に示すよう に、 その表面において結晶の核がラ ン ダムに生成し、 結晶成長が起こ る。 このよ うに固体素子表 面の任意の場所において結晶成長が起こると、 比較的小さ な結晶が多く生成されやすい。 一方、 図 8 ( b ) に示すよ うに、 低抵抗の領域 9 1 内に、 高抵抗の領域 9 2を点在さ せると、 領域によって結晶の生成の仕方が異なってく る。 たとえば、 高抵抗の領域に対して結晶化しやすい条件 (荷 電状態など) を備える物質の場合、 高抵抗領域 9 2で選択 的に結晶の核が形成され、 他の領域では結晶核の生成は抑 制される。 したがって、 高抵抗領域 9 2上で選択的に結晶 の成長が進み、 結晶も比較的大きなものとなる。 このよう に、 結晶核が生成する場所を限定するこ とで、 結晶化の空 間的制御が可能となり、 また生成される結晶の大きさ も制 御できるようになる。
また、 本発明では、 固体素子表面において、 不純物濃度 が異なる領域を 2次元的に配列するこ とができる。 すなわ ち、 固体素子表面内において、 所定のパターンで不純物濃 度が異なる領域を配置することができる。 不純物濃度は、 結晶化の対象となる分子の有する実効表面電荷の極性およ び荷電量に応じて設定される。 これにより、 結晶化すべき 分子が静電的な相互作用によって固体素子表面に凝集する 際、 分子表面の電荷分布が、 溶媒の p Hや分子の変性等に よって微妙に変化しても、 素子表面には、 必ず分子の実効 表面電荷と補償する空間電荷が誘起されている。 そして、 結晶核の 2次元的な生成が容易にかつ優先的に行なわれる こ とが期待される。 また、 生成された結晶核が素子表面に 固定され、 溶媒内の対流等による核の微小な動きを抑制で きるため、 2次元的に配列された結晶核の表面に規則的に 分子が集合し、 結晶性が良好となるこ とが期待される。
不純物濃度が異なる領域を 2次元的に配列した固体素子 の具体例を以下に示す。 たとえば、 図 9 に示す固体素子で は、 シ リ コ ン基板 9 1 において不純物濃度が高い領域 9 1 a (高不純物領域) の中に、 不純物濃度が低い領域 9 1 b (低不純物領域) がマ ト リ ッ クスを形成するように規則的 に配列されている。 低不純物領域 9 1 bの縦および横の列 において、 領域の間隔はほぼ等しい。 図 1 0 は、 図 9 に示 す固体素子の一部の断面を示している。 シ リ コ ン基板 9 1 においてその表面部分に低不純物領域 9 1 bがほぼ等間隔 で形成されている。 図 1 0 に示す素子の部分における表面 電荷密度の分布を図 1 1 に示す。 このような固体素子は、 たとえば次のようにして作製するこ とができる。 図 1 2
( a ) に示すように、 不純物濃度の低いシ リ コ ン基板 9 1 を準備し、 図 1 2 ( b ) に示すように、 その上にレ ジス ト 膜 9 2を形成する。 通常の方法によって、 レジス トパター ンを形成し (図 1 2 ( c ) ) 、 その後、 不純物のイオン注 入を行なう (図 1 2 ( d ) ) 。 次いで、 レ ジス トを除去す れば、 高不純物領域 9 1 a内に低不純物領域 9 1 bが配置 された結晶化制御用固体素子が得られる (図 1 2 ( e ) ) 。 なお、 低不純物領域は、 所定の低い濃度で不純物を含む領 域だけでな く、 不純物をほとんど含まない領域または不純 物を実質的に含まない領域も包含する。
また、 図 1 3 に示すようなプロセスによって結晶化制御 用固体素子を作製するこ ともできる。 不純物濃度の低いシ リ コ ン基板 9 1 を準備した後、 その表面全体に不純物のィ オン注入を行ない、 高不純物領域 9 1 aを形成する (図 1 3 ( a ) 、 ( b ) および ( c ) ) 。 次に、 その上に酸化膜 9 3を形成し (図 1 3 ( d ) ) 、 その後、 レジス ト膜 9 2 を堆積してパター ンを形成する (図 1 3 ( e ) ) 。 レ ジス ト膜で覆われていない酸化膜の部分をエッチングによって 除去し (図 1 3 ( f ) ) 、 次いでレジス トパターンを除去 する (図 1 3 ( g ) ) 。 酸化膜 9 3を介して、 シ リ コ ン基 板の高不純物領域 9 1 aを異方性エッチングするこ とによ り、 溝 9 4 を形成していく (図 1 3 ( h ) ) 。 酸化膜を除 去するこ とにより、 V字状の溝 9 4 を有する結晶化制御用 固体素子が得られる (図 1 3 ( i ) ) 。 この固体素子では、 ほぼ等間隔で形成された溝 9 4 の底から、 低不純物領域 9 1 bが靦いており、 図 9 に示すと同様に、 高不純物領域の 中に低不純物領域が配列された構成となっている。 以上に 示す固体素子では、 シ リ コ ン基板を用いたが、 価電子制御 が可能な他の半導体やその他の材料を用いるこ とができる。 また、 不純物濃度の異なる領域の配列パターンは、 対象と なる分子の結晶系等に応じて変えるこ とができる。
タ ンパク質分子の結晶生成に関しては、 その核生成の初 期過程が重要であるとの報告がなされている。 Y o n a t h等は、 B a c i 1 1 u s s t e a r o t h e r m o p h i 1 u s より抽出された巨大な リ ボソームサブュニッ ト の結晶化初期過程を電子顕微鏡により観察している。 それ によれば、 結晶化が進行するためには、 初期過程として、 各分子が 2次元的な規則構造 (編み目状、 星状、 千鳥格子 状等) をとつて凝集するこ とが必須であると述べている ( B i o c h e m i s t r y I n t e r n a t i o n a 1 , V o l . 5 , 6 2 9 - 6 3 6 ( 1 9 8 2 ) ) 。 これ力べ すべての物質に共通して必須であるかどうかは不明である 力 一般にタンパク質分子は分子間相互作用が弱く、 しか も分子表面が局部的に帯電しているため、 凝集しにく いこ とを考慮すると、 結晶化の初期過程において核となる分子 を結晶が形成しやすい状態で 2次元的に配列すれば、 その 後の結晶の成長は、 これを核と してェピタキシ ャ ル的にス ムーズに進行するものと考えられる。
以上では、 不純物濃度が、 特定の領域において極端に変 化する例を示したが、 不純物濃度は、 固体素子において段 階的にまたは連続的に変化してもよい。 図 1 4は、 不純物 濃度が段階的に変化する具体例を示している。 図 1 4に示 す固体素子では、 高抵抗のシ リ コ ン基板 1 0 1 の表面部分 に、 厚み D ( u rn ) で、 不純物濃度の異なる 3つの領域か 形成されている。 第 1 の領域 1 0 1 aが最も不純物濃度が 低く、 第 2の領域 1 0 l b、 第 3の領域 1 0 1 cの順で不 純物濃度が高く なつている。 不純物濃度の高低は、 図にお いて垂直線の密度で表現されており、 垂直線の密度が最も 高い第 3の領域 1 0 1 cが最も不純物濃度が高い。 図 1 4 に示す固体素子における表面位置と不純物濃度との関係、 および表面位置と表面電位との関係をそれぞれ図 1 5 ( a ) および図 1 5 ( b ) に示す。 図 1 5 ( a ) および図 1 5 ( b ) において、 横軸は固体素子上の位置を示し、 縦軸 はそれぞれ不純物濃度および表面電位を示している。
一方、 以下に示すように、 不純物濃度を連続的に変化さ せるこ ともできる。 図 1 6 に示す固体素子では、 たとえば シ リ コ ン等の半導体基板において、 不純物濃度の低い高抵 抗層 1 1 2上に、 不純物濃度の高い低抵抗層 1 1 1 が形成 され、 低抵抗層 1 1 1 における不純物は、 濃度勾配を有し ている。 すなわち、 図の垂直線の密度で示されるように、 向かって左側の領域から右側の領域にいく に従って、 不純 物の濃度は一定の割合で増加している。 固体素子の表面位 置における不純物濃度の変化を図 1 7 ( a ) に、 表面電位 の変化を図 1 7 ( b ) にそれぞれ示す。 図に示すように、 不純物濃度は一定の勾配で増加し、 表面電位は一定の勾配 で減少している。
また、 図 1 8 に示す固体素子では、 高抵抗層 1 1 2上に 形成された低抵抗層 1 2 1 において、 中央部に、 不純物濃 度が最も低い領域が存在し、 そこから遠ざかるに従って不 純物濃度が高く なつている。 表面位置と不純物濃度との関 係、 表面位置と表面電位との関係をそれぞれ図 1 9 ( a ) および図 1 9 ( b ) に示す。
図 2 0に示す固体素子では、 逆に、 高抵抗層 1 1 2上に 形成された低抵抗層 1 3 1 において、 中央部に不純物濃度 が最も高い領域が形成され、 そこから遠ざかるに従って、 不純物濃度が低く なつている。 この固体素子における表面 位置と不純物濃度との関係および表面位置と表面電位との 関係を、 それぞれ図 2 1 ( a ) および ( b ) に示す。
結晶化が進むためには、 結晶の元となる核が生成される こ とが重要である。 この核がいたるところにラ ンダムに形 成されれば、 結晶は比較的小粒なものとなる。 一方、 図 1 4 、 1 6、 1 8および 2 0 に示すような固体素子では、 そ の表面部分に誘起される空間電荷層に基づく表面電位も、 不純物濃度に比例して変化する。 このため、 固体素子の位 置によって静電特性が調整されており、 対象となる分子の 結晶に適した静電特性の位置が用意されるようになる。 し たがって、 結晶化すべき分子表面の電荷分布が、 溶液の p Hや分子の変性によって微妙に変化しても、 固体表面のい ずれかの部分に必ず分子の実効表面電荷と補儐する空間電 荷が誘起されるため、 結晶核の制御および生成が容易に行 なわれる。 したがって、 以上に示すような固体素子を用い れば、 結晶化に都合のよい表面電位を有する場所を中心と して、 核の生成および結晶成長が進み、 大型の結晶が得ら れるこ とが期待される。 すなわち、 結晶は所定の場所を中 心と して大き く成長するようになる。 また、 生成された結 晶核は、 素子表面に固定されており、 溶媒内の対流等によ る核の微小な動きが抑制されるため、 核の周りに規則的に 分子が集合し、 結晶性が良好となるこ とが期待される。 な お、 図 1 4 および 1 6 に示す固体素子を用いれば、 比較的 広い面積にわたって、 結晶化に適した表面電位を有する領 域を作り、 そこで結晶を生成するのに適している。 一方、 図 1 8および 2 0 に示す固体素子を用いれば、 ごく 限られ た領域で局所的に結晶化を行なうのに適していると考えら れる。
以上を踏まえ、 高抵抗領域と低抵抗領域とを有する N型 シ リ コ ンを用い、 溶媒中においてマイ ナスに帯電している 分子 (たとえばタンパク質分子) を結晶化する場合のメカ ニズムについて次に述べる。 N型シリ コンの場合において、 高抵抗基板では ドーパン ト濃度が低いため、 表面近傍に形 成される空間電荷層の幅が広く なるこ とより、 空乏層容量 が小さ く、 したがってシ リ コ ン表面に誘起される表面電位 は低抵抗基板の場合と比較して大き く なるこ とが予想され る。 この表面電位は結晶化すべき分子の有する実効表面電 位と極性が逆となるため、 静電的な引力の作用により分子 の凝集が促進される。 したがって、 低抵抗シ リ コ ン表面の 中の限定された領域に高抵抗シ リ コ ンの島を形成しておけ ば、 結晶化すべき分子は低抵抗シ リ コ ン領域において析出 しにく く、 高抵抗シリ コンの領域に選択的に析出して結晶 化が進むこ とが期待される。 また、 高抵抗 N型シ リ コ ン基 板上に、 不純物濃度が徐々 に変化するよう に、 不純物を ド 一ビングし、 抵抗が連続的に変化する低抵抗の表面層を形 成しておけば、 こ の表面の低抵抗シ リ コ ン領域のう ち結晶 化すべき分子表面の実効電荷とバラ ンスする箇所で選択的 に結晶化が行なわれる こ とが期待される。 以上、 N型シ リ コ ンを用いる場合について説明したが、 溶媒においてブラ スに帯電している分子を結晶化する場合は、 P型シ リ コ ン を用いて同様のメ カニズムで結晶化を制御する こ とができ る o
図 2 2 は、 上述したシ リ コ ン基板とタ ンパク質分子との 間および複数のタ ンパク質分子との間の電気的な凝集効果 を、 電気二重層間の静電相互作用ポテン シャ ルによって説 明する図である。 図 2 2 において、 曲線 ( 1 ) は、 同極性 (負極性とする) のタ ンパク質分子同士のポテ ン シ ャ ルェ ネルギであり、 常に反発力が働く 。 一方、 曲線 ( 4 ) は、 タ ンパク質分子と、 N型で低不純物濃度領域のシ リ コ ン基 板との相互作用エネルギ曲線であり、 常に大きな引力が両 者に働く。 また、 タ ンパク質分子と N型で高不純物濃度領 域のシ リ コ ン基板との相互作用エネルギ曲線が ( 3 ) であ り、 常に引力が働く がその相互作用エネルギは曲線 ( 4 ) と比較して低く なつている。 曲線 ( 2 ) は、 表面電荷が補 償されて表面電位がゼロボル ト となったタ ンパク質分子と 負極性のタ ンパク質分子との相互作用ポテ ン シ ャ ルカーブ である。 片方の分子の表面電荷がゼロ となる こ とによ って、 常に分子間力に反発力が働く 曲線 ( 1 ) に対し、 常に引力 が働く ようになるこ とがわかる。
以下に本発明についてより具体的に説明するが、 本発明 の範囲は、 以下の具体例によって制限されるものではない。 例
例 1
形成される蛋白質結晶のシ リ コ ン表面欠陥密度依存性を 調べるために、 以下の実験を行なった。 ニヮ ト リ卵白製リ ゾチーム (L y s o z ym e , f r om C h i c k e n E g Wh i t e ) を p H= 9. 1 8の標準緩衝溶液 に溶解し、 5 0 m gZm l の濃度と し、 その 3 m l を十分 煮沸洗浄された透析チューブ内にシリ コ ン結晶とともに封 入した。 シ リ コ ン結晶は以下に示す 4種類のものを用いた。 P型シリ コンの比抵抗はすべて 1 0〜 2 0 Q c mである。
( 1 ) ェ ピタキシャ ルウ エノヽ : P o n P +, 表面 酸化膜約 5 0 n m付
( 2 ) ェピタキシャ ルウ エノ、 : P o n P +, 表面 酸化膜除去したもの
( 3 ) C Zウェハ : P型, 表面酸化膜約 5 O n m付 ( 4 ) C Zゥ ハ : P型, 表面酸化膜除去したもの
C Zシ リ コ ンウェハ (チヨ クラルスキー法により引上げ たシ リ コ ン単結晶のウェハ) の表面結晶欠陥は、 単位平方 センチメー トル当たり 1 0個程度であるのに対し、 ェピ夕 キシャ ルシ リ コ ンゥヱハの表面欠陥はほとんどないため、 この両者の結晶を用いるこ とによって、 蛋白質結晶成長の 表面欠陥密度依存性を調べるこ とができる。 上記 ( 1 ) 〜 ( 4 ) のシ リ コ ン結晶を約 2 X 5 mm角のサイズに切出し、 リ ブチームを含む透析チューブ内に浸漬した。 さ らに、 こ れらの透析チューブを p H = 8. 9の標準緩衝溶液 ( 2 0 0 m 1 ) 中に浸し、 1 0 °Cの冷喑所内に保管した。 結晶析 出のための装置は、 たとえば図 2に示すとおりである。
冷暗所に 7 2時間保管後、 試料を取出し、 顕微鏡によつ てリ ゾチームの結晶を観察した。 図 2 3〜図 2 6 は、 以上 の実施例の結果を示したものである。 図 2 3 は ( 1 ) 、 図 2 4 は ( 2 ) 、 図 2 5 は ( 3 ) 、 図 2 6 は ( 4 ) のシリ コ ン結晶を用いたものにそれぞれ対応する。 図から明らかな ように、 結晶表面の欠陥の有無は、 リ ゾチームの結晶核の 形成および結晶成長に全く影響を及ぼさないこ とがわかる。
例 2
例 1 と同様の濃度のリ ゾチームの水溶液を用いて、 以下 の実験を行なった。 シ リ コ ン結晶として次に示すものを作 製した。
( 1 ) P型基板上に N型シリ コン層を形成した試料 1 0 〜 2 0 Ω c mの比抵抗の P型シ リ コ ンウェハに、 ド ーズ量として 1 0 13ノ c m 2 のリ ンをイオン注入した後、 1 1 5 0 °C 8時間、 窒素中にてァニールし N型層を形成し た。 N型層の比抵抗は 0. 1 〜 1 . O Q c m、 層の深さは 3 〜 4 mであった。 この試料をサンプル一 1 とする。 ( 2 ) N型基板上に P型シリ コン層を形成した試料 5〜 1 Ο Ω ΙΏの比抵抗の N型シ リ コ ンウェハに、 ドー ズ量と して 1 0 13Z c m 2 のホウ素をイオン注入した後、 1 1 5 0 °C 8時間、 窒素中にてァニールし P型層を形成し た。 P型層の比抵抗は 0. 1 〜 1 . O Q c m、 層の深さは 3〜 4 〃 mであった。 この試料をサンプル一 2 とする。
以上の ( 1 ) 、 ( 2 ) のシ リ コ ンを約 2 x 5 mm角のサ ィズに加工し、 洗浄した後、 リ ゾチームの水溶液 3 m 1 と ともに透析チューブ内に封入した。 外液の標準緩衝溶液の p Hは 6. 9および 4. 0 1 とした。
図 2 7〜図 3 0に、 1 0 °Cの冷喑所内に 7 2時間保管し た後、 シリ コ ン上で成長したリ ゾチームの結晶について結 果を示す。 図 2 7は、 サンプル一 1 および p H 6. 9の緩 衝液を用いた結果であり、 図 2 8 は、 サンプル一 1 および p H 4. 0 1 の緩衝液を用いた結果であり、 図 2 9 は、 サ ンプルー 2および p H 6. 9の緩衝液を用いた結果であり、 図 3 0 は、 サンプル一 2および p H 4. 0 1 の緩衝液を用 いた結果である。
( 1 ) サンプル一 1
p H = 6. 9の緩衝溶液により透析を行なった場合には、 ウェハ表面上には無秩序に リ ゾチームの結晶が析出するこ とがわかる。 また p H二 4. 0 1 の緩衝溶液を用いた場合 には、 同様に結晶サイズは若干大きいものの、 やはり無秩 序にリ ゾチームの結晶が析出するこ とがわかる。 ( 2 ) サンプル一 2
p H = 6. 9の緩衝溶液によ り透析を行なった場合には、 0. 5 mm前後のサイズの大きな リ ゾチームの結晶が析出 する。 また p H = 4. 0 1 の緩衝溶液を用いた場合には、 やはり 0. 5 mm程度の大きな リ ゾチームの結晶が析出す る。 以上よ り、 サンプル一 2ではサンプル一 1 と比較して、 結晶成長が良好であり、 シ リ コ ン基板の価電子制御、 この 場合シ リ コ ンゥ ヱハへの ドー ピングの制御によ り N型シ リ コ ンゥ ヱハに P型層を形成する こ とによって、 結晶成長の 制御が可能である こ とを示している。
以上の実施例に示した結果より、 価電子制御された半導 体結晶表面において、 生体高分子の結晶化を制御できる こ とがわかった。
例 3
例 1 と同様の濃度の リ ブチームの水溶液を用いて、 以下 の実験を行なった。 シ リ コ ン結晶と して次に示すものを作 製した。
( 1 ) P型 C Zウ ェハ (酸化膜除去したもの) 、 比抵 抗 = 1 0〜 2 0 Q c m
( 2 ) N型 C Zウェハ (酸化膜除去したもの) 、 比抵 抗 = 4〜 8 Q c m
以上の ( 1 ) 〜 ( 2 ) のシ リ コ ンを約 2 x 5 mm角のサ ィズに加工し、 洗浄した後、 リ ブチームの水溶液 3 m 1 と と もに透析チューブ内に封入した。 外液の標準緩衝溶液の p Hは 9. 1 および 6. 9の 2種類とした。
図 3 1 〜図 3 4 に、 1 0 °Cの冷喑所内に 7 2時間保管し た後のシリ コン上で成長したリ ゾチームの結晶について結 果を示す。 図 3 1 は ( 1 ) のシ リ コ ンおよび P H 9. 1 の 条件、 図 3 2は ( 2 ) のシ リ コ ンおよび p H 9. 1 の条件、 図 3 3 は ( 1 ) のシ リ コ ンおよび p H 6. 9の条件、 図 3 4 は ( 2 ) のシ リ コ ンおよび p H 6. 9の条件にそれぞれ 相当する。
P H = 9. 1 の緩衝溶液により透析を行なった場合には、 P型 C Zゥヱハ表面上に、 無秩序にリ ゾチームの結晶が析 出する。 一方、 N型 C Zゥヱハ表面上には、 比較的大型の 結晶のみが少量析出しているこ とがわかる。 また、 p H = 6. 9の場合には、 P型、 N型ともに無秩序に結晶成長し ており、 有意差がないこ とがわかる。 以上の結果より、 p H = 9. 1 の場合には、 リ ゾチーム分子内の親水性ア ミ ノ 酸のうち酸性基であるカルボキシル基が主に解離するため、 分子全体と しては負電荷を有するこ とになり、 非才一 ミ ツ ク性の N型シ リ コ ン表面に対して空間電荷を補憤するよう に表面にリ ゾチーム分子が凝集、 結晶化するこ とが推察で きる。 一方、 p H = 6. 9の中性の緩衝溶液の場合には、 リ ゾチーム分子はほとんど静電的に正と負が釣り合つてお り、 P型、 N型両シ リ コ ン表面に対してォー ミ ッ ク性を有 するため、 結晶成長が無秩序に進行しているものと推察さ れる。 以上の実施例に示した結果よ り、 結晶化すべき生体高分 子表面の電荷分布は、 溶液の p Hによって変化するため、 その特性に応じて価電子制御を行なった半導体基板を用い る こ とが生体高分子の結晶化制御に有効であるこ とがわか る
次に、 溝を形成した固体を用いる例を示す。 溝は、 たと えば図 3 5 に示すよう にして形成する こ とができる。 まず シ リ コ ン基板 4 1 を準備する (図 3 5 ( a ) ) 。 次いで基 板 4 1 上に S i 〇 2 膜 4 2を形成する (図 3 5 ( b ) ) 。 S i 02 膜 4 2をエッチングして所定のパター ン と した
(図 3 5 ( c ) ) 後、 たとえば通常の異方性エッチングに よ り シ リ コ ン基板をェツチン グする (図 3 5 ( d ) ) 。 次 いで S i 02 膜を除去するこ とによ り、 溝 4 3を有する シ リ コ ン基板 4 1 ' が得られる。
例 4
例 1 と同様の濃度の リ ゾチームの水溶液を用いて、 以下 の実験を行なった。 シ リ コ ン結晶と して次に示すものを作 製した。
( 1 ) N型基板上に P型シ リ コ ン層を形成したサンプ ル
5〜 1 0 Ω c mの比抵抗の N型シ リ コ ンウ エ ノ、に、 ド一 ズ量と して 1 0 13Z c m 2 のホウ素をイオン注入した後、 1 1 5 0 °C 8時間、 窒素中にてァニールし P型層を形成し た。 P型層の比抵抗は 0. 1 〜 1 . 0 Q c m、 層の深さは 3〜4 mであった。 この試料をサンプル一 1 とする。
( 2 ) N型基板上に P型シ リ コ ン層を形成した後、 化 学エッチングによって凹状の溝部を形成したサンプル
5〜 1 0 Ω c mの比抵抗の N型シ リ コ ンウ ェハに、 ド一 ズ量と して 1 0 13ノ c m2 のホウ素をイオン注入した後、 1 1 5 0で 8時間、 窒素中にてァニールし P型層を形成し た。 P型層の比抵抗は 0. 1 〜 1 . 0 Q c m、 層の深さは 3〜4 mである。 その後、 熱 C V D装置によ りサンプル 表面に約 2 0 O n mの S i 02 膜を形成し、 次いで表面の S i 02 膜をエッチングして、 ライ ン &スペースがそれぞ れ 5 0 0 mのパターンを形成した。 これを水酸化力 リ ゥ ム ( K〇 H) 水溶液中に浸潰して異方性エッチングによ り V字型の溝部を形成した。 溝部の深さは 5 mと した。 最 後に表面の S i 02 膜を除去してシ リ コ ンを表面に露出さ せた。 以上のよう にして得られた試料をサンプル一 2 とす 以上の ( 1 ) 、 ( 2 ) のシ リ コ ンを約 2 x 5 mm角のサ ィズに加工し、 洗浄した後、 リ ゾチームの水溶液 3 m 1 と と もに透析チューブ内に封入した。 外液の標準緩衝液の p Hは 2 5 °Cで 9. 0 1 と した。
図 3 6 および図 3 7 に、 1 0 °Cの冷喑所内に 5 0時間保 管した後、 シ リ コ ン上で結晶成長した リ ゾチームの結果を 示す。 図 3 6 はサンプル一 1 を用いたもの、 図 3 7 はサン プル一 2を用いたものにそれぞれ対応する。 ( 1 ) サンプル— 1
ウェハ表面上に析出する リ ゾチームの結晶の中には、 単 結晶のものも存在するが、 双晶のものもかなり多い。 これ は、 水溶液中での電解質溶液の対流によって不均一な核形 成が起こったためであると考えられる。
( 2 ) サ ンプル— 2
0 . 1 m m前後のサイズのリ ゾチーム単結晶が析出する。 この場合には、 双晶は存在せず、 したがって結晶化が良好 に進行したものと推察される。
以上より、 サンプル— 2ではサンプル一 1 と比較して結 晶成長が良好であり、 溝の形成により結晶生成が制御可能 であるこ とを示している。
以上の実施例に示した結果より、 価電子制御された半導 体結晶表面において生体高分子の結晶化を制御できるこ と がわかる。
例 5
例 1 で用いたニヮ ト リ卵白製リ ゾチームを p H = 9 . 1 8の標準緩衝溶液に溶解し、 5 0 m g Z m 1 の濃度とし、 その 3 m 1 を十分煮沸洗浄された透析チューブ内にシ リ コ ン結晶とともに封入した。 シ リ コ ン結晶は以下に示す 2種 類のものを用いた。
( 1 ) 低不純物濃度 (高抵抗) N型シ リ コ ンのサ ンプ ル (サンプル一 1 ) 。
約 2 0 Ω c mの比抵抗の N型シリ コン基板。 ( 2 ) 低不純物濃度および高不純物濃度 (高抵抗およ び低抵抗) 領域の混在した N型シ リ コ ンのサ ンプル (サ ン プル一 2 ) 。
2 m m角の領域を交互に高抵抗 (約 2 0 Ω c m ) 、 低抵 抗 (約 0 . 1 Ω c m ) とした N型シ リ コ ン基板。 高抵抗 N 型基板上に常法に従ってリ ン原子のイオン注入によって低 抵抗領域を作製した。
上記 ( 1 ) および ( 2 ) のシ リ コ ン結晶を約 5 X 1 0 m m角のサイズに切出し、 リ ゾチームを含む透析チューブ内 に浸漬した。 さ らに、 これらの透析チューブを p H = 8 . 9の標準緩衝溶液 ( 2 0 0 m l ) 中に浸し、 1 0 °Cの冷喑 所内に保管した。 結晶析出のための装置は、 たとえば図 2 に示すとおりである。
冷喑所に 7 2時間保管後、 試料を取出し顕微鏡によって リ ゾチームの結晶を観察した。 図 3 8〜 4 0 は、 以上の実 施例の結果を示したものである。 図 3 8 は、 サンプル一 1 のシ リ コ ン基板を用いた結晶化の結果を示している。 図 3
9および 4 0 は、 サンプル一 2のシ リ コ ン基板を用いた結 果で、 図 3 9 は高抵抗領域での結晶化の結果、 図 4 0 は低 抵抗領域での結晶化の結果をそれぞれ示している。 図から 明らかなように、 サンプル一 1 ではシ リ コ ン基板全面にリ ゾチ一厶の結晶が多量に析出する。 一方、 サ ンプル一 2で は、 高抵抗領域ではサ ンプル - 1 と同様に多量の結晶が前 面に析出するが、 低抵抗領域では、 結晶はわずかに析出す るのみである。
例 6
例 1 で用いたニヮ ト リ卵白製リ ゾチームを P H = 7. 0 の標準緩衝溶液に溶解し、 3 0 m g Zm l の濃度とし、 そ の 5 m 1 を十分煮沸洗浄された透析チューブ内にシ リ コ ン 結晶とともに封入した。 シ リ コ ン結晶は以下に示す 2種類 の ものを用いた。
( 1 ) 低不純物濃度 (高抵抗) N型シ リ コ ンのサ ンプ ル (サ ンプル一 1 ) 。
約 2 0 Q c mの比抵抗の N型シ リ コ ン基板。
( 2 ) 低不純物濃度および高不純物濃度 (高抵抗およ び低抵抗) 領域の混在した N型シ リ コ ンのサ ンプル (サ ン ブルー 2 ) 。
約 2 0 Ω c mの比抵抗を有する N型高抵抗シリ コ ン基板 上に、 図 1 3 に示す方法によって約 1 Q c mの比抵抗を有 する低抵抗 N型領域を形成した。 低抵抗 N型領域表面内に 露出した高抵抗領域は、 そのサイズが 0. 0 5 m径、 領 域間のピッチが 0. 2 mであった。 シ リ コ ン基板表面全 体にわたって、 低抵抗 N型領域の中に高抵抗領域を形成し た。 なお、 表面低抵抗層の厚みは約 3 〃 mであった。
上記 ( 1 ) および ( 2 ) のシ リ コ ン結晶を約 5 m m角の サイズにそれぞれ切出し、 リ ブチームを含む透析チューブ 内に浸漬した。 さ らに、 これらの透析チューブを p H = 4. 6の標準緩衝溶液 2 0 O m l と 1 Mの N a C 1 水溶液 2 0 m 1 を混合した水溶液中に浸漬し、 1 0 °Cの冷喑所内に保 管した。
冷喑所に 9 6時間保管後、 試料を取出し顕微鏡によって リ ブチームの結晶を観察した。 サンプル一 1 ではシ リ コ ン 基板全面にリ ゾチームの結晶が無秩序に多量に析出した。 析出した結晶の平均的なサイズは約 0 . 1 m mであった。 —方、 サンプル一 2では、 析出結晶量はわずかになり、 力、 つ平均的な結晶のサイズは約 0 . 3 m mとなった。 サンプ ル 2において、 少量の比較的大きな結晶が生成したのは、 低抵抗領域において結晶の生成が抑制される一方、 高抵抗 領域に結晶の核となる析出物が選択的に凝集 · 集合し、 こ れが大きな結晶にまで成長したためであると考えられる。 例 7
例 1 で用いたニヮ ト リ卵白製リ ゾチームを p H = 9 . 1 8 の標準緩衝溶液に溶解し、 3 0 m g Ζ πι 1 の濃度と し、 その 3 m 1 を十分煮沸洗浄された透析チューブ内にシ リ コ ン結晶とともに封入した。 シ リ コ ン結晶は以下に示す 2種 類のものを用いた。
( 1 ) 低不純物濃度 (高抵抗) N型シ リ コ ンのサンプ ル (サンプル一 1 ) 。
約 2 0 Ω c mの比抵抗の N型シリ コン基板。
( 2 ) 低不純物濃度および高不純物濃度 (高抵抗およ び低抵抗) 領域の混在した N型シ リ コ ンのサンプル (サン プル一 2 ) 。 約 2 O Q c niの比抵抗を有する N型シ リ コ ン基板上に、 図 1 4 に示すように、 2 mm角の領域の表面を順次約 1 0 Ω c m, 約 l Q c m、 約 0. l Q c mと 3種類の低抵抗値 に形成したものである。 高抵抗 N型基板上に リ ン原子のィ オン注入によって低抵抗領域をそれぞれ作製した。 表面低 抵抗層の厚みは約 3 mであ つ すこ。
上記 ( 1 ) および ( 2 ) のシ リ コ ン結晶を約 5 X 1 0 m m角のサイズに切出し、 リ ゾチームを含む透析チューブ内 に浸漬した。 さ らに、 これらの透析チューブを p H = 8 . 9の標準緩衝溶液 ( 2 0 0 m l ) 中に浸し、 1 0 °Cの冷喑 所内に保管した。
冷喑所に 9 6時間保管後、 試料を取出し顕微鏡によって リ ゾチームの結晶を観察した。 図 4 1 〜 4 4 は、 以上の実 施例の結果を示すものである。 図 4 1 は、 サンプル一 1 の シ リ コ ン基板を用いた結晶化の結果を示している。 図 4 2 〜 4 4 は、 サ ンプル一 2のシ リ コ ン基板を用いた結果で、 図 4 2は、 比抵抗約 1 0 Ω c mの領域での結果、 図 4 3 は、 比抵抗約 1 Ω c mの領域での結果、 図 4 4 は、 比抵抗約 0. l Q c mの領域での結果をそれぞれ示している。 図から明 らかなように、 サンプル一 1 では、 シリ コ ン基板全面に リ ゾチームの結晶が多量に析出する。 一方、 サンプル— 2に おいて、 高抵抗領域ではサンプル - 1 と同様に多量の結晶 が前面に析出するか、 低抵抗の領域になるに従って、 析出 結晶量はわずかになり、 かつ結晶のサイズも増大している。 このよう にシ リ コ ン基板の価電子制御、 この場合高抵抗 N 型基板の所定の位置に不純物を ドー ピングし、 低抵抗領域 を作製するこ とにより、 結晶の生成を制御可能であるこ と がわかる。
産業上の利用可能性
以上説明したように、 本発明によれば、 上述したように 多様な特性を有するためどの物質に対しても適応できる手 法がな く試行錯誤を繰返しながら進められてきた従来の結 晶化プロセスの欠点を解決する こ とができる。 本発明は、 特に結晶化が困難な蛋白質等の生体高分子について、 より 適切な結晶化の条件を提供するこ とができる。 本発明によ れば、 特に疎水性領域および親水性領域を有する膜蛋白質 など、 これまで結晶化が困難であった蛋白質について結晶 化の条件を提供するこ とができると考えられる。 本発明は、 たとえば、 結晶の核となる種結晶を容易に生成する条件を 提供するこ とができる。 生成された種結晶は、 より大きな 結晶を形成するため、 よりよい条件下に移すこ とができる。 一方、 本発明によれば、 結晶化の初期過程における核形成 を安定化させ、 微結晶の大量生成を抑制、 制御するこ とが できる。 この場合、 微結晶の生成を抑制してより大きな結 晶を生成させるこ とかできる。
本発明は、 製薬産業や食品産業等において、 有用な物質、 特に蛋白質、 核酸等の生体高分子の研究、 開発および製造 に適用される。 本発明によれば、 X線構造解析を可能にす る結晶性の良好な結晶を成長させる こ とができる。 結晶解 折の結果、 その分子構造および活性のメ カニズムについて 得られる情報は、 薬剤の設計および製造に生かされる。 ま た、 本発明は、 関心のある分子の精製または結晶化に適用 される。 さ らに、 本発明は、 蛋白質等の生体高分子を用い た電子デバイスの作製に応用が期待される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって 制限的なものではないと考えられるべきである。 本発明の 範囲は上述した説明ではな く 請求の範囲によ って示され、 請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が 含まれる こ とが意図される。

Claims

請求の範囲
1 . 溶媒中に含まれる有機化合物の結晶化を制御するため の方法であって、
前記有機化合物を含む前記溶媒の環境に応じて表面部分 の正孔または電子の濃度を制御できるよう価電子が制御さ れた固体素子を与える工程と、
前記固体素子を前記有機化合物を含む前記溶媒に接触さ せ、 前記固体素子の表面において前記有機化合物の結晶を 析出させる工程とを備え、
前記制御された価電子により前記固体素子の表面にもた らされる電気的状態によって、 前記有機化合物の結晶化が 制御される、 方法。
2 . 前記固体素子に空間電荷層が形成され、 前記空間電荷 層に基づく表面電位によって、 前記有機化合物の結晶化が 制御される、 請求項 1 記載の方法。
3 . 前記電気的状態は、 前記固体素子中に ドーピングされ る不純物の濃度によって制御される、 請求項 1 記載の方法。
4 . 前記表面電位は、 前記固体素子中に ドーピングされる 不純物の濃度によって制御される、 請求項 2記載の方法。
5 . 前記固体素子中に含有される前記不純物の濃度は、 前 記固体素子の表面部分と内部とで異なっている、 請求項 3 または 4記載の方法。
6 . 前記固体素子の表面部分において、 第 1 の所定領域か ら第 2の所定領域まで、 前記不純物の濃度が連続的または 段階的に減少または増加している、 請求項 3〜 5のいずれ か 1 項記載の方法。
7 . 前記固体素子の表面部分において、 前記不純物の濃度 が特定の領域において極大もしく は最大または極小も しく は最小となっている、 請求項 3〜 5のいずれか 1 項記載の 方法。
8 . 前記固体素子の表面部分は、 不純物濃度の異なる第 1 の領域と第 2の領域を少な く とも有し、 前記第 1 の領域と 第 2の領域のいずれかで、 前記結晶化が促進され、 その残 りの領域で前記結晶化が抑制される、 請求項 3〜 5のいず れか 1 項記載の方法。
9 . 前記固体素子の表面部分において、 前記第 1 の領域と 前記第 2の領域が 2次元的に配列されている、 請求項 8記 載の方法。
1 0 . 前記電気的状態を前記固体素子表面の部位によって 異ならしめ、 それにより、 前記固体素子表面の特定の領域 で所望の結晶化を行なう、 請求項 1 〜 9のいずれか 1 項記 載の方法。
1 1 . 前記固体素子が溝を有し、 前記溝において、 前記有 機化合物の結晶が析出される、 請求項 1 〜 1 0のいずれか
1 項記載の方法。
1 2 . 前記固体素子が半導体基板である、 請求項 1 〜 1 1 のいずれか 1 項記載の方法。
1 3 . 前記半導体基板が P N接合を有する、 請求項 1 2記 載の方法。
1 . 前記固体素子が P N接合を有する半導体基板であり、 前記溝において前記 P N接合部が露出している、 請求項 1 1 記載の方法。
1 5 . 前記固体素子がシ リ コ ン基板である、 請求項 1 〜 1 4 のいずれか 1 項記載の方法。
1 6 . 前記有機化合物が生体高分子である、 請求項 1 〜 1 5のいずれか 1 項記載の方法。
1 7 . 前記有機化合物が蛋白質である、 請求項 1 〜 1 6の いずれか 1 項記載の方法。
1 8 . 前記溶媒が電解質溶液である、 請求項 1 〜 1 7のい ずれか 1 項記載の方法。
1 9 . 請求項 1 〜 ! 8のいずれか 1 項記載の方法に用いる 結晶化制御用固体素子であって、
溶媒中に含まれる有機化合物の結晶化を制御するため、 所定の表面電位をもたらすよう、 少な く と も表面部分に不 純物か添加されている半導体基板を備える、 固体素子。
2 0 . 前記半導体がシリ コ ンである、 請求項 1 9記載の固 体素子。
PCT/JP1996/000462 1995-03-01 1996-02-28 Procede de regulation de la cristallisation de composes organique et composant a semi-conducteur pour la modulation de la cristallisation dans ledit procede WO1996026781A1 (fr)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE69618581T DE69618581T2 (de) 1995-03-01 1996-02-28 Methode zur kristallisationskontrolle von organischen verbindungen und anwendung einer festkörper in besagte methode
CA002219766A CA2219766C (en) 1995-03-01 1996-02-28 Crystallization control method for organic compound and crystallization control solid-state component employed therefor
EP96904268A EP0821987B1 (en) 1995-03-01 1996-02-28 Method of controlling crystallisation of organic compounds and use of solid-state component in said method
US08/894,717 US6117232A (en) 1995-03-01 1996-04-28 Crystallization control method for organic compound and crystallization control solid-state component employed therefor

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6859795 1995-03-01
JP7/68597 1995-03-01
JP07329688A JP3094880B2 (ja) 1995-03-01 1995-11-24 有機化合物の結晶化制御方法およびそれに用いる結晶化制御用固体素子
JP7/329688 1995-11-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO1996026781A1 true WO1996026781A1 (fr) 1996-09-06

Family

ID=26409807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP1996/000462 WO1996026781A1 (fr) 1995-03-01 1996-02-28 Procede de regulation de la cristallisation de composes organique et composant a semi-conducteur pour la modulation de la cristallisation dans ledit procede

Country Status (6)

Country Link
US (2) US6117232A (ja)
EP (1) EP0821987B1 (ja)
JP (1) JP3094880B2 (ja)
CA (1) CA2219766C (ja)
DE (1) DE69618581T2 (ja)
WO (1) WO1996026781A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0909841A1 (en) * 1996-06-26 1999-04-21 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Crystal-growing method and solid element and device for crystal growth used in the method
WO2000009785A1 (fr) * 1998-08-12 2000-02-24 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Procede et appareil de cristallogenese
WO2000009786A1 (fr) * 1998-08-12 2000-02-24 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Procede et appareil de cristallogenese
US6258331B1 (en) * 1997-10-31 2001-07-10 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Apparatus for growing crystals

Families Citing this family (71)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6833242B2 (en) * 1997-09-23 2004-12-21 California Institute Of Technology Methods for detecting and sorting polynucleotides based on size
US7214298B2 (en) * 1997-09-23 2007-05-08 California Institute Of Technology Microfabricated cell sorter
US7250305B2 (en) * 2001-07-30 2007-07-31 Uab Research Foundation Use of dye to distinguish salt and protein crystals under microcrystallization conditions
US7214540B2 (en) * 1999-04-06 2007-05-08 Uab Research Foundation Method for screening crystallization conditions in solution crystal growth
US8052792B2 (en) 2001-04-06 2011-11-08 California Institute Of Technology Microfluidic protein crystallography techniques
US6929030B2 (en) * 1999-06-28 2005-08-16 California Institute Of Technology Microfabricated elastomeric valve and pump systems
US7244402B2 (en) * 2001-04-06 2007-07-17 California Institute Of Technology Microfluidic protein crystallography
US7459022B2 (en) * 2001-04-06 2008-12-02 California Institute Of Technology Microfluidic protein crystallography
US7217321B2 (en) * 2001-04-06 2007-05-15 California Institute Of Technology Microfluidic protein crystallography techniques
US20080277007A1 (en) * 1999-06-28 2008-11-13 California Institute Of Technology Microfabricated elastomeric valve and pump systems
US7195670B2 (en) 2000-06-27 2007-03-27 California Institute Of Technology High throughput screening of crystallization of materials
US7052545B2 (en) * 2001-04-06 2006-05-30 California Institute Of Technology High throughput screening of crystallization of materials
US8550119B2 (en) * 1999-06-28 2013-10-08 California Institute Of Technology Microfabricated elastomeric valve and pump systems
US7601270B1 (en) 1999-06-28 2009-10-13 California Institute Of Technology Microfabricated elastomeric valve and pump systems
US8709153B2 (en) 1999-06-28 2014-04-29 California Institute Of Technology Microfludic protein crystallography techniques
US7306672B2 (en) 2001-04-06 2007-12-11 California Institute Of Technology Microfluidic free interface diffusion techniques
US6899137B2 (en) * 1999-06-28 2005-05-31 California Institute Of Technology Microfabricated elastomeric valve and pump systems
US7144616B1 (en) 1999-06-28 2006-12-05 California Institute Of Technology Microfabricated elastomeric valve and pump systems
WO2001067369A2 (en) * 2000-03-03 2001-09-13 California Institute Of Technology Combinatorial array for nucleic acid analysis
AU2001251218B2 (en) * 2000-03-31 2006-06-29 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Protein crystallization in microfluidic structures
US20050118073A1 (en) * 2003-11-26 2005-06-02 Fluidigm Corporation Devices and methods for holding microfluidic devices
US7867763B2 (en) 2004-01-25 2011-01-11 Fluidigm Corporation Integrated chip carriers with thermocycler interfaces and methods of using the same
US7351376B1 (en) 2000-06-05 2008-04-01 California Institute Of Technology Integrated active flux microfluidic devices and methods
AU2001273057A1 (en) * 2000-06-27 2002-01-08 Fluidigm Corporation A microfluidic design automation method and system
AU2001290879A1 (en) * 2000-09-15 2002-03-26 California Institute Of Technology Microfabricated crossflow devices and methods
US7678547B2 (en) * 2000-10-03 2010-03-16 California Institute Of Technology Velocity independent analyte characterization
EP1322936A2 (en) * 2000-10-03 2003-07-02 California Institute Of Technology Microfluidic devices and methods of use
US7097809B2 (en) * 2000-10-03 2006-08-29 California Institute Of Technology Combinatorial synthesis system
US7232109B2 (en) * 2000-11-06 2007-06-19 California Institute Of Technology Electrostatic valves for microfluidic devices
EP1343973B2 (en) 2000-11-16 2020-09-16 California Institute Of Technology Apparatus and methods for conducting assays and high throughput screening
US6951632B2 (en) * 2000-11-16 2005-10-04 Fluidigm Corporation Microfluidic devices for introducing and dispensing fluids from microfluidic systems
US20050196785A1 (en) * 2001-03-05 2005-09-08 California Institute Of Technology Combinational array for nucleic acid analysis
US7670429B2 (en) 2001-04-05 2010-03-02 The California Institute Of Technology High throughput screening of crystallization of materials
US20020164816A1 (en) * 2001-04-06 2002-11-07 California Institute Of Technology Microfluidic sample separation device
ATE500051T1 (de) 2001-04-06 2011-03-15 Fluidigm Corp Polymeroberflächenmodifikation
US6960437B2 (en) 2001-04-06 2005-11-01 California Institute Of Technology Nucleic acid amplification utilizing microfluidic devices
US6752922B2 (en) * 2001-04-06 2004-06-22 Fluidigm Corporation Microfluidic chromatography
US20050149304A1 (en) * 2001-06-27 2005-07-07 Fluidigm Corporation Object oriented microfluidic design method and system
US7075162B2 (en) * 2001-08-30 2006-07-11 Fluidigm Corporation Electrostatic/electrostrictive actuation of elastomer structures using compliant electrodes
WO2003031066A1 (en) 2001-10-11 2003-04-17 California Institute Of Technology Devices utilizing self-assembled gel and method of manufacture
US8440093B1 (en) 2001-10-26 2013-05-14 Fuidigm Corporation Methods and devices for electronic and magnetic sensing of the contents of microfluidic flow channels
EP1463796B1 (en) 2001-11-30 2013-01-09 Fluidigm Corporation Microfluidic device and methods of using same
US7691333B2 (en) 2001-11-30 2010-04-06 Fluidigm Corporation Microfluidic device and methods of using same
US6860940B2 (en) * 2002-02-11 2005-03-01 The Regents Of The University Of California Automated macromolecular crystallization screening
WO2003085379A2 (en) 2002-04-01 2003-10-16 Fluidigm Corporation Microfluidic particle-analysis systems
US7312085B2 (en) * 2002-04-01 2007-12-25 Fluidigm Corporation Microfluidic particle-analysis systems
FR2843828A1 (fr) * 2002-08-26 2004-02-27 Commissariat Energie Atomique Support de garniture et procede de garniture selective de plages conductrices d'un tel support
US8220494B2 (en) * 2002-09-25 2012-07-17 California Institute Of Technology Microfluidic large scale integration
US7143785B2 (en) * 2002-09-25 2006-12-05 California Institute Of Technology Microfluidic large scale integration
JP5695287B2 (ja) 2002-10-02 2015-04-01 カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー 微小流体の核酸解析
US8828663B2 (en) 2005-03-18 2014-09-09 Fluidigm Corporation Thermal reaction device and method for using the same
US7604965B2 (en) 2003-04-03 2009-10-20 Fluidigm Corporation Thermal reaction device and method for using the same
AU2004228678A1 (en) 2003-04-03 2004-10-21 Fluidigm Corp. Microfluidic devices and methods of using same
US20050145496A1 (en) 2003-04-03 2005-07-07 Federico Goodsaid Thermal reaction device and method for using the same
US7476363B2 (en) * 2003-04-03 2009-01-13 Fluidigm Corporation Microfluidic devices and methods of using same
WO2004094020A2 (en) * 2003-04-17 2004-11-04 Fluidigm Corporation Crystal growth devices and systems, and methods for using same
WO2004103563A2 (en) 2003-05-20 2004-12-02 Fluidigm Corporation Method and system for microfluidic device and imaging thereof
WO2005011947A2 (en) * 2003-07-28 2005-02-10 Fluidigm Corporation Image processing method and system for microfluidic devices
US7413712B2 (en) 2003-08-11 2008-08-19 California Institute Of Technology Microfluidic rotary flow reactor matrix
US8229196B2 (en) * 2003-08-18 2012-07-24 Rigaku Corporation Method of detecting specific polymer crystal
JP4113063B2 (ja) * 2003-08-18 2008-07-02 株式会社リガク 特定高分子結晶の検出方法
US7407799B2 (en) * 2004-01-16 2008-08-05 California Institute Of Technology Microfluidic chemostat
CA2554240A1 (en) * 2004-01-25 2005-08-11 Fluidigm Corporation Crystal forming devices and systems and methods for making and using the same
US7351283B2 (en) * 2004-03-11 2008-04-01 The University Of Vermont And State Agricultural College System and method for fabricating a crystalline thin structure
US20080138927A1 (en) * 2004-03-11 2008-06-12 The University Of Vermont And State Agricultural College Systems and Methods for Fabricating Crystalline Thin Structures Using Meniscal Growth Techniques
US20060024751A1 (en) * 2004-06-03 2006-02-02 Fluidigm Corporation Scale-up methods and systems for performing the same
US7815868B1 (en) 2006-02-28 2010-10-19 Fluidigm Corporation Microfluidic reaction apparatus for high throughput screening
US10175183B2 (en) 2011-03-31 2019-01-08 Kunimine Industries Co., Ltd. Agent for searching for protein crystallization conditions and method of searching for protein crystallization conditions
KR101372413B1 (ko) * 2012-10-12 2014-03-10 삼성코닝정밀소재 주식회사 패턴 기판 제조방법
CN111494979B (zh) * 2020-04-08 2021-07-16 大连理工大学 一种强化分子结晶过程的结晶系统和方法
CN111991834B (zh) * 2020-09-08 2021-11-16 安徽银丰药业股份有限公司 一种薄荷脑加工用结晶桶

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05319999A (ja) * 1992-03-24 1993-12-03 Sumitomo Electric Ind Ltd 有機結晶薄膜の製造方法
JPH06116098A (ja) * 1991-12-09 1994-04-26 Agency Of Ind Science & Technol タンパク質結晶作成方法

Family Cites Families (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US616821A (en) * 1898-12-27 Process of and apparatus for obtaining crystals
US2483847A (en) * 1945-05-22 1949-10-04 Gen Controls Co Stoker control system, including delayed air feed
US2483647A (en) * 1947-10-31 1949-10-04 Brush Dev Co Method of growing a rochelle salt crystal
US4131907A (en) * 1977-09-28 1978-12-26 Ouyang Paul H Short-channel V-groove complementary MOS device
JPS5773956A (en) * 1980-10-27 1982-05-08 Hitachi Ltd Glass coated semiconductor device
US4859538A (en) * 1986-11-20 1989-08-22 Ribi Hans O Novel lipid-protein compositions and articles and methods for their preparation
JP2595216B2 (ja) * 1986-12-12 1997-04-02 日清製粉株式会社 α―アミラーゼインヒビターの結晶の製造方法
JPH0729880B2 (ja) * 1987-03-16 1995-04-05 富士通株式会社 生体高分子結晶作製装置
JPH0791145B2 (ja) * 1987-05-14 1995-10-04 富士通株式会社 蛋白質結晶の育成方法
DE3738840A1 (de) * 1987-08-12 1989-02-23 Intospace Gmbh Kristallisationseinrichtung
JPH0218373A (ja) * 1988-07-05 1990-01-22 Fujitsu Ltd 有機単結晶作製方法
JP2602850B2 (ja) * 1987-10-27 1997-04-23 富士通株式会社 単結晶作製方法
EP0314469B1 (en) * 1987-10-27 1993-06-23 Fujitsu Limited Process and apparatus for preparation of single crystal of biopolymer
JPH01172298A (ja) * 1987-12-25 1989-07-07 Fujitsu Ltd 結晶作製方法
JPH0244089A (ja) * 1988-08-01 1990-02-14 Fujitsu Ltd 生体高分子結晶成長方法
JPH02115292A (ja) * 1988-10-24 1990-04-27 Fujitsu Ltd 水溶液容器の疎水化方法
JP2712427B2 (ja) * 1988-11-29 1998-02-10 富士通株式会社 生体高分子の結晶成長停止方法
US5156810A (en) * 1989-06-15 1992-10-20 Biocircuits Corporation Biosensors employing electrical, optical and mechanical signals
JPH0350178A (ja) * 1989-07-19 1991-03-04 Fujitsu Ltd 結晶化装置
US5362455A (en) * 1990-05-03 1994-11-08 Praxair Technology, Inc. Draft tube, direct contact cryogenic crystallizer
JP2740375B2 (ja) * 1990-10-25 1998-04-15 富士通株式会社 生体高分子結晶化装置
JPH04182398A (ja) * 1990-11-09 1992-06-29 Fujitsu Ltd 結晶作製方法
JP2914758B2 (ja) * 1990-12-18 1999-07-05 富士通株式会社 タンパク質溶液濃度の2次元測定方法および装置
JPH0560665A (ja) * 1990-12-19 1993-03-12 Fujitsu Ltd 生体高分子溶液濃度2次元測定用結晶化容器
JPH04224197A (ja) * 1990-12-26 1992-08-13 Fujitsu Ltd 生体高分子結晶化方法および装置
DK0573599T3 (da) * 1991-02-25 1995-07-24 Schering Corp Krystallisation af biologiske makromolekyler i mikrogravitet
JPH06172381A (ja) * 1992-12-07 1994-06-21 Fujitsu Ltd 生体高分子結晶化装置
CN1041082C (zh) * 1993-05-12 1998-12-09 天津石油化工公司研究所 一种对苯二甲酸二甲酯膜式结晶精制方法
JPH06321700A (ja) * 1993-05-18 1994-11-22 Hitachi Ltd 結晶成長方法および装置
JPH0733796A (ja) * 1993-07-20 1995-02-03 Fujitsu Ltd 蛋白質の結晶化方法および容器
JPH0735687A (ja) * 1993-07-22 1995-02-07 Fujitsu Ltd 生体高分子結晶の検索方法
JPH0834699A (ja) * 1994-07-25 1996-02-06 Fujitsu Ltd 生体高分子結晶化装置
US5889315A (en) * 1994-08-18 1999-03-30 National Semiconductor Corporation Semiconductor structure having two levels of buried regions
US5597457A (en) * 1995-01-23 1997-01-28 The Regents Of The University Of California System and method for forming synthetic protein crystals to determine the conformational structure by crystallography
JP2762046B2 (ja) * 1995-03-27 1998-06-04 東京大学長 基板物質による成長速度の違いを利用した有機分子性物質高配向集合体の微細構造パターンの作成法
JP3146983B2 (ja) * 1996-06-26 2001-03-19 住友金属工業株式会社 結晶成長方法および結晶成長用装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06116098A (ja) * 1991-12-09 1994-04-26 Agency Of Ind Science & Technol タンパク質結晶作成方法
JPH05319999A (ja) * 1992-03-24 1993-12-03 Sumitomo Electric Ind Ltd 有機結晶薄膜の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
See also references of EP0821987A4 *

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0909841A1 (en) * 1996-06-26 1999-04-21 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Crystal-growing method and solid element and device for crystal growth used in the method
US6319315B1 (en) * 1996-06-26 2001-11-20 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Crystal growth method and solid-state component and apparatus for crystal growth employed therefor
EP0909841A4 (en) * 1996-06-26 2001-12-19 Sumitomo Metal Ind CRYSTALLOGENESIS PROCESS, SOLID MEMBER AND CRYSTALLOGENESIS DEVICE USED IN THE SAME
US6258331B1 (en) * 1997-10-31 2001-07-10 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Apparatus for growing crystals
WO2000009785A1 (fr) * 1998-08-12 2000-02-24 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Procede et appareil de cristallogenese
WO2000009786A1 (fr) * 1998-08-12 2000-02-24 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Procede et appareil de cristallogenese

Also Published As

Publication number Publication date
EP0821987A1 (en) 1998-02-04
JP3094880B2 (ja) 2000-10-03
CA2219766C (en) 2001-10-09
EP0821987A4 (en) 1998-06-10
US6123769A (en) 2000-09-26
JPH08294601A (ja) 1996-11-12
DE69618581D1 (de) 2002-02-21
EP0821987B1 (en) 2002-01-16
DE69618581T2 (de) 2002-08-08
US6117232A (en) 2000-09-12
CA2219766A1 (en) 1996-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1996026781A1 (fr) Procede de regulation de la cristallisation de composes organique et composant a semi-conducteur pour la modulation de la cristallisation dans ledit procede
US6174365B1 (en) Apparatus for crystal growth and crystal growth method employing the same
US6258331B1 (en) Apparatus for growing crystals
WO1997049845A1 (fr) Procede de cristallogenese, element solide et dispositif de cristallogenese utilises dans ledit procede
Feigelson The relevance of small molecule crystal growth theories and techniques to the growth of biological macromolecules
JP3146985B2 (ja) 結晶成長方法および結晶成長用固体素子
JP3146984B2 (ja) 結晶成長方法、結晶成長用固体素子および結晶成長用装置
JP3146983B2 (ja) 結晶成長方法および結晶成長用装置
CN103255480B (zh) 大尺寸6,13-双(三异丙基甲硅烷基乙炔基)并五苯薄晶体的制备方法
JP3297702B2 (ja) 結晶成長用装置
JPH021115A (ja) 結晶の形成方法
JP3146990B2 (ja) 結晶成長用固体素子、結晶成長用装置および結晶成長方法
JP2004509457A (ja) 非結晶表面に単結晶半導体膜を形成する方法
JPH10158297A (ja) 結晶成長用装置
WO2001086037A1 (fr) Appareil de cristallogenese et procede de cristallogenese
JPH0940934A (ja) 電子装置用材料
JP3360616B2 (ja) 結晶成長方法および結晶成長用装置
CN115386961A (zh) 一种大面积超薄二维有机单晶的制备方法
CN100415333C (zh) 用于完整膜蛋白晶体生长的形成分形的烷基乙烯酮二聚物
EP1130138A1 (en) Crystal growing method and crystal growing apparatus
CN116536749A (zh) 一种二维超薄有机单晶薄膜及其制备方法
JP2000351700A (ja) 有機分子の分離装置および分離方法ならびに有機分子の結晶作製方法
RU2536985C2 (ru) Способ выращивания планарных нитевидных кристаллов полупроводников
JP2001187301A (ja) 有機分子の結晶調製装置および結晶調製方法
JPS63104324A (ja) 半導体結晶の成長方法

Legal Events

Date Code Title Description
AK Designated states

Kind code of ref document: A1

Designated state(s): CA US

AL Designated countries for regional patents

Kind code of ref document: A1

Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IE IT LU MC NL PT SE

DFPE Request for preliminary examination filed prior to expiration of 19th month from priority date (pct application filed before 20040101)
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application
WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 08894717

Country of ref document: US

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2219766

Country of ref document: CA

Ref country code: CA

Ref document number: 2219766

Kind code of ref document: A

Format of ref document f/p: F

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 1996904268

Country of ref document: EP

WWP Wipo information: published in national office

Ref document number: 1996904268

Country of ref document: EP

WWG Wipo information: grant in national office

Ref document number: 1996904268

Country of ref document: EP