南アのオミクロン株感染者、入院急増も重症化は増えず

コロナ検査を受けるために列に並ぶ人々(27日、ヨハネスブルグ)

Photo: Jerome Delay/Associated Press

 【ヨハネスブルク】新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が確認された南アフリカで、感染の中心地となっているハウテン州の入院患者がここ2週間で急増している。ただ、重症化した患者は比較的少ないという。南ア国立感染症研究所(NICD)が明らかにした。

 ハウテン州は首都プレトリアや経済の中心地であるヨハネスブルグを含む。NICDによると、感染拡大が始まったプレトリア周辺では2歳未満の子どもの入院急増も目立つ。ただ、予防的な入院のケースも多いもようだという。

 NICDの公衆衛生専門家、ワシラ・ジャサット氏は、ここ2週間の全体の入院患者のうち、コロナ感染症と診断された人の割合はこれまでに南アを襲った感染の波の場合と同程度だと述べた。

 世界保健機関(WHO)は先週、南アなどで見つかったオミクロンを「懸念される変異株(VOC)」に指定。NICDのデータは、オミクロンの人体への影響や他のコロナ変異株との違いについての初期の手掛かりを与える形となった。ただ、医師や専門家は、報告された患者数がまだ少ないことや、感染が初期段階であることなどから、他の変異株と比較したオミクロンの深刻さなどについて明確な結論を導き出すことは難しいとしている。...

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 【ヨハネスブルク】新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が確認された南アフリカで、感染の中心地となっているハウテン州の入院患者がここ2週間で急増している。ただ、重症化した患者は比較的少ないという。南ア国立感染症研究所(NICD)が明らかにした。

 ハウテン州は首都プレトリアや経済の中心地であるヨハネスブルグを含む。NICDによると、感染拡大が始まったプレトリア周辺では2歳未満の子どもの入院急増も目立つ。ただ、予防的な入院のケースも多いもようだという。

 NICDの公衆衛生専門家、ワシラ・ジャサット氏は、ここ2週間の全体の入院患者のうち、コロナ感染症と診断された人の割合はこれまでに南アを襲った感染の波の場合と同程度だと述べた。

 世界保健機関(WHO)は先週、南アなどで見つかったオミクロンを「懸念される変異株(VOC)」に指定。NICDのデータは、オミクロンの人体への影響や他のコロナ変異株との違いについての初期の手掛かりを与える形となった。ただ、医師や専門家は、報告された患者数がまだ少ないことや、感染が初期段階であることなどから、他の変異株と比較したオミクロンの深刻さなどについて明確な結論を導き出すことは難しいとしている。

 NICDのデータによると、ハウテン州では11月27日までの2週間で、1日当たりのコロナ感染による入院者数が平均49人に急増。その前の2週間では、1日当たり平均は18人だった。1日当たりの死者数に変化は見られない。

 南アでは11月11日に初めてオミクロン感染が確認された。コロナ感染者はそれ以降急増し、1日当たり300人程度だったのが28日には3220人に膨らんだ。

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 ハウテン州を中心としたオミクロン流行は、プレトリア周辺の大学生の年齢層で初めて確認された。一般的に若年層は高齢者層と比べてコロナ感染で重症化する可能性がはるかに低いため、南アでのデータからオミクロン感染に関する結論を出すことは困難だという。

 多くの国と同様に、南アでは若年層のコロナワクチン接種率が高齢者層に比べて極めて低い。南アの人口6000万人のうち、ワクチン接種を完了した割合は24%強にとどまる。

 NICDのジャサット氏によると、ハウテン州で入院したコロナ患者の約4分の1がワクチンを接種していた。

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