WO2005004419A1

WO2005004419A1 - 通信システム、マルチキャスト対応ルータ、送信端末、受信端末及び通信方法

Info

Publication number: WO2005004419A1
Application number: PCT/JP2004/009663
Authority: WO
Inventors: Ken Igarashi; So Ishida; Harunobu Fukazawa
Original assignee: Ntt Docomo, Inc.
Priority date: 2003-07-07
Filing date: 2004-07-07
Publication date: 2005-01-13
Also published as: US20070121574A1; US7620045B2; EP1667381A1; EP1667381A4

Abstract

　通信システム（１）は、ＵＲ（２０ａ～２０ｈ）と、送信端末（１０）とを備える。ＵＲ（２０ａ～２０ｈ）は、転送先アドレスを保持するエントリ保持部（２１ａ～２１ｈ）と、送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて、転送先アドレスとして他のＵＲのアドレスをエントリ保持部（２１ａ～２１ｈ）に登録するメッセージ処理部（２５）と、送信先アドレスにＵＲのアドレスの追加を要求する参加要求メッセージを送信端末アドレス宛に提供するメッセージ提供部（２６）とを含む。送信端末（１０）は、送信先アドレスを保持するエントリ保持部（１１）と、参加要求メッセージに基づいて送信先アドレスとしてＵＲ（２０ａ～２０ｈ）のアドレスをエントリ保持部（１１）に登録するメッセージ処理部１４とを含む。

Description

明細書

通信システム、マルチキャスト対応ルータ、送信端末、受信端末及び通 1 方法

技術分野

[0001] 本発明は、通信システム、マルチキャスト対応ルータ、送信端末、受信端末及び通信方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、複数の受信端末にパケットを送信するマルチキャストが行われている（

Thomas A. Maufer著,楠本博之訳，「IPマルチキャスト入門」）。通信システムでは、 I ETF (Internet Engineering Task Force)において標準化が進められている SSM ( bource-bpecinc Multicast) (Internet Draft, 「draft_ietf— ssm_overviw-xx.txt」、「電気情報通信学会和文論文誌 B」, Vol. J85-B, No.8, pp. l207_1214)、 IGMPv3 ( Internet Management Protocol Version ό) (RFC3376, internet Management Protocol Version 3」 )、 HBH (Hop by Hop Multicast Routing Protocol) ( L.HMK Costa, S.Fidia and O CMB Duarte,「H〇P by HOP Multicast Routing ProtocolJ , ACM SIGCOM 2001, Aug. 2001)、 PIM—SM (Protocol Independent Multicast— Sparse Mode) (RFC2362,「Protocol Independent

Multicast-Sparse Mode (PIM—SM) ： Protocol SpecificationJ )等のプロトコルを用レヽ

[0003] 又、マルチキャストパケットを送信する送信端末が移動し、そのアドレスが変わった場合でも通信を継続するために、 MIP—BT (Mobile IP Bi— Directional Tunneling) が提案されている。 MIP—BTでは、フォーリンネットワーク（Foreign Network)に移動した送信端末力送信されたマルチキャストパケットを、ホームエージェント（Home Agent)経由で転送することにより、通信の継続を図っている。

発明の開示

[0004] し力ながら、従来の通信システムでは、全てのルータがマルチキャストプロトコノレに対応したマルチキャスト対応ルータでなければ、マルチキャストパケットを転送できなかった。即ち、従来の通信システムでは、マルチキャスト対応ルータとマルチキャストプロトコルに対応していないマルチキャスト非対応ルータが混在する場合、マルチキャストパケットを転送できなかった。

[0005] そこで、本発明は、通信システムにマルチキャスト非対応ルータが存在しても、適切なマルチキャストツリーを設定し、マルチキャストパケットを転送することを目的とする。

[0006] 本発明の通信システムは、マルチキャスト対応ルータと送信端末とを備える。マルチキャスト対応ルータは、マルチキャスト対応ルータがマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスを保持する転送先保持部と、送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて、転送先アドレスとして他のマルチキャスト対応ルータのアドレスを転送先保持部に登録する転送先登録部と、送信端末がマルチキャストパケットを送信する送信先アドレスにマルチキャスト対応ルータのアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを送信端末アドレス宛に提供するルータメッセージ提供部とを含む。送信端末は、送信先アドレスを保持する送信先保持部と、参加要求メッセージに基づレ、て、送信先アドレスとしてマルチキャスト対応ルータのアドレスを送信先保持部に登録する送信先登録部とを含む。

[0007] 転送先アドレスは、マルチキャスト対応ルータがマルチキャストパケットを転送するァドレスである。送信先アドレスは、送信端末がマルチキャストパケットを送信するァドレスである。送信端末アドレスは、送信端末のアドレスである。マルチキャストグループアドレスは、マルチキャストグループを示すアドレスである。

[0008] 本発明の通信方法は、転送先アドレスを保持する転送先保持部に、送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて転送先アドレスとして他のマルチキャスト対応ルータのアドレスを登録し、送信先アドレスにマルチキャスト対応ルータのアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを、送信端末アドレス宛に送信する。そして、送信端末が、参加要求メッセージに基づいて、送信先アドレスとしてマルチキャスト対応ルータのアドレスを、送信先アドレスを保持する送信先保持部に登録する。

[0009] このような通信システムや通信方法によれば、マルチキャスト対応ルータが転送先

^応ルータのアドレスを保持できる。送信端末は、送信先アドレスとしてマルチキャスト対応ルータのアドレスを保持できる。そのため、送信端末からマルチキャスト対応ルータを経由して受信端末にマルチキャストバケツトが転送される適切なマルチキャストツリーが設定される。

[0010] よって、送信端末とマルチキャスト対応ルータとの間やマルチキャスト対応ルータ間に存在するマルチキャスト非対応ルータは、マルチキャストパケットをュニキャストで転送するだけでよレ、。このように通信システムは、マルチキャスト非対応ルータが存在しても、適切なマルチキャストツリーを設定し、マルチキャストパケットを転送することができる。

[0011] 尚、このように本発明では、一部のルータがュニキャストによりマルチキャストバケツトを転送する。そのため、本発明により実現するマルチキャストのプロトコルを通常のマルチキャストプロトコルと区別するために、特に、「ュニキャスト拡張マルチキャストプロトコノレ（Unicast Extension Multicast Protocol、以下「UMP」と表す）」と呼ぶ。更に、 UMPに対応しているルータを「UMPルータ」、 UMPに対応していないルータを「非 UMPルータ」と呼ぶ。

図面の簡単な説明

[0012] [図 1]本発明の第 1の実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。

[図 2]本発明の第 1の実施形態に係る URの構成を示すブロック図である。

[図 3]本発明の第 1の実施形態に係る URのエントリ保持部を示す図である。

[図 4]本発明の第 1の実施形態に係る送信端末の構成を示すブロック図である。

[図 5]本発明の第 1の実施形態に係る送信端末のエントリ保持部を示す図である。

[図 6]本発明の第 1の実施形態に係る URがパケットを受信した時の動作手順を示すフロー図である。

[図 7]本発明の第 1の実施形態に係る URが行うマルチキャストパケットの処理手順を示すフロー図である。

[図 8]本発明の第 1の実施形態に係る URが行う Joinメッセージの処理手順を示すフロー図である。

[図 9]本発明の第 1の実施形態に係る URが行う Pruneメッセージの処理手順を示すフロー図である。 [図 10]本発明の第 1の実施形態に係る受信端末によりマルチキャストパケットの送信が要求された際の手順を示すシーケンス図である。

[図 11]本発明の第 1の実施形態に係る受信端末によりマルチキャストパケットの送信が要求された際の通信システムを示す図である。

[図 12]本発明の第 1の実施形態に係るマルチキャストパケットの転送手順を示すシーケンス図である。

[図 13]本発明の第 1の実施形態に係るマルチキャストパケットの転送を示す図である

[図 14]本発明の第 1の実施形態に係る受信端末のマルチキャストツリーへの参加における手順を示すシーケンス図である。

[図 15]本発明の第 1の実施形態に係る受信端末のマルチキャストツリーへの参加を示す図である。

[図 16]本発明の第 1の実施形態に係る新たに設定されたマルチキャストツリーに従つたマルチキャストパケットの転送を示す図である。

[図 17]本発明の第 1の実施形態に係る複数の受信端末がマルチキャストツリーに参加している状態におけるマルチキャストパケットの転送を示す図である。

[図 18]本発明の第 1の実施形態に係るマルチキャストツリーが安定状態に移行した際の通信システムを示す図である。

[図 19]本発明の第 1の実施形態に係るマルチキャストツリーからの離脱における手順を示すフロー図である。

[図 20]本発明の第 1の実施形態に係るマルチキャストツリーからの離脱の際の通信システムを示す図である。

[図 21]本発明の第 1の実施形態に係る離脱後のマルチキャストパケットの転送を示す図である。

[図 22]本発明の第 2実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。

[図 23]本発明の第 2の実施形態に係る受信端末のマルチキャストツリーへの参加における手順を示すシーケンス図である。

[図 24]本発明の第 2の実施形態に係る受信端末のマルチキャストツリーへの参加を示す図である。

[図 25]本発明の第 2の実施形態に係る新たに設定されたマルチキャストツリーに従つたマルチキャストパケットの転送を示す図である。

[図 26]本発明の第 3の実施形態に係る受信端末のマルチキャストツリーへの参加における手順を示すシーケンス図である。

[図 27]本発明の第 3の実施形態に係る受信端末のマルチキャストツリーへの参加を示す図である。

[図 28]本発明の第 3の実施形態に係る新たに設定されたマルチキャストツリーに従つたマルチキャストパケットの転送を示す図である。

[図 29]本発明の第 4の実施形態に係る送信端末が移動した際の通信システムにおける動作を示す図である。

[図 30]本発明の第 5の実施形態に係る通信システムを示す図である。

[図 31]本発明の第 5の実施形態に係るマルチキャストツリーの初期状態における処理を示す図である。

[図 32]本発明の第 5の実施形態に係るマルチキャストツリーの初期状態における受信端末の参加を示す図である。

[図 33]本発明の第 5の実施形態に係るマルチキャストツリーの安定状態における処理を示す図である。

[図 34]本発明の第 5の実施形態に係るマルチキャストツリーの安定状態における受信端末の参加を示す図である。

[図 35]本発明の第 5の実施形態に係る Joinメッセージ受信時の処理手順を示すフロ一図である。

[図 36]本発明の第 5の実施形態に係る Pruneメッセージ受信時の処理手順を示すフロー図である。

[図 37]本発明の第 5の実施形態に係るマルチキャストパケットの転送手順を示すシーケンス図である。

[図 38]本発明の第 6の実施形態に係る通信システムの送信端末が移動した直後の状態を示す図である。 [図 39]本発明の第 6の実施形態に係る受信端末の構成を示すブロック図である。

[図 40]本発明の第 6の実施形態に係る受信端末のエントリ保持部を示す図である。

[図 41]本発明の第 6の実施形態に係る送信端末アドレス変更前後のマルチキャストツリーが併存する状態を示す図である。

[図 42]本発明の第 6の実施形態に係る送信端末アドレス変更後のマルチキャストッリ一のみが維持された状態を示す図である。

[図 43]本発明の第 6の実施形態に係る URの動作手順を示すフロー図である。

[図 44]本発明の第 6の実施形態に係る受信端末の動作手順を示すフロー図である。発明を実施するための最良の形態

[0013] [第 1の実施形態]

〔通信システム〕

図 1に示すように、通信システム 1は、送信端末 10と、複数の UMPルータ（UMP Router,以下「UR」と表す） 20a— 20hと、複数の非 UMPルータ（Non— UMP Ro uter、以下「NR」と表す） 30a— 30fと、複数の受信端末 40a— 40dとを備える。送信端末 10と、 UR20a— 20hと、 NR30a— 30fは、階層的に接続される。通信システム 1では、最上流に送信端末 10が配置され、最下流に UR20f 20hと、 NR30d 30 fが配置される。

[0014] 送信端末 10には送信端末アドレス「S」が付与されている。受信端末 40a, 40b, 40 c， 40dにはそれぞれアドレス「R1」、「R2」、「R3」、「R4」が付与されている。 UR20a , 20b, 20c, 20d, 20e, 20f, 20g, 20hにはそれぞれアドレス「UR1」、「UR2」、「 UR3」、「UR4」、「UR5」、「UR6」、「UR7」、「UR8」が付与されている。 NR30a, 3 Ob, 30c, 30d, 30e, 30f, 30gにはそれぞれアドレス「NR1」、「NR2」、「NR3」、「 NR4」、「NR5」が付与されている。尚、通信システム 1では、 IPv6を用いる力 IPv4 を用いてもよい。

[0015] 送信端末 10は、送信先アドレスにマルチキャストパケットを転送する。受信端末 40a 一 40dは、マルチキャストパケットを受信する。 UR20a— 20h及び NR30a— 30fは、送信端末 10と受信端末 40a— 40dとの間に設定されたマルチキャストパケットの転送経路（以下、「マルチキャストツリー」という）に従って、転送先アドレスにマルチキャストパケットを転送する。

[0016] UR20a— 20eは、複数の転送先アドレスにマルチキャストパケットを転送する分岐ノレータになること力 Sできる。受信端末 40a— 40dと UR20f, 20g, 20h、 NR30d, 30 e, 30fは無線通信を行う。送信端末 10と、 UR20a— 20hと、受信端末 40a 40dは、マルチキャストツリーを設定する。

[0017] (URの構成）

まず、 URの構成について UR20aを例にとって説明する。図 2に示すように、 UR2 Oaは、エントリ保持部 21 aと、受信部 22と、転送部 23と、転送制御部 24と、メッセ一ジ処理部 25と、メッセージ提供部 26とを備える。尚、 UR20b— 20hも UR20aと同様の構成を備える。

[0018] 受信部 22は、送信端末 10、他の URや NR、受信端末 40a 40d力、ら、マルチキヤストパケットや制御メッセージを受信する。マルチキャストパケットには送信端末 10からのデータが含まれる。又、マルチキャストパケットは、送信端末と URとの間、及び、 UR間はカプセル化されて転送される。制御メッセージは、マルチキャストツリーの設定ゃ維持、変更等、マルチキャストツリーの制御に関するメッセージである。

[0019] 制御メッセージには、 Joinメッセージ、 Membership Report, Stableオプションが設定され^ Joinメッセージ（以下「Stable Joinメッセージ」という）、 Stableオプションが設定された Membership Report (以下「 Stable Membership Report」とレヽぅ )、 Pruneメッセ¹ ~~シ、 Leave roup ッセーシ、 Redirectメッセ¹ ~~ン、 Bmamg U pdateメッセージ（以下「BUメッセージ」と表す）、 Location Updateメッセージ（以下「LUメッセージ」と表す）等がある。 Joinメッセージ、 Stable Joinメッセージ、 Pmn eメッセージ、 Redirectメッセージのヘッダには、制御メッセージであることを示す特別なオプションが設定される。

[0020] Joinメッセージや Membership Reportは、送信端末 10がマルチキャストパケットを送信する送信先アドレスや、 UR20a 20hがマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスに、アドレスを追加することを要求する参加要求メッセージである。即ち、参加要求メッセージは、マルチキャストパケットの送信を送信端末 10に要求する制御メッセージである。 [0021] マルチキャストツリーには、初期状態と安定状態がある。マルチキャストツリーは、初期状態から安定状態に移行する。マルチキャストツリーは、新たに参加する受信端末が減少すると、安定状態に移行したと判断される。既にそのマルチキャストパケットについてマルチキャストツリーが設定されている場合には、 Joinメッセージや Members hip Reportは、マルチキャストツリーの初期状態において送信されるマルチキャストツリーを維持するための維持要求メッセージとなる。 Stable Joinメッセージや Stabl e Membership Reportは、マルチキャストツリーが安定状態に移行した後に送信されるマルチキャストツリーを維持するための維持要求メッセージである。

[0022] Pruneメッセージや Leave Groupメッセージは、マルチキャストツリーからの離脱を要求する離脱要求メッセージである。 Joinメッセージ、 Pruneメッセージは、 UR20 a 20hや受信端末 40a— 40dが送信する。 Membership Report、 Leave Grou pメッセージは、受信端末 40a— 40dが送信する。

[0023] Redirectメッセージは、アドレスを送信先アドレスや転送先アドレスに追加し、アドレスを送信先アドレスや転送先アドレスから削除することを要求する参加/離脱要求メッセージである。 Redirectメッセージは、 Joinメッセージと Pruneメッセージを含む。具体的には、 Ridirectメッセージは、転送先アドレスや送信先アドレスへの追加を要求するアドレスと、転送先アドレスや送信先アドレスからの削除を要求するアドレスを含む。

[0024] BUメッセージは、送信端末アドレスが変更された場合に、送信先アドレスに送信端末アドレスの変更を通知する変更通知メッセージである。 LUメッセージは、送信端末アドレスが変更された場合に、受信端末に変更後の送信端末アドレスを通知する位置更新メッセージである。例えば、 LUメッセージは、送信端末 10の移動等により送信端末アドレスが変更された場合に、変更前の送信端末アドレスと変更後の送信端末アドレスとを対応付けて通知し、受信端末に対して移動を通知する。送信端末は、 LUメッセージを、 LUメッセージ単独で送信してもよぐマルチキャストパケットに付加して転送してあよレ、。

[0025] 受信部 22は、ヘッダのオプションに基づいて、制御メッセージであるかマルチキヤストパケットであるかを判断する。受信部 22は、制御メッセージをメッセージ処理部 25 に入力する。受信部 22は、マルチキャストパケットを転送制御部 24に入力する。このとき、受信部 22は、マルチキャストパケットがカプセルィ匕されている場合には、ディ力プセル化し、取り出したマルチキャストパケットを入力する。尚、受信部 22は、 UR20a 自身を宛先としないパケットは、そのまま転送部 23に入力する。

[0026] 転送部 23は、送信端末 10、他の URや NR、受信端末 40a 40dに制御メッセ一ジを転送する。転送部 23は、他の URや NR、受信端末 40a 40dにマルチキャストパケットを転送する。転送部 23は、受信部 22や転送制御部 24からマルチキャストパケットを取得する。転送部 23は、メッセージ処理部 25やメッセージ提供部 26から制御メッセージを取得する。

[0027] エントリ保持部 21aは、転送先アドレスを保持する転送先保持部である。図 3に示すように、エントリ保持部 21aは、テーブル種別、送信端末アドレス、マルチキャストグノレ一プアドレス、トンネル元アドレス、前トンネル元アドレスに対応付けて、転送先ァドレス、 KAT (Keep Alive Timer)、 JT (Join Timer)を保持する。

[0028] テーブル種別には、マルチキャスト制御テーブル（Multicast Control Table、以下「MCT」と表す）と、マルチキャスト転送テーブル（Multicast Forwarding Table、以下「MFT」と表す）がある。 MCTは、マルチキャストツリーを設定するために用いる情報を保持する。 MFTは、マルチキャストツリーの設定及びマルチキャストパケットの転送に用いる情報を保持する。

[0029] 送信端末アドレスは、送信端末 10の移動等により変更される場合がある。そのため、エントリ保持部 21aは、送信端末 10の現在位置における現在の送信端末アドレスの MCTエントリや MFTエントリと、変更前の送信端末アドレスの MCTエントリや MF Tエントリを保持できる。

[0030] マルチキャストツリーや、マルチキャストパケットは、送信端末アドレスとマルチキャストグル一プアドレスとの組み合わせによって、どの送信端末 10からのどのマルチキヤストグループに関するものであるかを特定できる。送信端末 10がマルチキャストパケットを転送するマルチキャストグループには、マルチキャストグループアドレス「G」が付与されている。

[0031] エントリ保持部 21aは、送信端末アドレスとマルチキャストグノレープアドレスとを関連付けて保持する。エントリ保持部 21aが保持するエントリは、送信端末アドレスとマノレチキャストグループアドレスとの組み合わせによって特定できる。 UR20aが送信端末アドレス「S」及びマルチキャストグループアドレス「G」で識別されるマルチキャストッリ一に参加している場合、エントリ保持部 21aは、 UR20aが参加しているマルチキャストッリ一に関するエントリを保持する。

[0032] トンネル元アドレスは、 URが受信したマルチキャストパケットのカプセル化に用いられている送信元アドレスである。そのため、例えば、 UR20aのエントリ保持部 21aに登録されるトンネル元アドレスは、送信端末アドレス「S」となる。前トンネル元アドレスは、トンネル元アドレスが変更された場合の変更前のトンネル元アドレスである。転送先アドレスは、 URがマルチキャストパケットを転送する転送先を示すアドレスである。

[0033] KATは、転送先アドレスや送信先アドレスの保持時間を計測するタイマ値である。

KATは、転送先アドレスと対応付けて保持する。保持時間は、送信端末 10や UR20 a— 20fが転送先アドレスや送信先アドレスを保持しておく時間である。図 3において、 KAT (UR3)は、転送先アドレス「UR3」の KAT、 KAT (UR2)は、転送先アドレス「UR2」の KATを示す。 KATが満了した転送先アドレスは、エントリ保持部 21aから削除される。

[0034] JTは、 Joinメッセージの送信開始までの時間を計測するタイマ値である。 JTの満了により Joinメッセージが送信される。 MFTエントリの KATが満了していない限り、 JT は JT満了時に再起動される。 JTは、送信端末アドレス、マルチキャストグノレープアドレスに対応付けて保持する。テーブル種別が MCTの場合、トンネル元アドレス、前トンネル元アドレス、 JTを保持する必要はなレ、。

[0035] 転送制御部 24は、転送先アドレスに基づレ、てマルチキャストパケットの転送を制御する。具体的には、転送制御部 24は、受信部 22からマルチキャストパケットを取得する。転送制御部 24は、エントリ保持部 21aを検索し、取得したマルチキャストパケットに含まれる送信端末アドレスとマルチキャストグループアドレスに対応付けられている転送先アドレスを取得する。

[0036] エントリ保持部 21aが複数の転送先アドレスを保持する場合、 UR20aはマルチキヤストパケットの複製ポイントとなる。そのため、転送制御部 24は、エントリ保持部 21aを参照し、マルチキャストパケットが転送先アドレスの数になるように、マルチキャストパケットを複製する。尚、転送制御部 24は、転送先アドレスの数力つの場合には複製を行う必要はない。

[0037] 転送制御部 24は、ディカプセルィ匕されたマルチキャストパケットの宛先アドレスとェントリ保持部 21aが保持する転送先アドレスとを比較し、宛先アドレスと転送先ァドレスが異なる場合には、マルチキャストパケットを転送先アドレスでカプセルィ匕する。具体的には、転送制御部 24は、エントリ保持部 21aから取得した転送先アドレスを宛先アドレスに設定し、 UR20a自身のアドレスを送信元アドレスに設定して、マルチキャストパケットをカプセルィ匕する。転送制御部 24は、カプセル化したマルチキャストバケツトを転送部 23に入力する。転送制御部 24は、例えば、「IP in IP Tunneling] ( RFC1853)や、「Generic Packet Tunneling in Ipv6 SpecificationJ (RFC2473)に示されているカプセル化技術を用いてカプセル化を行うことができる。

[0038] 一方、転送制御部 24は、ディカプセル化されたマルチキャストパケットの宛先アドレスとエントリ保持部 21aが保持する転送先アドレスとを比較し、宛先アドレスと転送先アドレスが同一の場合には、マルチキャストパケットをそのまま転送部 23に入力する。

[0039] メッセージ処理部 25は、制御メッセージを処理する。メッセージ処理部 25は、送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて、転送先アドレスとして他のマルチキャスト対応ルータ（UR)のアドレスを転送先保持部に登録する転送先登録部として機能する。メッセージ処理部 25は、受信部 22から UR20aが受信した制御メッセージを取得する。メッセージ処理部 25は、制御メッセージの種類、制御メッセージの宛先アドレスや送信元アドレス、エントリ保持部 21aが保持する情報に基づいて、エントリ保持部 21aへの情報の登録、エントリ保持部 21aが保持する情報の更新や削除を行う。

[0040] メッセージ処理部 25は、新たな転送先アドレスを登録する場合、 MFTエントリ又は MCTエントリを生成する。具体的には、メッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21a のテーブル種別に MFT又は MCTを設定し、送信端末アドレス、マルチキャストグノレ一プアドレス毎に MFTエントリ又は MCTエントリを生成する。例えば、メッセージ処理部 25は、 UR20aが新たに受信し joinメッセージにより指定されている送信端末アドレス、マルチキャストグループアドレス毎に MFTエントリ又は MCTエントリを生成する。このように生成された MFTエントリや MCTエントリは、 MFTや MCTとして機能する。

[0041] メッセージ処理部 25は、生成した MFTエントリに、送信端末アドレス、マルチキャストグル一プアドレス、トンネル元アドレス、前トンネル元アドレス、転送先アドレス、 KA T、 JTを対応付けて登録する。メッセージ処理部 25は、生成した MCTエントリに、送信端末アドレス、マルチキャストグループアドレス、転送先アドレス、 ΚΑΤを対応付けて登録する。メッセージ処理部 25は、受信した制御メッセージをメッセージ提供部 26 に入力する。

[0042] メッセージ提供部 26は、制御メッセージを生成し、送信端末 10や他の URに提供する。メッセージ提供部 26は、送信先アドレスにマルチキャスト対応ルータのアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを送信端末アドレス宛に提供するルータメッセージ提供部として機能する。

[0043] メッセージ提供部 26は、メッセージ処理部 25から UR20aが受信した制御メッセ一ジを取得する。メッセージ提供部 26は、取得した制御メッセージや、エントリ保持部 2 laが保持する情報に基づいて、制御メッセージを生成する。メッセージ提供部 26は、生成した制御メッセージを転送部 23に入力し、転送部 23を介して送信端末 10や他の URに提供する。

[0044] (送信端末の構成）

次に、送信端末 10の構成について説明する。図 4に示すように、送信端末 10は、エントリ保持部 11と、受信部 12と、送信部 13と、メッセージ処理部 14と、パケット生成部 15とを備える。

[0045] 受信部 12は、 UR20a 20hから制御メッセージを受信する。受信部 12は、受信した制御メッセージをメッセージ処理部 14に入力する。

[0046] エントリ保持部 11は、送信先アドレスを保持する送信先保持部である。図 5に示すように、エントリ保持部 11は、テーブル種別、送信端末アドレス、マルチキャストグル一プアドレスに対応付けて、送信先アドレス、 KATを保持する。送信端末 10は、 MF T以外用いないため、テーブル種別には「MFT」が設定される。送信先アドレスは、送信端末 10がマルチキャストパケットを送信するアドレスである。送信端末 10が保持する送信先アドレスは、マルチキャスト対応ルータのアドレス（URのアドレス）又は受信端末のアドレスである。

[0047] 図 3と同様に、 KAT (URl)は、送信先アドレス「UR1」の KATを示す。送信端末ァドレスは、送信端末 10の移動等により変更される場合がある。そのため、エントリ保持部 11は、送信端末 10の現在位置における現在の送信端末アドレスの MFTエントリと、変更前の送信端末アドレスの MFTエントリを保持できる。

[0048] メッセージ処理部 14は、制御メッセージを処理する。メッセージ処理部 14は、参加要求メッセージに基づレ、て、送信先アドレスとしてマルチキャスト対応ルータ（UR)のアドレスを送信先保持部に登録する送信先登録部として機能する。メッセージ処理部 14は、受信部 12から送信端末 10が受信した制御メッセージを取得する。メッセージ処理部 14は、制御メッセージの種類、制御メッセージの送信元アドレス、エントリ保持部 11が保持する情報に基づいて、エントリ保持部 11への情報の登録、エントリ保持部 11が保持する情報の更新や削除を行う。

[0049] メッセージ処理部 14は、エントリ保持部 11のテーブル種別に MFTを設定し、送信端末アドレス、マルチキャストグループアドレス毎に MFTエントリを生成する。例えば、メッセージ処理部 14は、送信端末 10が新たに受信し: Joinメッセージや Redirect メッセージにより指定されてレ、る送信端末アドレス、マルチキャストグループアドレス毎に MFTエントリを生成する。メッセージ処理部 14は、生成した MFTエントリに、送信端末アドレス、マルチキャストグループアドレス、送信先アドレス、 KATを対応付けて登録する。

[0050] パケット生成部 15は、データを含むマルチキャストパケットを生成する。パケット生成部 15は、必要に応じて、 BUメッセージや LUメッセージのような制御メッセージや、 LUメッセージを付加したマルチキャストパケットを生成する。パケット生成部 15は、送信先アドレスに基づいてマルチキャストパケットを生成する。パケット生成部 15は、ェントリ保持部 11から送信先アドレスを取得する。又、パケット生成部 15は、アプリケーシヨン部からの入力や外部入力によって、データを取得する。

[0051] まず、パケット生成部 15は、データに、送信元アドレスとして送信端末アドレス、宛先アドレスとしてマルチキャストグループアドレスを付加したマルチキャストパケットを生成する。パケット生成部 15は、エントリ保持部 11を参照し、マルチキャストパケットが送信先アドレスの数になるように、生成したマルチキャストパケットを複製する。尚、パケット生成部 15は、送信先アドレスの数が 1つの場合には複製を行う必要はない。

[0052] パケット生成部 15は、送信元アドレスに送信端末アドレスを設定し、宛先アドレスに送信先アドレスを設定して、マルチキャストパケットをカプセルィ匕する。パケット生成部 15は、カプセル化したマルチキャストパケットを送信部 13に入力する。

[0053] 送信部 13は、 UR20a 20hや NR30a— 30f、受信端末 40a— 40dに、マルチキャストパケットや制御メッセージを送信する。送信部 13は、パケット生成部 15からカブセル化されたマルチキャストパケットを取得し、メッセージ処理部 14から制御メッセ一ジを取得する。

[0054] 〔通信方法〕

次に、図 6—図 21を参照し、通信システム 1の動作を説明する。

[0055] (URの動作手順）

図 6—図 9を用いて UR20a— 20hの動作手順を説明する。まず、図 6にパケット受信時の動作手順を示す。 UR20a— 20hの受信部 22は、隣接する UR又は NRからパケットを受信する（S101)。受信部 22は、受信したパケットに特別なオプションが設定されているか否かを判断する（S102)。

[0056] 特別なオプションには、 IPv6を用いる場合には RFC2460で規定されている Hop— by —Hopオプションを用いることができる。 IPv4を用いる場合には RFC2113で規定されている Router Alert オプションを用いることができる。これにより、 UR20a— 20hは、他の URや送信端末 10にパケットが特別な制御メッセージであることを通知できる。更に、特別なオプションとして、オプションを解釈できない場合であってもそのメッセージを破棄しないよう指示するデータ、例えば、 Hop_by_Hopオプションの場合、ォプシヨンタイプの先頭を「00」力、ら開始するオプションを付加することができる。これにより、途中の経路にオプションを解釈できないルータ、例えば、 NRが存在しても破棄されず、 UR20a 20hや送信端末 10が制御メッセージを受信できる。他にも、 RFC 2711におレ、て規定されてレ、るルータ警告オプション等がある。 [0057] ステップ（S102)において、特別なオプションが設定されていない場合、受信部 22 はパケットの宛先アドレスが UR自身か否かを判断する（S103)。一方、ステップ（S1 02)において、特別なオプションが設定されている制御メッセージの場合、受信部 22 はその制御メッセージをメッセージ処理部 25に入力する（S108)。

[0058] ステップ（SI 03)において、パケットの宛先アドレスが UR自身ではない場合、受信部 22はパケットを転送部 23に入力する（S104)。一方、ステップ（S103)において、パケットの宛先アドレスが UR自身の場合、受信部 22は、そのパケットがカプセル化されているか否かを判断する（S105)。パケットがカプセル化されている場合、受信部 2 2はディカプセルィ匕し、パケットを取り出す（S106)。

[0059] 次に、受信部 22は、受信したパケットそのものやディカプセルィ匕により取り出したパケットがマルチキャストパケットか制御メッセージかを判断する（S107)。ステップ（SI 07)において、パケットがマルチキャストパケットの場合、受信部 22はマルチキャストパケットを転送制御部 24に入力する（S108)。一方、ステップ (S107)において、パケットが制御メッセージの判断した場合、受信部 22は制御メッセージをメッセージ処理部 25に入力する（S109)。 UR20a— 20hは、パケットを受信する度に図 6に示した手順を繰り返す。

[0060] 次に、 UR20aがマルチキャストパケットを受信した場合の処理手順を図 7に示す。

受信部 22がマルチキャストパケットを受信する（S201)。受信部 22は、カプセルィ匕されたマルチキャストパケットをディカプセル化する。受信部 22は、取り出したマルチキャストパケットと、カプセル化されたマルチキャストパケットに設定されていた送信元ァドレスを転送制御部 24に入力する。転送制御部 24は、エントリ保持部 21aのトンネル元アドレスに、カプセル化されたマルチキャストパケットの送信元アドレスを設定する（ S202)。

[0061] 尚、ステップ（S202)において、転送制御部 24は、トンネル元アドレスが既に設定されているトンネル元アドレスと異なる場合、既に設定されているトンネル元アドレスをエントリ保持部 21aの前トンネル元アドレスに設定するようにしてもよレ、。これによれば、以降に、受信部 22が前トンネル元アドレスからマルチキャストパケットを受信した場合、メッセージ提供部 26が前トンネル元アドレスに明示的に Pruneメッセージを送信することでマルチキャストパケットの重複受信を防ぐことができる。転送制御部 24は、エントリ保持部 21aを検索し、受信部 22から取得したマルチキャストパケットに含まれる送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」を含むエントリが存在するか否かを判断する（S203)。

[0062] エントリが存在する場合、転送制御部 24は、マルチキャストパケットの宛先アドレスが、そのエントリの転送先アドレスに含まれるか否かを判断する（S204)。宛先アドレスが転送先アドレスに含まれない場合、転送制御部 24は、マルチキャストパケットに含まれる送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」によって特定されるマルチキャストツリーが安定してレ、るか否かを判断する（S205)。

[0063] マルチキャストツリーが安定している場合、転送制御部 24は、エントリ保持部 21aの送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」を含むエントリに複数の転送先アドレスが存在するか否かを判断する（S206)。複数の転送先アドレスが存在しない場合、転送制御部 24はメッセージ提供部 26に Redirectメッセージの生成を指示する。メッセージ提供部 26は、マルチキャストパケットのトンネル元アドレスに対する Redirectメッセージを生成し、転送部 23が送信する（S207)。 Redirectメッセ一ジは、マルチキャストパケットを受信した UR自身の離脱を要求する Pruneメッセージと、 URがエントリ保持部 21aに保持する転送先アドレスの参加を要求する Joinメッセージを含む。

[0064] —方、ステップ（S205)においてマルチキャストツリーが安定していない場合や、ステツプ（S206)において転送先アドレスが複数存在する場合、転送制御部 24はマルチキャストパケットを転送先アドレスでカプセル化する（S208)。このとき、転送制御部 24は転送先アドレスの数となるようにマルチキャストパケットを複製し、各マルチキャストパケットを転送先アドレスを用いてカプセルィ匕する。転送制御部 24は、カプセルィ匕したマルチキャストパケットを転送部 23に入力する。そして、転送部 23が宛先アドレスに基づレ、てマルチキャストパケットを転送する（S209)。

[0065] 一方、ステップ（S204)において、宛先アドレスが転送先アドレスに含まれる場合、転送制御部 24は、受信したマルチキャストパケットをそのまま転送部 23に入力する。そして、転送部 23は、宛先アドレスに基づいて、受信したマルチキャストパケットをそのまま転送する（S209)。このように転送制御部 24は、転送先アドレスを用いてカプセルィ匕すること等により、転送先アドレスに基づいてマルチキャストパケットの転送を制御する。一方、ステップ（S203)において、エントリが存在しない場合、転送制御部 24は、取得したマルチキャストパケットを破棄する（S210)。

[0066] 次に、 UR20a 20hが制御メッセージを受信した場合の処理手順を図 8、図 9に示す。まず、制御メッセージ力 ¾oinメッセージの場合を図 8に示す。受信部 22が Joinメッセージを受信し、メッセージ処理部 25に入力する（S301)。メッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21aを検索し、取得し oinメッセージに含まれる送信端末アドレス「S 」とマルチキャストグループアドレス「G」を含むエントリが存在するか否かを判断する（ S302)。エントリが存在する場合、メッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21aにおける送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」を含むエントリに複数の転送先アドレスが存在するか否力、を判断する（S303)。

[0067] メッセージ処理部 25は、転送先アドレスが複数存在しないと判断した場合、転送先アドレスに Joinメッセージの送信元アドレスが含まれているか否かを判断する（S304 )。メッセージ処理部 25は、含まれていると判断した場合、受信し oinメッセージが、 Stableオプションが設定された Stable Joinメッセージであるか否かを判断する（S 305)。メッセージ処理部 25は、 Stableオプションが設定されていると判断した場合、受信し^ Joinメッセージを転送部 23に入力する。転送部 23は受信し^ Joinメッセ一ジをそのまま上流に転送する（S306)。

[0068] 一方、（S304)において、メッセージ処理部 25は、 MFTエントリの転送先アドレスに Joinメッセージの送信元アドレスが含まれていないと判断した場合には、エントリ保持部 21aが保持する MFTエントリの転送先アドレスに送信元アドレスを追加する（S3 08)。そして、メッセージ処理部 25は、 Joinメッセージを破棄する（S309)。更に、メッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21aに追加した転送先アドレスに関する KATを起動させる（S310)。

[0069] 一方、ステップ（S303)において、メッセージ処理部 25は転送先アドレスが複数存在すると判断した場合、転送先アドレスに Joinメッセージの送信元アドレスが含まれるか否かを判断する（S307)。メッセージ処理部 25は、転送先アドレスが含まれると判断した場合、ステップ（S309)、（S310)の処理を行う。メッセージ処理部 25は、転送先アドレスが含まれないと判断した場合、ステップ（S308)—（S310)の処理を行う。

[0070] 又、ステップ（S302)においてエントリ保持部 21aにエントリが存在しなかった場合、メッセージ処理部 25は、受信し joinメッセージ力 Stableオプションが設定された Stable Joinメッセージであるか否かを判断する（S311)。メッセージ処理部 25は、 S tableオプションが設定されてレ、ないと判断した場合、 Joinメッセージに含まれる送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」に Joinメッセージの送信元ァドレスを転送先アドレスとして対応付けた MFTエントリを新たに生成する。メッセージ処理部 25は、生成した MFTエントリをエントリ保持部 21aに登録する。そして、メッセージ処理部 25は、登録した転送先アドレスの JTを起動させる（S312)。更に、メッセージ処理部 25は、登録した転送先アドレスの KATを起動させる（S313)。

[0071] そして、メッセージ処理部 25は、 Joinメッセージを破棄する（S314)。更に、メッセ一ジ処理部 25は、メッセージ提供部 26に Joinメッセージの生成を指示する。メッセージ提供部 26は、送信元アドレスに UR自身のアドレスを設定し、宛先アドレスに送信端末アドレスを設定し: Joinメッセージを生成する。そして、メッセージ提供部 26は、生成し oinメッセージを転送部 23に入力し、転送部 23が Joinメッセージを送信する（ S315)。

[0072] 一方、ステップ（S311)において、メッセージ処理部 25は、マルチキャストツリーが安定していると判断した場合、受信し oinメッセージをそのまま転送部 23に入力する。転送部 23は、 Joinメッセージに含まれる送信端末アドレスに基づいて、 Joinメッセージをそのまま上流に転送する（S 316)。

[0073] このように、メッセージ処理部 25は、 URが受信し fcjoinメッセージに基づいて、メッセージ処理部 25は、送信端末アドレス「S」及びマルチキャストグループアドレス「G」に対応付けて転送先アドレスをエントリ保持部 21aに登録する。

[0074] 又、メッセージ提供部 26は、送信端末 10の送信先アドレスに、 URのアドレスを追加することを要求する Joinメッセージ (参加要求メッセージ)を送信端末アドレス宛に提供する。 Joinメッセージは、 URが、例えば受信端末 40a 40d等からのマルチキャストパケットの送信要求、即ち、マルチキャストツリーへの参加を要求する Joinメッセージに応じて生成され、上流に配置されている送信端末 10宛てに送信される。又、このように UR力 UR自身のアドレスを送信元アドレスに設定し oinメッセージを送信し、他の URがその Joinメッセージに基づいてエントリ保持部 21aに転送先アドレスを登録する。そのため、メッセージ処理部 25は、転送先アドレスとして他の URのアドレスをエントリ保持部 21aに登録できる。

[0075] 次に、制御メッセージ力 SPmneメッセージの場合を図 9に示す。メッセージ処理部 2 5は、受信部 22から Pruneメッセージを取得する（S401)。メッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21aを検索し、取得した Pruneメッセージに含まれる送信端末アドレス「S」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、転送先アドレスとを含むエントリが存在するか否かを判断する（S402)。

[0076] エントリが存在する場合、メッセージ処理部 25は、そのエントリから Pruneメッセージに含まれる転送先アドレスを削除する（S403)。一方、エントリが存在しない場合、メッセージ処理部 25は、 Pruneメッセージを破棄する（S410)。メッセージ処理部 25は、ステップ（S403)において転送先アドレスを削除した結果、そのエントリが消滅するか否かを判断する（S404)。エントリは、転送先アドレスが 0になると消滅する。

[0077] エントリが消滅する場合、メッセージ処理部 25は、 Pruneメッセージの生成をメッセージ提供部 26に指示する。メッセージ提供部 26は、 UR自身のアドレスを送信元アドレスに設定し、送信端末アドレスを宛先アドレスに設定した Pruneメッセージを生成する（S405)。メッセージ提供部 26は、生成した Pruneメッセージを転送部 23に入力する（S409)。このように Pruneメッセージは、 URがマルチキャストツリーから明示的に離脱するために送信端末 10に対して送信される。

[0078] 一方、ステップ（S404)においてエントリが消滅しない場合、メッセージ処理部 25は、 Pruneメッセージに含まれる送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」によって特定されるマルチキャストツリーが安定しているか否かを判断する（S4 06)。マルチキャストツリーが安定している場合、メッセージ処理部 25は、送信端末ァドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」を含むエントリに複数の転送先ァドレスが存在するか否かを判断する（S407)。

[0079] 複数の転送先アドレスが存在しない場合、即ち、転送先アドレスが 1つになる場合、メッセージ処理部 25は、 UR自身が、 URが受信したマルチキャストパケットを複製する複製ポイントではなくなると判断する。メッセージ処理部 25は、 Redirecメッセージの生成をメッセージ提供部 26に指示する。メッセージ提供部 26は、 Redirectメッセージを生成する（S408)。メッセージ提供部 26は、 UR自身のアドレスを Redirectメッセージの送信元アドレスに設定する。メッセージ提供部 26は、 UR自身を転送先ァドレス又は送信先アドレスから削除し、エントリに残っている転送先アドレスを転送先アドレス又は送信先アドレスに追加することを要求する Redeirectメッセージを生成する。

[0080] このように Redirectメッセージは、マルチキャストツリーが安定状態のときに、 URが受信端末 40a 40dや他の URから、マルチキャストツリー力もの離脱を要求するメッセージを受信した場合に、 UR自身よりも上流に位置する URや送信端末 10に対して、エントリ保持部 _n， 21aが保持する情報を変更するように指示する変更要求メッセージとして用いることができる。

[0081] 転送部 23は、 Pruneメッセージや Redirectメッセージに含まれる送信端末アドレスに基づいて、 Pruneメッセージや Redirectメッセージを転送する。尚、ステップ（S40 6)においてマルチキャストツリーが安定していない場合、ステップ（S407)において複数の転送先アドレスが存在する場合は、メッセージ処理部 25は処理を終了する。

[0082] (マルチキャストツリーの設定、マルチキャストパケットの転送）

次に、図 10— 21を用いて、マルチキャストツリーの設定、マルチキャストパケットの転送について説明する。まず、受信端末 40aが送信端末 10に対してマルチキャストパケットの送信を要求することにより、マルチキャストツリーが設定される際の通信システム 1の動作を、図 10， 11を用いて説明する。図 10に手順を示し、図 11に通信システム 1の様子を示す。

[0083] 以下の説明において、 UR20a 20hが備えるエントリ保持部 21a— 21hと、送信端末 10が備えるエントリ保持部 11を必要に応じて併記する。但し、説明を簡単にするために、エントリ保持部 11， 21a 21hが保持する情報のうち、テーブル種別と、送信端末アドレスと、マルチキャストグループアドレスと、転送先アドレス又は送信先アドレスのみを示す。 [0084] 具体的には、送信端末アドレスと、マルチキャストグループアドレスと、転送先ァドレス又は送信先アドレスを、（送信端末アドレス，マルチキャストグノレープアドレス）： [転送先アドレス又は送信先アドレス]のように表記する。（送信端末アドレス，マルチキヤストグループアドレス）により、マルチキャストツリーやマルチキャストパケットが、どの送信端末からのどのマルチキャストグループに関するものであるかを特定できる。又、送信端末 10を最上流として説明する。

[0085] 図 10、 11に示すように、受信端末 40aは、 UR20fに参加要求メッセージを送信する（S501)。受信端末 40aが無線リンクを介して接続しているルータが URの場合、受信端末 40aは、 IGMPv2 (Internet Management Protocol Version 2)や MLDv2 ( Multicast Listener Discovery Version 2、「draft— vida— mid— v2— xx.txt」参照)に従つてマルチキャストパケットの送信を要求し、マルチキャストツリーへの参加を要求できる。具体的には、受信端末 40aは、 Membership Report2を UR20fに送信する。尚、受信端末 40aは、 IPv6を用いる場合には MLDv2に従うが、 IPv4を用いる場合には IGMPv3に従って Membership Report2を送信する。

[0086] UR20fのメッセージ処理部 25は、 Membership Report2に設定された送信端末マルチキャストアドレス「G」に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マ：、転送先アドレス「G」を対応付けた MFTエントリ生成する。この MFTエントリは、 UR20f自身の配下に、送信端末アドレス「S」とマルチキャストアドレス「G」との組み合わせによって特定されるマルチキャストパケットの受信を希望する受信端末 40aが存在することを示す。即ち、転送先アドレスがマルチキャストグノレ一プアドレス「G」の場合、（S, G)により特定されるマルチキャストパケットの受信を希望する受信端末 40aが UR20fに接続していることを示す。よって、 UR20fの転送部 23は、宛先アドレスがマルチキャストグループアドレス「G」の場合、転送制御部 24によりディカプセル化されたマルチキャストパケットを、 UR20f自身に接続している受信端末 40aに送信すればよレ、。メッセージ処理部 25は、生成した MFTエントリをェントリ保持部 21fに登録する（S502)。

[0087] UR20fのメッセージ提供部 26は、送信端末 10の送信先アドレスに UR20fのァドレスを追加することを要求する Joinメッセージ 3を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S503)。具体的には、メッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」、送信元アドレスに UR20fのアドレス「UR6」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し oinメッセージ 3を生成する。 UR20fよりも上流に存在する URや送信端末 10は、 Joinメッセージ 3に設定された特別なォプションにより、受信したパケットが Joinメッセージであることを検出できる。転送部 23は、宛先アドレスに設定された送信端末アドレス「S」に基づいて、 Joinメッセージ 3を転送する。

[0088] UR20fに接続し、 UR20fよりも上流に位置する UR20dが、 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20dのメッセージ処理部 25は、 Joinメッセージ 3に設定された送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」と、送信元アドレス「UR6」に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」と、転送先アドレス「UR6」とを対応付けた MFTエントリ生成する。メッセージ処理部 25は、生成した MFTエントリをエントリ保持部 21dに登録する（S504)。

[0089] 更に、 UR20dのメッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」、送信元アドレスに UR20dのアドレス「UR4」を設定し、マルチキャストグループアドレス「 Gjを指定し oinメッセージ 3を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S505)。

[0090] UR20dに接続し、 UR20dよりも上流に位置する UR20b力 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20bのメッセージ処理部 25は、 Joinメッセージ 3に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」と、転送先アドレス「UR4」とを対応付けた MFTエントリ生成する。メッセージ処理部 25は、生成した MFTエントリをエントリ保持部 21bに登録する（S506)。

[0091] 更に、 UR20bのメッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」、送信元アドレスに UR20bのアドレス「UR2」を設定し、マルチキャストグループアドレス「 GJを指定し oinメッセージ 3を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S507)。

[0092] UR20bと、 UR20bの上流に位置する UR20aとの間に存在する NR30aは、 Joinメッセージ 3を送信先アドレスに設定されている送信端末アドレス「S」に基づいて、ュニキャストで転送する。

[0093] UR20bよりも上流に位置する UR20aが、 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20aのメッセージ処理部 25は、 Joinメッセージ 3に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」と、転送先アドレス「UR2」とを対応付けた MFTエントリ生成する。メッセージ処理部 25は、生成した MFTエントリをエントリ保持部 21aに登録する（S 508)。

[0094] 更に、 UR20aのメッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」、送信元アドレスに UR20aのアドレス「UR1」を設定し、マルチキャストグループアドレス「 GJを指定し oinメッセージ 3を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S509)。

[0095] 送信端末 10のメッセージ処理部 14は、 Joinメッセージ 3に設定された送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」と、送信元アドレス「UR1」に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」と、送信先アドレス「UR1」を対応付けた MFTエントリ生成する。メッセージ処理部 14は、生成した MFTエントリをエントリ保持部 11に登録する（S510)。このように、メッセージ処理部 14は、送信端末アドレス「 S」をマルチキャストツリーの上流としたときに最上流に位置する UR20aのアドレス「U R1」をエントリ保持部 11に登録する。

[0096] 以上のような手順により、図 11に示すように、送信端末 10、 UR20a、 UR20b、 UR 20d、 UR20fを経由して受信端末 40aにマルチキャストパケットが転送されるマルチキャストツリーが設定される。

[0097] 次に、図 11に示すマルチキャストツリーに従ってマルチキャストパケットを転送する際の通信システム 1の動作を、図 12, 13を用いて説明する。図 12に手順を示し、図 1 3に通信システム 1の様子を示す。

[0098] まず、送信端末 10のパケット生成部 15が、エントリ保持部 11を参照し、データに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとしてマルチキャストグループアドレス「G」を設定してマルチキャストパケットを生成する。そして、パケット生成部 15 が、生成したマルチキャストパケットに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとして、エントリ保持部 11が保持する送信先アドレス「UR1」を設定し、マルチキャストパケットをカプセルィ匕する。そして、送信端末 10の送信部 13は、カプセルィ匕されたマルチキャストパケット 5aを、その宛先アドレス「UR1」に基づいて UR20aに送信する（S601)。

[0099] UR20aの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5aをディカプセル化する。受信部 22は、取り出したマルチキャストパケットと、カプセルィ匕されたマルチキャストパケット 5aに設定されていた送信元アドレス「S」を転送制御部 24に入力する。転送制御部 24は、エントリ保持部 21aのトンネル元アドレスに、カプセル化されたマルチキャストパケット 5aの送信元アドレス「S」を設定する。 UR20aの転送制御部 24 は、エントリ保持部 21aを参照し、転送先アドレス「UR2」と、ディカプセル化したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元アドレスとして UR20a 自身のアドレス「UR1」、宛先アドレスとして転送先アドレス「UR2」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5bを、その宛先アドレス「UR2」に基づレ、て UR20bに転送する（S602)。

[0100] これにより、 UR20aと UR20bとの経路上に存在する NR30aは、マルチキャストパケット 5aがマルチキャストパケットであることを意識することなぐ宛先アドレス「UR2」に基づいて通常のュニキャストの処理によって転送できる。

[0101] UR20bの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5bをディカプセル化する。 UR20bの転送制御部 24は、エントリ保持部 21bのトンネル元アドレスに、力プセル化されたマルチキャストパケット 5bの送信元アドレス「UR1」を設定する。 UR2 Obの転送制御部 24は、エントリ保持部 21bを参照し、転送先アドレス「UR4」と、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元ァドレスとして UR20b自身のアドレス「UR2」、宛先アドレスとして転送先アドレス「UR4 」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5cを、その宛先アドレス「UR4」に基づいて UR20dに転送する（S603)。

[0102] UR20dの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5cをディカプセル化する。 UR20dの転送制御部 24は、エントリ保持部 21dのトンネル元アドレスに、力プセル化されたマルチキャストパケット 5cの送信元アドレス「UR2」を設定する。 UR2 Odの転送制御部 24は、エントリ保持部 21dを参照し、転送先アドレス「UR6」と、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元ァドレスとして UR20d自身のアドレス「UR4」、宛先アドレスとして転送先アドレス「UR6 」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5dを、その宛先アドレス「UR6」に基づいて UR20fに転送する（S604)。

[0103] UR20fの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5dをディカプセル化して、マルチキャストパケット 5eを取り出す。 UR20fの転送制御部 24は、エントリ保持部 21fのトンネル元アドレスに、カプセル化されたマルチキャストパケット 5dの送信元アドレス「UR4」を設定する。 UR20fの転送制御部 24は、エントリ保持部 21fを参照し、転送先アドレス「G」と、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が同一であることから、そのまま転送部 23に入力する。転送部 23は、宛先アドレス「G」に基づいて、マルチキャストパケット 5eを受信端末 40aにマルチキャストにより送信する（S605)。

[0104] 図 13に示すように、マルチキャストパケットは設定されたマルチキャストツリーに従つて送信端末 10から受信端末 40aに転送される。このとき、マルチキャストパケット 5a— 5dは、送信先アドレスや転送先アドレス（UR1、 UR2、 UR4、 UR6)によってカプセノレイ匕されている。そのため、送信端末 10と UR20fとの間に存在する NR30aは、受信したパケットがマルチキャストパケットであることを意識することなぐ通常のュニキャストによってマルチキャストパケットを転送することができる。

[0105] 次に、図 11に示すマルチキャストツリーが設定されている状態において、新たな受信端末 40b— 40dがマルチキャストツリーに参加する場合の通信システム 1の動作を、図 14一図 17を用いて説明する。尚、図 15、 17において、エントリ保持部 21a, 21b , 21eについて、更新前と更新後の状態を区別するために、更新前のエントリ保持部 21a, 21b, 21eの状態を、更新前エントリ保持部 21 la, 211b, 211eとして示す。

[0106] 図 14、 15に示すように、受信端末 40bが Membership Report2を UR20gに送信し、マルチキャストツリーへの参加を要求する（S701)。

[0107] UR20gのメッセージ処理部 25は、 Membership Report2に設定された送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」に基づいて、送信端末アドレス「S」と、

：、転送先アドレス「G」を対応付けた MFTエントリ生成する。メッセージ処理部 25は、生成した MFTエントリをエントリ保持部 21gに登録する（ S702)。

[0108] UR20gのメッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」、送信元ァドレスに UR20gのアドレス「UR7」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し oinメッセージ 3を生成する。転送部 23は、宛先アドレスに設定された送信端末アドレス「S」に基づいて、 Joinメッセージ 3を転送する（S703)。

[0109] UR20gと、 UR20gの上流に位置する UR20bとの間に存在する NR30bは、 Joinメッセージ 3を送信先アドレスに設定されている送信端末アドレス「S」に基づいてュニキャストで転送する。

[0110] UR20gよりも上流に位置する UR20b力 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20bのメッセージ処理部 25は、受信し joinメッセージ 3とエントリ保持部 21bが保持するェントリに基づいて、エントリ保持部 21bを更新する。

[0111] 具体的には、メッセージ処理部 25は、更新前エントリ保持部 21 lbが保持する転送先アドレス「UR4」 ijoinメッセージ 3の送信元アドレスに設定されている「UR7」とに基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストアドレス「G」と、転送先アドレス「U R4, UR7」とを対応付けた MFTエントリを新たに生成する。メッセージ処理部 25は、新たに生成した MFTエントリをエントリ保持部 21bに登録することにより、エントリ保持部 21bを、更新前エントリ保持部 211bの状態から、図 15に示すエントリ保持部 21b の状態に更新する（S704)。

[0112] 以上のような手順により、図 15に示すように、送信端末 10、 UR20a、 UR20b、 UR 20d、 UR20fを経由して受信端末 40aにマルチキャストパケットが転送され、送信端末 10、 UR20a, UR20b, UR20d, UR20gを経由して受信端末 40b (こマノレチキヤストパケットが転送されるマルチキャストツリーが設定される。

[0113] 次に、図 15に示すマルチキャストツリーに従ってマルチキャストパケットを転送する際の通信システム 1の動作を、図 16を用いて説明する。

[0114] まず、送信端末 10のパケット生成部 15が、エントリ保持部 11を参照し、データに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとしてマルチキャストグループアドレス「G」を設定してマルチキャストパケットを生成する。そして、パケット生成部 15 力生成したマルチキャストパケットに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとして、エントリ保持部 11が保持する送信先アドレス「UR1」を設定し、マルチキャストパケットをカプセルィ匕する。そして、送信端末 10の送信部 13は、カプセルィ匕されたマルチキャストパケット 5aを、その宛先アドレス「UR1」に基づいて UR20aに送信する。

[0115] UR20aの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5aをディカプセル化する。受信部 22は、取り出したマルチキャストパケットと、カプセルィ匕されたマルチキャストパケット 5aに設定されていた送信元アドレス「S」を転送制御部 24に入力する。転送制御部 24は、エントリ保持部 21aのトンネル元アドレスに、カプセル化されたマルチキャストパケット 5aの送信元アドレス「S」を設定する。 UR20aの転送制御部 24 は、エントリ保持部 21aを参照し、転送先アドレス「UR2」と、ディカプセル化したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元アドレスとして UR20a 自身のアドレス「UR1」、宛先アドレスとして転送先アドレス「UR2」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5bを、その宛先アドレス「UR2」に基づいて UR20bに転送する。

[0116] UR20bの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5bをディカプセル化する。 UR20bの転送制御部 24は、エントリ保持部 21bを参照し、転送先アドレス力 ¾つあることから、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットを複製し、マルチキャストパケットが 2つになるようにする。

[0117] 転送制御部 24は、転送先アドレス「UR4, UR7Jとディカプセル化したマルチキヤストパケットの宛先アドレス「G」とを比較する。いずれの転送先アドレスも宛先アドレスと異なるため、転送制御部 24は、送信元アドレスとして UR20b自身のアドレス「UR2 」を設定し、一方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「UR4」を設定し、他方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「UR7」を設定してカプセル化する。

[0118] そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5cをその宛先アドレス「UR4」に基づいて UR20dに転送する。更に、転送部 23は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5fをその宛先アドレス「UR7」に基づレ、て UR20gに転送する。 [0119] UR20d、 UR20fは、図 12、 13と同様にしてマルチキャストパケット 5d, 5eを転送する。 UR20gの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5fをディカプセルイ匕して、マルチキャストパケット 5eを取り出す。 UR20gの転送制御部 24は、ェントリ保持部 21gを参照し、転送先アドレス「G」と、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が同一であることから、そのまま転送部 23に入力する。転送部 23は、宛先アドレス「G」に基づいて、マルチキャストパケット 5eを受信端末 40bにマルチキャストにより送信する。このように、マルチキャストパケットは設定されたマルチキャストッリ一に従つて送信端末 10から受信端末 40a， 40bに転送される。

[0120] 更に、図 15に示すマルチキャストツリーに、受信端末 40c, 40dが参加することにより新たに設定されるマルチキャストツリーを図 17に示す。受信端末 40cは NR30eに接続しているため、受信端末 40cが無線リンクを介して接続しているルータが NRであることを検出する。受信端末 40cは、 Membership Queryの受信の有無により検出できる。例えば、受信端末 40cは、規定時間以上、 Membership Queryを受信できない場合には、 Membership Queryを送信する URが存在しないと判断でき、 NR に接続していることを検出できる。あるいは、受信端末 40cは、 Membership Repor tを送信後、規定時間を経過してもマルチキャストパケットを受信できなレ、場合にも、 Membership Reportを処理できる URが存在しないと判断でき、 NRに接続していることを検出できる。

[0121] 受信端末 40cは、 NRに接続している場合には、（S, G)により特定されるマルチキヤストッリ一への参加を要求する Joinメッセージ 3を送信する。受信端末 40cが送信する Joinメッセージ 3には特別なオプションが設定されているため、 NR30eが Joinメッセージ 3を破棄せず、受信端末 40cから送信端末 10までの経路に存在する URが Joi nメッセージ 3を受信できる。受信端末 40cは、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」を設定し、送信元アドレスに受信端末 40cのアドレス「R3」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し fcjoinメッセージ 3を送信する。この場合、 URの中で、受信端末 40cから送信端末 10への経路の最下流に存在する UR20eが、 Joinメッセージ 3を受信する。

[0122] 受信端末 40cがマルチキャストツリーに参加することにより、 UR20aは、 UR20cにもマルチキャストパケットを転送する必要が生じる。そのため、 UR20aのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21aが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 21 laにおけるエントリ（S, G)： [UR2]から、エントリ（S, G)： [UR2, UR3]に更新する。又、 UR20cは、 UR20eにマルチキャストパケットを転送する必要がある。そのため、 UR 20cのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21cにエントリ（S， G)： [UR5]を登録する。

[0123] UR20eは、 UR20eと受信端末 40cとの間に存在するルータが NR30eであるため、受信端末 40cにマルチキャストパケットを転送する必要がある。そのため、 UR20e のメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21eに、更新前エントリ保持部 21 leに示すようなエントリ (S, G)： [R3]を登録する。

[0124] この状態において、更に受信端末 40dがマルチキャストツリーに参加することにより、 UR20eは、 UR20hにもマルチキャストパケットを転送する必要が生じる。そのため、 UR20eのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21eが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 211eのエントリ（S, G) : [R3]から、エントリ（S, G)： [R3, UR8]に更新する。更に、 UR20hのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21hにエントリ（S , G)： [G]を登録する。これにより、送信端末 10から複数の受信端末 40a— 40eにマルチキャストパケットが転送されるマルチキャストツリーが設定される。

[0125] このマルチキャストツリーに従ったマルチキャストパケットの転送は、以下のように行われる。まず、送信端末 10のパケット生成部 15が、エントリ保持部 11を参照し、データに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとしてマルチキャストグループアドレス「G」を設定してマルチキャストパケットを生成する。そして、パケット生成部 15が、生成したマルチキャストパケットに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとして、エントリ保持部 11が保持する送信先アドレス「UR1」を設定し、マルチキャストパケットをカプセル化する。そして、送信端末 10の送信部 13は、力プセル化されたマルチキャストパケット 5aを、その宛先アドレス「UR1」に基づいて U R20aに送信する。

[0126] UR20aの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5aをディカプセル化する。 UR20aの転送制御部 24は、エントリ保持部 21aを参照し、転送先アドレスが 2つあることから、ディカプセル化したマルチキャストパケットを複製し、マルチキャストパケットが 2つになるようにする。転送制御部 24は、転送先アドレス「UR2, UR3」とディカプセル化したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」とを比較する。 V、ずれの転送先アドレスも宛先アドレスと異なるため、転送制御部 24は、送信元アドレスとして UR20a自身のアドレス「UR1」を設定し、一方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「UR2」を設定し、他方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「UR3」を設定してカプセルィ匕する。

[0127] そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5bをその宛先アドレス「UR2」に基づいて UR20bに転送する。更に、転送部 23は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5gをその宛先アドレス「UR3」に基づレ、て UR20cに転送する。

[0128] UR20bの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5bをディカプセル化する。 UR20bの転送制御部 24は、エントリ保持部 21bを参照し、転送先アドレス力 ¾つあることから、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットを複製し、マルチキャストパケットが 2つになるようにする。

[0129] 転送制御部 24は、転送先アドレス「UR4, UR7Jとディカプセル化したマルチキヤストパケットの宛先アドレス「G」とを比較する。いずれの転送先アドレスも宛先アドレスと異なるため、転送制御部 24は、送信元アドレスとして UR20b自身のアドレス「UR2 」を設定し、一方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「UR4」を設定し、他方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「UR7」を設定してカプセル化する。

[0130] そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5cをその宛先アドレス「UR4」に基づいて UR20dに転送する。更に、転送部 23は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5fをその宛先アドレス「UR7」に基づレ、て UR20gに転送する。

[0131] UR20d、 UR20fは、図 12、 13と同様にしてマルチキャストパケット 5d， 5eを転送する。 UR20gの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5fをディカプセルイ匕して、マルチキャストパケット 5eを取り出す。 UR20gの転送制御部 24は、ェントリ保持部 21gを参照し、転送先アドレス「G」と、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が同一であることから、そのまま転送部 23に入力する。転送部 23は、宛先アドレス「G」に基づいて、マルチキャストパケット 5eを受信端末 40bにマルチキャストにより送信する。

[0132] UR20cの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5gをディカプセル化して、マルチキャストパケットを取り出す。 UR20cの転送制御部 24は、エントリ保持部 21cを参照し、転送先アドレス「UR5」と、ディカプセル化したマルチキャストバケツトの宛先アドレス「G」が異なるため、送信元アドレスとして UR20c自身のアドレス「U R3」、宛先アドレスとして転送先アドレス「UR5」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5hを、その宛先アドレス「UR5 」に基づいて UR20eに転送する。

[0133] UR20eの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5hをディカプセル化する。 UR20eの転送制御部 24は、エントリ保持部 21eを参照し、転送先アドレスが 2つあること力、ディカプセル化したマルチキャストパケットを複製し、マルチキャストパケットが 2つになるようにする。転送制御部 24は、転送先アドレス「R3, UR8」とディカプセル化したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」とを比較する。いずれの転送先アドレスも宛先アドレスと異なるため、転送制御部 24は、送信元アドレスとして U R20e自身のアドレス「UR5」を設定し、一方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「R3」を設定し、他方のマルチキャストパケットの宛先アドレスには転送先アドレス「UR8」を設定してカプセル化する。

[0134] そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5jをその宛先アドレス「尺3」に基づいて受信端末 40cに転送する。更に、転送部 23は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5iをその宛先アドレス「UR8」に基づいて UR20hに転送する。このように、 UR20eは、エントリ（S, G)： [R3, UR8]に基づいて、宛先アドレスとして「R3」が設定されたマルチキャストパケットを受信端末 40cに対してュニキャストにより転送する。 UR20hは、マルチキャストパケット 5iをディカプセル化し、取り出したマルチキャストパケット 5eを受信端末 40dにマルチキャストにより転送する。

[0135] 次に、図 18を用いて、マルチキャストツリーが安定状態に移行した際の通信システム 1の動作を説明する。マルチキャストツリーは、初期状態から安定状態に移行する。マルチキャストツリーは、例えば、新たに参加する受信端末の減少により安定状態に移行する。例えば、生放送の開始後は、新たに参加する受信端末が減少する。送信端末 10は、新たに参加する受信端末が減少してきたと判断できた場合に、安定状態に移行したと判断できる。

[0136] 安定状態移行後の処理について、図 17に示したマルチキャストツリーの状態で安定状態に移行した場合を例にとって説明する。尚、図 18において、エントリ保持部 2 la, 21bについて、更新前と更新後の状態を区別するために、更新前のエントリ保持部 21a， 21bの状態を、更新前エントリ保持部 212a， 212bとして示す。又、更新前後の移行段階のエントリ保持部 21a， 21bの状態を、移行中エントリ保持部 312a， 312

[0137] 通信システム 1は安定状態に移行すると、マルチキャストパケットの複製ポイントである分岐ルータを結ぶマルチキャストツリーを設定する。これによれば、マルチキャストツリーの経路上に存在する分岐ルータ以外の UR (UR20c等）は、マルチキャストパケットをュニキャストパケットと同様に扱うことができる。このように、通信システム 1に含まれる全ての URがマルチキャストパケットを処理する必要がないため、通信システム 1全体の負荷が軽減される。

[0138] 具体的には、マルチキャストツリーが安定状態に移行すると、送信端末 10のバケツト生成部 15は、安定状態に移行したことを示す Stableオプションを設定したマルチキャストパケットを生成し、送信部 13が送信する。これにより、送信端末 10は、参加している受信端末 40a— 40dにマルチキャストツリーが安定状態に移行したことを通知する。受信端末 40a— 40dは、 Stableオプションが設定されたマルチキャストパケットを受信した後は、 Stable Membership Report又は Stable Joionメッセージを送信する。例えば、受信端末 40cは、 Stableオプションが設定されたマルチキャストパケットの受信後は、宛先アドレスが送信端末アドレス「S」、送信元アドレスが「R3」である Stable Joinメッセージを送信する。

[0139] そして、 UR20e 20hfま、受信端末 40a 40d力ら、 Stable Membership Rep ortや Stable Joinメッセージを受信した後は、マルチキャストツリーが安定状態に移行したと判断し、上流の URに対して Stable Joinメッセージ 3aを送信する。例えば、末端ルータである UR20fのメッセージ提供部 26は、 JTが満了したときに KATが満了していない転送先アドレスが 1つでもある場合は、宛先アドレスが送信端末アドレス「S」、送信元アドレスが「UR6」、マルチキャストグループアドレスとして「G」を指定した Stable Joinメッセージ 3aを生成する。 UR20cの転送部 23が、生成された Stabl e Joinメッセージ 3aを送信する。

[0140] 安定状態移行後は、分岐ルータではない UR20c, 20dは、 Stable Joinメッセ一ジ 3aをエントリの登録や更新に利用するだけで、そのまま上流の UR20a， 20bに転送する。これにより、例えば、 UR20fからの Stable Joinメッセージ 3aは、 UR20dを通過し、分岐ルータである UR20bにより受信される。この結果、 UR20bのメッセージ処理部 25は、 UR20fからの Stable Joinメッセージ 3aに基づいて、 UR20bの転送先アドレスに「UR6」を追加する。即ち、 UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21bが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 212bにおけるエントリ（S, G)： [UR4, UR7]から、移行中エントリ保持部 312bにおけるエントリ（S, G)： [UR4, U R6, UR7]に更新する。以降、 UR20bは、 UR20aから受信したマルチキャストパケッ卜を、 UR20d、 UR20f、 UR20gに転送する。

[0141] 更に、 Stable Joinメッセージ 3aを通過させた UR20dのメッセージ提供部 26は、 R edirectメッセージ 4を転送部 23を介して UR20bに提供する。 Redirectメッセージ 4 は、 UR20dのアドレス「UR4」を転送先アドレスから削除し、 UR20fのアドレス「UR6 」を転送先アドレスに追加することを要求するメッセージである。 Redirectメッセージ 4 の宛先アドレスには送信端末アドレス「S」が設定される。

[0142] Reidirectメッセージ 4を受信した UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部

21bが保持するエントリを、移行中エントリ保持部 312bにおけるエントリ（S, G)： [UR 4, UR6, UR7]力ら、エントリ（S， G)： [UR6, UR7]に更新する。これにより、 UR20 fは、 2つの経路、即ち、 UR20bが UR20dにマルチキャストパケットを転送し、 UR20 dが UR20fにマルチキャストパケットを転送する経路と、 UR20bが UR20fに直接マルチキャストパケットを転送する経路から、マルチキャストパケットを重複して受信することを防止できる。

[0143] このように、 Redirectメッセージは、 URが受信端末 40a 40dや他の URから、マルチキャストツリーへの参加を要求するメッセージを受信した場合に、 UR自身よりも上流に位置する URや送信端末 10に対して、エントリ保持部が保持する情報を変更するように指示する変更要求メッセージとして用いることができる。

[0144] 同様にして、 UR20eからの Stable Joinメッセージ 3aは、 UR20cを通過し、分岐ルータである UR20aにより受信される。これにより、 UR20aのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 _{21 a}が保持するエントリを、更新前エントリ保持部 212aにおけるェントリ（S, G)： [UR2, UR3]力ら、移行中エントリ保持咅 B312aにおけるエントリ（S， G) ： [UR2, UR3, UR5]に更新する。

[0145] 更に、 Stable Joinメッセージ 3aを通過させた UR20cのメッセージ提供部 26は、 UR20cのアドレス「UR3」を転送先アドレスから削除し、 UR20eのアドレス「UR5」を転送先アドレスに追加することを要求する Redirectメッセージ 4を UR20aに提供する。 Reidirectメッセージ 4を受信した UR20aのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21aが保持するエントリを、移行中エントリ保持部 312aにおけるエントリ（S， G)： [UR 2, UR3, UR5]から、エントリ（S, G)： [UR2, UR5]に更新する。

[0146] 次に、図 19一図 21を用いて受信端末がマルチキャストツリーからの離脱を要求した際の通信システム 1の動作を説明する。ここでは、図 18に示すようにマルチキャストツリーが安定状態にあるときに、受信端末 40bが離脱する場合を説明する。尚、図 20 において、エントリ保持部 21a, 21b, 21gについて、更新前と更新後の状態を区別するために、更新前のエントリ保持部 21a, 21b, 21gの状態を、更新前エントリ保持咅 213a, 213b, 211gとして示す。図 19に動作手 1噴を示し、図 20に通信システム 1 の様子を示す。

[0147] 受信端末 40bは、 UR20gに転送先アドレス又は送信先アドレスからの削除を要求する離脱要求メッセージを送信する。具体的には、受信端末 40bは、 IGMPv2や M LDv2に従って、 Leave Groupメッセージ 7を送信する。これにより、受信端末 40b は、マルチキャストツリーからの離脱を要求し、マルチキャストパケットの送信停止を要求する（S801)。

[0148] UR20gのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21gから、 Leave Groupメッセージ 7に設定される送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」とによつて特定されるエントリを削除する（S802)。これにより、エントリ保持部 21gが保持するエントリは、エントリ（S， G)： [G]を保持する更新前エントリ保持部 211gの状態から、（S, G)によって特定されるエントリを保持しない状態に更新される。

[0149] エントリ保持部 21gが（S, G)によって特定されるエントリを保持しなくなつたため、 U R20gのメッセージ提供部 26は、 UR20g自身もマルチキャストツリーから離脱するために、 Pruneメッセージ 8を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S803)。 Pruneメッセージ 8には特別なオプションが設定されているため、 UR20 gよりも上流に位置する URは、受信した Pruneメッセージ 8が特別な制御メッセージであることを検出できる。

[0150] UR20gと、 UR20gよりも上流の UR20bとの間に存在する NR30bは、受信した Pr uneメッセージ 8を送信端末アドレス「S」に基づいてュニキャストにより転送する。

[0151] UR20bのメッセージ処理部 25は、受信した Pruneメッセージ 8に基づいて、ェントリ保持部 21bが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 213bにおけるエントリ（S, G)： [UR6, UR7]から、エントリ (S, G)： [UR6]に更新する。即ち、転送先アドレス力 UR7を削除する（S804)。

[0152] UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21bが保持する転送先アドレスが

1つになったため、分岐ルータではなくなつたと判断する。そのため、メッセージ提供部 26が、 Redirectメッセージ 4を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S805)。 Redirectメッセージ 4は、 UR20bのアドレス「UR2」を転送先アドレスから削除し、 UR20fのアドレス「UR6」を転送先アドレスに追加することを要求するメッセージである。 Redirectメッセージ 4の宛先アドレスには送信端末アドレス「S」が設定される。

[0153] UR20bと、 UR20bよりも上流の UR20aとの間に存在する NR30aは、受信した Re directメッセージ 4を送信端末アドレス「S」に基づいてュニキャストにより転送する。

[0154] UR20aのメッセージ処理部 25は、受信した Redirectメッセージ 4に基づいて、ェントリ保持部 21aが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 213aにおけるエントリ (S , G)： [UR2, UR5]から、エントリ（S， G)： [UR6, UR5]に更新する（S806)。 UR2 Oaの転送部 23は、送信端末アドレス「S」に基づいて Redirectメッセージ 4を送信端末 10に転送する。 [0155] 送信端末 10のメッセージ処理部 14は、受信した Redirectメッセージ 4に基づいてエントリ保持部 11を検索する。メッセージ処理部 14は、 Redirectメッセージ 4に含まれる送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」によって特定されるエントリの送信先アドレス「UR1」と、 Redirectメッセージ 4に含まれる「UR2」がー致しないため、エントリ保持部 11を更新せずに、 Redirectメッセージ 4を破棄する（S80 8)。これにより、マルチキャストツリーは、図 20に示す状態に更新される。このように受信端末 40bマルチキャストパケットの送信停止を要求することにより、マルチキャストパケットの複製ポイントとなる分岐ルータを限定できる。よって、通信システム 1の負荷が分散される。

[0156] 図 20に示すマルチキャストツリーに従うマルチキャストパケットの転送は、図 21に示すようになる。送信端末 10はマルチキャストパケット 5aを UR20aに送信する。 UR20 aは、送信元アドレスに「UR1」、宛先アドレスに「UR6」を設定したマルチキャストパケット 5kを UR20bに転送する。 UR20bは、送信元アドレスに「UR2」、宛先アドレスに「UR6」を設定したマルチキャストパケット 51を UR20fに転送する。 UR20fは、マルチキャストパケット 5eを受信端末 40aに転送する。

[0157] 又、 UR20aは、送信元アドレスに「UR1」、宛先アドレスに「UR5」を設定したマルチキャストパケット 5mを UR20eに転送する。 UR20eは、マルチキャストパケット 5jを受信端末 40cに転送し、マルチキャストパケット 5iを UR20hに転送する。 UR20hは、マルチキャストパケット 5eを受信端末 40dに転送する。

[0158] このような通信システム 1、送信端末 10、 UR20a— 20h及び通信方法によれば、 U R20a— 20hが転送先アドレスとして他の URのアドレスを保持できる。送信端末 10は、送信先アドレスとして URのアドレスを保持できる。そのため、送信端末 10から URを経由して受信端末 40a 40dにマルチキャストパケットが転送される適切なマルチキヤストッリ一が設定される。

[0159] よって、送信端末 10と URとの間や UR間に存在する NR30a— fは、マルチキャストパケットをュニキャストで転送するだけでよレ、。このように通信システム 1は、 NRが存在しても、適切なマルチキャストツリーを設定し、マルチキャストパケットを転送することができる。即ち、通信システム 1に UR20a 20hと NR30a— 30fが混在しても、マルチキャストパケットの転送を実現できる。そのため、通信システム 1内に部分的に UR を導入することで、容易に低コストでマルチキャストパケットが転送できる。

[0160] し力も、メッセージ処理部 25, 24は、受信端末 40a— 40dや UR20a— 20h力らの Membership Report2や Joinメッセージ 3等の参加要求メッセージに基づいて、ェントリ保持部 11 , 21a— 21hにアドレスを登録することができる。よって、受信端末 40 a 40dや UR20a— 20hは、設定されているマルチキャストツリーに参加することができる。その結果、通信システム 1では、参加した受信端末 40a— 40dや UR20a 2 Ohにマルチキャストパケットを転送できる。

[0161] [第 2の実施形態]

図 22に示すように通信システム 201は、送信端末 10と、 UR20a 20iと、 NR30a 一 30fと、受信端末 40a 40dを備える。以下、図 1に示した通信システム 1との相違点を中心に説明する。 UR20dと UR20iは、同一のサブネットワーク 50に接続している。サブネットワーク 50には、例えば、イーサネット等がある。 UR20dと UR20iは、サブネットワーク 50を介して上流に位置する UR20bと接続する。

[0162] 図 23、 24を用いて、受信端末 40aが参加し、安定状態に移行しているマルチキヤストツリーに、受信端末 40bが新たに参加する際の動作について説明する。尚、図 2 4において、エントリ保持部 11， 21a, 21bについて、更新前と更新後の状態を区別するために、更新前のエントリ保持部 11， 21a, 21bの状態を、更新前エントリ保持部 111 , 214a, 214bとして示す。図 23に手順を示し、図 24に通信システム 201の様子を示す。

[0163] 受信端末 40bが、 IGMPv2や MLDv2に従って Membership Report2を UR20 gに送信する（S901)。 UR20gのメッセージ処理部 25は、 Membership Report2 に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、転送先アドレス「G」とを対応付けたエントリを生成する。メッセージ処理部 25は、生成したェントリをエントリ保持部 21gに登録する（S902)。

[0164] UR20gのメッセージ提供部 26は、受信した Membership Report2に基づいて、 UR20gがマルチキャストツリーに参加するための Joinメッセージ 3を生成し、転送部 2 3を介して送信端末アドレス宛に提供する。メッセージ提供部 26は、宛先アドレスに「 S」、送信元アドレスに「UR7」を設定し、マルチキャストグノレープアドレス「G」を指定し oinメッセージ 3を生成する。転送部 23は、宛先アドレスに設定された送信端末アドレス「S」に基づレ、て、 Joinメッセージ 3を転送する（S903)。

[0165] UR20iのメッセージ処理部 25は、受信し oinメッセージ 3に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、転送先アドレス「UR7」とを対応付けたエントリを生成し、エントリ保持部 21iに登録する（S904)。

[0166] UR20iのメッセージ提供部 26は、宛先アドレスに「S」、送信元アドレスに「UR9」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し fcjoinメッセージ 3を生成する。転送部 23は、宛先アドレスに設定された送信端末アドレス「S」に基づいて、 Joinメッセージ 3を転送する（S905)。

[0167] 尚、同一のサブネットワーク 50に接続する UR20dが、送信端末アドレス「S」とマルチキャストグループアドレス「G」によって特定されるマルチキャストパケットを受信しているため、 UR20iは、マルチキャストツリーが安定した後も、分岐ルータのように Join メッセージ 3を受信する。

[0168] UR20bのメッセージ処理部 25は、受信し: Joinメッセージ 3と、エントリ保持部 21b が保持する更新前エントリ保持部 214bに示すエントリに基づいて、同一のサブネットワーク 50に接続する UR20dと UR20i力、同じマルチキャストパケットの送信を要求していることを検出する。そして、メッセージ処理部 25は、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、転送先アドレス「G」とを対応付けたエントリを生成する。メッセージ処理部 25は、生成したエントリをエントリ保持部 21bに登録することにより、エントリ保持部 21bが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 214bにおけるエントリ（S， G) : [UR6]から、エントリ（S, G) : [G]に更新する（S906)。

[0169] このようにして、エントリ保持部 21bは、同一のサブネットワーク 50に接続する UR20 dと 20iにマルチキャストパケットを転送する場合、転送先アドレスとしてマルチキャストグノレープアドレスを保持する。

[0170] UR20bのメッセージ提供部 26は、送信端末 10が保持するエントリの更新を指示するために、 Redirectメッセージ 4を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S907)。メッセージ提供部 26は、 UR20fのアドレス「UR6」を転送先アドレスから削除し、 UR20bのアドレス「UR2」を転送先アドレスに追加することを要求する Redirectメッセージ 4を生成する。 Redirectメッセージ 4の宛先アドレスには送信端末アドレス「S」が設定される。

[0171] UR20bと、 UR20bよりも上流の UR20aとの間に存在する NR30aは、受信した Re directメッセージ 4を送信端末アドレス「S」に基づいてュニキャストにより転送する。

[0172] UR20aのメッセージ処理部 25は、受信した Redirectメッセージ 4に基づいて、ェントリ保持部 21aが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 214aにおけるエントリ (S , G) : [UR6]から、エントリ（S， G)： [UR2]に更新する（S908)。 UR20aの転送部 2 3は、 Redirectメッセージ 4をその宛先アドレスに基づいて送信端末 10に転送する（ S909)。

[0173] 送信端末 10のメッセージ処理部 14は、受信した Redirectメッセージ 4に基づいて、エントリ保持部 _nが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 111におけるエントリ

(S, G) : [UR6]から、エントリ（S, G) : [UR2]に更新する（S910)。これにより、図 2 4に示すような新たなマルチキャストツリーが設定される。

[0174] 図 25を用いて図 24に示すマルチキャストツリーに従ったマルチキャストパケットの転送を説明する。送信端末 10のパケット生成部 15は、エントリ保持部 11を参照し、データに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとしてマルチキヤストグループアドレス「G」を設定してマルチキャストパケットを生成する。そして、パケット生成部 15は、生成したマルチキャストパケットに送信元アドレスとして送信端末ァドレス「S」、宛先アドレスとして、エントリ保持部 11が保持する送信先アドレス「UR2」を設定し、マルチキャストパケットをカプセル化する。そして、送信端末 10の送信部 1 3は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5nをその宛先アドレス「UR2」に基づいて送信する。

[0175] UR20bの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5nをディカプセル化する。 UR20bの転送制御部 24は、エントリ保持部 21bを参照し、転送先アドレス「 G」と、ディカプセル化したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が同一であることから、そのまま転送部 23に入力する。転送部 23は、宛先アドレス「G」に基づいて、マルチキャストパケット 5eをマルチキャストにより、サブネットワーク 50に転送する。 [0176] UR20dの受信部 22は、サブネットワーク 50を介してマルチキャストパケット 5eを受信する。 UR20dの転送制御部 24は、エントリ保持部 21 dを参照し、転送先アドレス「 UR6」と、マルチキャストパケット 5eの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元アドレスとして UR20d自身のアドレス「UR4」、宛先アドレスとして転送先アドレス「UR6」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5dを、その宛先アドレス「UR6」に基づいて UR20fに転送する。 UR20fは、マルチキャストパケット 5dをディカプセル化し、マルチキャストパケット 5eを受信端末 4 Oaにマルチキャストにより転送する。

[0177] 同様に、 UR20iの受信部 22は、サブネットワーク 50を介してマルチキャストパケット 5eを受信する。 UR20iの転送制御部 24は、エントリ保持部 21iを参照し、転送先アドレス「UR7」と、マルチキャストパケット 5eの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元アドレスとして UR20i自身のアドレス「UR9」、宛先アドレスとして転送先アドレス「 UR7」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5oを、その宛先アドレス「UR7」に基づいて UR20gに転送する。 UR20 gは、マルチキャストパケット 5oをディカプセル化し、マルチキャストパケット 5eを受信端末 40bにマルチキャストにより転送する。

[0178] [第 3の実施形態]

第 1の実施形態、第 2の実施形態では、通信システム 1に含まれる全ての UR20a— 20h力制御メッセージを受信した場合に処理を行っていた力 UR20a— 20hは制御メッセージを通過させて他の URに処理を委託することができる。例えば、リソースが不足している UR力制御メッセージの処理を省略し、そのまま制御メッセージを上流に転送することにより、他の URに制御メッセージの処理を委託できる。この場合の通信システム 1における動作について図 26 図 28を用いて説明する。

[0179] 図 26、 27に、受信端末 40aが既にマルチキャストツリーに参加している状態において、 UR20bのリソースが不足しているときに、受信端末 40bが、マルチキャストツリーに参加する場合を例にとって説明する。尚、図 27において、エントリ保持部 1 1， 21 a について、更新前と更新後の状態を区別するために、更新前のエントリ保持部 1 1， 2 l aの状態を、更新前エントリ保持部 1 12, 215aとして示す。 [0180] 受信端末 40bは、 Membership Report2を UR20gに送信し、マルチキャストッリ一への参加を要求する（S1001)。 UR20gのメッセージ処理部 25は、受信した Me mbership Report2に基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、転送先アドレス「G」とを対応付けたエントリを生成し、エントリ保持部 2 lgに登録する（S1002)。

[0181] UR20gのメッセージ提供部 26は、 Joinメッセージ 3を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する。メッセージ提供部 26は、宛先アドレスに「S」、送信元アドレスに「UR7」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し fcjoinメッセージ 3を生成する。転送部 23は、宛先アドレスに設定された送信端末アドレス「S」に基づレ、て、 Joinメッセージ 3を転送する（S 1003)。

[0182] UR20gと、 UR20gよりも上流の UR20bとの間に存在する NR30bは、受信し fcjoi nメッセージ 3を送信端末アドレス「S」に基づいてュニキャストにより転送する。更に、 UR20bは、受信し oinメッセージ 3に基づいた処理を行うリソースが不足しているため、 Joinメッセージ 3を送信端末アドレス「S」に基づいてュニキャストによりそのまま転送する。更に、 UR20bと、 UR20bよりち上流の UR20aとの間に存在する NR30a は、受信し^ Joinメッセージ 3を送信端末アドレス「S」に基づいてュニキャストにより転送する。

[0183] この結果、 UR20aが、 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20aのメッセージ処理部 25 は、受信し oinメッセージ 3と更新前エントリ保持部 215aに示す状態のエントリ保持部 21aが保持するエントリに基づいて、送信端末アドレス「S」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、転送先アドレス「UR6, UR7」とを対応付けたエントリを生成する。メッセージ処理部 25は、生成したエントリをエントリ保持部 21bに登録することにより、エントリ保持部 21bが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 215bにおけるェントリ（S， G)： [UR6]力ら、エントリ（S， G)： [UR6, UR7]に更新する（S1004)。

[0184] UR20aのメッセージ提供部 26は、送信端末 10が保持するエントリの更新を指示するために、 Redirectメッセージ 4を生成し、転送部 23を介して送信端末アドレス宛に提供する（S1005)。メッセージ提供部 26は、 UR20fのアドレス「UR6」を転送先アドレスから削除し、 UR20aのアドレス「UR1」を転送先アドレスに追加することを要求する Redirectメッセージ 4を生成する。 Redirectメッセージ 4の宛先アドレスには送信端末アドレス「S」が設定される。

[0185] 送信端末 10のメッセージ処理部 14は、受信した Redirectメッセージ 4に基づいて、エントリ保持部 _nが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 112におけるエントリ (S, G) : [UR6]から、エントリ（S， G) : [UR1]に更新する（S1006)。これにより、図 27に示すような新たなマルチキャストツリーが設定される。

[0186] 図 28を用いて図 27に示すマルチキャストツリーに従ったマルチキャストパケットの転送を説明する。送信端末 10のパケット生成部 15は、エントリ保持部 11を参照し、マルチキャストパケットに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとして、エントリ保持部 11が保持する送信先アドレス「UR1」を設定し、マルチキャストパケットをカプセルィ匕する。そして、送信端末 10の送信部 13は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5aをその宛先アドレス「UR1」に基づいて送信する。

[0187] UR20aの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5aをディカプセル化し、マルチキャストパケットを取り出す。 UR20aの転送制御部 24は、エントリ保持部 21aを参照し、転送先アドレスが 2つであることから、取り出したマルチキャストパケットを複製し、 2つにする。

[0188] 転送制御部 24は、転送先アドレス「UR6, UR7Jと、取り出したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元アドレスとして UR20a自身のアドレス「UR1」を設定する。転送制御部 24は、一方のマルチキャストパケットには宛先アドレスとして転送先アドレス「UR6」を設定し、他方のマルチキャストパケットには宛先ァドレス「UR7」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5p, 5qをそれぞれ、その宛先アドレス「UR6」、「UR7」に基づレヽ TUR20f, 20gに転送する。 UR20f， 20gはそれぞれ、マノレチキャストノケット 5p, 5 qをディカプセル化し、マルチキャストパケット 5eを受信端末 40a， 40bにマルチキヤストにより転送する。

[0189] これによれば、例えば、 UR20a— 20hは、リソースが不足した場合等に、制御メッセージに対する処理をせずに、そのまま転送することにより、他の URに制御メッセージの処理を委託できる。更に、一部の URが制御メッセージを処理することにより、通信システム 1における負荷分散を図ることができ、通信システム 1全体の負荷が軽減される。

[0190] [第 4の実施形態]

図 29を用いて、送信端末 10がホームネットワーク 60aから外部ネットワーク 60bに移動した場合 (ハンドォーノの通信システム 1における動作を説明する。尚、図 29 において、エントリ保持部 11， 21a 21hについて、更新前と更新後の状態を区別するために、更新前のエントリ保持部 11， 2 la 2 lhの状態をそれぞれ、更新前ェントリ保持部 113, 216a, 215b, 211c, 211d, 212e, 212g, 211f, 211hとして示す。

[0191] 送信端末 10が、ホームネットワーク 60aから外部ネットワーク 60bに移動し、送信端末アドレスが、「S」から「S '」に変化した場合について考える。以下、変更後の送信端末アドレス、即ち、送信端末 10の現在位置のアドレスを「ISA (Instantaneous Source Address)」とレ、う。変更前の送信端末アドレスを「oISA (old ISA)」とレ、う。

[0192] 例えば、送信端末 10は、 Mobile IPv6を禾 lj用して、ホームネットワーク 60aから外部ネットワーク 60bに移動する（ノ、ンドオーバ）。そして、送信端末 10は、移動先の外部ネットワーク 60bにおいて、例えば、 ISA「S '」として CoA (Care of Address)を取得する。

[0193] 送信端末 10のパケット生成部 15は、 ISA「S '」を送信元アドレスに設定し、ホームネットワーク 60aにおいて使用していた oISA「S」を HA〇（Home Address option )に設定したマルチキャストパケットを生成する。更に、送信端末アドレスが変化し、送信端末 10が保持する送信先アドレス力つの場合には、パケット生成部 15は特別なオプションを設定する。送信端末 10のパケット生成部 15は、更新前エントリ保持部 1 13の状態にあるエントリ保持部 11を参照し、移動前のエントリに従って、宛先アドレスに「UR1」を設定し、マルチキャストパケットをカプセルィ匕する。送信部 13は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5rを宛先アドレスに基づいて転送する。尚、エントリ保持部 11が複数の送信先アドレスを保持していた場合、パケット生成部 15は、特別なオプションを設定せずに、複数の転送先：

パケットを生成する。 [0194] 更に、送信端末 10のメッセージ処理部 14は、 13八「3 '」及び₀13八「3」と、マルチキヤストグノレープアドレス「G」と、更新前エントリ保持部 113が保持する送信先アドレス「

UR1」とを対応付けたエントリを生成する。メッセージ処理部 14は、生成したエントリをエントリ保持部 11に登録し、エントリ保持部 _nが保持するエントリを、更新前ェントリ保持部 113におけるエントリ（S， G) : [UR1]から、エントリ（S/S，， G) : [UR1]に更新する。

[0195] 送信端末 10力送信されたマルチキャストパケット 5rを、例えば、 UR20bが受信する。 UR20bの受信部 22は、特別なオプションが設定されているため、マルチキャストパケット 5rをディカプセル化し、取り出したマルチキャストパケットと、マルチキャストパケット 5rに設定されてレ、た（カプセル化に用いられてレ、た）宛先アドレス「UR1」と送信元アドレス「S '」をメッセージ処理部 25に入力する。

[0196] メッセージ処理部 25は、送信元アドレスに設定された ISA「S '」、 HOAに設定された oISA「S」と、更新前エントリ保持部 215bの状態にあるエントリ保持部 21bに基づいて、 13八「3 '」及び₀13八「3」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、更新前ェントリ保持部 215bが保持する転送先アドレス「UR6, UR7」とを対応付けたエントリを生成する。

[0197] メッセージ処理部 25は、生成したエントリをエントリ保持部 21bに登録し、エントリ保持部 21bが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 215bにおけるエントリ（S, G)： [UR6, UR7]から、エントリ（S/S ' , G)： [UR6, UR7]に更新する。メッセージ処理部 25は、ディカプセル化したマルチキャストパケットと、マルチキャストパケット 5rに設定されていた宛先アドレス「UR1」を転送制御部 24に入力する。

[0198] 転送制御部 24は、取り出したマルチキャストパケットの宛先アドレスに、マルチキヤストパケット 5rに設定されていた宛先アドレス「UR1」を設定し、送信元アドレスに UR 20bのアドレス「UR2」を設定して、マルチキャストパケットをカプセル化する。転送部 23は、カプセル化されたマルチキャストパケット 5sを、その宛先アドレスに基づいて U R20aに転送する。このように送信端末アドレスが変更された場合、転送制御部 24は、送信端末 10の変更前の送信先アドレス「UR1」にマルチキャストパケットを転送するよう制御する。これにより、転送部 23は、 UR20bがこれまで受信していたマルチキャストパケットの転送元である UR20aに、マルチキャストパケット 5sを転送する。

[0199] 更に、転送制御部 24は、エントリ保持部 21bを参照し、転送先アドレスが 2つであること力、マルチキャストパケットを複製し、 2つにする。転送制御部 24は、転送先アドレス「UR6， UR7」と、取り出したマルチキャストパケットの宛先アドレス「G」が異なることから、送信元アドレスとして UR20b自身のアドレス「UR2」を設定する。転送制御部 24は、一方のマルチキャストパケットには宛先アドレスとして転送先アドレス「UR6」を設定し、他方のマルチキャストパケットには宛先アドレス「UR7」を設定してカプセル化する。そして、転送部 23が、カプセル化されたマルチキャストパケット 5t， 5uをそれぞれ、その宛先アドレス「UR6」、「UR7」に基づレ、て UR20f, 20gに転送する。

[0200] UR20f, 20gのメッセージ処理部 25も、 UR20bと同様にして、エントリ保持部 21f，

21gを、更新前エントリ保持部 21 If， 212gにおけるエントリ（S, G) : [G]からエントリ (S，， G)： [G]に更新する。更に、 UR20bと UR20fとの間に存在する UR20dのメッセージ処理部 25も、エントリ保持部 21dを、更新前エントリ保持部 21 Idにおけるェントリ（S, G)： [UR6]からエントリ (S/S，， G)： [UR6]に更新する。

[0201] UR20f, 20gはそれぞれ、マルチキャストパケット 5t, 5uをディカプセル化し、 ISA「 S '」が送信元アドレスに設定され、 oISA「S」が HAOに設定されたマルチキャストパケット 5yを受信端末 40a, 40b【こマノレチキャスト ίこより転送する。

[0202] 一方、「UR1」宛に転送されたマルチキャストパケット 5sを、 UR20aの受信部 22が受信する。受信部 22は、特別なオプションが設定されているため、マルチキャストパケット 5sをディカプセル化し、取り出したマルチキャストパケットと、マルチキャストパケット 5sに設定されていた（カプセルィ匕に用いられていた）宛先アドレス「UR1」と送信元アドレス「UR2」をメッセージ処理部 25に入力する。

[0203] UR20aのメッセージ処理部 25は、カプセル化に用いられていた送信元アドレス「U R2」と、更新前エントリ保持部 216aの状態にあるエントリ保持部 21aに基づいて、 U R20aは、マルチキャストパケットの送信元である「UR2」にはマルチキャストパケットを転送する必要がないと判断する。よって、メッセージ処理部 25は、転送先アドレスから「111 2」を削除する。

[0204] そして、メッセージ処理部 25は、送信元アドレスに設定された ISA「S '」、 HOAに設定された oISA「S」と、カプセル化に用いられていた送信元アドレス「UR2」と、更新前エントリ保持部 216aの状態にあるエントリ保持部 21aに基づいて、 ISA「S'」及び oISA「S」と、マルチキャストグループアドレス「G」と、転送先アドレス「UR5」とを対応付けたエントリを生成する。

[0205] メッセージ処理部 25は、生成したエントリをエントリ保持部 21aに登録し、エントリ保持部 21aが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 215aにおけるエントリ（S， G)： [UR2, UR5]から、エントリ（SZS '， G)： [UR5]に更新する。メッセージ処理部 25 は、ディカプセルィ匕したマルチキャストパケットを転送制御部 24に入力する。 UR20a の転送制御部 24は、更新後のエントリ保持部 21aを参照し、転送先アドレス「UR5」によりカプセル化したマルチキャストパケット 5vを UR20eに転送する。

[0206] このように UR20aは、マルチキャストパケット 5s受信時にエントリ保持部 21aが保持していた転送先アドレスから、マルチキャストパケット 5sの転送元である UR20bを除いた UR20eにマルチキャストパケット 5vを転送する。

[0207] UR20aと UR20eとの間に存在する UR20cのメッセージ処理部 25も、エントリ保持部 21cを、更新前エントリ保持部 211cにおけるエントリ（S， G) : [UR5]からエントリ（ S/S ' , G)： [UR5]に更新する。 UR20eのメッセージ処理部 25も、エントリ保持部 2 leを、更新前エントリ保持部 212eにおけるエントリ（S, G)： [R3, UR8]からエントリ（ S '， G)： [R3, UR8]に更新する。

[0208] UR20eの転送制御部 24は、エントリ保持部 21eに従って、送信元アドレスに「UR5 」、宛先アドレスに「R3」を設定してカプセル化したマルチキャストパケット 5wを受信端末 40cに転送する。更に、転送制御部 24は、送信元アドレスに「UR5」、宛先アドレスに「UR8」を設定してカプセル化したマルチキャストパケット 5xを UR20hに転送する。 UR20hは、エントリ保持部 21hが保持するエントリを、更新前エントリ保持部 21 lhが保持するエントリ（S, G)： [G]から、エントリ（SZS '， G)： [G]に更新する。そして、受信端末 40dにマルチキャストパケット 5yをマルチキャストにより転送する。

[0209] 受信端末 40a 40dは、 ISA「S '」が送信元アドレスに設定され、 oISA「S」が HA Oに設定されたマルチキャストパケット 5yを受信する。尚、受信端末 40cは、マルチキャストパケット 5wをディカプセル化することにより、マルチキャストパケット 5yを取り出す。このように、受信端末 40a— 40dは、外部ネットワーク 60bに移動した送信端末 1 0からのマルチキャストパケットを受信した場合、 ISA「S '」に対して、 Membership Report2又は Joinメッセージ 3を送信する。これにより、 ISA「S '」を上流とするマルチキャストツリーが設定される。

[0210] 尚、受信端末 40a— 40dの方が移動する（ハンドオーバ）場合、移動前に接続し、マノレチキャストノケットを転送してもらってレヽた UR20f, 20g, 20e, 20h (こ対して、 Le ave Groupメッセージ 7を送信する。そして、受信端末 40a— 40dは、移動先のネットワークにおいて新たに Membership Report2又 fお oinメッセージ 3を送信する。

[0211] 従来の MIP—BTでは、送信端末が移動しても通信が継続できるものの、マルチキャストパケットがホームエージェントを経由するため、転送経路が冗長になってしまう問題があった。これに対し、通信システム 1では、送信端末 10が移動した場合であつても、適切なマルチキャストツリーを設定し、マルチキャストパケットを転送することができる。そのため、通信システム 1では、通信を継続でき、し力も転送経路が冗長になるのを防止できる。特に、 UR20a— 20hが送信端末 10の移動を検出し、エントリ保持部 21a— 21hを更新していくことにより、通信システム 1では適切にマルチキャストパケットを受信端末 40a— 40dに転送することができる。よって、受信端末 40a— 40d は、送信端末 10の移動を自ら検出する必要や、それに基づく制御を省略できる。よつて、受信端末 40a— 40dの機能を変更する必要がなぐ負荷も軽減できる。

[0212] [第 5の実施の形態]

〔通信システム〕

図 30に示すように、通信システム 301は、送信端末 10と、 UR20a— 20cと、 NR30 a 30cと、受信端末 40a— 40cとを備える。通信システム 301は、図 1に示した通信システム 1と比較し、 UR、 NR、受信端末の数が異なり、送信端末 10、 UR20a-20c 、 NR30a— 30c、受信端末 40a 40cの接続関係が変化した以外は実質的に同様である。以下、上記実施形態との相違点を中心に説明する。 UR20a 20cは、複数の転送先アドレスにマルチキャストパケットを転送する分岐ルータになることができる。本実施形態では、マルチキャストパケットは、送信端末と分岐ルータとの間、分岐ル一タ間はカプセル化されて転送される。 [0213] UR20a— 20cの受信部 22は、カプセル化されたマルチキャストパケットの宛先アドレスが、 UR20a— 20c自身のアドレスと一致するか否かを判断する。受信部 22は、一致するときは、 UR20aが分岐ルータである場合であるため、マルチキャストパケットを転送制御部 24に入力する。受信部 22は、これらの条件に一致しない場合には転送部 23に入力する。

[0214] 又、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに、 URが分岐ルータになるかを判断する判断部として機能する。メッセージ処理部 25は、制御メッセージ及びエントリ保持部 21a 21cが保持する転送先アドレスに基づいて判断を行う。更に、メッセージ処理部 25は、分岐ルータになると判断した場合、転送先保持部に送信端末アドレスに対応付けて、複数の転送先アドレスを登録する転送先登録部としても機能する。具体的には、メッセージ処理部 25は、 UR20a 20cが分岐ルータになると判断した場合、エントリ保持部 21a— 2 lcに MFTエントリを生成して、転送先アドレスを登録する。

[0215] 又、メッセージ処理部 25は、ノレータ 20a— 20c自身よりも下流の分岐ルータからの Redirectメッセージ 4 (参加/離脱要求メッセージ）に基づいて、下流の分岐ルータの転送先アドレスをエントリ保持部 21a— 21cから削除し、下流の分岐ルータのァドレスをエントリ保持部 21a— 21cに登録する。これにより、送信端末 10から複数の分岐ルータを経由して受信端末 40a— 40cにマルチキャストパケットが転送される適切なマルチキャストツリーが設定される。

[0216] 尚、メッセージ処理部 25は、 UR20a— 20cが分岐ルータになると判断した場合に加えて、 UR20a— 20cが受信端末 40a— 40cと接続する末端ノレータとなる場合にも、 MFTエントリを生成し、送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて転送先アドレスを登録する。これにより、送信端末 10から分岐ルータ、末端ルータを経由して受信端末 40a 40cにマルチキャストパケットが転送される適切なマルチキャストツリーが設定される。メッセージ処理部 25は、 UR20a— 20cが分岐ルータ又は末端ルータとなる場合以外は、 MCTエントリを生成して転送先アドレスを登録する。

[0217] 又、メッセージ処理部 25は、 UR20a 20cが分岐ルータになるか否かに基づいて、受信した制御メッセージをそのまま送信するカ受信した制御メッセージに基づいて新たに制御メッセージを生成して送信するかを判断する。メッセージ処理部 25は、分岐ルータにならない場合にはそのまま送信すると判断し、受信した制御メッセージを転送部 23に入力する。メッセージ処理部 25は、分岐ルータになる場合には新たに生成すると判断し、受信した制御メッセージをメッセージ提供部 26に入力する。

[0218] メッセージ提供部 26は、制御メッセージを生成する。メッセージ提供部 26は、メッセージ処理部 25から取得する UR20a— 20cが受信した制御メッセージ、エントリ保持部 21a 21cが保持する情報に基づいて、制御メッセージを生成する。メッセージ提供部 26は、生成した制御メッセージを転送部 23に入力する。

[0219] 送信端末 10のエントリ保持部 11は、分岐ルータ、末端ルータ、受信端末のいずれ力、のアドレスを送信先アドレスとして保持する。メッセージ処理部 14は、参加 Z離脱メッセージである Redirectメッセージに基づレ、て、分岐ルータの転送先アドレスを送信先保持部から削除し、分岐ルータのアドレスを送信先保持部に登録する送信先登録部として機能する。

[0220] 次に、通信システム 301におけるマルチキャストツリーの設定について、図 31— 34 を用いて詳細に説明する。前述したようにマルチキャストツリーには、初期状態と安定状態がある。そのため、初期状態における処理と安定状態における処理に分けて説明する。

[0221] (初期状態）

初期状態では、エントリ保持部 11 , 21a— 21cは送信先アドレスや転送先アドレスを保持していない。図 31に示すように、受信端末 40aが、送信端末 10が送信するマルチキャストパケットの受信を開始したレ、場合、マルチキャストパケットの送信を要求する。受信端末 40aは、受信端末 40aが無線リンクを介して接続しているルータが U Rの場合、 MLDv2に従って送信を要求できる。具体的には、受信端末 40aは、 Me mbership 1^0112を111 200に送信する。

[0222] 受信端末 40aは、 Membership Report2を用いて、送信端末アドレス「S」、マルチキャストグループアドレス「G」、即ち、（S, G)によって特定されるマルチキャストパケットの送信を要求する。 Membership Report2は、宛先アドレスにマルチキャストグループアドレス「G」、送信元アドレスに受信端末 40aのアドレス「R1」が設定され、マルチキャストグループアドレス「G」の指定を含む。

[0223] 受信端末 40aから送信端末 10への経路の最下流に存在する UR20cが、 Member ship Report2を受信する。 UR20cのメッセージ処理部 25は、 UR20cが受信端末 40aと接続する末端ルータであることから、エントリ保持部 21cに MFTエントリを生成する。メッセージ処理部 25は、 (S, G)： [G]を MFTエントリに登録する。メッセージ処理部 25は、転送先アドレス「G」の KAT及び（S, G)に関する JTを起動させる。

[0224] UR20cのメッセージ処理部 25は、受信した Membership Report2をメッセージ提供部 26に入力する。 UR20cのメッセージ提供部 26は、受信端末 40aが Member ship Report2を用いて要求したマルチキャストパケットの送信を、送信端末 10に要求する Joinメッセージ 3を生成する。具体的には、メッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」を設定し、送信元アドレスに UR20cのアドレス「UR3」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し oinメッセージ 3を生成する。

[0225] UR20cのメッセージ提供部 26は、生成し oinメッセージ 3を転送部 23に入力し、 UR20cの転送部 23が送信端末 10宛に Joinメッセージ 3を送信する。これにより、 U R20cは、より上流の UR20b, 20aにも Joinメッセージ 3を転送できる。

[0226] UR20cから送信端末 10までの経路に存在する UR20bが、 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21bを参照する。メッセ一ジ処理部 25は、エントリ保持部 21bが転送先アドレスを保持していないことから、 UR 20bがマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスは、受信し oinメッセージ 3 により決まる 1つであると判断する。よって、メッセージ処理部 25は、 UR20bは分岐ルータにはならないと判断する。

[0227] そのため、 UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21bに MCTエントリを生成する。メッセージ処理部 25は、 Joinメッセージ 3の送信元アドレスに設定されてレ、る「UR3」を転送先アドレスと判断し、（S, G) : [UR3]を MCTエントリに登録する。メッセージ処理部 25は、転送先アドレス「UR3」の KATを起動させる。このように初期状態では、分岐ルータではない URも MCTを保持することになる。更に、メッセージ処理部 25は、受信し oinメッセージ 3をそのまま転送部 23に入力する。 UR20bの転送部 23が送信端末 10宛に Joinメッセージ 3を送信し、より上流の UR20aに Joinメッセージを転送する。

[0228] そして、 UR20cから送信端末 10までの経路のより上流に存在する UR20aが、 Join メッセージ 3を受信する。 UR20aのメッセージ処理部 25も、 UR20bと同様にして、ェントリ保持部 21aに MCTエントリを生成して、（S， G) : [UR3]を MCTエントリに登録し、転送先アドレス「UR3」の KATを起動させる。 NR30aは、特別なオプションを解釈できないため、 Joinメッセージ 3を通常のュニキャストパケットとして送信端末 10に転送する。

[0229] 最後に、送信端末 10が、 Joinメッセージ 3を受信する。メッセージ処理部 14は、ェントリ保持部 11に MFTエントリを生成する。メッセージ処理部 14は、 Joinメッセージ 3 の送信元アドレスに設定されている「UR3」を送信先アドレスと判断し、（S, G)： [UR 3]を MFTエントリに登録する。メッセージ処理部 25は、送信先アドレス「UR3」の KA Tを起動させる。

[0230] 以上の処理により、最上流の送信端末 10から、末端ルータである UR20cを経由して受信端末 40aにマルチキャストパケットが転送されるマルチキャストツリーが設定される。この， G)により特定されるマルチキャストツリーに受信端末 40aが参加している図 31に示す状態において、受信端末 40bが、送信端末 10が送信するマルチキヤストパケットの受信を開始したい場合、図 32に示すようにしてマルチキャストツリーに参加する。

[0231] 尚、エントリ保持部 11, 21a, 21bについて、受信端末 40aだけが参加している図 3 1における状態と、受信端末 40bが参加した図 32における状態とを区別するために、図 31におけるエントリ保持部 11 , 21a, 21bの状態を、図 32では、更新前エントリ保持部 114, 217a, 216bとして図示する。

[0232] まず、受信端末 40bは NR30bに接続しているため、受信端末 40bが無線リンクを介して接続しているルータが NRであることを検出する。そのため、受信端末 40bは、 (S, G)により特定されるマルチキャストツリーへの参加を要求する Joinメッセージ 3を送信する。 Joinメッセージ 3には特別なオプションが設定されているため、 NR30bfお oinメッセージ 3を破棄せず、受信端末 40bから送信端末 10までの経路に存在する U R20bが Joinメッセージ 3を受信できる。受信端末 40bは、宛先アドレスに送信端末ァドレス「S」を設定し、送信元アドレスに受信端末 40bのアドレス「R2」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し^ Joinメッセージ 3を送信する。

[0233] URの中で、受信端末 40bから送信端末 10への経路の最下流に存在する UR20b 力 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20bのメッセージ処理部 25は、 UR20bの更新前エントリ保持部 216bを参照する。メッセージ処理部 25は、 MCTエントリを保持する変更前エントリ保持部 216bが、既に（S, G)に対応する転送先アドレスとして保持している「UR3」と、受信した（S, G)に関する Joinメッセージ 3の送信元アドレス「R2」とが異なることから、 UR20bが（S， G)により特定されるマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスは、「UR3」と「R2」の複数あると判断する。よって、メッセージ処理部 25は、 UR20bは分岐ルータになると判断する。このように初期状態では、 MCT エントリは分岐ルータになる力、を判断するために用いられる。

[0234] 分岐ルータになると判断した UR20bのメッセージ処理部 25は、更新前エントリ保持部 216bから MCTエントリを削除し、新たに MFTエントリを生成する。メッセージ処理部 25は、更新前エントリ保持部 216bが保持していた情報と、受信し oinメッセージ 3に基づいて、（S, G)： [UR3, R2]を、エントリ保持部 21bの MFTエントリに登録し、 MCTエントリで使われていた転送先アドレス「UR3」の KATをコピーする。又、メッセージ処理部 25は、転送先アドレス「R2」の KAT及び（S, G)に関する JTを起動させる。更に、メッセージ処理部 25は、受信し: Joinメッセージ 3を、 UR20bのメッセ一ジ提供部 26に入力する。

[0235] UR20bのメッセージ提供部 26は、エントリ保持部 21bが保持する転送先アドレスと、受信し fcjoinメッセージ 3に基づいて、 Redirectメッセージ 4を生成する。メッセ一ジ提供部 26は、 Redirectメッセージ 4を生成後、受信し joinメッセージ 3は破棄する。 UR20bのメッセージ提供部 26は、分岐ルータとなる UR20bのアドレス「UR2」を送信先アドレスに追加することを要求する Joinメッセージと、送信先アドレスから分岐ルータである UR20bの転送先アドレス「UR3」と「R2」を削除することを要求する Pru neメッセージとを含む Redirectメッセージ 4を生成する。

[0236] 又、メッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」を、送信元ァドレスに UR20bのアドレス「UR2」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定した Redirectメッセージ 4とする。そして、 UR20bのメッセージ提供部 26は、生成した Redirectメッセージ 4を転送部 23に入力し、 UR20bの転送部 23が送信端末 10 宛に Redirectメッセージ 4を送信する。これにより、 UR20bは、より上流の UR20aにも Redirectメッセージ 4を転送できる。このようにして、転送部 23は、分岐ルータのァドレスを送信先アドレスに追加し、分岐ルータの転送先アドレスを送信先アドレスから削除することを要求する参加 Z離脱メッセージを送信アドレス宛に提供するルータメッセージ提供部として機能する。

[0237] そして、 UR20b力、ら送信端末 10までの経路に存在する UR20aが、 Redirectメッセージ 4を受信する。 UR20aのメッセージ処理部 25は、 Reidirectメッセージ 4に従つて、エントリ保持部 21aを更新する。具体的には、メッセージ処理部 25は、更新前エントリ保持部 217aの MCTエントリから、削除の指示を受けている「UR3」、「R2」のうち、転送先アドレスとして保持している「UR3」及びその KATを削除し、追加の指示を受けている「UR2」を MCTエントリに転送先アドレスとして登録する。メッセージ処理部 25は、転送先アドレス「UR2」の KATを起動させる。これにより、エントリ保持部 21aの MCTエントリは、（S, G) : [UR2]に更新される。このように分岐ルータよりも上流に位置する URも、 Redirectメッセージ 4に含まれる分岐ルータのアドレスを転送先アドレスに追加し、分岐ルータの転送先アドレスを転送先アドレスから削除する。

[0238] 更に、メッセージ処理部 25は、受信した Redirectメッセージ 4をそのまま転送部 23 に入力する。そして、 UR20aの転送部 23が送信端末 10宛に Redirectメッセージ 4 を送信し、 NR30a力 Redirectメッセージ 4をュニキャストパケットとして送信端末 10 に転送する。

[0239] 最後に、送信端末 10が、 Redirectメッセージ 4を受信する。メッセージ処理部 14は、 Reidirectメッセージ 4に従って、エントリ保持部 11を更新する。具体的には、メッセージ処理部 14は、変更前エントリ保持部 114の MFTエントリから、削除の指示を受けている「UR3」、「R2」のうち、送信先アドレスとして保持している「UR3」及びその K ATを削除し、追加の指示を受けている分岐ルータのアドレス「UR2」を MFTエントリに送信先アドレスとして登録する。メッセージ処理部 14は、送信先アドレス「UR2」の KATを起動させる。これにより、エントリ保持部 11の MFTエントリは、（S, G)： [UR2 ]に更新される。このようにして、メッセージ処理部 14は、参加/離脱メッセージに基づいて、分岐ルータの転送先アドレスを送信先保持部から削除し、分岐ルータのアドレスを送信先保持部に登録する送信先登録部として機能する。

[0240] 以上の処理により、最上流の送信端末 10から、分岐ルータとなった UR20b、末端ルータである UR20cを経由して受信端末 40aにマルチキャストパケットが転送され、 UR20bを経由して受信端末 40bにマルチキャストパケットが転送されるマルチキャストッリ一が設定される。このように、マルチキャストツリーの初期状態では、新たな受信端末がマルチキャストツリーに次々と参加する。そして、新たな参加があるたびにマルチキャストツリーが変更され、設定されていく。

[0241] 受信端末 40b及び末端ルータとなった UR20c、分岐ルータとなった UR20bはそれぞれ、分岐ルータである UR20b、送信端末 10に定期的に Joinメッセージ 3を送信する。又、受信端末 40aは、末端ルータである UR20cに定期的に Membership R eport2を送信する。送信端末 10、 UR20bは、 Joinメッセージ 3を受信することにより、 UR20cは、 Membership Report2を受信することにより、エントリ保持咅 11 , 21a 一 21cの送信先アドレスや転送先アドレスを維持する。

[0242] 具体的には、分岐ルータとなった UR20bのメッセージ提供部 26は、エントリ保持部

21bを参照し、 JTが満了したときに、宛先アドレスが送信端末アドレス「S」、送信元ァドレスが「UR2」の Joinメッセージ 3を生成する。そして、 UR20bの転送部 23力、生成し oinメッセージ 3を送信する。送信端末 10のメッセージ処理部 14は、エントリ保持部 11を参照し、送信先アドレス「UR2」の KATが満了した場合、エントリ保持部 11 から（S， G)に対応する送信先アドレス「UR2」を削除する。一方、メッセージ処理部 1 4は、送信先アドレス「UR2」の KATが満了する保持時間内に、受信部 12が、分岐ノレータである UR20b力ら、送信元アドレスが「UR2」の Joinメッセージ 3を受信した場合、送信先アドレス「UR2」の KATを再起動して、保持時間を延長する。

[0243] 又、末端ルータとなった UR20cも UR20bと同様にして、 JTが満了したときに KAT が満了していない転送先アドレスが 1つでもある場合は、宛先アドレスが送信端末ァドレス「S」、送信元アドレス力 S「UR3」の Joinメッセージ 3を送信する。受信端末 40bも、宛先アドレスが送信端末アドレス「S」、送信元アドレスが「R2」の Joinメッセージ 3を送信する。

[0244] 分岐ルータとなった UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21bを参照し、転送先アドレス「UR3」の KATが満了した場合には、エントリ保持部 21bの MFTェントリを削除して MCTエントリを生成し、転送先アドレス「R2」を登録する。メッセージ処理部 25は、転送先アドレスが「R2」 1つになったことから、 UR20b力分岐ノレ一タカら、分岐ルータではないルータ（以下「非分岐ルータ」という）になったと判断する。そして、メッセージ処理部 25は、メッセージ提供部 26に、 Redirectメッセージ 4の生成を指示する。そして、メッセージ提供部 26が、非分岐ルータとなった UR20bの転送先アドレス「R2」を送信先アドレスに追加し、非分岐ルータとなった UR20bのアドレス「UR2」を送信先アドレスから削除することを要求する Redirectメッセージ 4を生成する。そして、転送部 23が、その Redirectメッセージ 4を送信端末アドレス「S」宛に送信する。

[0245] このようにして、メッセージ処理部 25は、 URが分岐ルータから非分岐ルータになるかを判断する。そして、転送部 23は、メッセージ処理部 25が非分岐ルータになると判断した場合に、非分岐ルータの転送先アドレスを送信先アドレスに追加し、非分岐ルータのアドレスを送信先アドレスから削除することを要求する参加/離脱要求メッセージを送信端末アドレス宛に送信する。これにより、通信システム 301では、一度分岐ルータになった URが非分岐ルータに変化した場合にも、適切なマルチキャストツリーに変更できる。

[0246] 次に、 UR20bのメッセージ処理部 25は、転送先アドレス「R2」の KATが満了した場合、エントリ保持部 21bから転送先アドレス「R2」が登録された MCTエントリを削除する。一方、 UR20bのメッセージ処理部 25は、転送先アドレス「UR3」、「R2」の KA Tが満了する前に、 UR20bの受信部 22が、末端ルータである UR20c、受信端末 40 b力、送信元アドレスが「UR3」、「R2」の Joinメッセージ 3を受信した場合、転送先アドレス「UR3」、「R2」の KATを再起動し、保持時間を延長する。尚、末端ルータである UR20cのメッセージ処理部 25も UR20bと同様に、エントリ保持部 21cを参照し、転送先アドレス「G」の KATが満了した場合、エントリ保持部 21cの MFTエントリから、（S, G)に対応する転送先アドレス「G」を削除する。又、 UR20cのメッセージ処理部 25は、 UR20cの受信部 22が受信端末 40aから、 Membership Report2を受信した場合、転送先アドレス「G」の KATを再起動する。

[0247] このようにして初期状態ではマルチキャストツリーが維持される。又、 Joinメッセージ

3や、 Membership Report4は、マルチキャストツリーを維持するための維持要求メッセージとしても機能できる。

[0248] (安定状態）

安定状態移行後の処理について、図 32に示したマルチキャストツリーの状態で安定状態に移行した場合を例にとって、図 33を用いて説明する。尚、エントリ保持部 21 aについて、図 32における状態と、安定状態移行後における状態とを区別するために、図 32におけるエントリ保持部 21aの状態を、図 33では、更新前エントリ保持部 21 8aとして図示する。

[0249] マルチキャストツリーが安定状態に移行すると、送信端末 10のパケット生成部 15は、安定状態に移行したことを示す Stableオプションを設定したマルチキャストパケットを生成し、送信部 13が送信する。これにより、送信端末 10は、参加している受信端末 40a, 40bに、マルチキャストツリーが安定状態に移行したことを通知する。受信端末 40a, 40bは、 Stableオプションが設定されたマルチキャストパケットを受信した後は、受信端末 40aの場合、 Stable Membership Report,受信端末 40bの場合、 Stable Joinメッセージ 3aを送信する。例えば、受信端末 40bは、 Stableオプションが設定されたマルチキャストパケットの受信後は、宛先アドレスが送信端末アドレス「S 」、送信元アドレスが「R2」である Stable Joinメッセージ 3aを送信する。

[0250] そして、 UR20b, 20cは、受信端末 40a, 40b又は下流の URから、 Stable Joinメッセージ 3aを受信した後は、 Stable Joinメッセージ 3aを送信する。例えば、末端ルータである UR20cのメッセージ提供部 26は、 JTが満了したときに KATが満了していない転送先アドレスが 1つでもある場合は、宛先アドレスが送信端末アドレス「S」、送信元アドレスが「UR3」、マルチキャストグループアドレスとして「G」を指定した Stable

Joinメッセージ 3aを生成する。 UR20cの転送部 23力生成された Stable Joinメッセージ 3aを送信する。 [0251] そして、 UR20cから送信端末 10までの経路に存在する UR20bが、 UR20cからの Stable Joinメッセージ 3aを受信する。 UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21bを参照し、受信した Stable Joinメッセージ 3aの送信元アドレスを転送先ァドレスとして保持するエントリ力 MFTエントリ又は MCTエントリのいずれであるかを判断する。メッセージ処理部 25は、 MFTエントリ力 Stable Joinメッセージ 3aの送信元アドレスを転送先アドレスとして保持してレ、る場合には、転送先アドレスの保持時間を延長する。メッセージ処理部 25は、 MCTエントリ力 Stable Joinメッセージ 3a の送信元アドレスを、転送先アドレスとして保持している場合には保持時間を延長しなレヽ。尚、 MFTエントリ力 Stable Joinメッセージ 3aの送信元アドレスを転送先アドレスとして保持している場合は、当然、その転送先アドレスの KATが満了する前、即ち、保持時間内に UR20bは、 Stable Joinメッセージ 3aを受信していることになる。

[0252] UR20bのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21bの MFTエントリ力受信した Stable Joinメッセージ 3aの送信元アドレス「UR3」を転送先アドレスとして保持しているため、転送先アドレス「UR3」の KATを再起動し、保持時間を延長する。同様に、受信端末 40bから送信端末 10までの経路に存在する UR20bが、受信端末 40bからの Stable Joinメッセージ 3aを受信する。そして、 UR20bのメッセージ処理部 25 は、エントリ保持部 21bの MFTエントリ力受信した Stable Joinメッセージ 3aの送信元アドレス「R2」を転送先アドレスとして保持しているため、転送先アドレス「R2」の KATを再起動し、保持時間を延長する。

[0253] 更に、 UR20bのメッセージ処理部 25は、今後生成する Joinメッセージには、 Stabl eオプションを設定するようメッセージ提供部 26に指示する。そして、 UR20bのメッセージ提供部 26は、 JTが満了したときに KATが満了していない転送先アドレスが 1つでもある場合は、宛先アドレスが送信端末アドレス「S」、送信元アドレスが「UR2」、マルチキャストグループアドレスとして「G」を指定した Stable Join3aメッセージを生成する。そして、 UR20bの転送部 23力 S、生成された Stable Joinメッセージ 3aを送信する。このように、分岐ルータは、 Stable Joinメッセージ 3aの受信後は、自身も Sta ble Joinメッセージ 3aを送信する。

[0254] そして、 UR20b力送信端末 10までの経路に存在する UR20aが、 Stable Joinメッセージ 3aを受信する。 UR20aのメッセージ処理部 25は、変更前エントリ保持部 21 laを参照する。メッセージ処理部 25は、変更前エントリ保持部 21 laが MCTエントリし力保持しておらず、し力も、 MCTエントリに登録されている転送先アドレス力受信した Stable Joinメッセージ 3aの送信元アドレス「UR2」と同一であるため、その転送先アドレス「UR2」の KATを再起動せず、保持時間を延長しなレ、。このように、 Stabl e Joinメッセージ 3aは、 MCTエントリが保持する転送先アドレスの KATの再起動には用いられない。

[0255] 更に、 UR20aのメッセージ処理部 25は、 Stable Joinメッセージ 3aをそのまま転送部 23に入力する。 UR20aの転送部 23が送信端末 10宛に Stable Joinメッセ一ジ 3aを送信し、 NR30a力 Stable Joinメッセージ 3aをュニキャストパケットとして送信端末 10に転送する。

[0256] 更新前エントリ保持部 218aが保持する転送先アドレス「UR3」の KATは再起動されないため、満了する。 UR20aのメッセージ処理部 25は、 KATが満了した転送先アドレス「UR2」を、更新前エントリ保持部 218aから削除する。その結果、エントリ保持部 21aは、 MCTエントリが破棄されて、転送先アドレスを保持しない状態に更新される。

[0257] 最後に、送信端末 10が、 Stable Joinメッセージ 3aを受信する。メッセージ処理部

14は、エントリ保持部 11力受信した Stable Joinメッセージ 3aの送信元アドレス「U R2」を送信先アドレスとして保持しているため、送信先アドレス「UR2」の KATを再起動し、保持時間を延長する。尚、末端ルータである UR20cのエントリ保持部 21cが保持する転送先アドレス「G」の KATは、初期状態におけるマルチキャストツリーの維持の場合と同様に、 UR20cが Membership Reportを受信した場合に、 UR20cのメッセージ処理部 25が再起動する。

[0258] このように、通信システム 301では、安定状態移行後は、エントリ保持部 21a 21c の MFTエントリが保持する転送先アドレスの保持時間の延長にのみ利用する Stabl e Joinメッセージ 3aを用いることにより、エントリ保持部 21a— 21cの MFTエントリが保持する転送先アドレスだけが保持され、 MCTエントリが保持する転送先アドレスは削除される。これにより、 UR20a— 20cは、エントリ保持部 21a— 21cの MFTエントリが転送先アドレスを保持する分岐ルータ又は末端ルータの場合にだけ、転送先アドレスを保持し続けることができ、安定状態のマルチキャストツリーを維持できる。

[0259] MCTは、マルチキャストツリーの設定のため、より具体的には、 URが分岐ルータになるか否力、を判断するために用いられる。そのため、受信端末の参加が頻繁に起こるマルチキャストツリーの初期状態では有用である。しかし、マルチキャストツリーが安定状態に移行した後は、新たにマルチキャストツリーに参加する受信端末の数が減少するため、 URが分岐ルータになるか否かを判断する機会が減り、 MCTエントリが利用される機会も減少する。よって、 MCTエントリが保持する転送先アドレスは初期状態においてのみ保持し、マルチキャストツリーが安定状態に移行した後は削除することにより、分岐ルータ及び末端ノレータ以外の URの負荷を更に軽減できる。

[0260] 安定状態に移行し、更に、 MCTエントリが保持する転送先アドレスが削除された図

33に示す状態において、受信端末 40cが、送信端末 10が送信するマルチキャストパケットの受信を開始したい場合、図 34に示すようにして安定状態のマルチキャストツリーに参加する。尚、エントリ保持部 11 , 21aについて、受信端末 40a, 40b力 S参カロしている図 33における状態と、受信端末 40cが参加した図 34における状態と、図 33 における状態から図 34における状態への移行状態とを区別するために、図 34では、図 33におけるエントリ保持部 11 , 21aの状態を、更新前エントリ保持部 116, 220aとして図示し、移行状態におけるエントリ保持部 11 , 21aの状態を、移行中エントリ保持部 115, 219aとして図示する。

[0261] まず、受信端末 40cは NR30cに接続しているため、受信端末 40bと同様にして、受信端末 40cが無線リンクを介して接続しているルータが NRであることを検出し、 Join メッセージ 3を送信する。このとき、受信端末 40cは、マルチキャストツリーに参加してレヽなレ、ため、 Stableオプションが設定されたマルチキャストパケットを受信してレ、なレヽ。よって、受信端末 40cは、 Stableオプションが設定されていない通常の Joinメッセージ 3を送信する。受信端末 40cは、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」を設定し、送信元アドレスに受信端末 40cのアドレス「R3」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定し oinメッセージ 3を送信する。

[0262] URの中で、受信端末 40cから送信端末 10への経路の最下流に存在する UR20a 力 Joinメッセージ 3を受信する。 UR20aのメッセージ処理部 25は、 UR20aの更新前エントリ保持部 220aを参照する。メッセージ処理部 25は、更新前エントリ保持部 2 20aが転送先アドレスを保持しておらず、かつ、安定状態のマルチキャストツリーの維持に用いる Stable Joinメッセージ 3aではない通常の Joinメッセージ 3を受信したこと力、ら、受信し joinメッセージ 3の送信元アドレスに設定されている「R3」を、 UR20 aがマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスと判断する。し力も、転送先アドレスは 1つであるため、メッセージ処理部 25は、 UR20aは分岐ルータにはならないと判断する。

[0263] そのため、 UR20aのメッセージ処理部 25は、更新前エントリ保持部 220aに MCT エントリを生成して、（S, G) : [R3]を登録し、移行中エントリ保持部 219aの状態とする。更に、メッセージ処理部 25は、受信し fcjoinメッセージ 3をそのまま UR20aの転送部 23に入力し、転送部 23が送信端末 10宛に Joinメッセージ 3を送信する。

[0264] 送信端末 10は、 Joinメッセージ 3を受信する。メッセージ処理部 14は、更新前ェントリ保持部 116が、受信し oinメッセージ 3の送信元アドレスに設定されている「R3」を保持していないため、「R3」を新たな転送先アドレスと判断する。メッセージ処理部 14は、 MFTエントリを生成して転送先アドレス「R3」を追加し、更新前エントリ保持部 116を、移行中エントリ保持部 115の状態（S, G)： [UR2, R3]に更新する。これにより、送信端末 10から受信端末 40cにマルチキャストパケットが直接転送されるマルチキャストツリーが、一旦構築される。

[0265] その後、 UR20bが、 JTの満了により、宛先アドレスが送信端末アドレス「S」、送信元アドレスが「UR2」、マルチキャストグループアドレスとして「G」を指定した Stable J oinメッセージ 3aを送信する。そして、 UR20bから送信端末 10までの経路に存在する UR20aが、 Stable Joinメッセージ 3aを受信する。

[0266] UR20aのメッセージ処理部 25は、移行中エントリ保持部 219aを参照する。メッセージ処理部 25は、移行中エントリ保持部 219aが既に（S， G)に対応する転送先アドレスとして保持している「R3」と、受信した（S, G)に関する Stable Joinメッセージ 3a の送信元アドレス「UR2」とが異なるので、 Stable Joinメッセージ 3aは安定状態のマルチキャストツリーの維持に用いるものではないと判断する。更に、メッセージ処理部 25は、 UR20aが（S, G)により特定されるマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスは「UR2」と「R3」の複数あるため、 UR20aは分岐ルータになると判断する

[0267] そのため、 UR20aのメッセージ処理部 25は、移行中エントリ保持部 219aから MC Tエントリを削除し、新たに MFTエントリを生成する。メッセージ処理部 25は、 (S, G) ： [UR2, R3]をエントリ保持部 21aの MFTエントリに登録する。

[0268] 更に、 UR20aのメッセージ提供部 26は、新たに分岐ルータとなる UR20aのァドレス「111¾1」を送信先アドレスに追加することを要求する Joinメッセージと、送信先ァドレスから分岐ルータである UR20aの転送先アドレス「UR2」と「R3」を削除することを要求する Pruneメッセージとを含む Redirectメッセージ 4を生成する。又、メッセージ提供部 26は、宛先アドレスに送信端末アドレス「S」を、送信元アドレスに UR20aのアドレス「UR1」を設定し、マルチキャストグループアドレス「G」を指定した Redirectメッセージ 4とする。そして。 UR20aの転送部 23が送信端末 10宛に Redirectメッセージ 4 を送信する。

[0269] 送信端末 10は、 Redirectメッセージ 4を受信する。メッセージ処理部 14は、 Reidir ectメッセージ 4に従ってエントリ保持部 11を更新する。具体的には、メッセージ処理部 14は、移行中エントリ保持部 115の MFTエントリから、削除の指示を受けている「 UR2」、「R3」を削除し、追加の指示を受けている分岐ルータのアドレス「UR1」を、 MFTエントリに送信先アドレスとして登録する。これにより、エントリ保持部 11の MFT エントリは、（S, G)： [UR1]に更新される。

[0270] 以上の処理により、最上流の送信端末 10から、新たに上流の分岐ルータとなった UR20a、上流にある UR20aが分岐ルータとなったことにより下流の分岐ルータとなつた UR20b、末端ルータである UR20cを経由して受信端末 40aにマルチキャストパケットが転送され、 UR20a、 UR20bを経由して受信端末 40bにマルチキャストバケツトが転送され、 UR20aを経由して受信端末 40cにマルチキャストパケットが転送されるマルチキャストツリーが設定される。このようにして安定状態のマルチキャストツリーが設定される。

[0271] 〔通信方法〕図 30に示した通信システム 301を用いた通信方法を説明する。まず、 Joinメッセ一ジを受信した時の処理手順を説明する。図 35に示すように、 UR20a— 20cの受信部 22が、 Joinメッセージを受信する（S1101)。 UR20a— 20cのメッセージ処理部 2 5は、エントリ保持部 21a 21cを検索し、受信し oinメッセージに含まれる送信端末アドレスとマルチキャストグループアドレスを含むエントリが存在するか否かを判断する（S1102)。

[0272] ステップ（S1102)において、 UR20a 20の cメッセージ処理部 25は、エントリが存在しないと判断した場合、受信し oinメッセージ力 Stableオプションが設定された Stable Joinメッセージであるか否かを判断する（SI 103)。 UR20a 20cのメッセージ処理部 25は、 Stable Joinメッセージであると判断した場合、 UR20a— 20cの転送部 23が Stable Joinメッセージを上流に転送する（SI 106)。

[0273] 一方、ステップ（S1103)において、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 Stab le Joinメッセージではなぐ通常の Joinメッセージであると判断した場合、エントリ保持部 21a— 21cに MCTエントリを生成する（S1105)。更に、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、生成した MCTエントリに受信し oinメッセージの送信元アドレスを転送先アドレスとして登録し、その KATを起動する（S1107)。そして、 UR20a— 2 0cの転送部 23は、 Joinメッセージを上流に転送する（S1108)。

[0274] 又、ステップ（S1102)において、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、エントリが存在する判断した場合、 MCTエントリ又は MFTエントリのいずれであるかを判断する（S1104)。 MFTエントリであると判断した場合、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 Joinメッセージが示す送信端末アドレスとマルチキャストグループアドレス、即ち、 (S, G)に対応する MFTエントリの転送先アドレスに、 Joinメッセージの送信元アドレスが含まれてレ、るかを判断する（S 1109)。

[0275] UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、（S, G)に対応する MFTエントリの転送先アドレスに含まれていないと判断した場合には、 Joinメッセージの送信元アドレスを転送先アドレスとして、エントリ保持部 21a 21cの（S, G)に対応する MFTエントリに登録する（S1114)。そして、 UR20a 20cのメッセージ処理部 25は、受信し fcjoi nメッセージを破棄する（SI 115)。更に、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、登録した（S, G)に対応する MFTエントリが保持する転送先アドレスの KATを起動させる（S1118)。

[0276] 一方、ステップ（S1109)において、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、（S, G)に対応する MFTエントリの転送先アドレスに含まれていると判断した場合には、ステツプ（S1115)に進み、受信し fcjoinメッセージを破棄する。更に、 UR20a— 20c のメッセージ処理部 25は、ステップ（SI 118)に進み、（S， G)に対応する MFTェントリに登録されてレ、る転送先アドレスの KATを再起動させる。

[0277] ステップ（S1104)において、 MCTエントリであると判断した場合、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 Joinメッセージが示す送信端末アドレスとマルチキャストグル一プアドレス、即ち、（S， G)に対応する MCTエントリの転送先アドレスに Joinメッセージの送信元アドレスが含まれてレ、るかを判断する（SI 110)。 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、（S， G)に対応する MCTエントリに含まれていないと判断した場合には、（S, G)に対応する MFTエントリを生成する（Sl l l l)。

[0278] 更に、 UR20a— 20cのメッセージ提供部 26は、（S, G)に対応する Redirectメッセージを生成し、 UR20a— 20cの転送部 23が送信端末アドレス宛に送信する（S111 3)。そして、 UR20a— 20cは、ステップ（S1114)、（S1115)に進み、生成した（S, G)に対応する MFTエントリに送信元アドレスを転送先アドレスとして登録し、 Joinメッセージを破棄する。更に、 UR20a— 20cは、ステップ（S1118)に進み、登録した（S , G)に対応する MFTエントリとして保持する転送先アドレスの KATを起動させる。尚、この場合には、 UR20a— 20cは JTも起動させる。

[0279] 一方、ステップ（S1110)において、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、（S, G)に対応する MCTエントリの転送先アドレスに含まれていると判断した場合は、受信し joinメッセージ力 Stableオプションが設定された Stable Joinメッセージであるか否かを判断する（S1112)。 UR20a 20cのメッセージ処理部 25が、 Stable J oinメッセージであると判断した場合、 UR20a 20cの転送部 23が、 Stable Joinメッセージを上流に転送する（S1116)。一方、ステップ（S1112)におレヽて、 UR20a 一 20cのメッセージ処理部 25力 Stable Joinメッセージではなぐ通常の Joinメッセージであると判断した場合、 UR20a— 20cの転送部 23が、 Joinメッセージを上流に転送した後（S1117)、ステップ（S118)に進み、（S, G)に対応する MCTエントリに含まれる転送先アドレスの KATを再起動させる。このようにして、通信システム 301は、マルチキャストツリーを設定する。

[0280] 次に、 Pruneメッセージを受信した時の処理手順を説明する。図 36に示すように、まず、 UR20a— 20cの受信部 22が、 Pruneメッセージを受信する（S1201)。 UR20 a 20cのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21a— 21cが Pruneメッセージの送信元アドレスを、転送先アドレスとして保持しているかを判断する（S 1202)。 UR20a 一 20cのメッセージ処理部 25は、 Pruneメッセージの送信元アドレスを保持していなレ、と判断した場合、受信した Pruneメッセージを上流に転送する（S 1208)。

[0281] 一方、ステップ（S1202)において、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 Prun eメッセージの送信元アドレスを保持していると判断した場合、エントリ保持部 21a— 2 lcの MCTエントリ又は MFTエントリのレ、ずれとして保持してレ、るかを判断する（S12 03)。 MCTエントリとして保持していると判断した場合、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21a— 21cから、 MCTエントリを削除する（S1205)。そして、 UR20a— 20cは、ステップ（S1208)に進む。

[0282] 一方、ステップ（S1203)において、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 MF Tエントリとして保持していると判断した場合、 Pruneメッセージの送信元アドレスをェントリ保持部 21a— 21cの MFTエントリから削除する（S1204)。 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、ステップ（S1204)において、 MFTエントリから Pruneメッセ一ジの送信元アドレスを削除したことにより、 MFTエントリが MCTエントリに変化するかを判断する（S 1206)。

[0283] ステップ（S1206)において、 UR20a 20cのメッセージ処理部 25は、 MCTェントリに変化すると判断した場合、メッセージ提供部 26に Redirectメッセージの生成を指示する。 UR20a 20cのメッセージ提供部 26は、 Redirectメッセージ 4を生成し、転送部 23が送信端末 10に送信する（S1207)。そして、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 Pruneメッセージを破棄する（S 1209)。一方、ステップ（S1206)において、 UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 MFTエントリが複数の転送先アドレスを保持しており、 MFTエントリから送信元アドレスを削除したとしても MCTエントリに変化しないと判断した場合には、ステップ（S1209)に進む。

[0284] 次に、設定したマルチキャストツリーを用いたマルチキャストパケットの転送方法を説明する。図 37に、図 32に示した初期状態のマルチキャストツリーを用いた転送方法を示す。

[0285] まず、送信端末 10が、データに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先ァドレスとしてマルチキャストグループアドレス「G」を設定してマルチキャストパケットを生成する。そして、送信端末 10が、生成したマルチキャストパケットに送信元アドレスとして送信端末アドレス「S」、宛先アドレスとして、エントリ保持部 11が保持する送信先アドレス「UR2」を設定し、マルチキャストパケットをカプセルィ匕する。そして、送信端末 10は、カプセル化されたマルチキャストパケット 105aをュニキャストにより、分岐ルータである UR20bに転送する（S1301)。これにより、送信端末 10と分岐ルータである UR20bとの経路上に存在する NR30a、 UR20aは、マルチキャストパケット 105 aがマルチキャストパケットであることを意識することなぐ通常のュニキャストの処理によって転送できる。

[0286] UR20bは、エントリ保持部 21bのトンネル元アドレスに、カプセル化されたマルチキャストパケット 105aの送信元アドレス「S」を設定し、カプセル化されたマルチキャストパケット 105aをディカプセル化する。 UR20bは、エントリ保持部 21bが保持する転送先アドレス「UR3」と「R2」に送信するために、転送制御部 24を用いてマルチキャストパケットを複製する。そして、 UR20bは、送信元アドレスとして、 UR20b自身のァドレス「UR2」、宛先アドレスとして、転送先アドレス「UR3」を設定してカプセル化し、力プセル化したマルチキャストパケット 105bを、末端ルータである UR20cに転送する（ S1302)。 UR20cは、カプセル化されたマルチキャストパケット 105bをディカプセル化してマルチキャストパケット 105cを取り出し、受信端末 40aに転送する（S1303)。

[0287] 又、 UR20bは、送信元アドレスとして、 UR20b自身のアドレス「UR2」、宛先アドレスとして、もう一つの転送先アドレス「R2」を設定してカプセル化し、カプセル化したマルチキャストパケット 105dを、受信端末 40bに転送する（S1304)。このようにして、複数の送信先、受信端末 40aと受信端末 40bにデータをマルチキャスト配信できる。

[0288] このような通信システム 301、 UR20a 20c及び通信方法によれば、 UR20a— 20 cは、送信端末 10が送信するマルチキャストパケットを複数の転送先アドレスに転送する分岐ルータになると判断した場合にだけ、複数の転送先アドレスを保持して、複製ポイントになる。更に、 UR20a— 20cは、分岐ルータとなった場合に、その UR20a 一 20cのアドレスを送信先アドレスに追加し、分岐ルータの転送先アドレスを送信先アドレスから削除することを要求する Redirectメッセージのような参加 Z離脱要求メッセージを、送信端末アドレス宛に送信することにより、自身よりも上流の URや送信端末 10に、分岐ルータのアドレスの転送先アドレスや送信先アドレスへの追加と、分岐ルータの転送先アドレスの転送先アドレスや送信先アドレスからの削除を要求できる

。そして、上流の URや送信端末 10が、下流の分岐ルータのアドレスを転送先ァドレスゃ送信先アドレスとして保持し、下流の分岐ルータの転送先アドレスを、転送先アドレスや送信先アドレスから削除できる。

[0289] これにより、 UR20a 20c力適宜、分岐ルータになることができる。即ち、通信システム 301では、分岐ルータが動的に決定される。そして、送信端末 10から分岐ルータを経由して受信端末 40a— 40cにマルチキャストパケットが転送される適切なマルチキャストツリーが設定される。し力も、 UR20a— 20c、 NR30a— 30cのうち、分岐ルータのみが転送先アドレスを保持し、マルチキャストパケットを複数の転送先に転送する。よって、送信端末 10と分岐ルータとの間に存在する URや NRは、カプセル化されたマルチキャストパケットをュニキャストで転送するだけでよい。

[0290] そのため、分岐ルータ以外の URの負荷は軽減され、分岐ルータ以外のルータが N Rであっても、通信システム 301全体としてはマルチキャストを実現できる。例えば、 H BHを用いる場合には、全てのルータがマルチキャストツリーを設定するための情報を MCTに保持する必要はないものの、マルチキャストパケットの複製を行うルータ以外のルータも MCTを保持する必要があった。そのため、通信システム全体の負荷が十分には低減できない場合があった。しかし、通信システム 301によれば、通信システム 301の負荷を増大させず、更に、送信端末と分岐ルータとの間や、分岐ルータ間に NRが存在していても、適切なマルチキャストツリーを設定してマルキャストを実現できる。

[0291] 又、メッセージ処理部 14， 25は、送信先アドレスや転送先アドレスの KATが満了した場合にはエントリ保持部 11 , 21a— 21cから送信先アドレスや転送先アドレスを削除し、転送先アドレスや送信先アドレスを送信元アドレスとする Joinメッセージ 3や Sta ble Joinメッセージ 3a (維持要求メッセージ）を、 KAT満了前に送信端末 10や UR2 0a 20cが受信した場合には KATを再起動する。そのため、通信システム 301は、 KATが満了するまでマルチキャストツリーを維持することにより、ネットワークトポロジが変化した場合にも、常に適切なマルチキャストツリーを用いることができる。しかも、通信システム 301は、 Joinメッセージ 3や Stable Joinメッセージ 3a (維持要求メッセージ）により、必要な間はマルチキャストツリーを維持できる。

[0292] [第 6の実施の形態]

〔通信システム〕

次に、送信端末 10の移動等により、送信端末アドレスが変更される場合について、図 38に示す通信システム 401を用いて説明する。通信システム 401は、送信端末 10 と、 UR20a— 20fと、 NR30a, 30bと、受信端末 40a— 40cとを備える。通信システム 401は、図 1に示した通信システム 1と比較し、 UR、 NR、受信端末の数が異なり、送信端末 10と、 UR20a— 20fと、 N30a, 30bと、受信端末 40a— 40cとの接続関ィ系カ S 変化した以外は実質的に同様である。送信端末 10が、ネットワークを移動し、送信端末アドレスが、「S」から「S'」に変化した場合を考える。

[0293] (受信端末の構成）

次に、受信端末 40a— 40cの構成について説明する。図 39に示すように、受信端末 40aは、エントリ保持部 41と、受信部 42と、送信部 43と、パケット処理部 44と、メッセージ提供部 45とを備える。尚、受信端末 40b， 40cも、受信端末 40aと同様の構成を備える。

[0294] 受信部 42は、 UR20a 20fや NR30a， 30b、送信端末 10から、制御メッセージ、マルチキャストパケットを受信する。受信部 42は、受信した制御メッセージ及びマルチキャストパケットをパケット処理部 44に入力する。

[0295] エントリ保持部 41は、 ISA,即ち、送信端末アドレス及びマルチキャストグノレープアドレスを保持するアドレス保持部である。図 40に示すように、エントリ保持部 41は、 IS A、マルチキャストグループアドレス、 oISA、 MPT (Message Pending Timer)、 ST ( Stale Timer)を保持する。エントリ保持部 41は、 ISAと oISAを対応付けて保持する。

[0296] MPTは、 Pruneメッセージ又は Leave Groupメッセージの送信を抑制するメッセージ抑制時間を計測するタイマ値である。 MPTが満了し、オフとなっている間は、 Pr uneメッセージ又は Leave Groupメッセージが送信される。 MPTがオンになっている間は、 Pruneメッセージや Leave Groupメッセージは送信されなレ、。 STは、 oISA の保持時間を計測するタイマ値である。 STは、 oISAと対応付けて保持される。 STが満了すると、対応する oISAはエントリ保持部 41から削除される。

[0297] パケット処理部 44は、制御メッセージ及びマルチキャストパケットを処理する。パケット処理部 44は、受信部 42から受信端末 40aが受信した制御メッセージ及びマルチキャストパケットを取得する。パケット処理部 44は、 LUメッセージ又は LUメッセージが付加されたマルチキャストパケットを受信した場合には、エントリ保持部 41が現在保持している ISA「S」を、エントリ保持部 41の oISAに設定し、その STを起動させる。更に、パケット処理部 44は、 LUメッセージに含まれる ISA「S '」を、エントリ保持部 41 の ISAに設定する。

[0298] 更に、パケット処理部 44は、エントリ保持部 41を参照し、マルチキャストパケットの送信元アドレスが oISAであるか否かを判断する。パケット処理部 44は、送信元アドレスが oISAの場合には、エントリ保持部 41を参照し、 MPTがオンかオフかを判断する。パケット処理部 44は、 MPTがオフの場合には、メッセージ提供部 45に、 oISAを指定した Pruneメッセージ又は Leave Groupメッセージを生成するよう指示する。更に、パケット処理部 44は、エントリ保持部 41の MPTを起動させる。更に、パケット処理部 44は、エントリ保持部 41から STが満了した oISAを削除する。

[0299] メッセージ提供部 45は、制御メッセージを生成し、送信部 43を介して提供する。メッセージ提供部 45は、エントリ保持部 41から、 ISA、マルチキャストグループアドレスを取得する。メッセージ提供部 45は、取得した ISA、マルチキャストグノレープアドレスを用レヽて、 Joinメッセージ、 Membership Report, Stable Joinメッセージ等を生成する。メッセージ提供部 45は、パケット処理部 44からの oISAを指定した Pruneメッセージ又は Leave Groupメッセージの生成の指示に従って、 Pruneメッセージ又は L eave Groupメッセージを生成する。メッセージ提供部 45は、生成した制御メッセ一ジを送信部 43に入力する。

[0300] 特に、メッセージ提供部 45は、マルチキャストパケットを送信する送信端末アドレスが変更された場合に、変更後の送信端末アドレスを通知する位置更新メッセージ (L Uメッセージ）に基づいて、送信端末 10がマルチキャストパケットを送信する送信先ァドレスに、受信端末のアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージ Cioinメッセージや Membership Report)を変更後の送信端末アドレス（ISA)宛に提供する受信端末メッセージ提供部として機能する。更に、メッセージ提供部 45は、受信端末 40aが NRに接続する場合には、参加要求メッセージを破棄しないように指示するデータが付加された参加要求メッセージを提供する。具体的には、メッセージ提供部 4 5は、 Joinメッセージ 3を生成し、送信部 43を介して提供する。 Joinメッセージ 3には特別なオプションが設定されているため、受信端末 40aが NRに接続する場合であつても、 NR力 Sjoinメッセージを破棄しないため、受信端末 40aから送信端末 10までの経路に存在する UR力 Sjoinメッセージを受信できる。

[0301] 送信部 43は、 UR20a— 20fや NR30a, 30b、送信端末 10に、制御メッセージを送信する。送信部 43は、メッセージ提供部 45から制御メッセージを取得して、送信する

[0302] 次に、送信端末アドレスが変更された場合の通信システム 401における処理について、図 38、 41、 42を用いて説明する。図 38は、送信端末 10が oISA「S」から ISA 「S '」に移動した直後の状態を示す。そのため、図 38では、エントリ保持部 21a— 21f は、 oISA「S」を用いた（S, G)によって特定されるマルチキャストツリーにおける転送先アドレスを保持している。送信端末 10が oISA「S」に存在するときは、 oISA「S」をマルチキャストツリーの上流としたときに最適となるように、マルチキャストツリーが設定されている。又、受信端末 40a— 40c全てがマルチキャストツリーに参加している。よって、送信端末 10のエントリ保持部 11が、（S, G)： [UR1]、 UR20aのエントリ保持部 21aが、 (S, G)： [UR3, UR6]を MFTエントリとして保持し、 UR20cのエントリ保持部 21cが、（S， G)： [UR4, UR5]を MFTエントリとして保持し、分岐ルータとなつている。又、 UR20d— 20fのエントリ保持部 21d— 21fが、 (S, G)： [G]を MFTェントリとして保持し、末端ノレータとなっている。 [0303] 送信端末 10が oISA「S」から ISA「S '」に移動すると、パケット生成部 15が、 oISA「 S」と ISA「S'」とを対応付けた BUメッセージ 6を生成する。パケット生成部 15は、ェントリ保持部 11に従って、 BUメッセージ 6の宛先アドレスに「UR1」宛を設定する。そして、パケット生成部 15は、送信部 13を介して BUメッセージ 6を UR20aに提供する。

[0304] UR20aのメッセージ処理部 25は、受信部 22が受信した BUメッセージ 6に基づいて、 ISA「S '」と oISA「S」を対応付けて保持する。そして、 UR20aのメッセージ処理部 25は、受信部 22が受信した oISA「S」宛の制御メッセージを、転送部 23に ISA「S '」に転送させる。このようにして、 UR20aは、送信端末 10との間にトンネル（

Bi-Directional Tunneling) 9を構築し、ホームエージェントとして機能する。

[0305] 更に、送信端末 10の送信部 13は、マルチキャストパケット 105をエントリ保持部 11 に基づいて UR20aに送信し、 (S, G)によって特定されるマルチキャストツリーを用いて送信する。（S, G)によって特定されるマルチキャストツリーは、 oISA「S」をマルチキャストツリーの上流としたときに最適となるように設定されているため、冗長経路を含む。よって、通信システム 201は、 ISA「S '」に基づいて、（S '， G)によって特定されるマルチキャストツリーを再設定する必要がある。そのため、パケット生成部 15は、 St ableオプションを設定していないマルチキャストパケット 105を生成する。

[0306] 更に、パケット生成部 15は、 oISA「S」と 13八「3 '」とを対応付けた ISAを通知する L Uメッセージをマルチキャストパケット 105に付加する。パケット生成部 15は、このようなマルチキャストパケット 105を送信部 13を介して受信端末 40a— 40cに提供し、受信端末 40a— 40cに送信端末 10が oISA「S」から ISA「S '」へ移動したことを通知する。

[0307] このように、パケット生成部 15は、送信端末アドレスが変更された場合に、まず、送信先アドレス宛に送信端末アドレスの変更を通知する転送先更新メッセージ (BUメッセージ)を提供する。更に、パケット生成部 15は、マルチキャストパケットを受信する受信端末 40a 40cに、変更後の送信端末アドレスを通知する位置更新メッセージ（ LUメッセージ)を提供する更新通知部として機能する。

[0308] 受信端末 40a 40cは、図 13に示すように、受信したマルチキャストパケット 105に付加されてレ、る LUメッセージに基づレ、て、宛先アドレスに ISA「S '」を設定した Mem bership Report2を送信する。具体的には、パケット処理部 44力 SLUメッセージに基づいてエントリ保持部 41を更新する。そして、メッセージ提供部 45が、更新後のェントリ保持部 41に保持された ISA「S '」を用いて、 Membership Report2を生成し、送信部 43が送信する。尚、一つの末端ノレータに複数の受信端末が接続している場合には、受信端末は、 MLDにおいて規定されている輻輳回避制御に従って、 Mem bership Report2を送信する。これによれば、全ての受信端末が、新たに設定される（S '， G)によって特定されるマルチキャストツリーに参加しょうとすることによって引き起こされる輻輳を回避できる。

[0309] 末端ルータである UR20d— 20fの受信部 22が、 ISA「S '」を宛先アドレスに設定した Membership Report2を受信すると、 UR20d— 20fのメッセージ処理部 25は、受信した Membership Report2をメッセージ提供部 26に入力する。 UR20d 20f のメッセージ提供部 26は、 Membership Report2を取得すると、宛先アドレスを IS A「S '」に設定し oinメッセージ 3を生成する。そして、 UR20d— 20fの転送部 23 、 ISA「S '」宛の Joinメッセージ 3を送信する。

[0310] この ISA「S，」宛の Membership Report2及び Joinメッセージ 3を契機に、送信端末 10及び UR20a— 20fは、図 31、 32に示した通信システム 301における初期状態のマルチキャストツリーを設定する場合の処理と同様にして、 ISA「S '」をマルチキヤストツリーの上流としたときに最適になるように、（S '， G)に対応した転送先アドレスを、エントリ保持部 11 , 21a— 21fに登録していく。

[0311] 具体的には、 UR20a— 20fのメッセージ処理部 25は、変更後の送信端末アドレスである ISA「S '」をマルチキャストツリーの上流としたときに、 UR20a— 20fが分岐ルータになるかを判断する。分岐ルータになると判断した UR20a 20fのメッセージ処理部 25は、エントリ保持部 21a 21fに、 ISA「S'」を用いた（S' , G)に対応付けて複数の転送先アドレスを登録する。そして、分岐ルータになると判断した UR20a— 2 Ofのメッセージ提供部 26力宛先アドレスを ISA「S '」に設定した Redirectメッセ一ジを生成し、転送部 23を介して提供する。

[0312] この結果、図 41に示すように、転送先アドレスを保持していなかった UR20bのェントリ保持部 21bが、 (S，， G)： [UR3, UR4]を MFTエントリとして保持し、 (S，， G)により特定されるマルチキャストツリーにおける分岐ルータとなる。又、 UR20cのエントリ保持部 21cが、 MFTエントリとして保持していた（S, G) ： [UR4, UR5]に加えて、（ S '， G) ： [UR5, UR6]を MFTエントリとして保持し、（S '， G)により特定されるマルチキャストツリーにおいても分岐ルータとなる。更に、 UR20aのエントリ保持部 21aが、 MFTエントリとして保持していた（S， G) ： [UR3, UR6]に加えて、（S '， G) ： [UR 6]を MCTエントリとして保持する。

[0313] 又、 UR20d— 20fのエントリ保持部 21d— 21fが、 MFTエントリとして保持していた

(S, G) : [G]に加えて、 (S，， G) : [G]を MFTエントリとして保持し、 (S， , G)により特定されるマルチキャストツリーにおいても末端ノレータとなる。そして、送信端末 10のェントリ保持部 11が保持していた（S， G) ： [UR1]に加えて、 (S， , G) ： [UR2]を保持する。

[0314] このようにして、 ISA「S '」に対して最適なマルチキャストツリーを設定した直後は、通信システム 401は、図 41に示すように、 oISA「S」に対して最適な（S, G)により特定されるマルチキャストツリーと、 ISATS' jに対して最適な（S '，G)により特定されるマルチキャストツリーが併存した状態になる。そのため、通信システム 401では、 2つのマルチキャストツリーにより、マルチキャストパケットが重複して転送されてしまい、受信端末 40a— 40cはマルチキャストパケットを重複して受信してしまう。

[0315] そのため、送信端末 10、 UR20a— 20fのメッセージ処理部 14, 24は、 Leave Gr oupメッセージや Pruneメッセージ、又は、送信先アドレスや転送先アドレスの保持時間の少なくとも 1つに基づいて、 oISA「S」に対応付けられている送信先アドレスや転送先アドレスを、エントリ保持部 11, 21a— 21fから削除することが好ましい。

[0316] LUメッセージを受信した受信端末 40a— 40cは、（S， G)を指定した Stable Join メッセージの送信を停止する。具体的には、受信端末 40a 40cのメッセージ提供部 45は、エントリ保持部 41の ISA「S '」を用いて Stable Joinメッセージを生成する。そのため、 LUメッセージによりエントリ保持部 41の ISAが更新された後は、メッセージ提供部 45は、 oISAとなってしまった「S」を用いた Stable Joinメッセージを生成しなくなる。

[0317] その結果、受信端末 40a 40cは、（S '， G)を指定した Stable Joinメッセージのみ送信する。これにより、メッセージ処理部 14, 25は、（S '， G)に対応する送信先ァドレスや転送先アドレスの KATだけを再起動し、保持時間を延長する。そのため、ェントリ保持部 11 , 21a— 21fの（S，, G)に対応する MFTエントリだけが保持され、 (S , G)に対応する MFTエントリが保持する送信先アドレスや転送先アドレスが削除される。よって、送信端末 10、 UR20a— 20fは、（S， G)に対応するマルチキャストッリ一を削除し、（S '， G)に対応する MFTエントリだけを保持し続けることができる。そのため、送信端末 10、 UR20a— 20fは、（S '， G)に対応するマルチキャストツリーだけを維持できる。

[0318] 又、図 42に示すように、受信端末 40a— 40cは、 KATの満了を待たずに、 Leave Groupメッセージ 7や Pruneメッセージ 8を用いることにより、 oIS A「S」を用レ、たマノレチキャストツリーから明示的に離脱できる。受信端末 40a— 40cは、（S '， G)により特定されるマルチキャストツリーから、マルチキャストパケットを受信した後に、（S， G)により特定されるマルチキャストツリー力の離脱を要求する Leave Groupメッセージ 7を、末端ルータである UR20d— 20fに送信する。具体的には、受信端末 40a— 40 cのメッセージ提供部 45が、 oISA「S」を指定した Leave Groupメッセージ 7を生成し、送信部 43が送信する。

[0319] UR20d— 20fのメッセージ処理部 25は、（S, G)により特定されるマルチキャストツリー力もの離脱を要求する Leave Groupメッセージ 7に基づいて、エントリ保持部 21 d— 21fが保持する（S, G)に対応する MFTエントリを削除する。更に、メッセージ処理部 25は、受信した Leave Groupメッセージ 7を、メッセージ提供部 26に入力する

[0320] UR20d— 20fのメッセージ提供部 26は、 Leave Groupメッセージ 7に基づいて、宛先アドレスに oISA「S」を設定し、 (S, G)に対応する MFTエントリの削除を要求する Pruneメッセージ 8を生成し、転送部 23を介して提供する。 UR20d— 20fの転送部 23が Pruneメッセージ 8を送信する。 UR20aは、 Pruneメッセージ 8を受信すると、 ISA「S '」と oISA「S」の対応付けに従って、トンネル 9により Pruneメッセージ 8を、 IS A「S '」に転送する。このようにして、 Pruneメッセージ 8は、 UR20a— 20cや、 ISA「 S '」に位置する送信端末 10に到達する。 [0321] 送信端末 10のメッセージ処理部 14や UR20a— 20cのメッセージ処理部 25は、 Pr uneメッセージ 8に基づいて、エントリ保持部 11 , 21a— 21cから、（S, G)に対応する MFTエントリを削除する。その結果、図 42に示すように、送信端末 10や UR20a— 2 Ofのエントリ保持部 11 , 21a 21fは、（S '， G)に対応する MFTエントリのみを保持できる。

[0322] 〔通信方法〕

図 38に示した通信システム 401を用いた通信方法の手順を説明する。まず、 UR2 0a 20fの動作について説明する。 UR20a— 20fの受信部 22力マルチキャストパケットを受信する（S1401)。 UR20a— 20fの転送制御部 24は、マルチキャストパケットからトンネル元アドレスを取得し、一時的に記憶する（S1402)。 UR20a— 20fは、マルチキャストパケットをディカプセル化する（S1403)。 UR20a 20fは、マルチキャストパケットに設定されている送信端末アドレスやマルチキャストグノレープアドレスに基づいて、エントリ保持部 21a— 21fが、対応する MFTエントリ又は MCTエントリを保持しているかを判断する（S1404)。 UR20a— 20fは、保持していないと判断した場合には、マルチキャストパケットを破棄する（S 1406)。

[0323] 一方、ステップ（S1404)において、 UR20a— 20fのメッセージ処理部 25は、保持していると判断した場合には、 MCTエントリ又は MFTエントリのいずれとして保持しているかを判断する（S1405)。 MCTエントリとして保持していると判断した場合には、 UR20a— 20fのメッセージ提供部 26は、 UR20a— 20fの転送先アドレスを送信先アドレスに追加し、 UR20a— 20f自身のアドレスを送信先アドレスから削除することを要求する、 Hop-by-Hopオプションを設定した送信端末アドレス宛の Redirectメッセージを生成する。そして、転送部 23が Redirectメッセージを送信する（S 1412)。

[0324] 一方、ステップ（S1405)において、 MFTエントリとして保持していると判断した場合には、 UR20a 20fの転送制御部 24は、受信したマルチキャストパケットのトンネル元アドレス力エントリ保持部 21a 21fが保持するトンネル元アドレスと一致する力、を判断する（S1407)。

[0325] ステップ（S 1407)において、トンネル元アドレスが一致しない場合には、 UR20a— 20fの転送制御部 24は、受信したマルチキャストパケットのトンネル元アドレス力ェントリ保持部 21a— 21fが保持する前トンネル元アドレスと一致する力を判断する（SI 408)。前トンネル元アドレスと一致する場合には、 UR20a— 20fのメッセージ提供部 26は、 Hop-by-Hopオプションを設定しない Pruneメッセージを生成し、転送部 23が前トンネル元アドレス宛に転送する（S 1409)。

[0326] 一方、ステップ（S 1408)において、前トンネル元アドレスと一致しない場合には、 U R20a— 20fの転送制御部 24は、エントリ保持部 21a— 21fが現在保持しているトンネル元アドレスを、エントリ保持部 21a— 21fの前トンネル元アドレスに設定する（S14 10)。このとき、転送制御部 24は、エントリ保持部 21a 21fの KATを STとして利用し、 STの満了により前トンネル元アドレスが削除されるように設定してもよい。その後、 UR20a— 20fの転送制御部 24は、ステップ（S1402)において記憶したトンネル元アドレスを、エントリ保持部 21a— 21fに登録する（S1411)。 UR20a— 20fは、ステツプ（S1409)、（S1411)の後、ステップ（S1413)に進む。

[0327] ステップ（S 1407)において、トンネル元アドレスが一致する場合、ステップ（S 1409 )、（S1411)が終了した場合には、 UR20a— 20fの転送制御部 24は、マルチキャストパケットの宛先アドレスが MFTエントリの転送先アドレスに含まれているか否かを判断する（S1413)。宛先アドレスが転送先アドレスに含まれていない場合、転送制御部 24は、マルチキャストパケットを転送先アドレスでカプセル化する（S1414)。転送制御部 24は、ステップ（S1413)において宛先アドレスが転送先アドレスに含まれると判断した場合、そのままマルチキャストパケットを転送部 23に入力する。転送制御部 24は、ステップ（S 1414)においてカプセル化したマルチキャストパケットを転送部 23 に入力する。そして、転送部 23が転送制御部 24から取得したマルチキャストパケットを転送する（S1415)。尚、ステップ（S1407) （S1411)は、省略できる。

[0328] 次に、受信端末 40a 40cの動作について説明する。受信端末 40a— 40cの受信部 42は、マルチキャストパケットを受信する（S1501)。受信端末 40a— 40cのバケツト処理部 44は、エントリ保持部 41を参照し、受信したマルチキャストパケットの送信元アドレスが ISAであるか否かを判断する（S1502)。

[0329] マルチキャストパケットの送信元アドレスが ISAである場合には、受信端末 40a— 4 0cのパケット処理部 44は、エントリ保持部 41が oISAを保持するか否かを判断する（ SI 503)。エントリ保持部 41が oISAを保持する場合には、パケット処理部 44は、その MPTがオンかオフか判断する（S 1504)。 MPTがオフの状態の場合には、受信端末 40a— 40cのメッセージ提供部 45は、 Hop-by-Hopオプションを設定した、 oISA 宛の Pruneメッセージを生成し、送信部 43を介して提供する。あるいは、メッセージ提供部 45は、 oISA宛の Leave Groupメッセージを生成し、送信部 43を介して提供する（S1505)。更に、パケット処理部 44は、エントリ保持部 41の MPTを起動させる（S1506)。

[0330] 尚、ステップ（S1502)において、マルチキャストパケットの送信元アドレスが ISAではない場合、ステップ（S 1503)においてエントリ保持部 41が oISAを保持しない場合、ステップ（S 1504)において MPTがオンの場合には、受信端末 40a 40cは特別な処理はせずに、パケット処理部 44がマルチキャストパケットに含まれるデータを処理する。

[0331] このような通信システム 401、 UR20a— 20f、受信端末 40a— 40c及び通信方法によれば、送信端末 10は、その送信端末アドレスが変更された場合に、送信先アドレスに、送信端末アドレスの変更を通知する BUメッセージを提供し、受信端末 40a— 40 cに、 ISA「S '」を通知する LUメッセージを提供するメッセージ提供部 45を備える。又、受信端末 40a— 40cは、 LUメッセージに基づいて、 Joinメッセージ又は Members hip Reportを ISA宛に提供するメッセージ提供部 45を備える。

[0332] そのため、送信端末 10の移動等により送信端末アドレス変更された場合に、送信端末 10が送信先アドレスに BUメッセージを送信することにより、送信端末とその送信先アドレスの URとの間にトンネルを構築することができる。よって、 oISA宛の制御メッセージは送信端末 10に転送される。

[0333] 更に、送信端末 10は、 LUメッセージにより受信端末 40a— 40cに送信端末アドレスの変更を通知できる。そして、受信端末 40a 40cは、 LUメッセージにより送信端末アドレスの変更を把握して、 Joinメッセージ又は Membership Reportを ISA「S，」に送信できる。そのため、 ISA「S '」宛の Joinメッセージ又は Membership Report を契機として、 ISA「S '」において適切なマルチキャストツリーが新たに設定される。よつて、通信システム 401は、送信端末アドレスが変化しても、適切なマルチキャストツリーを用いたマルチキャストを実現できる。

[0334] しかも、分岐ルータは、 ISA「S '」に対応付けて複数の転送先アドレスを保持する。

よって、 UR20a— 20fは、 oISA「S」、即ち、（S, G)に対応するマルチキャストツリーと、 ISA「S '」、即ち、（S '， G)に対応するマルチキャストツリーとを明確に区別できる

[0335] 又、受信端末 40a— 40cのメッセージ提供部 45は、変更前の送信端末 10のァドレスを指定した Leave Groupメッセージ 7や Pruneメッセージ 8を提供する。そして、送信端末 10、 UR20a— 20fのメッセージ処理部 14, 25は、 Leave Groupメッセ一ジ 7や Pruneメッセージ 8、送信先アドレスや転送先アドレスの保持時間に基づいて、 oISA「S」、即ち、 (S, G)に対応付けられている送信先アドレスや転送先アドレスを、エントリ保持部 11 , 21a— 21fから削除する。

[0336] そのため、通信システム 401は、 oISA「S」を用いて形成されたマルチキャストツリーを、 Leave Groupメッセージ 7や Pruneメッセージ 8、送信先アドレスや転送先ァドレスの保持時間を用いて削除できる。よって、 oISA「S」を用いたマルチキャストツリーと、 ISA「S，」を用いたマルチキャストツリーが併存することによるマルチキャストパケットの重複した転送を抑制できる。特に、 Leave Groupメッセージ 7や Pruneメッセージ 8によれば、受信端末 40a— 40cは、保持時間の満了を待たずに、 Leave Groupメッセージや Pruneメッセージにより指定された oISA「S」を用いて形成されたマルチキヤストッリ一から明示的に離脱できる。よって、通信システム 401では、重複した転送をより軽減できる。

[0337] [変更例]

本発明は上記第 1一第 6の実施形態に限定されるものではなぐ種々の変更が可能である。

[0338] IPは、コネクションレス通信であるため、メッセージが目的のノードに到達しない場合がある。そのため、通信システム 1一 401では、制御メッセージを確実に目的のノードに到達させるための対応を行うことが好ましい。即ち、制御メッセージのロスに対する対応を行うことが好ましい。

[0339] 例えば、 UR20a— 20iのメッセージ提供部 26や送信端末 10のメッセージ処理部 1 4は、 UR20a— 20iが受信した参加要求メッセージ（Membership Report 2や Join メッセージ 3)、離脱要求メッセージ（Leave Groupメッセージ 7や Pruneメッセージ 8 )、参加/離脱要求メッセージや変更要求メッセージ (Recirectメッセージ 4)等の制御メッセージの送信元に確認応答を提供できる。

[0340] 例えば、メッセージ提供部 26は、受信した制御メッセージに基づレ、てエントリ保持部 21a 21iに登録するエントリを生成したり、エントリ保持部 21a— 21iからエントリを削除した場合や、受信した制御メッセージに基づレ、て制御メッセージを生成した場合に、送信元の受信端末 40a 40cや他の URに対して、明示的に確認応答を提供すること力 Sできる。例えば、メッセージ提供部 26は、生成した制御メッセージを転送するときに、送信元の受信端末 40a 40cや他の URに対して確認応答を提供できる。又、送信端末 10のメッセージ処理部 14は、エントリ保持部 11に登録するエントリを生成したり、エントリ保持部 11からエントリを削除しない場合でも、制御メッセージの送信元に対して確認応答を提供できる。

[0341] 制御メッセージを送信した送信元の受信端末 40a— 40cや UR20a— 20iは確認応答を受信することにより、制御メッセージを受信した送信端末 10や URが制御メッセージを受信したことだけでなぐ自身と制御メッセージを受信した送信端末 10や URとの間に存在する URも、制御メッセージを受信したことを確認できる。

[0342] このように受信した制御メッセージに基づいてエントリの生成、削除、又は、制御メッセージの生成を行った URや送信端末 10が確認応答を提供することにより、送信元の受信端末 40a— 40cや UR20a— 20iは、自身が提供した制御メッセージが適切に処理され、送信端末 10や UR20a— 20iが保持するエントリ保持部 11 , 2 la— 2 liが確実に更新されたことを認識できる。そして、送信元の受信端末 40a 40cや UR20 a 20iは、確認応答を取得できないことにより、制御メッセージのロスを検出し、制御メッセージを再度提供することができる。よって、通信システム 1一 401では、制御メッセージを確実に目的のノードに到達させることができる。しかも、制御メッセージの口スを想定して、安全のために何度も同じ制御メッセージを送信する必要がなレ、。よつて、通信システム 1一 401全体の負荷を軽減できる。

[0343] 又、通信システム 1， 201におレ、ても、通信システム 301， 401のように KATを利用することにより、離脱要求メッセージのロスに対する対応を行うことができる。各エントリに含まれる KATが満了する前に (保持時間内に）そのエントリに関連する Joinメッセージ 3を受信した場合には、 UR20a— 20i、送信端末 10は、 KATを再起動し、保持時間を延長する。一方、 UR20a 20i、送信端末 10は、各エントリに含まれる KAT 満了までに (保持時間内に）、 Joinメッセージを受信しなかった場合には、そのェントリの転送先アドレスや送信先アドレスから自動的に削除する。

[0344] この場合、エントリに維持されたい UR20a 20iや受信端末 40a 40cは、対応するエントリの KAT満了前に、 Joinメッセージ 3を送信端末アドレス宛に送信することによって、 UR20a— 20iや送信端末 10の KATを再起動させる必要が生じる。しかし、マルチキャストツリーからの離脱を希望する場合には、 KATの満了によりエントリの転送先アドレスや送信先アドレスから自動的に削除される。よって、マルチキャストパケットの送信停止を希望する UR20a 20iや受信端末 40a— 40cは、離脱要求メッセージがロスすることを想定し、何度も離脱要求メッセージを送信しなくてもよい。

[0345] 尚、通信システム 1一 401は、マルチキャストパケットについては、 TCPや SCTP (R FC2960参照）等の技術をマルチキャストパケットの転送に利用することにより信頼性を増加させることができる。

[0346] 更に、マルチキャストツリーへの新たな受信端末の参加等により、送信端末 10や U R20a— 20iが、 Redirectメッセージ等の制御メッセージに基づいて、エントリ保持部 11 , 21a— 21iを直ちに更新した際に、マルチキャストパケットのロスが発生する可能性がある。例えば、図 24において、エントリ保持部 11から「UR6」を削除し、送信端末 10と UR20fとの間の転送経路を削除した時に、 UR20fにおいてパケットロスが発生する可能性がある。

[0347] このようなエントリ保持部 11， 21a 21iが保持する情報が変更され、マルチキャストツリーが変更される際のマルチキャストパケットのロスを防ぎ、より確実にマルチキャストパケットを転送するために、送信端末 10、 UR20a 20iは、更新前のエントリを所定期間、保持してもよレ、。即ち、一定の猶予期間を設けることにより、パケットロスを低減するようにしてもよい。

[0348] この場合、例えば、 UR20fは、所定期間経過前は、送信端末 10が直接送信するマルチキャストパケットと、 UR20bが転送するマルチキャストパケットを重複して受信する。しかし、所定期間経過後、送信端末 10から更新前のエントリが削除されれば、直接送信されるマルチキャストパケットは自動的に送信停止される。

[0349] 又、 UR20fは、所定期間内にマルチキャストパケットを重複して受信した場合には、マルチキャストパケットの送信停止を明示的に要求する Redirectメッセージ等を送信端末 10に対して送信するようにしてもよい。これによれば、マルチキャストパケットの重複受信を停止でき、マルチキャストツリーの変更をスムーズに行うことができる。

[0350] 又、通信システム 1一 401では、マルチキャストパケットを転送先アドレスや送信先アドレスを用いてカプセル化し、転送しているが、送信端末 10、 UR20a— 20iは、ェントリ保持部 11 , 2 la— 21 iが保持する送信先アドレスや転送先アドレスに従ってマルチキャストパケットを転送すれば、その方法は限定されない。例えば、送信端末 10 、 UR20a— 20iは、 NAT (Network Address Translation)や IP Masquerade を用いてもよい。この場合、カプセル化によるオーバヘッドを低減できる。

産業上の利用可能性

[0351] 通信システムにマルチキャスト非対応ルータが存在しても、適切なマルチキャストッリ一を設定し、マルチキャストパケットを転送することができる。

Claims

請求の範囲

[1] マルチキャスト対応ルータがマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスを保持する転送先保持部と、

送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて、前記転送先アドレスとして他のマルチキャスト対応ルータのアドレスを前記転送先保持部に登録する転送先登録部と、

前記送信端末が前記マルチキャストパケットを送信する送信先アドレスに、前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを前記送信端末アドレス宛に提供するルータメッセージ提供部とを含むマルチキャスト対応ノレータと、

前記送信先アドレスを保持する送信先保持部と、

前記参加要求メッセージに基づレ、て、前記送信先アドレスとして前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを前記送信先保持部に登録する送信先登録部とを含む送信端末と

を備える通信システム。

[2] 前記送信先登録部は、前記送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに最上流に位置する前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを、前記送信先保持部に登録する請求項 1の通信システム。

[3] 前記マルチキャスト対応ルータは、前記送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに前記マルチキャストパケットを複数の前記転送先アドレスに転送する分岐ルータになるかを判断する判断部を備え、

前記転送先登録部は、前記分岐ルータになると判断した場合、前記転送先保持部に前記送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて前記複数の転送先アドレスを登録し、

前記ルータメッセージ提供部は、前記分岐ルータになると判断した場合、前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを前記送信先アドレスに追加し、前記転送先アドレスを前記送信先アドレスから削除することを要求する参加/離脱要求メッセージを前記送信端末アドレス宛に提供し、前記送信先登録部は、前記参加/離脱要求メッセージに基づいて、前記転送先ァドレスを前記送信先保持部から削除し、前記分岐ルータのアドレスを前記送信先保持部に登録する請求項 1の通信システム。

[4] 前記転送先登録部は、下流の前記分岐ルータからの前記参加/離脱要求メッセ一ジに基づレ、て、前記下流の分岐ルータの転送先アドレスを前記転送先保持部から削除し、前記下流の分岐ルータのアドレスを前記転送先保持部に登録する請求項 3の通信システム。

[5] 前記転送先登録部は、受信端末と接続する末端ルータとなる場合、前記転送先保持部に前記送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて前記転送先アドレスを登録する請求項 3の通信システム。

[6] ディカプセル化された前記マルチキャストパケットの宛先アドレスと前記転送先保持部が保持する前記転送先アドレスとを比較し、前記宛先アドレスと前記転送先ァドレスが異なる場合には、前記マルチキャストパケットを前記転送先アドレスでカプセルィ匕する転送制御部を備える請求項 1の通信システム。

[7] 前記転送先保持部は、同一のサブネットワークに接続する前記マルチキャスト対応ルータに前記マルチキャストパケットを転送する場合、前記転送先アドレスとしてマルチキャストアドレスグループを示すアドレスを保持する請求項 1の通信システム。

[8] 前記送信端末アドレスが変更された場合に、変更前の前記送信先アドレスに前記マルチキャストパケットを転送するよう制御する転送制御部を備える請求項 1の通信システム。

[9] 前記送信端末は、前記送信端末アドレスが変更された場合に、受信端末に変更後の送信端末アドレスを通知する位置更新メッセージを提供する更新通知部を備え、前記受信端末は、前記位置更新メッセージに基づいて、前記受信端末のアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを前記変更後の送信端末アドレス宛に提供する受信端末メッセージ提供部を備える請求項 1の通信システム。

[10] 前記転送先登録部は、受信端末又は前記マルチキャスト対応ルータからの前記参加要求メッセージに基づいて前記転送先保持部にアドレスを登録する請求項 1の通信システム。

[11] マルチキャスト対応ルータがマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスを保持する転送先保持部と、

前記送信端末が前記マルチキャストパケットを送信する送信先アドレスに、前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを前記送信端末アドレス宛に提供するルータメッセージ提供部と

を備えるマルチキャスト対応ルータ。

[12] 前記送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに前記マルチキャストパケットを複数の前記転送先アドレスに転送する分岐ルータになるかを判断する判断部を備え、

前記ルータメッセージ提供部は、前記分岐ルータになると判断した場合、前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを前記送信先アドレスに追加し、前記転送先アドレスを前記送信先アドレスから削除することを要求する参加/離脱要求メッセージを前記送信端末アドレス宛に提供する請求項 11のマルチキャスト対応ルータ。

[13] マルチキャストパケットを送信する送信先アドレスを保持する送信先保持部と、

前記送信先アドレスにマルチキャスト対応ルータのアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージに基づレ、て、前記送信先アドレスとして前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを前記送信先保持部に登録する送信先登録部とを備える送信端末。

[14] 前記送信先登録部は、前記送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに最上流に位置する前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを、前記送信先保持部に登録する請求項 13の送信端末。

[15] 前記送信先登録部は、前記送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに前記マルチキャストパケットを複数の転送先アドレスに転送する分岐ルータとなる前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを前記送信先アドレスに追加し、前記転送先アドレスを前記送信先アドレスから削除することを要求する参加/離脱要求メッセージに基づいて、前記転送先アドレスを前記送信先保持部から削除し、前記分岐ルータのアドレスを前記送信先保持部に登録する請求項 13の送信端末。

[16] マルチキャストパケットを送信する送信端末アドレスが変更された場合に、変更後の送信端末アドレスを通知する位置更新メッセージに基づレ、て、送信端末がマルチキャストパケットを送信する送信先アドレスに、受信端末のアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを前記変更後の送信端末アドレス宛に提供する受信端末メッセージ提供部を備える受信端末。

[17] マルチキャスト対応ルータがマルチキャストパケットを転送する転送先アドレスを保持する転送先保持部に、送信端末アドレス及びマルチキャストグループアドレスに対応付けて、前記転送先アドレスとして他のマルチキャスト対応ルータのアドレスを登録し前記送信端末がマルチキャストパケットを送信する送信先アドレスに、前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを追加することを要求する参加要求メッセージを前記送信端末アドレス宛に送信し、

前記参加要求メッセージに基づレ、て、前記送信先アドレスとして前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを、前記送信先アドレスを保持する送信先保持部に登録する通信方法。

[18] 前記送信端末は、送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに最上流に位置する前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを、前記送信先保持部に登録する請求項 17の通信方法。

[19] 前記送信端末アドレスをマルチキャストツリーの上流としたときに前記マルチキャストパケットを複数の転送先アドレスに転送する分岐ルータになるかを判断し、

前記分岐ルータになると判断した場合、前記送信端末アドレス及びマルチキャストグノレープアドレスに対応付けて前記複数の転送先アドレスを前記転送先保持部に登録し、前記マルチキャスト対応ルータのアドレスを前記送信先アドレスに追加し、前記転送先アドレスを前記送信先アドレスから削除することを要求する参加/離脱要求メッセージを前記送信端末アドレス宛に送信し、

前記参加/離脱要求メッセージに基づレ、て、前記転送先アドレスを前記送信先保持部から削除し、前記分岐ルータのアドレスを前記送信先保持部に登録する請求項 17の通信方法。

[20] 送信端末アドレスが変更された場合に、受信端末に変更後の送信端末アドレスを通知する位置更新メッセージを送信し、

前記位置更新メッセージに基づいて、前記送信先アドレスに前記受信端末のァドレスを追加することを要求する前記参加要求メッセージを、前記変更後の送信端末アドレス宛に送信する請求項 17の通信方法。