巨人春季キャンプ(9日、宮崎)就任1年目の巨人・阿部慎之助監督(44)が9日、春季キャンプ地の宮崎でサンケイスポーツの単独インタビューに応じた。先発ローテーションの中心と期待する投手の名前や、俊足巧打の吉川尚輝内野手(29)を5番に据えるプランを披露。〝脱スパルタ〟の理由、批判の声との向き合い方など、新監督の素顔にも迫った。(取材構成・谷川直之)
――まずは戦力構想から。先発陣にD1位・西舘(中大)、ソフトバンクから元新人王の高橋礼らが加入。ズバリ、開幕投手の戸郷に続くローテーションの軸は
「(山崎)伊織もそうですね。(菅野)智之もチームで一番でブルペンに入った。ああいう姿勢を見せてくれたら多少、力が落ちても『心中してぇな』と思いますよね。(結果だけでなく)プロセスを見ていくと言ったので」
――4番は岡本和
「4番が打てば勝つし、打てなかったら負ける。和真もその思いでやってくれているはず。志を高く持って、いつかはメジャーに行きたいとか思ってやっているんでしょうから。『ぜひ日本一になって行ってくれ!』ってね」
――岡本和の後ろを打つ5番が鍵
「(吉川)尚輝でも面白いかなと思います。長打もあるし、足も速い。(中軸に)勇人と和真、オドーアが並んだら無死一、二塁になったときに困る。1点、2点がほしいときに外国人にバントさせるのもどうかなと。何でもできる人を5番に置きたい」
――それだけ吉川の万能性を買っている
「そうです。5番に置いたら、いい意味で勘違いして20発ぐらい打っちゃうかもしれないですね」
――坂本は
「三塁手で1年間、使うつもりです。(打順は)基本的に3番。体力的に楽になる分、ハッスルしてほしい。今は主将じゃないけど、自分が引っ張っていく姿勢を見せてほしい。勇人は見せてくれると思いますよ」
――支配下の野手助っ人はオドーアのみ。阿部監督の意向も
「(新たな野手は)『1人でいいです』と、意見を言わせてもらいました。(育成内野手の)ウレーニャは外国人だと思っていないから特別扱いは一切しません。本人にも言ってあります。外野は(外国人に頼りすぎず)みんなで競争してほしい。(二岡)ヘッド(コーチ)の意向と一緒だったので、我慢して若い人を目をつぶって使おうと」
――監督としては1年目
「自分のカラーは存分に出していきたい。(千葉県)浦安の田舎、漁師町で生まれ育って、別にエリートじゃない。人前ではちゃんと丁寧に話しますけど、気性が荒くて、時々べらんめえ口調になるのも自分だと思っている。しっかり話す場面と使い分けて、自分の色も出していきたい」