WO1997031388A1

WO1997031388A1 - Tube cathodique couleur

Info

Publication number: WO1997031388A1
Application number: PCT/JP1996/000385
Authority: WO
Inventors: Hiroki Taga; Kazumasa Hirai; Tatuya Mochizuki
Original assignee: Hitachi, Ltd.
Priority date: 1996-02-21
Filing date: 1996-02-21
Publication date: 1997-08-28
Also published as: US6166482A; CN1216150A; CN1100338C

Description

明細書

カラー陰極線管

〔技術分野〕

本発明は、カラ一陰極線管に係り、特に、シャドウマスク構体の熱膨張に伴うビームランディングエラーの発生を低減させ、さらにシャドウマスクの強度低下を抑制したカラー陰極線管に関する。

〔背景技術〕

カラー映像表示に用いる陰極線管（以下カラーブラウン管という）は、映像スクリーンであるパネル部，電子銃を収容するネック部，およびパネル部とネック部を連結するファンネル部とから構成され、上記ファンネル部分には電子銃から発射された電子ビームをパネル内面に塗布形成された蛍光面上を走査させる偏向装置が装着される。

上記ネック部内に収容される電子銃は、力ソード電極，制御電極，集束電極，加速電極等の各種の電極を備え、カソード電極からの電子ビームを制御電極に印加される信号で変調し、集束電極，加速電極を通して所要の断面形状とエネルギーを付与して、上記蛍光面に^ f突させる。電子ビームは、電子銃から蛍光面に達する途上において、ファンネル部に設けた前記偏向装置により、水平方向，垂直方向の偏向を受けることで、蛍光面上に映像を形成するものである（特開昭 5 9 - 2 1 5 6 4 0号公報)。

電子銃から放射された電子ビームをパネル部の内側に配設されたシャドウマスクにより各色に対応するように色選別するとき、蛍光面に射突した電子ビーム以外はシャドウマスクに射突している。電子ビームがシャドゥマスクに射突することにより電子ビームのエネルギーは、熱エネルギーとなる。この熱エネルギーによりシャドウマスクの温度は上昇し熱膨張をね 9 o

シャドウマスクはパネル側に凸のドーム状に形成され、さらにフレームにより周辺を囲まれているため、シャドウマスクが熱膨張を起こすとシャドウマスクは蛍光面側に膨らみ、いわゆるドーミング現象が発生する。ドーミング現象の対策として一般に、シャドウマスクの材質を熱膨張率の低いアンバー材にする、スプリングにバイメタルを用いる、シャドウマスクのスカート部を短くする、等が行われている。

シャドウマスクの材質に熱膨張率の低 L、ァンバ一材を使用した場合、フラッ卜に近いシャドウマスクでも、アンバー材自体が低熱膨張の特性を持つているため、シャドウマスクのドーミングを押さえることができる。し力、し、シャドウマスクの材質の熱膨張率の低いアンバー材はスプリング現象が強く、シャドウマスクをプレス成形したとき、シャドウマスクのスカート部でスプリングノックが生じ、設計値と同じ形状へのプレスが難しい、という問題が起きる。また、アンバー材はコストが高いため、ブラゥン管のコストも高くなる。

シャドウマスク構体を保持するスプリングに熱膨張率の異なる材質を張り合わせたバイメタルを使用した場合、ピューリティドリフトと、環境温度ドリフトとをバランスさせるために、温度変動に伴うバイメタル材の反りを利用し、シャドウマスク構体を移動させ、シャドウマスクの電子ビーム通過孔の配置位置と電子ビームの通過位置とを整合させることができ。

し力、し、マスクスプリングにバイメタル材を用いているので、カラー受像管の動作時に、シャドウマスク構体の周辺温度が上昇したとき、シャドゥマスク構体全体が必要以上移動してしまい、それによってビー.

ィングエラーが生じるという問題がある。シャドウマスクの溶接固定部間のスカート部を短くしたものについては、例えば特開平 4 - 2 2 0 4 8号公報に示すような構成がある。

このようなシャドウマスクは溶接固定部間のスカ一卜部を溶接固定部より短くすることでド一ミングに対する特性は改善される力シャドウマスクの溶接固定部間のスカ一ト幅が狭、ため強度が低下し、製造工程でのシャドウマスク構体の取り扱いが困難になる。

特に大型の陰極線管に適用されるシャドウマスクについては、シャドウマスクが変形しない程度の強度が必要となる。

強度を得るためにスカ一ト幅を大きくするとスカート部の熱膨張によりドーミング低減効果が低下する。また、シャドウマスク構体の歪みゃドーミング現象はビームランディングシフトを引き起こし色純度を劣化させるという問題がある。

これに加えてカラーモニタに用いられるカラーディスプレイ管では、力ラーテレビ用カラーブラゥン管に比べて水平走査線数を多くする必要が有り、シャドウマスク及び偏向ヨークでの発熱が大きい。この発熱によるドーミング現象に起因する色ずれの問題は、蛍光面のドッ卜ピッチを決定するシャドウマスクのホールピッチが 0 . 3 1 m m以下、または水平走査線数が実質的に 1 0 0 0本を越えるような高精細表示の陰極線管になると更に顕著となり、重要な問題となる。

本発明は、前記各問題点を除去するもので、その目的は、変形しない程度の強度を持ち、歪みの少ないシャドウマスクを備え、ビームランディングェラ一の発生を減少させたカラー陰極線管を提供することにある。〔発明の開示〕

シャドウマスクをフレームに溶接してブラウン管に装着した際にドーミング現象による色ずれが発生する位置付近のスカ一ト部のみを短くし、それ以外のスカート部を長くすることにより、シャドウマスクの機械的強度が増し、衝撃に対して変形せず、ブラウン管製造時においてのシャドウマスクの取り扱いが容易となり、シャドウマスクの熱膨張による色ずれを防止することが可能なカラ一陰極線管を提供することができる。

〔図面の簡単な説明〕

F I G. 1は本発明の陰極線管の断面図である。

F I G. 2は本発明のシャドウマスク構体の模式断面図である。

F I G . 3は本発明のシャドウマスクをパネル面側から陰極方向にみたときの模式図である。

F I G. 4は本発明に関するシャドウマスク構体の一実施例を示す長辺部の模式図である。

F I G. 5は本発明に関し、ドーミング現象の低減作用を示すシャドウマスク構体の一部模式断面図である。

F I G. 6は本発明に関するシャドウマスク構体の他の実施例を示す長辺部の模式図である。

F I G. 7は本発明に関するシャドウマスク構体の他の実施例を示す長辺部の模式図である。

〔発明を実施するための最良の形態〕

フレームにシャドウマスクのスカ一ト部を溶接固定してなるシャドウマスク構体を具備するカラー陰極線管において、前記スカ一卜部と前記フレームとの溶接固定部のスカ一卜長を最長とするスカ一卜張出し部を有し、前記溶接固定部から前記シャドウマスクのコーナ部方向に行くに従い徐々にスカート長が短くなる傾斜スカ一ト部を前記スカート部の少なくとも一部に有していればよい。

以下本発明の実施形態を図を用いて説明する。なお、同一部分には同一符号を付して説明する。

F I G. 1は本発明の陰極線管の概略構成を示す断面図であって、 1はパネル部、 2はファンネル部、 3はネック部、 4は蛍光面（画面）、 5は色選別のためのシャドウマスクを有するシャドウマスク構体、 5 1はシャドウマスク構体 5を支持するためのパネルピン、 6はフアンネルの空間を外部磁気から遮断するための磁気シールド、 7は電子銃から発射された電子ビームをパネル部内面に形成された蛍光面上に走査させるための偏向装置（偏向ヨーク）、 8はピユリティ調整マグネット、 9はセン夕一ビームスタティックコンバーゼンス調整マグネット、 1 0はサイドビームスタティックコンパ一ゼンス調整マグネッ卜、 1 1は電子銃、 Bは電子ビームであな。

赤、緑、青用電子ビーム Bは、電子銃から蛍光面 4に達する途上においてファンネル部 2に設けた偏向ヨーク 7により水平方向、垂直方向の偏向を受ける。さらに電子ビーム Bは、パネル部の内側に配設されたシャドウマスクにより各色に対応するように色選別され、各々の蛍光面に射突することで各色の蛍光面が発光し、パネル面上に映像を形成する。

F I G . 2は本発明のシャドウマスク構体 5の模式断面図であり、電子ビーム通過孔のあるシャドウマスク面が上方で、 F I G. 3は本発明のシャドウマスクをパネル部 1側から陰極方向をみたときの模式図である。シャドウマスク構体 5は、色選別用の複数の電子ビーム通過孔を有するシャドウマスク 1 2と、シャドウマスク 1 2を保持するフレーム 1 3と、フレーム 1 3をパネル内に保持するマスクスプリング 1 4とを備えており、パネル部 1に形成されたノ、。ネルビン 5 1にシャドウマスク構体 5に配設されたマスクスプリング 1 4を接合し保持されている。

シャドウマスク 1 2の中心を通る短軸とシャドウマスク長辺部の交わる位置付近のスカ一卜部にシャドウマスク 1 2とフレーム 1 3との溶接固定部があり、シャドウマスク 1 2の中心を通る長軸とシャドウマスク短辺部の交わる位置付近のスカー卜部にもシャドウマスク 1 2とフレーム 1 3との溶接固定部があり、さらに、コーナ部のスカ一ト部にも溶接固定部がある。

ドーミング現象はシャドウマスク 1 2の短軸と短辺との中間部で発生し易く、短軸近傍では問題になるほどの大きなドーミングは発生しない。

F I G. 4は本発明の一実施例で、シャドウマスク面 1 5を上方にしたシャドウマスク 1 2の長辺部の側面を示す模式図である。

1 6はシャドウマスク 1 2とフレーム 1 3との溶接部、 1 7はシャドウマスク 1 2のス力一ト長辺部における溶接部 1 6のある溶接用のスカート張出し部（以下、長辺張出し部）、 1 8はシャドウマスクのコーナ部における溶接部のある溶接用のスカ一卜張出し部（以下、コーナ張出し部）、 1 9は長辺張出し部 1 7とコーナ張出し部 1 8との間に位置する短スカ一ト部、 2 0は長辺張出し部 1 7とコーナ張出し部 1 8との間に位置し、長辺張出し部 1 7に隣接する傾斜スカー卜部、 2 3はシャドウマスクの一辺における中心軸、 L 6は張出し部のあるスカ一卜中心軸 2 3からの傾斜スカ一卜部の設けられている長さである。

シャドウマスク 1 2の長辺張出し部 1 7のスカート長を L 1、コーナ張出し部 1 8のスカー卜長を L 2、短軸と短辺との中間部のドーミング特性が問題となる位置の長辺上に当たる位置のスカー卜長を L 3、傾斜スカート部 2 0のスカート長を L 4、コーナ張出し部 1 8と、 L 3の位置する短軸と短辺との中間部のド一ミング特性が問題となる位置の長辺上に当たる位置との中間部のスカート長を L 5とすると、 L 1 > L 4 > L 2≥L 5 ≥L 3の関係となる。即ち、スカ一卜部とフレームとの溶接固定部のスカ一ト長を最長とするスカート張出し部 1 7を有し、スカー卜張出し部 1 7に隣接してスカー卜長が徐々に短くなる傾斜スカ一卜部 2 0を有し、傾斜スカート部 2 0の他の一端に隣接しスカ一ト張出し部 1 7のスカート長より短いスカート長を有する短ス力一ト部 1 9を有する。

また、ドーミング現象はシャドウマスク 1 2の中心を通る短軸と短辺との中間部で発生し易く、短軸近傍、即ち溶接固定部 1 6を有する長辺張出し部 1 7近傍では問題になるほどの大きなド一ミングは発生しないので、短ス力一卜部 1 9は少なくともスカ一卜長辺上における長辺張出し部 1 7とコーナ張出し部 1 8の中間部に設けることにより、ド一ミング現象の低減効果を得ることができる。

さらに、長辺張出し部 1 7とコーナ張出し部 1 8との中間からコーナ張出し部 1 8にかけてはドーミング現象を減少させるために、ほぼ一定のスカート長を有する短ス力一卜部 1 9を形成することが望ましいが、短スカート部 1 9は、長辺張出し部 1 7とコーナ張出し部 1 8との中間よりコ一ナ部に限られたものではなく、少なくともドーミング現象のある付近が短スカ一卜部であればよい。

傾斜スカート部 2 0力、長辺張出し部 1 7とコーナ張出し部 1 8との中間点を越える位置まで形成されていると、スカー卜部の面積が増加しドーミング現象の原因となる。そのため、長辺張出し部 1 7から長辺張出し部 1 7とコーナ張出し部 1 8との中間点までの少なくとも一部に、スカ一ト長が徐々に変化する傾斜スカート部を有していればよし、。

例えば、画面の対角寸法が 6 6 c mのカラーブラウン管に用いるシャドゥマスク 1 2で、材質をアルミキド（A K )材、板厚を 0 . 2 5 mm、 L 1を 2 5 mm、 L 2を 1 3 mm、 L 3を 1 0 mm、長辺における L 6を 1 6 O mmとした場合に、 2つの長辺上において、短軸から 1 1 0 m mの位置の 2点を拘束し、シャドウマスク面 1 5を上にした状態でシャドウマスク 1 2の自重による応力を調べた。その結果、傾斜スカー卜部 2 0を有するシャドウマスクは、傾斜スカ一ト部 2 0の無いシャドウマスクと比較して、垂直応力で約 3 5 %軽減され、接線応力で約 9 6 %軽減されている。

このときの電子ビーム移動量の最大値は、動作開始から 3分後に約 6 0 mとなった。一方、従来のシャドウマスク、即ちスカ一卜張出し部、短スカ一卜部及び傾斜スカー卜部を適用していないシャドウマスクを用いたカラ一ブラウン管における電子ビーム移動量の最大値は、動作開始から 5分後に約 1 7 6 mとなった。スカー卜張出し部、短ス力一卜部及び傾斜スカート部を適用したシャドウマスクを用いたカラーブラウン管は従来のシャドウマスクを用いたカラ一ブラウン管と比較して大幅に電子ビームのシフト量を改善でき、視覚的に何等問題のない数値まで電子ビームのシフ卜量を抑制することができた。

また、傾斜スカート部 2 0の無いシャドウマスクは、短軸から 1 0 0 m m位のところで変形を起こしており、傾斜スカー卜部 2 0を設けることによりこの変形を抑えることができる。

F I G . 4ではスカー卜中心軸 2 3から短スカート部 1 9にかけて直線的にスカー卜長の減少する傾斜スカ一卜部について記載した力、張出し部の頂点付近に平坦部を形成してもよい。

次に作用について説明する。シャドウマスク 1 2により各色に対応するように選別するときに、シャドウマスク 1 2に射突した電子ビーム Bによりシャドウマスク 1 2の温度が上昇し熱膨張をおこす。

シャドウマスク 1 2のス力一ト部には電子ビーム Bが射突しない。そのため、シャドウマスク 1 2で発生した熱は熱伝導によりスカート部へと伝わりスカ一卜部の温度を上昇させる。

短スカート部 1 9のス力一卜長は長辺張出し部 1 7のス力一卜長 L 1 より短く形成されている。スカー卜長を短くすることでスカート部の体積が小さくなり熱輻射面積が減少するためシャドウマスク 1 2の温度が上昇し易くなる。この温度上昇に相当する分だけスカート部の熱膨張が大きくなる。

そのため電子ビームが射突して熱の発生するシャドウマスク面 1 5の温度上昇とスカート部 1 3の温度上昇との差は少なくなりシャドウマスク 1 2全体が熱膨張する。

F I G. 5は本発明の構成のシャドウマスク 1 2の一部とそのドーミング現象の低減作用を示す模式図であり、点線で示した 1 2 1は熱膨張前のシャドウマスク、 1 2 2は熱膨張後のシャドウマスクである。

長辺張出し部 1 7には溶接部 1 6があり、この溶接部 1 6でフレーム 1 3と固定されている。

フレーム 1 3はシャドウマスク 1 2に比べて熱容量が大きく、熱膨張するのに時間がかかる。一方、シャドウマスク 1 2は薄いため熱伝導が良く、そのためシャドウマスク 1 2のみ熱膨張することになる。シャドウマスクは、溶接部 1 6のある長辺張出し部 1 7のスカート長のみが長く、ハーフエッチ等により機械的に弱い状態に成形してあり、また、溶接部 1 6は張出し部下方に位置しており、シャドウマスク 1 2 1はシャドウマスクの外形を広げる方向であるフレーム外径方向への裕度を大きくとることができ、シャドウマスク 1 2 2のように熱膨張する。

即ち、フレーム外径方向への裕度が大きいため、シャドウマスク 1 2の有効面部の熱膨張分をドーミングにより吸収するのではなく、外形の拡大により直接吸収する成分が増加し、ドーミング量を減少させることができる o

また、溶接固定部以外のスカ一卜部が短いため、蛍光面方向への熱膨張が少なく、ドーミング量を減少させることができる。

短スカート部が増加するとシャドウマスクの応力に対する強度が弱くなり、また極端なスカー卜長の変化も応力がかかった場合に歪む原因となる。傾斜スカ一卜部のスカー卜長が徐々に短スカー卜のスカ一卜長になるためスカート部の強度も徐々に変化し、応力が集中しない。

F I G . 6は本発明の他の実施例で、 F I G . 4と同じ部分には同一記号を付してある。

シャドウマスク 1 2は短スカート部 1 9と長辺張出し部 1 7を有しており、長辺張出し部 1 7に隣接する傾斜スカー卜部はスカー卜長が曲線的に減少する曲部 2 1を有している。このように形成することによりスカート部の面積が小さくなり、熱輻射量を小さくし、ドーミング現象に起因する電子ビームのランディングエラーを抑制することができると同時に、強度も短軸から中間部にかけて徐々にスカー卜長が変化することで応力集中を分散することができ、シャドウマスクの歪みを防ぐことができる。例えば、画面の対角寸法が 6 6 c mのカラ一ブラウン管に用いるシャドゥマスクで、材質をアルミキド（A K )材、板厚を 0 . 2 5 mm、 L 1を 2 5 mm, L 2を 1 3 mm、 L 3を 1 0 m m、長辺における L 6を 1 6 0 mmとした場合に、 2つの長辺上において、短軸から 1 1 0 mmの位置の 2点を拘束し、シャドウマスク面 1 5を上にした状態でシャドウマスク 1 2の自重による応力を調べた。その結果、曲部を有する傾斜スカート部 2 1を用いたシャドウマスクは、曲部を有する傾斜スカー卜部 2 1の無いシャドウマスクと比較して、垂直応力で約 2 4 %軽減され、接線応力で約 7 0 %軽減されている。また、このときの電子ビーム移動量の最大値は、動作開始から 3分後に約 5 8 mとなった。一方、従来のシャドウマスク、即ちスカ一ト張出し部、短ス力一ト部及び傾斜スカ一ト部を適用していないシャドウマスクを用いたカラ一ブラウン管における電子ビーム移動量の最大値は、動作開始から 5分後に約 1 7 6 となった。スカ一卜張出し部、短ス力一ト部及び傾斜スカート部を適用したシャドウマスクを用いたカラーブラウン管は従来のシャドウマスクを用いたカラ一ブラウン管と比較して大幅に電子ビームのシフト量を改善でき、視覚的に何等問題のない数値まで電子ビームのシフト量を抑制することができた。

また、傾斜スカート部 2 1の無いシャドウマスクは、短軸から 1 0 0 m m位のところで変形を起こしており、傾斜スカ一卜部 2 1を設けることによりこの変形を抑えることができる。

なお、張出し部と短スカー卜部との間に位置する傾斜部は、スカート長が曲線的に徐々に減少する部分と、スカー卜長が直線的に徐々に減少する部分との両方を備えてもよく、上記効果と同等の効果を得ることができる c

F I G . 7は本発明の他の実施例で、 F I G . 4と同じ部分には同一記号を付してある。

シャドウマスク 1 2は短ス力一ト部 1 9、長辺張出し部 1 7、長辺張出し部 1 7に隣接する傾斜スカ一ト部 2 0を有しており、該長辺張出し部 1 7と傾斜スカ一卜部 2 0の間に切り欠き部（ノツチ） 2 2を有している。このように形成することによりスカー卜部の面積が小さくなり、熱輻射量を小さくし、ドーミング現象に起因する電子ビームのランディングエラーを抑制することができると同時に、強度も短軸から中間部にかけて徐々にスカート長が変化することで応力集中を分散することができ、シャドウマスクの歪みを防ぐことができる。例えば、画面の対角寸法が 6 6 c mのカラ一ブラウン管に用いるシャドゥマスクで、材質をアルミキド（A K )材、板厚を 0 . 2 5 m m、 L 1を 2 5 mm、 L 2を 1 3 m m、 L 3を 1 0 m m、長辺における L 6を 1 6 0 mmとした場合に、 2つの長辺上において、短軸から 1 1 0 mmの位置の 2点を拘束し、シャドウマスク面 1 5を上にした状態でシャドウマスク 1 2の自重による応力を調べた。その結果、ノツチ 2 2を有する傾斜スカー卜部 2 0を用いたシャドウマスクは、曲部を有する傾斜スカー卜部 2 0の無いシャドウマスクと比較して、垂直応力で約 3 7 %軽減され、接線応力で約 9 4 %軽減されている。

また、このときの電子ビーム移動量の最大値は、動作開始から 3分後に約 6 2 z mとなった。一方、従来のシャドウマスク、即ちスカ一卜張出し部、短ス力一卜部及び傾斜スカート部を適用していないシャドウマスクを用いたカラ一ブラウン管における電子ビーム移動量の最大値は、動作開始から 5分後に約 1 7 6 となった。スカ一卜張出し部、短スカー卜部及び傾斜スカー卜部を適用したシャドウマスクを用いたカラ一ブラウン管は従来のシャドウマスクを用いた力ラ一ブラゥン管と比較して大幅に電子ビームのシフト量を改善でき、視覚的に何等問題のな L、数値まで電子ビームのシフト量を抑制することができた。

また、ノツチ 2 2を有する傾斜スカート部 2 0の無いシャドウマスクは、短軸から 1 0 0 m m位のところで変形を起こしており、ノツチ 2 2を有する傾斜スカー卜部 2 0を設けることによりこの変形を抑えることができる。

以上、長辺スカ一ト部について説明したが、図示していないシャドウマスク 1 2のスカー卜短辺部にもスカー卜長辺部と同様に短辺張出し部、短スカート部、傾斜スカート部を形成してもよい。なお、スカ一ト中心軸付近に溶接部を配置させた場合について説明した力、これに限られるものではなく、シャドウマスクのフレームとの溶接部を張出し部とし、該張出し部に隣接して徐々にス力一卜長が短くなる傾斜スカート部を有し、該傾斜スカ一卜部の他の一端に隣接し該スカート張出し部のスカート長より短いスカート長の短スカート部を有していればよい。

張出し部から短ス力一卜部にかけて傾斜スカ一ト部を形成することにより応力に対する強度を強くする。このように形成することによりスカ一ト部の面積が小さくなり、熱輻射量を小さくすると同時に強度も短軸から中間部にかけて徐々にスカー卜長が変化することで応力集中を分散することができ、シャドウマスクの歪みを防ぐことができる。

さらに、シャドウマスクのド一ミング現象を抑え、視覚的に何等問題の無い程度までドーミング現象に起因する電子ビームのランディングエラ —を抑制することができる。また、ブラウン管製造時に何等問題の無い程度の強度を有するシャドウマスクを得ることができる。

〔産業上の利用可能性〕

以上のように、本発明にかかるカラ一陰極線管はシャドウマスクを有し、シャドウマスクに電子ビームがぶっかり、シャドウマスクの熱膨張による色ずれを起こすシャドウマスクを用いたカラー陰極線管に適している。

Claims

請求の範囲

1 . シャドウマスクのスカート部をフレームに溶接固定してなるシャドゥマスク構体を具備するカラ一陰極線管において、前記スカー卜部と前記フレームとの溶接固定部のスカー卜長を最長とするスカー卜張出し部を有し、前記スカー卜張出し部に隣接して前記スカ一ト長が徐々に短くなる傾斜スカート部を有し、前記傾斜スカ一ト部の他の一端に隣接し、前記スカート張出し部より短いスカ一ト長を有する短スカート部を有することを特徴とするカラー陰極線管。

2 . スカー卜長が直線的に減少する前記傾斜スカ一卜部を一部に有することを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載のカラー陰極線管。

3 . スカ一ト長が曲線的に減少する前記傾斜スカート部を一部に有することを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載のカラ一陰極線管。

4. 前記傾斜スカー卜部と前記スカ一卜張出し部の間に切り欠き部を有することを特徴とする特許請求の範囲第 1乃至 3項記載のカラー陰極線管。

5 . 前記スカ一卜張出し部が長辺側または短辺側の少なくとも一方に位置することを特徴とする特許請求の範囲第 1項記載の力ラ一陰極線管。