WO2007091375A1

WO2007091375A1 - 薬剤手撒き装置

Info

Publication number: WO2007091375A1
Application number: PCT/JP2006/325208
Authority: WO
Inventors: Yoshihito Ohmura; Shunji Ogaya; Hideaki Hirobe
Original assignee: Tosho Inc.
Priority date: 2006-02-10
Filing date: 2006-12-18
Publication date: 2007-08-16
Also published as: US7922037B2; US20090152291A1; SE0702257L; SE532120C2

Abstract

　何回か先の分まで予め撒いておけるうえ薬剤毎の範囲が一目瞭然で容易かつ的確に各種薬剤を手撒きできる薬剤手撒き装置を実現する。　多数の区画室（２１）の形成されている予備撒きカセット（２０）を上面より出し入れ可能な枠体（４４）と、その上面を開閉する板状体からなり予備撒きカセット（２０）の区画室配置に対応した配置で多数の投入口（４８）が貫通形成されている蓋体（４７）と、これに付設され投入口（４８）それぞれに対応付けて配置された多数の点灯部材（４９）と、手撒き処方の薬品名を表示する画面表示部（４１）と、その薬品名に係る選択を受理するとともに点灯部材（４９）のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させる制御部（４２）とを備える。

Description

明細書

薬剤手撒き装置

技術分野

[0001] この発明は、自動の薬剤排出に備えて予め多数の区画室に薬剤を人手で撒いておく薬剤手撒き装置に関する。背景技術

[0002] 薬剤分包機に組み込んだ形で薬剤手撒き装置が実用化されており（例えば特許文献 1, 2参照)、そのような薬剤手撒き装置では予備撒きカセットが薬剤分包機の筐体力引き出し可能に設けられ、予備撒きカセットには多数の区画室が縦横に並べて形成され、区画室 (マス）は、上面が薬剤投入のため解放され、下面 '底面が薬剤排出のためシャツタ等で出来ていて開閉するようになっている。また、薬剤投入は手撒きでも、薬剤排出は自動で行えるよう、薬剤分包機の筐体内には、押し込まれた予備撒きカセットの下方のところに、区画室力も排出された薬剤を受け取って 1室分ずつ包装機へ送り込む作動部材 (コンベア）が、設けられている。

[0003] さらに、それらの薬剤手撒き装置は区画室の個数 (マス数)や薬剤の名称 (薬品名）を表示するようにもなつている。マス数の表示は (例えば特許文献 1参照）、手撒きすべき包装数を間違いないようにする作業者の精神的な負担を軽減するためであり、 2 桁の LEDで区画室の個数を表示したり、縦の区画室の個数と横の区画室の個数を表示したり、区画室に一個ずつ配置した LEDの発光により区画室の位置を表示したり、区画室の周囲に配置した LEDの発光により表示することによって、使用する区画室の個数を手撒き作業者に指示するようになっている。また、薬品名の表示は (例えば特許文献 2参照）、プリンタでの印字によって、手撒き処方の照合 No.と一緒に行われるようになつている。

[0004] 特許文献 1：特開平 3— 240604号公報

特許文献 2：特開平 3 - 240603号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0005] し力しながら、このような従来の薬剤手撒き装置では、手撒き処方に複数'多数の薬剤が含まれている場合に剤種によって撒くべき区画室の範囲が異なるとき、例えば一部にし力撒力ない薬剤については、元の処方箋を参照する等のことにより、手撒き作業者が判断しなければならな、ことがある。

また、薬剤分包機に組み込まれているので、先行して手撒きできるのは、せいぜい次回の分までであり、それ以上は否応なく待たされてしまう。

そこで、何回か先の分まで予め撒いておけるうえ薬剤毎の範囲が一目瞭然で容易カゝっ的確に各種薬剤を手撒きできる薬剤手撒き装置を実現することが技術的な課題となる。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明のある態様の薬剤手撒き装置は、多数の区画室の形成されている予備撒きカセットを上面より出し入れ可能な枠体と、この枠体の上面を開閉する板状体力なり前記予備撒きカセットの区画室配置に対応した配置で多数の投入口が貫通形成されて!ヽる蓋体と、この蓋体に付設され前記投入口それぞれに対応付けて配置された多数の点灯部材と、手撒き処方の薬品名を表示する画面表示部と、その薬品名に係る選択を受理するとともに前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させる制御部とを備える。

[0007] この薬剤手撒き装置は、前記投入口それぞれに対応付けて配置された多数のスィツチ部材が前記蓋体に付設されており、その操作に応じて前記制御部が前記点灯部材の点灯状態を変更するようになって、てもよ、。

[0008] 本発明の他の態様の薬剤手撒き装置は、予備撒きカセットに形成されている多数の区画室それぞれに対応付けて点灯部材とスィッチ部材とが多数配設されており、手撒き処方に基づいて手撒き範囲における前記点灯部材を点灯させるとともに、前記スィッチ部材の操作に応じて前記点灯部材の点灯状態を変更するようになって!/、る。

[0009] 本発明の他の態様の薬剤手撒き装置は、多数の区画室の形成されている予備撒きカセットを前面等より出し入れ可能な枠体と、この枠体の上面部分に組み込まれた部材力なり又は前記枠体の上面を開閉する蓋体力なり前記予備撒きカセットの区画室配置に対応した配置で多数の区画貫通孔が貫通形成されている手撒部と、前記区画貫通孔それぞれに内装された多数の開閉部材と、それらの開閉部材を個々に作動させる開閉駆動手段とを備える。

[0010] この薬剤手撒き装置は、手撒き処方の対象となる薬品の選択を受理するとともに前記手撒部から下方へ手撒き済み薬剤を移し替えるとき前記開閉部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものだけを開閉させる制御部を備えてもよい。

[0011] また、前記区画貫通孔それぞれに対応付けて点灯部材が配設され、前記制御部が前記手撒部への薬剤の手撒きを促すとき前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させるようになって、てもよ、。

[0012] この薬剤手撒き装置は、前記区画貫通孔それぞれに対応付けて配置された多数の点灯部材と、手撒き処方の対象となる薬品の選択を受理するとともに前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させる制御部とを備えてもよい。

[0013] 手撒き処方の薬品名を表示する画面表示部が設けられ、前記制御部が前記画面表示部の表示に基づく選択を手撒き処方の対象となる薬品の選択として受理するようになつていてもよい。

[0014] 前記開閉駆動手段が前記区画貫通孔それぞれに対応して分散設置された駆動源を具えていてもよい。

発明の効果

[0015] 本発明によれば、容易かつ的確に各種薬剤を手撒きできる薬剤手撒き装置を実現することができる。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]本発明の第 1の実施形態の具体例 1 1について、薬剤手撒き装置の機械的な構造を示し、 (a)が組込形と据置形とを設置した薬剤分包システムの概要正面図、 (b)が予備撒きカセットと薬剤手撒き装置の本体部との斜視図、 (c)が薬剤手撒き装置の斜視図である。

[図 2]第 1の実施形態に係る薬剤手撒き装置の機能等を示し、 (a)が電子回路のプロック図、（b)が制御の概要フローチャートである。

[図 3]第 1の実施形態に係る薬剤手撒き装置の動作状況を示し、（a)〜(d)何れも点灯表示と画面表示との例である。

[図 4]本発明の第 1の実施形態の具体例 1 2について、蓋体における投入口や点灯部材などの要部を拡大して示し、（a)が平面図、（b)〜(g)が正面図である。

[図 5]本発明の第 1の実施形態の具体例 1 3について、蓋体における投入口や点灯部材などの要部を拡大して示した平面図である。

[図 6]本発明の第 2の実施形態の具体例 2—1について、薬剤手撒き装置の機械的な構造を示し、 (a)が組込形と据置形とを設置した薬剤分包システムの概要正面図、 (b)が予備撒きカセットと薬剤手撒き装置の斜視図、 (c)が手撒き装置本体の枠体の手撒部の区画貫通孔の斜視図、（d)及び (e)が区画貫通孔の縦断面図である。

[図 7]第 2の実施形態に係る薬剤手撒き装置の機能等を示し、 (a)が電子回路のプロック図、（b)が制御の概要フローチャートである。

[図 8]第 2の実施形態に係る薬剤手撒き装置の動作状況を示し、（a)〜(d)何れも点灯表示と画面表示との例である。

[図 9]第 2の実施形態に係る薬剤手撒き装置の動作状況を示し、（a)〜(d)何れも点灯表示と画面表示との例である。

[図 10]本発明の第 2の実施形態の具体例 2— 2について、手撒部における区画貫通孔ゃ点灯部材などの要部を拡大して示した平面図である。

符号の説明

10 薬剤分包機、 11 薬剤フィーダ、 12 薬剤収集機構、 13 包装機、 14 作動部材、 20 予備撒きカセット、 21 区画室、 22 情報担体、 30 薬剤手撒き装置 (組込形）、 31 タツチパネル (画面表示部，操作部）、 32 コントローラ（制御部，処方情報処理部）、 33 本体部、 40 薬剤手撒き装置 (据置形)、 41 タツチパネル (画面表示部，操作部）、 42 コントローラ (制御部，処方情報処理部）、 43 本体部、 44 枠体、 45 カセット格納空間、 46 情報読書器、 47 蓋体、 48 投入口、 49 点灯部材、 50 スィッチ部材、 101, 102 薬剤、 109 作業台 (保管棚)、 110 薬剤分包機、 111 薬剤フィーダ、 112 薬剤収集機構、 113 包装機、 114 作動部材、 120 予備撒きカセット、 121 区画室、 122 情報担体、 130 薬剤手撒き装置 (組込形) 、 131 タツチパネル (画面表示部，操作部）、 132 コントローラ (制御部，処方情報処理部）、 133 本体部、 140 薬剤手撒き装置 (据置形)、 141 タツチパネル (画面表示部，操作部）、 142 コントローラ (制御部，処方情報処理部）、 143 本体部、 14 4 枠体、 145 カセット格納空間、 146 情報読書器、 147 手撒部、 148 区画貫通孔、 149 点灯部材、 150 斜板、 151 開閉部材、 152 駆動源 (開閉駆動手段）、 153 支承部材。

発明を実施するための最良の形態

[0018] [第 1の実施形態]

本発明の第 1の実施形態に係る薬剤手撒き装置の概要をまず説明する。

[0019] 第 1の実施形態に係る第 1の薬剤手撒き装置は、多数の区画室の形成されている予備撒きカセットを上面より出し入れ可能な枠体と、この枠体の上面を開閉する板状体力なり前記予備撒きカセットの区画室配置に対応した配置で多数の投入口が貫通形成されて!ヽる蓋体と、この蓋体に付設され前記投入口それぞれに対応付けて配置された多数の点灯部材と、手撒き処方の薬品名を表示する画面表示部と、その薬品名に係る選択を受理するとともに前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させる制御部とを備えて、る。

[0020] また、第 1の実施形態に係る第 2の薬剤手撒き装置は、上記第 1の薬剤手撒き装置であって、前記投入口それぞれに対応付けて配置された多数のスィッチ部材が（前記点灯部材と一体化した状態で又は前記点灯部材とは別体の状態で)前記蓋体に付設されており、その操作に応じて前記制御部が前記点灯部材の点灯状態を変更するようになっている。

[0021] さらに、第 1の実施形態に係る第 3の薬剤手撒き装置は、予備撒きカセットに形成されて、る多数の区画室それぞれに対応付けて（一体の又は別体の）点灯部材およびスィッチ部材が多数配設されており、手撒き処方に基づいて手撒き範囲における前記点灯部材を点灯させるとともに、前記スィッチ部材の操作に応じて前記点灯部材の点灯状態を変更するようになって、る、 t 、うものである。

[0022] 第 1の薬剤手撒き装置にあっては、予備撒きカセットが本体部力も分離されて着脱式になったので、本体部より多数の予備撒きカセットを準備すれば、その個数の分だけ先行して手撒きしておくことが可能になる。また、本体部には枠体と蓋体とを設けて、枠体に予備撒きカセットを一時格納して蓋体を閉めると区画室それぞれに投入口と点灯部材とが対応付けられるように本体部を構成するとともに、画面に表示された手撒き処方の薬品名を見て手撒き候補の薬剤を選択するとその薬剤の手撒き範囲が区画室毎の点灯によって明示されるようにもしたことにより、予備撒きカセットが着脱式になっていても不都合なぐそれに対する手撒き範囲が薬剤毎に一目瞭然で示される。

したがって、この装置によれば、何回か先の分まで予め撒いておけるうえ薬剤毎の範囲が一目瞭然で容易かつ的確に各種薬剤を手撒きできる薬剤手撒き装置を実現することができる。

[0023] また、第 2の薬剤手撒き装置にあっては、上述のことにカ卩えて、投入口ひいては区画室それぞれに対応付けてスィッチ部材が配置され、そのスィッチ部材の操作に応じて点灯状態が適宜変更されるようにもしたことにより、薬剤を投入するついでに、そこのスィッチ部材を操作すれば、手撒きの進行状態が薬剤投入先の区画室の点灯状態に反映される。そのため、手撒きの進行状態を区画室毎に目視で確認できる。さらには処方情報との自動チックも可能である。

[0024] また、第 3の薬剤手撒き装置にあっては、区画室の配置に対応して多数の点灯部材が配設されていて、手撒き処方に基づき手撒き範囲における点灯部材が点灯するようになっているので、手撒き範囲が一目瞭然で分かる。しかも、区画室の配置に対応して多数のスィッチ部材も配設されて、て、そのスィッチ部材の操作に応じて点灯部材の点灯状態が適宜変更されるようにもなつて！、るので、薬剤投入つ！/、でのスイツチ操作にて容易に、手撒きの進行状態を区画室毎に目視で確認したり自動でチェックすることがでさる。

[0025] このような本発明の第 1の実施形態に係る薬剤手撒き装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の具体例 1— 1〜1— 3により説明する。

図 1〜3に示した具体例 1—1は、上述した第 1の薬剤手撒き装置を具現ィ匕したものであり、図 4に示した具体例 1 2は、上述した第 2及び第 3の薬剤手撒き装置を具現化したものであり、図 5に示した具体例 1 3は、その変形例である。

なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具，ヒンジ等の連結具，電動モータ等の駆動源，タイミングベルト等の伝動部材，モータドライバ等の電気回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。

[0026] [具体例 1 1]

本発明の薬剤手撒き装置の具体例 1—1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図 1は、薬剤手撒き装置の機械的な構造を示し、（a)が組込形 3 0と据置形 40とを設置した薬剤分包システムの概要正面図、 (b)が予備撒きカセット 20と薬剤手撒き装置 40 (30)の本体部 43 (33)との斜視図、 (c)が薬剤手撒き装置 4 0 (30)の斜視図である。また、図 2は、薬剤手撒き装置の機能等を示し、（a)が電子回路のブロック図、（b)が制御の概要フローチャートである。

[0027] ここで例示する調剤システムには（図 1 (a)参照)組込形の薬剤手撒き装置 30と据置形の薬剤手撒き装置 40とが採用されていて、何れもホストコンピュータ等力も処方情報 (調剤指示データ)を受信するようになってヽるが、薬剤手撒き装置 30は従来例と同じく薬剤分包機 10に組み込まれているのに対し、薬剤手撒き装置 40は机上等に単独で置かれて!/、る。例えば錠剤分包機や錠剤散薬混合分包機である薬剤分包機 10の筐体の内部には、薬剤の自動排出と自動分包のため、各種の薬剤を収容していて必要に応じて逐次排出する多数の薬剤フィーダ 11と、排出されて落下した薬剤を収集する薬剤収集機構 12と、収集された薬剤を分包紙に区分封入する包装機 13と、薬剤手撒き装置 30から排出された薬剤を受け取って 1室分ずつ薬剤収集機構 12経由で包装機 13へ送り込む作動部材 14とが、設けられている。作動部材 14は、例えば送り方向の異なるコンベアを組み合わせる等のことで構成され (例えば特許文献 1, 2参照）、薬剤手撒き装置 30の下方に配置されている。

[0028] 薬剤手撒き装置 30は（図 1 (a)参照)、予備撒きカセット 20を着脱しうる本体部 33と、画面表示部および操作部としてのタツチパネル 31と、制御部としてのコントローラ 3 2とを具えたものであり、本体部 33は、薬剤分包機 10に引出レール等を介在させて装着され、薬剤分包機 10の筐体力も引き出したり筐体内に押し込んで格納したりでき、押し込んだとき作動部材 14の上方に位置するようになっている。コントローラ 32 は薬剤分包機 10の筐体の中に設けられ、タツチパネル 31は薬剤分包機 10の筐体の前面に設けられている。

薬剤手撒き装置 40も、予備撒きカセット 20を着脱しうる本体部 43と、画面表示部および操作部としてのタツチパネル 41と、制御部としてのコントローラ 42とを具えたものであるが、それらが机上等に置けるようになって!/、る。

両装置 30, 40は、組込形力据置形かに係る相違を除けば、同じで良い。

[0029] 予備撒きカセット 20は（図 1 (b)参照）、薬剤手撒き装置 30, 40の何れからも分離されて何れにも着脱しうるようになっており、多数の区画室 21が例えば 6行 11列のマトリクス状に仕切られて形成されている。区画室 21は、何れも、薬剤投入のため上面が解放され、薬剤排出のため下面 ·底面がシャツタ等で出来ていて例えば作動部材 14 の作用により全室一括で又は各室毎に開閉するようになっている。区画室 21に手撒きした薬剤を確認する等のため、予備撒きカセット 20には情報担体 22が付設されている。情報担体 22は、例えば、手撒き処方の識別番号を記したバーコードラベルや、手撒き処方の内容を記憶保持するデータキャリアなどである。

[0030] 薬剤手撒き装置 40の本体部 43は (図 1 (b)参照)、薬剤手撒き装置 30の本体部 33 も同様であるが、枠体 44に蓋体 47を蝶番等で開閉可能に装着したものである。枠体 44は、予備撒きカセット 20がスッポリ納まるカセット格納空間 45を囲むものであるが、予備撒きカセット 20を上面より出し入れできるよう上面が大きく解放され、力セット格納空間 45に納めた予備撒きカセット 20を支えるため下面が閉じるか下面解放が上面解放より小さくなつている。枠体 44では下面解放が任意であるが、薬剤手撒き装置 30の本体部 33の枠体では、下面解放が必須である。枠体 44のうち、予備撒きカセット 20を枠体 44に格納したとき情報担体 22と対畤するところには、情報担体 22にアクセスする情報読書器 46が付設されている。情報読書器 46は、例えば、バーコードリーダ及び Z又はバーコードライタや、データアクセス装置などである。

[0031] 蓋体 47は（図 1 (b) , (c)参照）、枠体 44の上面を開閉しうる板状体力もなるが、この蓋体 47には予備撒きカセット 20の区画室 21の配置と同じ配置で多数の投入口 48 が貫通形成されており、枠体 44に予備撒きカセット 20を格納して蓋体 47を閉めると、それぞれの投入口 48の下に区画室 21がーつずつ位置するようになっている。そのような蓋体 47の上面には多数の点灯部材 49も付設されている（図 1 (c)参照)。点灯部材 49は、個々に点灯しうる例えば LED (発光ダイオード)力なり、それぞれの投入口 48と一対一で対応付けて配置されて!、る。

[0032] タツチパネル 41は、例えば液晶パネルに入力ユニットを付設した汎用品で良ぐ画面表示部として手撒き処方の薬品名や錠数を表示することができるとともに、操作部として表示薬品名の指差し選択もできるようになって!/、る。

コントローラ 42は、例えばプログラム可能なマイクロプロセッサシステムからなり、ホストコンピュータ等力も受信した手撒き処方の内容を具体的には薬品名や錠数などをタツチパネル 41に表示させるとともに、その薬品名の表示箇所に対するタツチパネル 41上での選択操作を入力するようになっている。また（図 2 (a)参照）、例えば下位のマイクロプロセッサ (MPU)や列ドライバ及び行ドライバに時分割方式のダイナミツク駆動を行わせることで、多数の点灯部材 49のうち所望のものだけ点灯させるようになっている。

[0033] その点灯は、手撒き処方に基づいて手撒き範囲の全域に行わせることも、薬品名の選択に応じて選択薬剤の手撒き範囲に属するものだけを行わせることも可能である。そのため、コントローラ 42のプログラムは（図 2 (b)参照）、次のようになっている。すなわち、例えばホストコンピュータ力処方箋データを受信したら、薬剤分包機 10 に薬剤の実装 ·非実装状態を問、合わせたりして手撒き処方を確定し (ステップ S 1) 、その手撒き処方の内容をタツチパネル 41の画面に表示させるとともに手撒き範囲に属する点灯部材 49を点灯させる (ステップ S2)。そのとき、手撒き処方に含まれている薬剤それぞれについて薬品名と錠数を画面表示し、点灯部材 49は、各薬剤の手撒き範囲を併せた手撒き範囲の全域で点灯させ、他では消灯させるようになっている。

[0034] それから、タツチパネル 41の操作等による指示を待ち (ステップ S3)、薬剤が選択されたら (ステップ S4)、その薬剤の薬品名をタツチパネル 41で例えば反転表示にて強調表示させるとともに、その選択された薬剤の手撒き範囲だけに限定して点灯部材 49を点灯させて、指示待ちに戻る (ステップ S3)。また、指示待ちで再表示が指示されたら再び手撒き範囲の全域で点灯部材 49を点灯させ、指示待ちで終了が指示されたら (ステップ S5)、手撒き処方に含まれている薬剤の選択が総て完了した力否かを調べるようになつている。そして、完了していなければ (ステップ S5「NG」）、ァラームを発して (ステップ S6)、本当に終了して良いのかを手撒き作業者に確認し (ステップ S 7)、続行指示のときには終了せずに指示待ちに戻る (ステップ S3)。これに対し、終了指示が与えられたときや (ステップ S7「終了」）、薬剤の選択が総て完了していたときには (ステップ S5「OK」）、手撒き処方の識別番号および Z又は内容を情報担体 22に転送させるようになって、る (ステップ S8)。

[0035] この具体例 1 1の薬剤手撒き装置 30, 40について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図 1 (a)は、薬剤手撒き装置 30を組み込んだ薬剤分包機 10と据置形の薬剤手撒き装置 40とを用いて薬剤を先行手撒きしてヽる状況を示し、図 1 (b)は薬剤手撒き装置 40の蓋を開けた状態を示し、図 1 (c)は薬剤手撒き装置 4 0の蓋を閉めた状態を示している。また、図 3 (a)〜（d)は、何れも、蓋体 47における点灯部材 49による点灯表示とタツチパネル 41による画面表示との例である。

先ず幾つ力の手撒き処方を先行処理する状況を概説し (図 1 (a)参照）、次に複数- 多数の薬剤が含まれている手撒き処方の処理について詳述する（図 1 (b) , (c) ,図 3 参照)。

[0036] 先ず (図 1 (a)参照)、薬剤フィーダ 11に各種薬剤が補充されて薬剤分包機 10が自動調剤を行えるようになっており、薬剤フィーダ 11に収容されて、な、薬剤を含む処方箋が幾つかホストコンピュータにエントリされたとする。それらの処方箋はホストコンピュータカも薬剤分包機 10に送信されるが、薬剤フィーダ 11に収容されていない薬剤に係る部分は、ホストコンピュータカゝ薬剤分包機 10によって、手撒き処方として抽出され、薬剤手撒き装置 40にも送信される。そのため薬剤手撒き作業は薬剤手撒き装置 30, 40の何れでも行える力重複作業の回避のため一方で手撒き処方の処理が始まると他方では該当する手撒き処方が破棄される。

[0037] 典型的な作業手順では、一番目の手撒き処方に基づく薬剤手撒き作業を薬剤分包機 10の薬剤手撒き装置 30で行い、その薬剤が総て作動部材 14等に引き渡されたら二番目の手撒き処方に基づく薬剤手撒き作業も薬剤手撒き装置 30で行い、それらの薬剤を含む処方箋に係る薬剤分包機 10での自動調剤が完了するまでは薬剤手撒き装置 30が塞がっているので、三番目以降の手撒き処方に基づく薬剤手撒き作業は薬剤手撒き装置 40で行う。薬剤手撒き装置 40で手撒きするときには必ず手撒き処方ごとに予備撒きカセット 20が取り替えられ、先行して薬剤手撒きの済んだ予備撒きカセット 20は適宜保管されて薬剤分包機 10への装着を待つ。

[0038] そして、薬剤分包機 10によって次の薬剤手撒き作業が要求されると、それに応じて作業者は、使用済み予備撒きカセット 20を薬剤手撒き装置 30から外して、薬剤手撒き済み予備撒きカセット 20を薬剤手撒き装置 30に付け替える。そのとき情報担体 22 を利用して処方の突き合わせチェックが行われ、一致していれば直ちに、不一致であれば薬剤分包機 10で処方箋の処理順の入れ替えが行われた後（例えば特許文献 2参照)、薬剤分包機 10で自動調剤が実行される。

こうして、手撒き処方が多数あったときでも、それらの分を先行して手撒きすることができるので、薬剤分包機 10をほとんど待たせることがな、。

[0039] 次に（図 1 (b) , (c) ,図 3参照）、上述した薬剤手撒き作業の何れかにおいて、手撒き処方に複数'多数の薬剤が含まれていたとする。これを薬剤手撒き装置 40で処理する場合、薬剤手撒き装置 30での処理も本体部 33の引き出しや押し込みが付くこと以外は同じであるが、以下のようになる。

タツチパネル 41に手撒き作業を促す案内が画面表示されるので（図 3 (a)参照）、手撒き作業者は、空の予備撒きカセット 20を用意するとともに薬剤手撒き装置 40の本体部 43の蓋体 47を開け（図 1 (b)参照）、予備撒きカセット 20を本体部 43に入れて蓋体 47を閉める（図 1 (c)参照)。

[0040] すると、薬剤手撒き装置 40では、自動で、タツチパネル 41の画面に手撒き処方の内容が表示される（図 3 (b)参照)。最初は、手撒き処方の識別情報などと総錠数とが白黒反転文字やカラーで強調表示され、各薬剤の薬品名と錠数は通常状態の文字で表示される。また、蓋体 47では、各薬剤の手撒き範囲を併せた手撒き範囲の全域で（図 3 (b)では右側の 6行 6列）、点灯部材 49が点灯する。その状態で、手撒き作業者がタツチパネル 41で手撒き薬剤 1を選択すると、そこの薬品名と錠数とにタツチパネル 41の強調表示が移るとともに（図 3 (c)参照）、その選択された薬剤の手撒き範囲だけに点灯部材 49の点灯が限定される（図 3 (c)では右力 2列目と 3列目の 6行）。それを見ながら手撒き作業者は手撒き薬剤 1を投入口 48から区画室 21へ投入する。

[0041] それから、手撒き作業者がタツチパネル 41で手撒き薬剤 2を選択すると、そこの薬品名と錠数とにタツチパネル 41の強調表示が移るとともに（図 3 (d)参照）、その選択された薬剤の手撒き範囲だけに点灯部材 49の点灯が限定される（図 3 (d)では 3行目と 4行目の右力も 6列)。それを見ながら手撒き作業者は手撒き薬剤 2を投入口 48 から区画室 21へ投入する。

このような作業を繰り返すことで、作業者は各薬剤を容易かつ的確に手撒きすることがでさる。

[0042] また、作業者が薬剤手撒き装置 40に再表示を指示すると、タツチパネル 41の画面表示と点灯部材 49の点灯表示とが最初の状態に戻って再び手撒き範囲の全域で点灯部材 49が点灯するので、全範囲の確認も容易に行える。さらに、作業者が総ての薬剤について手撒きしないうちに薬剤手撒き装置 40に終了を指示すると、薬剤手撒き装置 40によってアラームが発せられるとともに確認が求められるので、手撒き漏れも発生し難い。

そして、一つの手撒き処方に係る手撒き作業が終了すると、薬剤手撒き装置 40によって予備撒きカセット 20の情報担体 22に手撒き処方の情報が書き込まれて、予備撒きカセット 20を薬剤手撒き装置 40から取り出せる状態となる。

[0043] [具体例 1 2]

本発明の薬剤手撒き装置の具体例 1—2について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図 4は、蓋体 47における投入口 48や点灯部材 49などの要部を拡大して示し、（a)が平面図、（b)〜(g)が正面図である。

この薬剤手撒き装置が上述した具体例 1—1の装置 30, 40と相違するのは、投入口 48それぞれに対応付けて配置された多数のスィッチ部材 50が蓋体 47に付設されていることと、制御部であるコントローラ 42がスィッチ部材 50の操作に応じて対応するスィッチ部材 50の点灯状態を適宜変更するようになって、ることである。

[0044] 具体的には（図 4 (a) , (b)参照）、投入口 48の脇で点灯部材 49がスィッチ部材 50 を介して蓋体 47に装着され、点灯部材 49を押し下げるとスィッチ部材 50がオンし、自由にすると点灯部材 49が上昇してオフ状態に戻るようになつている。また、コントローラ 42は、各スィッチ部材 50のオンオフ状態を信号入力していて、スイッチ部材 50がオンすると、そこの投入口 48に薬剤 8が投入されたと判定して、更なる投入が必要なときには該当する点灯部材 49を点滅させ、投入が不要になったときには該当する点灯部材 49を消灯させるようになって、る。

[0045] この場合、手撒き範囲に属する投入口 48のところの点灯部材 49は先ず具体例 1 1のときと同じく点灯するが（図 4 (c)参照）、その点灯部材 49が薬剤 8の投入ついでに押されると（図 4 (d)参照）、その点灯状態が点滅に変わって更なる薬剤投入が促される（図 4 (e)参照)。そこで、作業者が薬剤 8を更に投入するとともに点灯部材 49を再び押すと（図 4 (f)参照)、それに応じて薬剤手撒き装置 40の蓋体 47では投入完了を知らせるために該当する点灯部材 49が消灯する（図 4 (g)参照)。

こうして、同じ投入口 48に同一薬剤 8を 2錠ヽれなければなヽな、ときでも容易かつ的確に手撒きすることができる。同様にして、 3錠以上でも、点灯確認と薬剤投入とスィッチ操作とを繰り返すことで、容易かつ的確に手撒きすることができる。

[0046] [具体例 1 3]

本発明の薬剤手撒き装置の具体例 1—3について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図 5は、蓋体 47における投入口 48や点灯部材 49などの要部を拡大して示した平面図である。

この薬剤手撒き装置が上述した具体例 1— 2と相違するのは、具体例 1— 2では一

、た点灯部材 49とスィッチ部材 50とが具体例 1 3では別体に分離されて並設されて、ることである。

点灯部材 49及びスィッチ部材 50は別体であっても双方が投入口 48それぞれに対応付けて配置されているので、具体例 1 2と同様に動作し同様に使える。

[0047] [その他]

上記具体例では、画面表示部に操作部の一体になつたタツチパネル 31, 41を採用したが、画面表示部と操作部は、別体でも良ぐ例えばディスプレイとキーボードとマウスとで構成しても良い。制御部も、マイクロプロセッサに限らず、画面表示部や操作部と一体の、わゆるノート形パソコンや、画面表示部や操作部と別体の、わゆるデスクトップパソコンで、構成しても良い。また、スィッチ部材 50としては、図示した機械式の他、静電容量スィッチなど、各種のスィッチを用いることができる。

[0048] [第 2の実施形態]

本発明の第 2の実施形態は、自動の薬剤排出に備えて予め多数の区画室に薬剤を人手で撒いておく薬剤手撒き装置に関する。

[0049] [第 2の実施形態に関連する背景技術]

薬剤分包機に組み込んだ形で薬剤手撒き装置が実用化されており (例えば特許文献 1, 2参照)、そのような薬剤手撒き装置では予備撒きカセットが薬剤分包機の筐体力引き出し可能に設けられ、予備撒きカセットには多数の区画室が縦横に並べて形成され、区画室 (マス）は、上面が薬剤投入のため解放され、下面 '底面が薬剤排出のためシャツタ等の底板で出来ていて開閉するようになっている。また、薬剤投入は手撒きでも、薬剤排出は自動で行えるよう、薬剤分包機の筐体内には、押し込まれた予備撒きカセットの下方のところに、区画室力も排出された薬剤を受け取って 1室分ずつ包装機へ送り込む作動部材 (コンベア）が、設けられている。そして、予備撒きカセットの各区画室内の薬剤が作動部材の対応する各区画室に一括して移し替えられるよう、予備撒きカセットの底板は例えばシャツタレバーの一操作に応じて全区画室に亘り一括で開閉するようになっており、予備撒きカセットにはモータ等の駆動源が搭載されていない。

[0050] さらに、それらの薬剤手撒き装置は区画室の個数 (マス数)や薬剤の名称 (薬品名）を表示するようにもなつている。マス数の表示は (例えば特許文献 1参照）、手撒きすべき包装数を間違いないようにする作業者の精神的な負担を軽減するためであり、 2 桁の LEDで区画室の個数を表示したり、縦の区画室の個数と横の区画室の個数を表示したり、区画室に一個ずつ配置した LEDの発光により区画室の位置を表示したり、区画室の周囲に配置した LEDの発光により表示することによって、使用する区画室の個数を手撒き作業者に指示するようになって!/、る。マス数の表示に加えて二度撒きの表示まで行うようにもなつている。また、薬品名の表示は (例えば特許文献 2参照）、プリンタでの印字によって、手撒き処方の照合 No.と一緒に行われるようになつている。 [0051] [第 2の実施形態が解決しょうとする課題]

[0052] し力しながら、このような従来の薬剤手撒き装置では、総てが薬剤分包機に組み込まれているので、先行して手撒きできるのは、せいぜい次回の分までであり、それ以上は否応なく待たされてしまう。

そこで、何回か先の分まで予め撒いておける薬剤手撒き装置を実現することが第 1 技術課題となる。

また、手撒き処方に複数'多数の薬剤が含まれている場合に、剤種毎に分けて撒いても、それらが予備撒きカセットの区画室の中で混ざってしまうため、後から撒いた薬剤は目視確認し辛力つた。

そこで、剤種毎に分けて撒けば後の薬剤も一目瞭然で確認しうる薬剤手撒き装置を実現することが第 2技術課題となる。

[0053] さらに、上述した従来の薬剤手撒き装置では、手撒き済み薬剤の移し替えが一括で行われることから、手撒き済みの薬剤が正しく薬剤の手撒き範囲に収まっていようと或いは誤って薬剤の手撒き範囲力外れていようと何れも移し替えられるので、それに起因して不都合な事態が発生するのを防止するために、手撒き作業者は注意深く作業することが求められる。そのため、精神的な負担が重い。

そこで、手撒き範囲の外に誤って撒かれてしまった薬剤は移し替えられないで留まり続けるような薬剤手撒き装置を実現することが第 3技術課題となる。

[0054] また、上述した従来の薬剤手撒き装置では、手撒き処方に複数'多数の薬剤が含まれている場合に剤種によって撒くべき区画室の範囲が異なるとき、例えば一部にしか撒力ない薬剤については、元の処方箋を参照する等のことにより、手撒き作業者が判断しなければならな、ことがある。

そこで、薬剤毎の範囲が一目瞭然で容易かつ的確に各種薬剤を手撒きできる薬剤手撒き装置を実現することが第 4技術課題となる。

[0055] [第 2の実施形態の具体例]

[0056] 第 2の実施形態に係る第 1の薬剤手撒き装置は、上述した第 1,第 2技術課題を共に解決するとともに第 3技術課題の解決に資するべく創案されたものであり、多数の区画室の形成されている予備撒きカセットを前面等より出し入れ可能な枠体と、この枠体の上面部分に組み込まれた部材力なり又は前記枠体の上面を開閉する蓋体力なり前記予備撒きカセットの区画室配置に対応した配置で多数の区画貫通孔が貫通形成されている手撒部と、前記区画貫通孔それぞれに内装された多数の開閉部材と、それらの開閉部材を個々に作動させる開閉駆動手段とを備えている。

[0057] また、第 2の実施形態に係る第 2の薬剤手撒き装置は、上述した第 1〜第 3技術課題を総て解決するために創案されたものであり、具体的には、上記第 1の薬剤手撒き装置であって、手撒き処方の対象となる薬品の選択を受理するとともに前記手撒部力下方へ手撒き済み薬剤を移し替えるとき前記開閉部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものだけを開閉させる制御部を備えている。

[0058] さらに、第 2の実施形態に係る第 3の薬剤手撒き装置は、上述した第 1〜第 4技術課題を総て解決するために創案されたものであり、具体的には、上記第 2の薬剤手撒き装置であって、前記区画貫通孔それぞれに対応付けて点灯部材が配設され、前記制御部が前記手撒部への薬剤の手撒きを促すとき前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させるようになって、る、 t 、うものである。

[0059] また、第 2の実施形態に係る第 4の薬剤手撒き装置は、上述した第 1,第 2,第 4技術課題を何れも解決するとともに第 3技術課題の解決に資する構成部分を特定したものであり、具体的には、上記第 1の薬剤手撒き装置であって、前記区画貫通孔それぞれに対応付けて配置された多数の点灯部材と、手撒き処方の対象となる薬品の選択を受理するとともに前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させる制御部とを備えている、というものである。

[0060] また、第 2の実施形態に係る第 5の薬剤手撒き装置は、上述した第 4技術課題を高水準に解決するために創案されたものであり、具体的には、上記第 3及び第 4の薬剤手撒き装置であって、手撒き処方の薬品名を表示する画面表示部が設けられ、前記制御部が前記画面表示部の表示に基づく選択を手撒き処方の対象となる薬品の選択として受理するようになって!/、る、 t 、うものである。

[0061] また、第 2の実施形態に係る第 6の薬剤手撒き装置は、上述した第 3技術課題の解決に大きく資するべく創案されたものであり、具体的には、上記第 1〜第 5の薬剤手撒き装置であって、前記開閉駆動手段が前記区画貫通孔それぞれに対応して分散設置された駆動源を具えている、というものである。

[0062] 第 2の実施形態に係る第 7の薬剤手撒き装置は、上述した第 4技術課題を高水準に解決するために創案されたものであり、具体的には、上記第 3〜第 6の薬剤手撒き装置であって、前記点灯部材がそれぞれ点灯数や色分け等にて個数を表示しうるようになつている、というものである。

[0063] 第 1の薬剤手撒き装置にあっては、予備撒きカセットが本体部力も分離されて着脱式になったので、本体部より多数の予備撒きカセットを準備すれば、その個数の分だけ先行して手撒きしておくことが可能になるので、第 1技術課題が解決される。

また、本体部の主要部である枠体の上面部分をなす手撒部に多数の区画貫通孔が貫通形成され、その区画貫通孔が予備撒きカセットの区画室配置に対応して配置されているので、予備撒きカセットを枠体に入れておけば、手撒部の区画貫通孔を介して予備撒きカセットの区画室に薬剤を投入することができる。し力も、区画貫通孔にはそれぞれ開閉部材が内装されており、その開閉部材が開閉駆動手段によって個々に作動させられるようになつている。

[0064] そのため、手撒部から予備撒きカセットへの移し替えが薬剤の剤種ごとに行える。

そして、剤種毎に分けて撒き次の薬剤を撒く前に先の薬剤を移し替えることにより、後の薬剤も混じることなく一目瞭然で確認されるようになるので、第 2技術課題が解決される。

さらに、次に述べるように、第 2の薬剤手撒き装置に係る制御部を組み合わせることで、手撒き範囲の外に誤って撒かれてしまった薬剤は移し替えられないで留まり続けるような薬剤手撒き装置になるので、第 3技術課題の解決にも資するものである。

[0065] また、第 2の薬剤手撒き装置にあっては、第 1の薬剤手撒き装置が踏襲されているのにカ卩えて、その開閉部材の動作制御を担う制御部が選択的な移し替えを行えるよう機能拡張されている。すなわち、作業者が手撒き処方の対象となる薬品を選択すると、それが制御部によって受理されて、選択薬剤の手撒き範囲が処方箋データ等に基づいて把握される。それから、その選択薬剤を作業者が手撒部の適宜な区画貫通孔に投入して手撒きし、その手撒き済み薬剤を手撒部カゝら下方の予備撒きカセットへ移し替える処理を制御部に委ねると、制御部の制御によって、開閉部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものだけが開閉する。そのため、手撒き範囲に正しく撒かれた薬剤は予備撒きカセットに移し替えられるが、手撒き範囲の外に誤って撒かれてしまった薬剤は移し替えられないで手撒部に留まり続ける。したがって、この装置によれば、第 1〜第 3技術課題が解決される。

[0066] さらに、第 3の薬剤手撒き装置にあっては、第 2の薬剤手撒き装置が踏襲されたうえで点灯部材に係る機能拡張が加わっている。すなわち、枠体に予備撒きカセットを入れると、予備撒きカセットの区画室それぞれに手撒部の区画貫通孔ば力りか点灯部材も対応付けられる。また、作業者が手撒き処方の対象となる薬品を選択すると、それが制御部によって受理されて、選択薬剤の手撒き範囲が処方箋データ等に基づいて把握され、更に、その薬剤の手撒き範囲が区画室毎の点灯によって明示される。そのため、予備撒きカセットが着脱式になっていても不都合なぐそれに対する手撒き範囲が薬剤毎に一目瞭然で示される。したがって、この装置によれば、第 1〜第 4技術課題が解決される。

[0067] このような第 2の実施形態に係る薬剤手撒き装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の具体例 2— 1〜2— 2により説明する。

図 6〜9に示した具体例 2—1は、上述した第 1〜第 6の薬剤手撒き装置を具現化したものであり、図 10に示した具体例 2— 2は、上記の第 7の薬剤手撒き装置を具現ィ匕したものである。

なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具，ヒンジ等の連結具，モータドライバ等の電気回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。

[0068] [具体例 2— 1]

第 2の実施形態に係る薬剤手撒き装置の具体例 2—1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図 6は、薬剤手撒き装置の機械的な構造を示し、 (a )が組込形 130と据置形 140とを設置した薬剤分包システムの概要正面図、 (b)が予備撒きカセット 120と薬剤手撒き装置 140 (130)の斜視図、（c)が薬剤手撒き装置 1 40の本体部 143の枠体 144の手撒部 147の区画貫通孔 148の斜視図、（d)及び（e )が区画貫通孔 148の縦断面図である。そのうち（d)は閉状態を示し (e)は開状態を示している。また、図 7は、薬剤手撒き装置の機能等を示し、（a)が電子回路のブロック図、（b)が制御の概要フローチャートである。

[0069] ここで例示する調剤システムには（図 6 (a)参照)組込形の薬剤手撒き装置 130と据置形の薬剤手撒き装置 140とが採用されていて、何れもホストコンピュータ等カも処方情報 (調剤指示データ)を受信するようになっているが、薬剤手撒き装置 130は従来例と同じく薬剤分包機 110に組み込まれているのに対し、薬剤手撒き装置 140は作業台 109の上に単独で置かれている。例えば錠剤分包機や錠剤散薬混合分包機である薬剤分包機 110の筐体の内部には、薬剤の自動排出と自動分包のため、各種の薬剤を収容して、て必要に応じて逐次排出する多数の薬剤フィーダ 111と、排出されて落下した薬剤を収集する薬剤収集機構 112と、収集された薬剤を分包紙に区分封入する包装機 113と、薬剤手撒き装置 130から排出された薬剤を受け取って 1室分ずつ薬剤収集機構 112経由で包装機 113へ送り込む作動部材 114とが、設けられている。作動部材 114は、例えば送り方向の異なるコンベアを組み合わせる等のことで構成され (例えば特許文献 1, 2参照）、薬剤手撒き装置 130の下方に配置されている。

[0070] 薬剤手撒き装置 130は（図 6 (a)参照)、予備撒きカセット 120を着脱しうる本体部 1 33と、画面表示部および操作部としてのタツチパネル 131と、制御部としてのコント口ーラ 132とを具えたものであり、本体部 133は、薬剤分包機 110に引出レール等を介在させて装着され、薬剤分包機 110の筐体力引き出したり筐体内に押し込んで格納したりでき、押し込んだとき作動部材 114の上方に位置するようになっている。コントローラ 132は薬剤分包機 110の筐体の中に設けられ、タツチパネル 131は薬剤分包機 110の筐体の前面に設けられて、る。

[0071] 薬剤手撒き装置 140も、予備撒きカセット 120を着脱しうる本体部 143と、画面表示部および操作部としてのタツチパネル 141と、制御部としてのコントローラ 142とを具えたものであるが、それらが机上等に置けるようになって!/、る。

両装置 130, 140は、組込形力据置形かに係る相違を除けば、同じで良い。例えば、組込形の薬剤手撒き装置 130の本体部 133はコンパクト実装を重視して成る可く薄い平板状に纏められるのに対し、据置形の薬剤手撒き装置 140の本体部 143は手撒きによる薬剤投入の作業性を重視して上面部分を傾斜させたりするが、本質的な相違ではない。

[0072] 予備撒きカセット 120は（図 6 (b)の左側部分を参照)、薬剤手撒き装置 130, 140 の何れからも分離されて何れにも着脱しうるようになっており、多数の区画室 121が例えば 6行 11列のマトリクス状に仕切られて形成されている。区画室 121は、何れも、薬剤投入のため上面が解放され、薬剤排出のため下面'底面がシャツタ等で出来ていて例えば作動部材 114の作用により全室一括で又は各室毎に開閉するようになつている。区画室 121に手撒きした薬剤を確認する等のため、予備撒きカセット 120には情報担体 122が付設されている。情報担体 122は、例えば、手撒き処方の識別番号を記したバーコードラベルや、手撒き処方の内容を記憶保持するデータキャリアなどである。

[0073] 薬剤手撒き装置 140の本体部 143は（図 6 (b)の右側部分を参照)、薬剤手撒き装置 130の本体部 133も同様である力予備撒きカセット 120を出し入れ可能な箱状の枠体 144を主体にしており、この例では別体のコントローラ 142とケーブル接続されている。

枠体 144は、予備撒きカセット 120がスッポリ納まるカセット格納空間 145を囲むものであるが、予備撒きカセット 120を出し入れできるよう前面が大きく解放され、カセット格納空間 145に納めた予備撒きカセット 120を支えるため下面が閉じるか下面解放が予備撒きカセット 120の外寸より小さくなつている。枠体 144では下面解放が任意であるが、薬剤手撒き装置 130の本体部 133の枠体では、下面解放が必須である。枠体 144のうち、予備撒きカセット 120を枠体 144に格納したとき情報担体 122と対畤するところには、情報担体 122にアクセスする情報読書器 146が付設されている。情報読書器 146は、例えば、バーコードリーダ及び/又はバーコードライタや、データアクセス装置などである。

[0074] 手撒部 147は（図 6 (b)の右側部分を参照）、枠体 144の上面の大部分を占める板状体からなり、この例では枠体 144の斜面に嵌め込み固定されている。この手撒部 1 47には、予備撒きカセット 120の区画室 121の配置と同じ配置で、多数の区画貫通孔 148が多数貫通形成されている。区画貫通孔 148は手撒き時に薬剤の投入口となるものなので、枠体 144のカセット格納空間 145に予備撒きカセット 120を格納すると、それぞれの区画貫通孔 148の下に区画室 121がーつずつ位置するようになつている。そのような手撒部 147には多数の点灯部材 149と開閉手段 150〜153が付設されており、区画貫通孔 148それぞれに点灯部材 149と開閉手段 150〜153が内装されている（図 6 (c)参照)。

[0075] 点灯部材 149は、個々に点灯しうる例えば LED (発光ダイオード)からなり、それぞれの区画貫通孔 148と一対一で対応付けて配置されている。この例では（図 6 (c) , ( d)参照）、それぞれの点灯部材 149が視認し易いよう区画貫通孔 148の内壁面のうち奥側のところに取り付けられている力投入薬剤が点灯部材 149に当たって何れ力が損傷したり投入薬剤の落下が妨げられたりしないよう、点灯部材 149が斜板 150 の裏に隠れている。点灯部材 149が隠れていても、斜板 150が透明か半透明なので、点灯部材 149の点灯状態は明瞭に視認することができる。斜板 150に光拡散性（散乱性)も持たせると、点灯部材 149の点灯時に斜板 150の全体が光るので、更に視認性の良いものとなる。

[0076] 開閉手段 150〜153は（図 6 (c)参照）、斜板 150の直下で揺動可能に支持されたシャツタ板などの開閉部材 151と、その下側でやはり斜板 150の下方に設置されたモータ等の駆動源 152と、そのモータの回転出力軸に装着された片持ち梁のような支承部材 153とからなり、駆動源 152を作動させて支承部材 153を手前側（図 6 (d)では左側）に向けると開閉部材 151がほぼ水平に持ち上げられて区画貫通孔 148の途中を閉め、駆動源 152を逆向きに作動させて支承部材 153を奥側（図 6 (e)では右側 )に戻すと開閉部材 151が降りながら後退して区画貫通孔 148を開けるようになっている。また、開閉部材 151を個々に作動させることも一括して作動させることも可能なよう、駆動源 152をコントローラ 142にて独立制御するようになっている。

[0077] タツチパネル 141は（図 6 (b)参照）、例えば液晶パネルに入力ユニットを付設した汎用品で良ぐ画面表示部として手撒き処方の薬品名や錠数を表示することができるとともに、操作部として表示薬品名の指差し選択もできるようになって!/ヽる。

コントローラ 142は（図 6 (b)参照）、例えばプログラム可能なマイクロプロセッサシステムからなり、制御部として、ホストコンピュータ等力受信した手撒き処方の内容を具体的には薬品名や錠数などをタツチパネル 141に表示させるとともに、その薬品名の表示箇所に対するタツチパネル 141上での選択操作を入力するようになっている。また（図 7 (a)参照）、例えば下位のマイクロプロセッサ（MPU)や列ドライバ及び行ドライバに時分割方式のダイナミック駆動を行わせることで、多数の点灯部材 149のうち所望のものだけ点灯させるようになって、る。

[0078] その点灯は、手撒き処方に基づいて手撒き範囲の全域に行わせることも、薬品名の選択に応じて選択薬剤の手撒き範囲に属するものだけを行わせることも可能である。そのため、コントローラ 142のプログラムは（図 7 (b)参照）、次のようになっている。すなわち、例えばホストコンピュータ力処方箋データを受信したら、薬剤分包機 11 0に薬剤の実装 ·非実装状態を問、合わせたりして手撒き処方を確定し (ステップ S 1 1)、その手撒き処方の内容をタツチパネル 141の画面に表示させるとともに手撒き範囲に属する点灯部材 149を点灯させる (ステップ S12)。そのとき、手撒き処方に含まれている薬剤それぞれについて薬品名と錠数を画面表示し、点灯部材 149は、各薬剤の手撒き範囲を併せた手撒き範囲の全域で点灯させ、他では消灯させるようになつている。

[0079] それから、タツチパネル 141の操作等による指示を待ち (ステップ S13)、薬剤が選択されたら (ステップ S 14)、その薬剤の薬品名をタツチパネル 141で例えば反転表示にて強調表示させるとともに、その選択された薬剤の手撒き範囲だけに限定して点灯部材 149を点灯させて、指示待ちに戻る (ステップ S13)。なお、指示待ちで再表示が指示されたときには、再び手撒き範囲の全域で点灯部材 149を点灯させるようになっている。

また、指示待ちで (ステップ S 13)、移し替えが指示されたら (ステップ S 15)、点灯部材 149を点灯させている区画貫通孔 148のところの駆動源 152を作動させて、そこの開閉部材 151を開閉させることにより、薬剤が選択されていればその選択薬剤の手撒き範囲に属する開閉部材 151だけを開閉させるようになつている。この例では、その後、点灯部材 149を消灯させるようにもなつて、る。

[0080] さらに、指示待ちで (ステップ S 13)、終了が指示されたら (ステップ S16)、手撒き処方に含まれている薬剤の選択が総て完了した力否かを調べるようになつている。そして、完了していなければ (ステップ S16「NG」）、アラームを発して (ステップ S17)、本当に終了して良いのかを手撒き作業者に確認し (ステップ S18)、続行指示のときには終了せずに指示待ちに戻る (ステップ S13)。これに対し、終了指示が与えられたときや (ステップ S 18「終了」）、薬剤の選択が総て完了して、たときには (ステップ S 16「 OK」）、手撒き処方の識別番号および Ζ又は内容を情報担体 122に転送させるようになって!/、る（ステップ S 19)。

[0081] この具体例 2—1の薬剤手撒き装置 130, 140について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図 6 (a)は、薬剤手撒き装置 130を組み込んだ薬剤分包機 110と据置形の薬剤手撒き装置 140とを用いて薬剤を先行手撒きしている状況を示し、図 6 (b)は予備撒きカセット 120を薬剤手撒き装置 140に入れようとしているところを示している。また、図 8 (a)〜（d)及び図 9 (a)〜（d)は、何れも、手撒部 147における点灯部材 149による点灯表示とタツチパネル 141による画面表示の例である。先ず幾つ力の手撒き処方を先行処理する状況を概説し (図 6 (a)参照）、次に複数' 多数の薬剤が含まれている手撒き処方の処理について詳述する（図 6 (b) ,図 8,図 9 参照)。

[0082] 先ず (図 6 (a)参照)、薬剤フィーダ 111に各種薬剤が補充されて薬剤分包機 110 が自動調剤を行えるようになっており、薬剤フィーダ 111に収容されていない薬剤を含む処方箋が幾つかホストコンピュータにエントリされたとする。それらの処方箋はホストコンピュータ力も薬剤分包機 110に送信されるが、薬剤フィーダ 111に収容されていない薬剤に係る部分は、ホストコンピュータか薬剤分包機 110によって、手撒き処方として抽出され、薬剤手撒き装置 140にも送信される。そのため薬剤手撒き作業は薬剤手撒き装置 130, 140の何れでも行えるが、重複作業の回避のため一方で手撒き処方の処理が始まると他方では該当する手撒き処方が破棄される。

[0083] 典型的な作業手順では、一番目の手撒き処方に基づく薬剤手撒き作業を薬剤分包機 110の薬剤手撒き装置 130で行い、その薬剤が総て作動部材 114等に引き渡されたら二番目の手撒き処方に基づく薬剤手撒き作業も薬剤手撒き装置 130で行い、それらの薬剤を含む処方箋に係る薬剤分包機 110での自動調剤が完了するまでは薬剤手撒き装置 130が塞がっているので、三番目以降の手撒き処方に基づく薬剤手撒き作業は薬剤手撒き装置 140で行う。薬剤手撒き装置 140で手撒きするとき〖こは必ず手撒き処方ごとに予備撒きカセット 120が取り替えられ、先行して薬剤手撒きの済んだ予備撒きカセット 120は例えば作業台 109の棚部など適宜なところに保管されて薬剤分包機 110への装着を待つ。

[0084] そして、薬剤分包機 110によって次の薬剤手撒き作業が要求されると、それに応じて作業者は、使用済み予備撒きカセット 120を薬剤手撒き装置 130から外して、薬剤手撒き済み予備撒きカセット 120を薬剤手撒き装置 130に付け替える。そのとき情報担体 122を利用して処方の突き合わせチェックが行われ、一致していれば直ちに、不一致であれば薬剤分包機 110で処方箋の処理順の入れ替えが行われた後（例えば特許文献 2参照)、薬剤分包機 110で自動調剤が実行される。

こうして、手撒き処方が多数あったときでも、それらの分を先行して手撒きすることができるので、薬剤分包機 110をほとんど待たせることがな、。

[0085] 次に（図 6 (b) ,図 8,図 9参照）、上述した薬剤手撒き作業の何れかにおいて、手撒き処方に複数'多数の薬剤が含まれていたとする。これを薬剤手撒き装置 140で処理する場合、薬剤手撒き装置 130での処理も本体部 133の引き出しや押し込みが付くこと以外は同じである力以下のようになる。

タツチパネル 141に手撒き作業を促す案内が画面表示されるので（図 8 (a)参照）、手撒き作業者は、空の予備撒きカセット 120を用意して、それを薬剤手撒き装置 140 の本体部 143のカセット格納空間 145に入れる（図 6 (b)参照)。このとき、薬剤手撒き装置 140の本体部 143の手撒部 147では（図 8 (a)参照）、区画貫通孔 148が総て開閉部材 151にて閉じられ、点灯部材 149が総て消灯する。

[0086] 本体部 143に予備撒きカセット 120が完全に入れられると、薬剤手撒き装置 140では、自動で、タツチパネル 141の画面に手撒き処方の内容が表示される（図 8 (b)参照)。最初は、手撒き処方の識別情報などと総錠数とが白黒反転文字やカラーで強調表示され、各薬剤の薬品名と錠数は通常状態の文字で表示される。また、手撒部 147では、各薬剤の手撒き範囲を併せた手撒き範囲の全域で（図 8 (b)では右側の 6 行 6列）、点灯部材 149が点灯する。その状態で、手撒き作業者カ^ッチパネル 141 で手撒き薬剤 101を選択すると、そこの薬品名と錠数とにタツチパネル 141の強調表示が移るとともに（図 8 (c)参照）、その選択された薬剤 101の手撒き範囲だけに点灯部材 149の点灯が限定される（図 8 (c)では右力も 2列目と 3列目の 6行)。それを見な力ら手撒き作業者は手撒き薬剤 101を区画貫通孔 148に投入する（図 8 (d)参照)。

[0087] 薬剤 101をその手撒き範囲に撒き終えたら、手撒き作業者は、タツチパネル 141を操作して薬剤手撒き装置 140に、手撒き済み薬剤 101の移し替えを指示する。そうすると、薬剤手撒き装置 140では、手撒部 147の区画貫通孔 148のうち薬剤 101の手撒き範囲に属するものだけについて、開閉部材 151が開閉し、手撒部 147の区画貫通孔 148から夫々対応する予備撒きカセット 120の区画室 121へ薬剤 101が落下するので、手撒き作業が範囲を逸脱しないて適切になされていれば手撒部 147から薬剤 101が無くなる（図 9 (a)参照)。同時に、手撒部 147の区画貫通孔 148では点灯部材 149が消灯し、タツチパネル 141の表示画面では薬剤 101の処理終了を示すため薬剤 101に係る表示状態が変化する。

[0088] それから、手撒き作業者が、手撒部 147に薬剤 101が残っていないことを確認して、タツチパネル 141で手撒き薬剤 102を選択すると、薬剤手撒き装置 140では、その薬剤 102に係る薬品名と錠数とにタツチパネル 141の強調表示が移るとともに（図 9 ( b)参照）、その選択された薬剤 102の手撒き範囲だけに点灯部材 149の点灯が限定される（図 9 (b)では 3行目と 4行目の右力も 6列)。それを見ながら手撒き作業者は手撒き薬剤 102を区画貫通孔 148に投入する（図 9 (c)参照)。

このような作業を繰り返すことで、作業者は各薬剤を剤種ごとに分けて容易かつ的確に手撒きすることができるが、手撒き範囲の外に薬剤を落とした場合、次のようにして気づくので、万が一にも見逃すおそれはない。

[0089] すなわち、薬剤 102をその手撒き範囲に撒き終えた手撒き作業者は、タツチパネル 141を操作して手撒き済み薬剤の移し替えを指示するが、そうすると、薬剤手撒き装置 140では、薬剤 102の手撒き範囲に属する開閉部材 151だけが作動して、薬剤 1 02の手撒き範囲に属する区画貫通孔 148だけから予備撒きカセット 120の区画室 1 21へ薬剤が移し替えられる。そのため、手撒部 147における薬剤 102の手撒き範囲力もは薬剤 102が無くなるが、その範囲を逸脱して不所望に撒かれた薬剤 102は手撒部 147に残存し続けることから（図 9 (d)参照）、そのことがー目瞭然で直ちに判明するので、次の薬剤の処理に移行する前に余分な薬剤 102は取り除かれることとなる

[0090] こうして、この発明の薬剤手撒き装置 130, 140を用いた薬剤手撒き作業にあっては、薬剤毎に移し替えと確認がなされるので、作業が迅速かつ的確に遂行される。また、作業者が薬剤手撒き装置 140に再表示を指示すると、タツチパネル 141の画面表示と点灯部材 149の点灯表示とが最初の状態に戻って再び手撒き範囲の全域で点灯部材 149が点灯するので、全範囲の確認も容易に行える。さらに、作業者が総ての薬剤について手撒きしないうちに薬剤手撒き装置 140に終了を指示すると、薬剤手撒き装置 140によってアラームが発せられるとともに確認が求められるので、手撒き漏れも発生し難い。

そして、一つの手撒き処方に係る手撒き作業が終了すると、薬剤手撒き装置 140によって予備撒きカセット 120の情報担体 122に手撒き処方の情報が書き込まれて、予備撒きカセット 120を薬剤手撒き装置 140から取り出せる状態となる。

[0091] [具体例 2— 2]

第 2の実施形態に係る薬剤手撒き装置の具体例 2— 2について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図 10は、手撒部 147における区画貫通孔 148や点灯部材 149などの要部を拡大して示した平面図である。

この薬剤手撒き装置が上述した具体例 2— 1と相違するのは、区画貫通孔 148に設けられた点灯部材 149が 3個ずつに増えていることと、区画貫通孔 148が手撒き範囲に属することを示すために付設の点灯部材 149を点灯させるときにその区画貫通孔 148に投入すべき薬剤の個数と同数だけ点灯部材 149が点灯させられることである。なお、薬剤の個数が点灯部材 149の個数より多いときは、分割して処理される。

[0092] この場合、点灯数を見ることで容易かつ確実に薬剤の投入数が分かる。そして、点灯数が明瞭になるよう、点灯部材 149が露見状態で斜板 150に装着されている。これに対し、図示は割愛した力点灯部材 149に例えばカラーの LEDを採用して、色分けにて個数を表示させれば、点灯部材 149が斜板 150の裏に隠れていても良く、斜板 150が拡散性のものであっても良い。 [0093] [その他]

なお、上記具体例では、画面表示部に操作部の一体になつたタツチパネル 131, 1 41を採用したが、画面表示部と操作部は、別体でも良ぐ例えばディスプレイとキーボードとマウスとで構成しても良い。制御部も、マイクロプロセッサに限らず、画面表示部や操作部と一体の、わゆるノート形パソコンや、画面表示部や操作部と別体のヽわゆるデスクトップパソコンで、構成しても良い。制御部や，画面表示部，操作部の総て又は任意のものを本体部に組み付けて装備しても良い。

また、上記具体例では、手撒きしょうとする薬剤の選択をタツチパネル 141の表示と操作で行うようになっていたが、薬剤の収納容器に貼付されたバーコードの読取などで薬剤を選択するようにしても良ヽ。

[0094] さらに、上記具体例では、予備撒きカセット 120を薬剤手撒き装置 140の本体部 14 3のカセット格納空間 145へ直に差し込んだり引き出したりするようになっていたが、引出箱やレール等力もなる引出部材を本体部 143の枠体 144に装着しておき、この引出部材に予備撒きカセット 120を載置して引出部材を引き出したり押し込んだりすることでカセット格納空間 145への予備撒きカセット 120の出し入れを行うようにしても良い。枠体 144における予備撒きカセット 120の出し入れ部位も、前面に限られる訳でなぐ左右の側面でも良ぐ上面でも良い。上面から出し入れする場合、例えば手撒部 147を開閉蓋にして、そこ力も予備撒きカセット 120を出し入れすると良い。産業上の利用可能性

[0095] 以上のように、本発明は、予め多数の区画室に薬剤を人手で撒いておく薬剤手撒き装置に利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 多数の区画室の形成されている予備撒きカセットを上面より出し入れ可能な枠体と

、この枠体の上面を開閉する板状体力なり前記予備撒きカセットの区画室配置に対応した配置で多数の投入口が貫通形成されてヽる蓋体と、この蓋体に付設され前記投入口それぞれに対応付けて配置された多数の点灯部材と、手撒き処方の薬品名を表示する画面表示部と、その薬品名に係る選択を受理するとともに前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させる制御部とを備えている薬剤手撒き装置。

[2] 前記投入口それぞれに対応付けて配置された多数のスィッチ部材が前記蓋体に付設されており、その操作に応じて前記制御部が前記点灯部材の点灯状態を変更するようになって!/ヽることを特徴とする請求項 1記載の薬剤手撒き装置。

[3] 予備撒きカセットに形成されている多数の区画室それぞれに対応付けて点灯部材とスィッチ部材とが多数配設されており、手撒き処方に基づいて手撒き範囲における前記点灯部材を点灯させるとともに、前記スィッチ部材の操作に応じて前記点灯部材の点灯状態を変更するようになっている薬剤手撒き装置。

[4] 多数の区画室の形成されている予備撒きカセットを前面等より出し入れ可能な枠体と、この枠体の上面部分に組み込まれた部材力なり又は前記枠体の上面を開閉する蓋体力なり前記予備撒きカセットの区画室配置に対応した配置で多数の区画貫通孔が貫通形成されている手撒部と、前記区画貫通孔それぞれに内装された多数の開閉部材と、それらの開閉部材を個々に作動させる開閉駆動手段とを備えている薬剤手撒き装置。

[5] 手撒き処方の対象となる薬品の選択を受理するとともに前記手撒部から下方へ手撒き済み薬剤を移し替えるとき前記開閉部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものだけを開閉させる制御部を備えていることを特徴とする請求項 4記載の薬剤手撒き装置。

[6] 前記区画貫通孔それぞれに対応付けて点灯部材が配設され、前記制御部が前記手撒部への薬剤の手撒きを促すとき前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させるようになって!/、ることを特徴とする請求項 5記載の薬剤手撒き装置。

[7] 前記区画貫通孔それぞれに対応付けて配置された多数の点灯部材と、手撒き処方の対象となる薬品の選択を受理するとともに前記点灯部材のうち選択薬剤の手撒き範囲に属するものを点灯させる制御部とを備えていることを特徴とする請求項 4記載の薬剤手撒き装置。

[8] 手撒き処方の薬品名を表示する画面表示部が設けられ、前記制御部が前記画面表示部の表示に基づく選択を手撒き処方の対象となる薬品の選択として受理するようになつていることを特徴とする請求項 6又は請求項 7に記載された薬剤手撒き装置

[9] 前記開閉駆動手段が前記区画貫通孔それぞれに対応して分散設置された駆動源を具えていることを特徴とする請求項 4乃至請求項 8の何れかに記載された薬剤手撒き装置。