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第10回 レポートの書き方Ⅱ (2)

最終レポートとプレゼンテーション

 
第11回 (2014-06-26)テーマを確定する。アウトライン(骨組み)を組み立てる。
第12回 (2014-07-02)必要な資料を収集・整理する。アウトラインを提出する。
第13回 (2014-07-09)レポートを作成して、添削を受ける。
第14回 (2014-07-16)レポートを提出する。プレゼンテーションを練習する。
第15回 (2014-07-23)最終のプレゼンテーションをする。内容をお互いに評価する。

レポートを書く

レポートの構成

たいていのレポートは「序論」「本論」「結論」の三部構成になっている。

  • 序論 「読む人に向けて、これから何について、なぜ書こうとするのかを知ってもらう」
    • 背景の説明:前提なる知識や事実を紹介
    • 問いの提起:どこに問題点・疑問点を見つけたのか、何を明らかにしたいのか
    • 主張の提示:問いに対する自分の主張(意見)
    • 全体の構成:レポート全体の議論の展開の概説
  • 本論 「問題提起したことへの答えを出す」
    • 先行研究:これまでに行われた研究・調査の紹介と検討
    • 用語の解説:基礎資料をもとに、専門用語や概念を説明
    • 事実の提示:(複数の)事実を明らかにする(詳細に)
    • 意見の提示:事実に基づく意見を述べる(詳細に)
    • 最終的な主張の提示
  • 結論 「全体を通しての主張をまとめる」
    • 全体のまとめ:これまで述べたことを整理し、最終的な主張の妥当性を確認する
    • 評価と展望:ここまでに述べたことを客観的に自己評価し、今後どのように発展させるか
  • 参考文献「どんな資料や情報をもとにして考えたか」
    • レポートで引用したり、執筆するうえで参考にした書籍・論文・ウェブページをリストにする

レポート作成の手順(タイトルの決定から資料の収集へ)

  1. 背景の把握
    • 大まかなテーマに関する基本的な情報を集める(新聞、インターネット、事典など)
    • テーマとなっている問題や課題について、全体像や大まかな内容を理解する
  2. 問題提起
    • (与えられた)大きなテーマから、具体的なテーマに絞り込む
    • 社会的な問題点や疑問点、興味・関心のあるの具体的な事柄、また明らかにしたいと思う事柄を明確にする
  3. 仮説の提示・主張
    • それらの事柄への対応策・解決策に関する自分なりの考えを仮説として述べる
    • また、調査や研究の必要性やその方針を検討する
  4. 主題(表題)の決定
    • 問題提起や自分の仮説(主張)をもとに、その主張や内容が伝わる、具体的なタイトルを考える
  5. 資料の収集・整理
    • 問題とした事柄や自分の仮説(主張)を裏付けるような、資料を収集する
    • 専門図書や雑誌・論文など、具体的なテーマに関する文献(先行研究、参考文献)を集めて、整理する
  6. レポートの構成の検討、テーマの再検討
    • 集めた資料をもとに、レポート全体の構成(アウトライン)を検討する
    • 集めた資料から、テーマをさらに絞り込んだり、考えなおしたり、再検討する

テーマを決める方策

  1. 「よくわからない」ような言葉が、テーマの有力候補
    • 「興味があるだけ」ネタでは、思い込みがあったり、つまらないテーマになりがち
  2. 「問い」をたてる
    • テーマの中でできるだけ焦点を絞り込み、表題だけで主張や内容が伝わる、具体的な言葉を考える
    • 「〜について」は駄目(「自分の主張=テーマへの問い」になっていない)
    • 扱う問いは適切に(壮大すぎる問題、二者択一的な問題、専門的すぎる問題は避ける)
  3. テーマは絞り込んでいく
    • 基本的情報(背景、キーワード)→<社会的な問題、自分の興味・関心>→明らかにしたい課題(具体的テーマ)

アイデアをひき出す・整理する

アイデア(発想)をひき出したり整理する方法として、 以前紹介したマインドマップのほかに、次の方法があります。

皆でアイデアをひき出す(ブレインストーミング:ブレスト)

  1. 与えられたテーマについて思いついたことを、カードや大型のポストイットに、1枚につき1件書く
    • 「最低一人○件以上」という条件をつけるとよい
  2. 全員のカードやポスイットを、壁や模造紙などに張って、簡単に説明する
  3. 説明に対してはポジティブに反応し、反対意見がある場合は新しいアイデアとして提案する
  4. 他のひとの意見やアイデアを参考にして、新しいアイデアを出してもよい

自分でアイデアを整理する(KJ法、親和法)

  1. ブレストをして出てきたアイデア全部を一覧できるようにする
  2. アイデアの意味や特徴を確認しながら、似ているものを集める
  3. 集められたカードやポストイットのグループに、名前を付ける
  4. グループに分けたアイデアを参考に、グループごとや全体について、最初からの作業を何回か繰り返す

参考文献

  • 森時彦, ファシリテーターの道具研究会「ファシリテーターの道具箱」, ダイアモンド社 (2008.03).
  • 石井力重「アイデア・スイッチ」, 日本実業出版社 (2009.07).
  • 南田勝也・矢田部圭介・山下玲子「ゼミで学ぶスタディスキル」, 北樹出版 (2011.04)
  • 学習技術研究会編著「知へのステップ 第3版」, くろしお出版 (2011.03)
  • 中澤務・森貴史・本村康哲編「知のナヴィゲーター」, くろしお出版 (2007.04)

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Last-modified: Tue, 17 Jun 2014 18:44:52 JST (3617d)