【ニューヨーク28日(日本時間29日)=竹濱江利子通信員】米スポーツ・エンターテインメント業界のスポンサー契約について専門にリサーチする「スポンサー・ユナイテッド」(電子版)が今年のメジャーリーグパートナーシップリポートを発表。エンゼルスの大谷翔平投手(28)のスポンサー契約企業が17社で、ア・リーグのシーズン本塁打新記録を樹立したヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(31)を超えたと伝えた。
フィールド上で球史に新たな歴史を刻む二刀流は、広告業界でも大人気だ。リサーチ会社の「スポンサー・ユナイテッド」(電子版)は「正真正銘の野球界とマーケティングのスーパースター。投打で活躍したパワー選手が、昨季ヤンキースのアーロン・ジャッジが作ったスポンサー契約記録の13社を破った」と〝メジャー新記録〟を作ったことを伝えた。
大谷が今年新たに契約を結んだのはドイツの高級スポーツカーメーカー「ポルシェ」や筋肉痛、関節痛などに効く「バンテリン」で有名な興和などで、スポンサー企業は計17社となった。米経済誌フォーブス(電子版)によると、今季の年間広告スポンサー契約料はメジャー最高額の推定2000万ドル(約29億5000万円)。昨季は推定600万ドル(当時のレートで約6億6000万円)と報じられており、昨季の約3倍となっている。
さらに同リポートではエンゼルスの本拠地、エンゼルスタジアムのバックネット裏の広告にも注目。「ヤクルト」や「FUNAI有機テレビ」など、日系企業計22社が球場に広告を出し、敵地でも大谷の影響で、アスレチックス(オークランド)やホワイトソックス(シカゴ)など、10球場で日本企業11社が同様にバックネット裏に広告を掲示しているという。
大谷は今季、打者で157試合に出場し、打率・273、34本塁打、95打点、90得点と好成績を残し、2年連続で規定打席に到達。投手では初めて規定投球回に到達(166回)し、メジャー史上初のダブル規定をクリアした。自己最多の15勝(9敗)を挙げ、防御率2・33と投打で歴史的な活躍を見せた。
〝ショウヘイフィーバー〟は、日米を含む世界中の企業に経済効果をもたらしている。
★大谷とエ軍の契約は? 大谷は今季終盤にエンゼルスと1年3000万ドル(約44億2500万円)で来季契約に合意。今季の550万ドル(約8億1000万円)から大幅アップとなり、単年ベースでは日本選手の最高額となった。2023年のシーズン終了後には移籍先を自由に選べるフリーエージェント(FA)となるため、24年の所属先とともに空前の超大型契約となるかも注目されている。