WO2000021060A1

WO2000021060A1 - Etiquette collante et recipient en plastique dote d'une etiquette collante

Info

Publication number: WO2000021060A1
Application number: PCT/JP1999/005491
Authority: WO
Inventors: Tadashi Kuriyama; Shuichi Koshio; Takashi Miya; Masashi Sasaki; Kiyokazu Ikai
Original assignee: Yoshino Kogyosho Co., Ltd.
Priority date: 1998-10-05
Filing date: 1999-10-05
Publication date: 2000-04-13
Also published as: DE69920421D1; EP1067501B1; EP1067501A1; JP3853091B2; DE69920421T2; US6964805B1; JP2000112361A; EP1067501A4

Description

明細書タックラベル及びタックラベル付きブラスチック製容器

技術分野

本発明は、ポリエステル製ボトルなどの表面に接着剤層を介して貼着される夕ックラベル及び該タツクラベルが貼着されたタツクラベル付きプラスチック製容器に関するものであり、さらに詳しくは、プラスチック製容器をリサイクルする際のラベル剝離作業を容易に行うことのできるタックラベル及び夕ックラベル付きプラスチック製容器に関するものである。

背景技術

飲料水、清涼飲料水、ジュース、茶、紅茶、日本酒、焼酎などの容器としてポリエステル製ボトル（いわゆる P E Tボトルなど）が広く利用されている。このポリエステル製ボトルに対し、近年、環境保護の観点からリサイクルの要請が著しく高まっている。ポリエステル製ボトルには、商品名や内容物などを表示するためのラベルが貼付されている場合があり、ポリエステル製ボトルをリサイクルする場合にはこのラベルを再生処理設備における再生処理工程（熱水処理等）において剝離、除去する必要がある。また、再生処理を効率よく行うため、ボトルを廃棄する前に各家庭でラベルを剝離することが望まれている。このため、前記ラベルはボトルへの貼着性及び貼着操作性に優れるという特性とともに、ボトル内容物が消費されるまではボトルに密着性よく貼着されて容易には剝離せず、内容物消費後には簡易に剝離できるという相反する特性が要求される。また、空のボトルにラベルを貼付した後、内容物を充填する場合には、内容物充填前にボトル内を水や弱アル力リ性洗浄液などで洗浄することが多い。この洗浄工程では、ラベルは剝がれず、貼着された状態を保持している必要がある。

実公平 6— 3 4 2 3号公報には、容器をリサイクル使用する際のラベル剝離作業を簡易化できる容器用タツクラベルとして、ラベル基材の裏面側に接着剤層が設けられたタックラベルであって、ラベル基材の容器表面への貼着時に、該ラベル基材と容器表面との間にラベル剝離用液体の浸入路が形成されるように、前記接着剤層力部分的に設けられた容器用タックラベルが開示されている。また、特開平 8— 3 0 2 0 1号公報には、低温、短時間のシャワーリングによっても容易に剝離できる容器用ラベルとして、ラベル基材の裏面側に接着剤層からなる接着部が部分的に設けられ、且つラベル基材に前記接着部に通ずる複数個のラベル剝離用液体の浸入孔が設けられた容器用ラベルが開示されている。さらに、実公平 7 - 3 1 2 6 1号公報には、基材の裏面全面に形成された粘着剤層を不粘着性のマスキング剤で網目状にマスキングして、粘着剤層の露出状態を無数の微細で均一な網点状とするとともに、ラベルの一端縁側における粘着剤層の一部分を前記マスキング剤により完全に被覆した粘着ラベルが開示されている。

しかし、これらのラベルをポリエステル製ボトルに適用した場合、上記内容物充塡前の洗浄工程において、洗浄液が前記ラベル剥離用液体の浸入路ゃ網目状のマスキング部に浸入して貼付したラベルの接着力が低下し、剝離するおそれがある。また、流通過捏において、前記ラベル剝離用液体の浸入路ゃ網目状のマスキング部に塵芥などの異物が混入しゃすいという問題も生じてしまう。

発明の開示

したがって、本発明の目的は、プラスチック製容器に対して適切な接着性能を有すると共に熱水処理において容器から容易に剥離し易いタツクラベルを提供すしと ί ¾>る o

本発明の他の目的は、常温水の処理環境下においては容器から剥離しにくく、熱水の処理環境下においては容器から剝離し易いタックラベルを提供することにあ ο

さらに、本発明の他の目的は、常温環境下における洗浄処理においてはタックラベルが容器本体から剝離しにくく、熱水の環境下においてはタックラベルが容器本体から剝離し易いタックラベル付きプラスチック製容器を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、再生処理設備における再生処理工程において容器本体からタツクラベルが容易に剝離されるタックラベル付きプラスチック製容器を提供することにある。

さらに、本発明の別の目的は、再生処理工程において剥離したタックラベルと容器本体とが分別され易いプラスチック製容器を提供することにある。

上記目的を達成するため、本発明によるタックラベルは、シート状のラベル基材と、ラベル基材の第 1の表面に形成した印刷層と、ラベル基材の第 1の表面と対向する第 2の表面に形成した接着剤層とを具えるタツクラベルにお、て、前記接着剤層を、常温の水には溶解しにくく熱水には溶解し易い特性を有する熱水可溶性接着剤で構成したことを特徴とする。

タックラベル付きプラスチック製容器に内容物を充填する前に行われる洗浄ェ程においては約 2 2 °Cの常温の水が用いられ、再生処理工程においては約 7 5 °C の熱水を用いて容器からタツクラベルの剝離処理が行われる。この処理温度の差異に着目し、熱水環境下において剝離強度が高く（剥離しにくい）常温環境下において剥離強度の低い（剥離し易い）接着剤を用いれば、洗浄工程においては容器から剝離せず再生工程において容器から剝離し易いタツクラベルを実現することができる。このような認識に基づき、本発明者が種々の接着剤について水に対する溶解度及び剥離性能と温度との関係について実験及び解析を行った結果、水に対する溶解度と剥離強度とは密接な関係があり、水に対する溶解度が高い程剝離強度が低下し剝離し易くなることが判明した。さらに、実験を続けた結果、ァクリル系の水溶性接着剤が、水に対する溶解度が温度に対して非線形な特性を呈することを見出した。すなわち、このような温度に対して非線形な溶解度特性を有する接着剤をタックラベルの接着剤層として用いれば、常温水を用いる処理環境下では剝離せず、熱水を用いる処理環境下において容器から短時間で剝離するタックラベルを実現することができる。一方、通常用いられている水溶性接着剤は、水に対する溶解度が比較的高く且つ温度に対してほぼ一定の溶解度特性であるため、再生処理工程においてタックラベルは容器から短時間で剥離する力常温水を用、る処理環境下においてもタツクラベルが容器から剝離し易い不具合が生じてしまう。また、通常用いられている合成樹脂材料の接着剤の場合、水の処理環境下における温度に対する接着強度が一定であるため、洗浄処理工程においては良好であるが、再生処理工程において好ましい剝離性能を達成することができない。

本発明によるタックラベルの好適実施例は、接着剤層をァクリル系の水溶性接着剤で構成したことを特徴とする。ノニオン系界面活性剤を含むアクリル系の水溶性接着剤は、使用する水の温度に対する溶解度すなわち剝離強度が著しい非線形特性を有し、常温の水に対してほとんど溶解せず、 Ί 5 °C程度の熱水に対して極めて高い溶解度を有し、この結果常温水の処理環境においては容器から剝離しにくく、熱水の処理環境下においては容易に剝離する好ましいタックラベルを実現することができる。

本発明によるタックラベルの好適実施例は、前記接着剤層の一部の領域に非接着性のマスキング層が形成され、前記接着剤層の一部の領域だけが粘着性を有することを特徴とする。タックラベルとプラスチック製容器との間において十分な接着強度を得ることができる。一方、接着剤層の一部の領域に非接着性のマスキング層を形成すれば、プラスチック製容器との間において十分な接着強度を維持しな力 <ら、リサイクル工程における剥離性能を増大させることができる。

本発明の夕ックラベルの好適実施例は、マスキング層が接着剤層のほぼ中央部分に形成され、前記接着剤層が環状の接着性領域を有することを特徴とする。タックラベルと容器との間において、タックラベルの周縁に沿って環状の接着領域を形成すれば、洗浄工程においてタックラベルの周縁だけが洗浄水と接触する状態となり、水と接触する領域が減少するため、容器との間の良好な接着性を維持しながら洗浄工程におけるラベルの剝離を防止できる利点が達成される。

本発明によるタックラベルの好適実施例は、非接着性のマスキング層が、前記接着剤層の中央部分及び一部の端縁に形成されていることを特徴とする。タックラベルの一部の端縁にマスキング層を形成すれば、この端縁部分が容器に対して接着されていないため、消費者は、内容物を使い切った後この端縁部分を手で以て引き剝がすことによりタツクラベルを容器から容易に引き剝がすことができる。本発明によるタックラベルの好適実施例は、マスキング層の表面積を、前記接着剤層の表面積の 5〜9 0 %としたことを特徴とする。

本発明によるタツクラベルの好適実施例は、ラベル基材を、比重が 1未満の材料で構成したことを特徴とする。タツクラベルが貼付されるブラスチック製容器の材料の比重は約 1 . 3程度であるから、タックラベルの基材を 1未満の材料とすることにより、熱水環境下における再生処理工程においてタックラベルと容器とを容易に分別することができる。

本発明によるタックラベル付きプラスチック製容器は、容器本体にタックラべルが貼付されているタックラベル付きプラスチック製容器であって、前記夕ックラベルが、シート状のラベル基材と、ラベル基材の第 1の表面に形成した印刷層と、ラベル基材の第 1の表面と対向する第 2の表面に形成され、タックラベルを容器本体の表面に接着するための接着剤層とを具え、前記接着剤層を常温の水には溶解しにくく熱水に溶解し易い特性を有する熱水可溶性接着剤で構成し、前記タックラベルが常温水の処理環境下において容器本体から剝離せず熱水の処理環境下において容器本体から剝離し易い特性を有することを特徴とする。

本発明によるタックラベル付きプラスチック製容器の好適実施例は、タツクラベルが、容器本体を 4 0 °Cの水に浸貴した場合 1時間経過しても容器本体から剝離せず、 Ί 5 °Cの熱水に真潰した場合 3 0分以内で容器本体から剝離することを特徵とする。このように、タックラベル付き容器を処理する際の水の温度に対して非線形な剝離強度を有するタツクラベルを用いることにより、洗浄工程にお、ては容器とタックラベルとの間において良好な接着強度を維持でき、熱水を用いる再生工程においては特別な作業又は処理を行うことなくプラスチック製容器からタックラベルを剝離することができる。

本発明によるタックラベル付きプラスチック製容器は、接着剤層の一部の領域に非接着性のマスキング層力《形成され、タックラベルの一部分だけが容器本体の表面に接着されていることを特徴とする。さらに、この実施例は、タックラベルと容器本体との間に環状の接着領域が形成されていることを特徴とする。容器とタックラベルとの間に環状の接着領域を形成すれば、容器とタックラベルとの間に良好な接着性を維持しながら、再生工程における剥離性能を向上することができる。

本発明によるタックラベル付きプラスチック製容器の好適実施例は、タツクラベルのラベル基材を、比重が 1未満の材料で構成したことを特徴とする。ラベル基材の比重が 1未満であれば、容器から剝離したタックラベルが熱水中で浮き、プラスチック製容器は水中に沈むので、特別な作業を行うことなく容器とタックラベルとを分別することができる。図面の簡単な説明

以下、本発明によるタツクラベル及びタックラベル付きプラスチック製容器の一例を添付図面に示した好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。

図 1は本発明のタックラベルの一例を示す正面図である。

図 2は図 1に示すタックラベルの背面図である。

図 3は図 1に示すタックラベルの I I〖一 I I I 線断面図である。

図 4は本発明のタックラベル付きポリエステル製ボトルの一例を示す斜視図であ

図 5は本発明によるタツクラベル付きプラスチック製容器の種々の温度の水に対する剥離強度を示すグラフであり、図 5 Aは本発明のタックラベル付きプラスチック製容器の特性を示し、図 5 Bは従来の合成樹脂を接着剤として用いたタックラベル付き容器の特性を示し、図 5 Cは従来の水溶性接着剤を用いたタックラベル付き容器の特性を示す。発明を実施するための最良の形態

図 1に示すタックラベル 1は、ほぼ矩形状のラベル基材 2を具え、図 3に示すように、その表面側に商品名や内容物等を表示するための印刷層 3と該印刷層 3 を被覆する被覆層 4とがこの順に設けられ、ラベル基材 2の裏面側に、例えばプラスチック製容器の表面に接着するための接着剤層 5と該接着剤層 5を部分的に被覆する非接着性のマスキング層 6とが順次設けられている。前記ラベル基材 2 は比重が 1未満の材料で形成されている。また、接着剤層 5は、常温水に対してほとんど溶解せず熱水に対して高い溶解度を有する熱水可溶性接着剤からなり、ラベル基材 2の裏面側の全面に亘つて形成されている。さらに、非接着性マスキング層 6は接着剤層 5の表面のうち周縁部を除いた中央部 6 aと該中央部 6 aから離隔した一端縁部 6 b (例えば角部）とに形成されており、接着剤層 5はタツクラベル 1の全周に亘り環状（額縁状）に露出して接着領域を形成する。

このタックラベル 1を、図 4に示されるようにポリエステル製ブロー（成形）ボトル 7の表面に貼着する場合、接着剤層 5がラベルの全周に亘り環状に露出しているため、自動ラベル貼着機によりラベルの貼着を円滑且つ容易に行うことができるとともに、不用意な剥離を生じさせることなく美麗に且つ確実に貼着できる。また、ボトル 7にタックラベル 1を貼付した後、内容物を充塡する前に、ボトル 7内を常温（例えば 1 5 °C) の水や弱アルカリ性洗浄液などで洗浄しても、ラベル剝離用液体の浸入路ゃ網目状のマスキング部等が形成された従来のラベルのように水などの洗浄液がラベル全体に容易に浸入することがなく、洗浄工程で用いられる水の作用によるラベルの接着力の低下を防止できる。さらに、ラベル貼着後の流通過程において、塵芥などの異物がボトル 7とタックラベル 1との問に入り込むのも抑制できる。

一方、上記タックラベル 1では、粘着剤層 5の表面のうち一端縁部 6 b (すなわち、タックラベル 1の端緣部）が非粘着性マスキング層 6で被覆されているため、タックラベル 1をボトル 7に貼付した際、タックラベル 1とボトル 7表面との問に引き剝がし用の非接着部（つまみ部）が確保される。また、接着剤層 5の表面のうち中央部 6 aも非粘着性マスキング層で被覆されていることから、ボトル 7との接着面積が非常に小さい。例えば、接着剤層 5の露出面積を、マスキング層を設けない場合の接着剤層 5の全表面積に対して、例えば 1 0〜9 5 % (好ましくは 1 5〜4 0 %) に低減できる。そのため、ボトル 7の内容物が消費された後にタックラベル 1を剝離する際には、前記非接着部に爪などを差し入れてタックラベル 1の端縁部をつまんで引き起こすことにより、簡単に剝がすことができる。例えば、接着剤層が全面露出したタックラベルと比較し、例えば約 5分の 1程度の力で剝離することが可能である。なお、接着剤層 5の露出面積が小さくても、前記のように、接着剤層 5がラベルの全周に亘り切れ目なく環状に露出しているため、不用意な剥離が生じる危険性が回避される。

次に、本発明のタックラベル付きプラスチック製容器のタックラベルの剝離特性すなわち水に対する溶解度特性について説明する。タックラベルの接着剤層として、本発明の熱水可溶性接着剤、従来の合成樹脂の接着剤及び従来の水溶性接着剤を用いた 3種類のタツクラベルを用意し、これらのタツクラベルをポリエステル製の容器本体に貼付し 2 2 °C、 4 0 °C及び 7 5での水中にそれぞれ浸漬して温度に対する剥離特性について試験を行った。図 5 Aは本発明のタックラベルの剝離特性を示し、図 5 Bは従来の合成樹脂性接着剤を用いたタツクラベルの剝離特性を示し、図 5 Cは従来の水溶性接着剤を用いた夕ックラベルの剝離特性を示す。図 5 A〜( において、横軸は各温度の水にタックラベル付きのプラスチック製容器を浸潰した際の浸漬時間を示し、縦軸は水に浸漬する前の剝離強度で正規化した剥離強度を示す。図 5 Aに示すように、本発明の熱水可溶性接着剤を用いたタックラベル付き容器において、 2 2 °Cの水に浸漬した場合 1 2 0分経過しても剝離強度はほとんど変化せず、 4 0 °Cの温水に浸潰した場合若干剥離強度が低下してる。一方、 7 5 °Cの熱水に浸潰した場合、経過時間と共に剝離強度が急激に低下し、約 2 0分経過後には剥離強度はほぼ零となり容器表面から剝離した。これに対して、通常の合成樹脂製の接着剤を用いたタックラベル付き容器の場合、経過時間に対して剝離強度はほとんど変化せず、しかも水の温度に対する差異は認められなかった。

また、従来の水溶性接着剤を用いたタックラベル付き容器の場合、 2 2 °C、 4 0 °C温度 7 5 °Cの全ての水温に対して浸漬後直ちに剝離強度は急激に低下し、 7 5 °Cの熱水の場合約 2 0分経過後に剥離強度はほぼ零になり、 4 0 °Cの温水の場合 3 0分経過後に剝離強度が零になり、 2 2 °Cの常温の場合 6 0分経過後に剝離強度が零になった。

上述した実験結果から明らかなように、従来の水溶性接着剤を有するタックラベルでは、常温の水に対して容易に剥離するため、容器の洗浄工程においてタツクラベルが容器から剥離するおそれがあり、実用性に耐えることができないものである。また、従来の合成樹脂製の接着剤を有するタックラベルの場合、水に対する接着性能は良好であるが、熱水に対しても高い剥離強度を有するためリサィクル処理には不適当である。これに対して、本発明のタックラベルによれば、 2 2 °Cの常温の水に対して 2時間浸漬してもほとんど剥離強度は低下せず、一方 7 5 °C熱水に対しては 2 0分間浸潰しただけで剥離強度が零になり、容器から自然に剝離し、従つて洗浄工程及び再生処理工程の両方に対して極めて好適な特性を有している。

このように、本発明のタックラベルは、接着剤層 5が熱水可溶性接着剤で構成されているため、タツクラベル 1を貼着したタツクラベル付きボトルを熱水に浸漬すると、接着力が大きく低下し、特別な剝離作業を行うことなく容器から剝離することができる。この際、前記のようにボトル 7との接着面積が極めて小さいため、タックラベル 1を容易に剝離できる。し力、も、前記接着剤は熱水に溶解するため、剝離したタックラベル 1はボトル 7に再付着しにくい。さらに、ボトル 7はポリエステルからなるブロー成形品であるため、熱水に浸漬すると熱収縮変形する。このときの熱収縮力はタックラベル 1とボトル表面との位置ずれ作用を起こし、タックラベル 1の剝離促進に寄与する。このため、ポリエステル製ボトルの再生処理ェ捏において、例えば、前記タックラベル 1を貼付したポリエステノレ製 2軸延伸ブロー成形ボトルを熱水処理することにより、熱水が接着剤を溶解させ、接着力を低下させるとともに、ボトルが縦横 2軸に収縮変形し、タツクラベル 1はボトル表面との位置ずれを起こし容易に剥離する。また、前記接着剤は熱水に溶解されているため、タックラベル 1がボトル表面に再付着することはない。

また、ポリエステルの比重は 1以上（1 . 3〜1 . 4程度）であるためボトル 7 (又はその粉砕物）は水中に沈むのに対し、ラベル基材 2は比重 1未満の材料で形成されているので水に浮くという性質を有する。このため、ポリエステル製ボトルの再生工程において、例えば、使用済みボトルを洗浄、粉砕し、攪拌洗浄した後、剥離したタックラベル 1 (粉砕物）とボトル 7 (粉砕物）とを、水中での浮き沈み（比重差）を利用して極めて容易に分離できる。

このように、ボトル 7に貼着したタックラベル 1を再生処理設備における熱水処理等の再生工程で効率よく剥離、除去でき、且つ手でも容易に剝がすことができることから、ポリエステル製ボトルのリサイクルが極めて容易となる。

また、上記の例では、印刷層 3の表面に被覆層 4が形成されているので、印刷層 3が保護されるとともに、被覆層 4を構成する樹脂等を適宜選択することによりラベル表面に光沢を付与することができる。

前記ラベル基材 2を構成する材料の比重は 1未満であればよく、通常 0 · 3〜 0 . 9 9、好ましくは 0 . 7 5〜0 . 9 7程度である。ラベル基材 2としては、耐水性を有する合成紙、プラスチックフィルムゃこれらの積層体等の何れであつてもよく、印刷適性、接着剤との親和性、ラベル剝離後のボトルとの分離性等を考慮して適宜選択できる。前記合成紙には、内部紙化法合成紙〔商品名：ュポ（王子油化合成紙（株）製）など〕、表面塗工法合成紙〔商品名：ピーチコート（日清紡績（株）製）など〕、スパンボンド法合成紙〔商品名： T Y V E K (デュボン社製）など〕などが含まれる。また、前記プラスチックフィルムとして、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフインフィルムや発泡ポリスチレンフィルム、発泡ポリエステルフィルム、発泡ポリオレフインフィルムなどの発泡プラスチックフィルムなどが例示できる。プラスチックフィルムは延伸フィルム及び無延伸フィルムの何れであってもよい。これらの中でも、ラベル基材として、印刷性、剛性、コスト、ラベリング適性などに優れていること力、ら、商品名「ュポ」などのポリオレフイン系樹脂の内部紙ィ匕合成紙や延伸ポリプロピレンフィルムが好ましい。

ラベル基材 2の厚みは、タックラベル 1とした際の取扱性、作業性等を損なわない範囲で選択できるが、一般には 2 0〜2 0 0 m程度である。

ラベル基材 2のうち印刷層 3側の表面は、印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの慣用の表面処理が施されていてもよい。

印刷層 3は、商品名や取扱い注意事項などの文字、画像などを表示する層であり、スクリーン印刷、凸版輪転印刷、グラビア印刷等の慣用の印刷法により形成できる。

被覆層 4を構成する材料としては、印刷層 3を保護可能な材料であれば特に限定されず、例えば、ポリェチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂；ポリスチレン、スチレンをコモノマーとして含むスチレン共重合体などのポリスチレン系樹脂；ポリ塩ィヒビニル；ポリ塩化ビニリデン；ポリエステルなどの樹脂などが使用でき、被覆層 4はこれらの樹脂のコ一ティング又はフィルムラミネ ―トにより形成できる。上記樹脂の中でもポリオレフィン系樹脂を用いる場合が多く、例えば、延伸ポリプロピレンフィルムを印刷層 3の表面にラミネー卜することにより被覆層 4を形成できる。被覆層 4を構成する材料の比重は、前記ラベル基材 2の場合と同様の理由から、 1未満（例えば 0 . 8 5〜 0 . 9 9程度、特に 0 . 8 7〜 0 . 9 7程度）であるのが好ましい。

被覆層 4の厚みは、タックラベル 1とした際の取扱性等を損なわない範囲で適当に選択でき、例えば 1 0〜 5 0 zm程度である。

被覆層 4は、例えば、粘着ラミネーシヨン、ドライラミネ一シヨン、押出ラミネ一シヨンなどの慣用のラミネート加工やコーティング加工などにより形成できる。なお、本発明では、必ずしも前記被覆層 4を設ける必要はない。

前記接着剤層 5を構成する熱水可溶性接着剤としては、熱水（例えば 6 0〜 1 0 0 °C程度の熱水）に溶解する接着剤であれば特に限定されないが、常温（例えば 1 5 °C) の水には溶解しにくいのが好ましい。特に好ましい接着剤層は、タツクラベルを被着物（例えば、ポリエステル製ボトル）に該接着剤層を介して貼着した接着物を 4 0 °Cの水に浸漬した場合には 3 0分以上（好ましくは 2時間以上、さらに好ましくは 6時間以上）剝離せず、且つ 7 5 °C以上（例えば 7 5〜 9 5 °C 程度）の熱水に浸漬した場合には 3 0分以内に剝離可能な接着剤で形成されている。このような接着剤層を有するタックラベルを用いると、ラベルをポリエステル製ボトルなどの被着物に貼着した後、この接着物を水に浸漬しても容易には剝がれなレ、ので、ラベル貼着後でも内容物の充塡等のため水道水などの通常の水によりボトル内部などを洗浄できるとともに、所定の目的を達した後には、熱水により容易に剝離、除去することができる。

前記熱水可溶性接着剤として、例えば、アクリル系粘着剤などの感圧接着剤等を使用できる。好ましい熱水可溶性接着剤として、熱水に対する溶解性が高く且つ再接着しにくい接着剤、例えば、ベースポリマーに、アクリル酸ェチル、ァクリル酸ブチル、ァクリル酸 2 —ェチルへキシル等のァクリノレ酸アルキルエステル

(例えば、アクリル酸 C 2 。アルキルエステル）や、メタクリル酸プチル、メタクリル酸 2—ェチルへキシル等のメタクリル酸アルキルエステル（例えば、メタクリル酸 C ₄— _{1 2}アルキルエステル）を主モノマー成分として、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等のコモノマ一成分と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマ一や 2—ヒドロキシェチル（メタ）ァクリレート等のヒドロキシル基含有モノマ一等の成分を主とした共重合体を使用し、親水性を向上させるため、ポリオキシエチレンノニルフヱニルェ一テル、ポリォキシェチレンォクチルフヱニルエーテル等のノニォン系界面活性剤を加えたものなどのアタリル系水溶性粘着剤などが挙げられる。

接着剤層 5の厚みは、例えば 3〜 1 0 0〃m、好ましくは 1 0〜 4 0〃m程度でめる。

接着剤層 5は、熱水可溶性接着剤を含む接着剤組成物（ェマルジヨン、溶液など）をロールコーター、バーコ一ター、ナイフコ一ター、スプレーなどの慣用のコ一ティング手段を用いてラヘル基材 2上に塗工することにより形成できる。非粘着性マスキング層 6を構成するマスキング剤としては、接着剤層 5上に非粘着性の被覆層を形成可能なものであればよく、例えば、ニス、塗料、印刷インク、ァクリル系樹脂（ポリメタクリル酸メチルなど）、酢酸ビニル、塩化ビニル、ポリスチレン、塩化ビニル一酢酸ビニル共重合体、エチレン一酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール等の合成樹脂などを使用できる。特に、紫外線硬化型の印刷ィンキを印刷法により施して非粘着性マスキング層 6を形成するのが好ましい。

非粘着性マスキング層 6の厚みは、タックラベル 1をボトル 7に貼着する際の操作性ゃタックラベル 1の貼着安定性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、通常、 2〜3 0〃m、好ましくは 3〜1 5 程度である。

非粘着性マスキング層 6は、接着剤層 5表面のうち中央部に周縁部を環状に余して形成され、かつ接着剤層 5表面のうち一端縁部に、ボトルからの剝離作業時にボトル表面との間に引き剥がし溶間隙が確保できるように形成されていればよく、その平面形状は、四角形状、三角形状、円状、楕円状等の何れであってもよい。

また、非粘着性マスキング層 6の全表面積は、接着剤層 5 (又はラベル基材 2 ) の全表面積に対して、例えば 2 0〜9 5 %、好ましくは 6 0〜8 5 %程度である。非粘着性マスキング層 6の表面積が 2 0 %以下となると、ボトルからの剝離作業時のラベル剝離性が低下しやすく、逆に接着面積が小さすぎると、流通過程にお、てラベルが容器から剝離する危険性がある。

非粘着性マスキング層 6は、慣用の方法（例えば、特許第 1 5 0 4 3 0 6号の明細書に記載の糊面印刷法など）により形成できる。

なお、本発明のタックラベル Bにおいては、必ずしも非粘着性マスキング層を設けなくてもよいが、手で剝がす際につまみやすくするため、接着剤層の表面のうち少なくとも一端縁部に非粘着性マスキング層を設けるのが好ましく、特に、前記のように、非粘着性マスキング層を、接着剤層の表面のうち中央部と該中央部から離隔した一端縁部とに、前記接着剤層が環状に露出するように設けるのが望ましい。

タックラベル 1の接着剤層 5側の表面には、通常、離型シート（セパレータ） (図示せず）が貼付されており、タックラベル 1をボトル 7に貼着する際には、前記離型シ一トを剝がして使用に供される。

なお、本発明において、ラベル基材 2の形状やサイズは特に限定されず、被貼着物であるポリエステル製ブローボトルの形状、サイズ等に応じて適宜選択できる。

本発明のタックラベル付きポリエステル製ボトルにおいて、ブロー成形ボトル 7本体を構成する材料としては、慣用のポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレ一卜樹脂などが使用される。ボトル 7は慣用のブロー成形法（例えば 2軸延伸ブロー成形）により製造できる。また、ポリエステル製ボトル 7へのタックラベル 1の貼着は、慣用のラベル貼着機により行うことができる。以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。

ラベル基材 2としてのォレフィン系樹脂から成る比重 0 . 8 4の内部紙化法合成紙〔商品名：ュポ（王子油化合成紙（株）製）、 1 7 O mmx 1 4 0讓、厚み 8 0 〕の片面に、熱水可溶性接着剤として、ァクリル酸ブチルとァクリル酸 2 一ェチルへキシルを主成分としたァクリル酸アルキルエステル系の共重合体からなるァクリル系のェマルジヨン型粘着剤を 2 5 の厚さに塗布して接着剤層 5 を形成し、この接着剤層 5の上にセパレ一タを積層してラベル原紙を作製した。このラベル原紙のラベル基材 2の表面に印刷層 3を形成し、さらに印刷層 3の上面に図示しない接着剤層を介して延伸ポリプロピレンフィルム（比重 9 2 、厚み 2 0 ) を被覆層 4として積層し、接着剤層 5から前記セパレータを剝離した後、該接着剤層の表面（ラベルとしての裏面側）のうち、中央部 6 aと該中央部から離隔した一端縁部 6 bとに、紫外線硬化型印刷インキからなる非粘着性マスキング剤を厚さ 5 で、接着剤層 5がラベル周囲に約 1 0 議幅の環状に露出するように塗布し、塗布面に紫外線を照射して該インキを硬化した後、再度セパレ一タを積層してタックラベル 1とした。なお、接着剤層 5の露出率は 2 2 % であつた

このタックラベル 1をセパレー夕から剝離して、容量 4 1の丸形ポリエステル 2軸延伸ブロー成形ボトルに既存のラベラーで貼付したところ、皺、浮きなどなく、美麗に且つ確実に貼着できた。このボトルを 8日間室温で補間した後、試験を行った。その結果を以下に示す。

( 1 ) 上記タックラベル付きポリエステルボトルを 9 2 °Cの熱水に 3 0分間浸漬したところタックラベルは完全に剝離した。また、剝離したタックラベルは水にうき、ボトルと容易に分離できた。

( 2 ) 上記タックラベル付きポリエステルボトルのタックラベルは、端縁部 6 bを指でつまんで引き剥がすと、周囲のみ接着されているため、容易に剥離できた。また、接着部分の剝離強度（J I S Z 0237に規定の「 1 80度引きはがし法」に準ずる）を測定したところ、 9. 5 N/1 5讓であった。

(3) 上記タックラベル付きポリエステルボトルを 40°Cの水に浸漬し、 30 分放置したが外観上変化がなく、タックラベルも剝離しなかつた。

Claims

請求の範囲 . シート状のラベル基材と、ラベル基材の第 1の表面に形成した印刷層と、ラベル基材の第 1の表面と対向する第 2の表面に形成した接着剤層とを具えるタックラベルにおいて、

前記接着剤層を、常温の水には溶解しにくく熱水に溶解し易い特性を有する熱水可溶性接着剤で構成したことを特徴とするタツクラベル。

. 前記接着剤層をアクリル系の水溶性接着剤で構成したことを特徴とする請求項 1に記載のタックラベル。

. 前記接着剤層の一部の領域に非接着性のマスキング層が形成され、前記接着剤層の一部の領域だけが粘着性を有することを特徴とする請求項 1に記載のタックラベノレ。

. 前記マスキング層が接着剤層のほぼ中央部分に形成され、前記接着剤層が環状の粘着性領域を有することを特徴とする請求項 2に記載のタックラベル。. 前記非粘着性のマスキング層が、前記接着剤層の中央部分と一部の端縁に形成されていることを特徴とする請求項 3に記載のタツクラベル。

. 前記マスキング層の表面積を、前記接着剤層の表面積の 5〜 9 0 %としたことを特徴とする請求項 3に記載のタックラベル。

. 前記ラベル基材を、比重が 1未満の材料で構成したことを特徴とする請求項 1に記載のタックラベル。

. 容器本体にタックラベルが貼付されている夕ックラベル付きプラスチック製容器であって、前記タックラベルが、シート状のラベル基材と、ラベル基材の第 1の表面に形成した印刷層と、ラベル基材の第 1の表面と対向する第 2の表面に形成され、タックラベルを容器本体の表面に接着するための接着剤層とを具え、前記接着剤層を常温の水には溶解しにくく熱水に溶解し易い特性を有する熱水可溶性接着剤で構成し、前記タックラベルが常温水の処理環境下において容器本体から剝離せず熱水の環境下において容器本体から剝離し易い特性を有することを特徴とするタックラベル付きプラスチック製容器。

9 . 前記タックラベルが、容器本体を 4 0 °Cの水に浸貴した場合 3 0分以上経過しても容器本体から剝離せず、 7 5 °Cの熱水に浸責した場合 3 0分以内で容器本体から剝離することを特徴とする請求項 8に記載のプラスチック製容器。

10. 前記接着剤層の一部の領域に非粘着性のマスキング層が形成され、タツクラベルの一部分だけが容器本体の表面に接着されていることを特徴とする請求項 8に記載のプラスチック製容器。

11. 前記タックラベルと容器本体との間に環状の接着領域が形成されていることを特徴とする請求項 1 0に記載のプラスチック製容器。

12. 前記タツクラベルのラベル基材を、比重が 1未満の材料で構成したことを特徴とする請求項 8に記載のプラスチック製容器。