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株式会社ポピンズコーポレーション
管理本部
渡邉勇一 様
企画営業部
田中みのり 様

導入製品

Google Apps for Business

会社概要

女性の育児と仕事の両立を支援するために 1987 年にベビーシッター(ナニー)サービスを開始。その後は保育所からインターナショナルスクール、高齢者の在宅ケアへとサービスを拡げる。中でも主力事業の保育事業は、認可・認証保育所に留まらず、企業や大学、病院、複数企業向けのコンソーシアム型事業所内保育所など、多様なスタイルで展開。貴重な乳幼児期に、個性を開花させる最高水準の「エデュケア」(教育的保育)を行うことが特色。

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株式会社ポピンズコーポレーション

全国 100 箇所に及ぶ拠点のネットワーキングを簡単・低コストで実現。震災で情報共有力の真価を発揮しました。

会社の急成長でメールパフォーマンスが低下

株式会社ポピンズコーポレーション

全国 100 箇所に及ぶ保育施設の運営や、ベビーシッター、高齢者の在宅ケアなどを手がけるポピンズコーポレーションは、2010 年 6 月、 Google Apps for Business を 300 アカウント導入した。その経緯について、システムの導入および運営管理を担当する管理本部の渡邉勇一氏は次のように言う。

「それまで、ホスティング会社の Linux のマシンにメールサーバーを構築し、端末には Outlook2003 をインストールして利用していました。会社が急成長し、事業拠点や従業員が増えてユーザー数が増えたことにより、メールサーバーのパフォーマンスが急激に落ちたのです。送信したメールが数時間後になってようやく届いたり、サイズの大きな添付ファイルを送信するとメールサーバーがストップしたり、それに起因して端末そのものがフリーズしてしまうといった事態も頻発するようになりました。メールはもはや最重要の業務インフラです。このままではまずいと検討を始めました」

同社の当時は従業員数千名の規模であったが、メールサーバーの担当者は渡邉氏一人。しかも、渡邉氏は Linux の技術者ではなかった。同社が利用していたレンタルサーバーはホスティングのみの廉価なサービスで、トラブル対応といったソリューションは付加されていなかった。

「そういった事態にどう対処すればいいか、技術的な知識を持ち合わせていませんでした。ホスティング会社に聞いても解決までに時間がかかっていたので、これを機に全面的にメールシステムのリプレイスを行うことになりました」

コストパフォーマンスの高さで Google Apps に決定


管理本部
渡邉勇一氏

ほかにも問題はあった。多い人で 1 日 100 通と、大量のスパムやウィルスメールが届いていたことである。一応、フィルタリングのしくみは導入されていたが、あまり効果のないものであった。 「それ以上ソフトをインストールすると、サーバーのリソースを消耗することになります。やはり抜本的に改めるしかありませんでした」

検討を開始したのは 2010 年 4 月。情報収集を始めていた同社の中村紀子社長が「クラウド」というキーワードを口にした。渡邉氏も、それ以前から Google Apps for Business をはじめとするクラウドコンピューティングによるサービスの存在は知っていた。

「システム管理者としては、サーバー管理が不要で社外からも簡単にアクセスでき、かつ迷惑メールを自動的に振り分けてくれる Gmail の様々なメリットを魅力的に思っていました。さらに Google Apps はメール以外にもいろいろと便利な機能が含まれています。そこで、Google Apps for Business を本命に、同様のほかのサービスと高機能なレンタルサーバーの利用という 3 案を検討会議にかけ、比較検討しました」

ただし、より比べやすくするためと、ほかにグループウェアを導入していたこともあり、比較検討はメール機能だけで行うことにした。

「Gmail 以外の機能が使えることも念頭において、システム担当として Google Apps for Business を推しました。その結果、コストパフォーマンスの高さで Google Apps for Business に決定されました」

多拠点のオンサイト業務が一掃


企画営業部
田中みのり氏

導入時、一部のユーザーから「Gmail のスレッド表示に不慣れで使いにくい」という意見が寄せられた。そこで、スレッド表示を無効にする設定変更を行うことで、従来の Outlook 2003 と同様の感覚で使えることを案内し解決。「プライベートで Gmail を使っていた人も多く、意外とスムーズに導入できました。Outlook2003 のメールボックスの移行も Google が提供するツールを使えば簡単にでき、移行作業を業者に頼む必要はありませんでした」(渡邉氏)

全国に 100 箇所ある保育施設には端末が 1 ~ 2 台置かれており、従来、Outlook2003の 導入の際は渡邉氏がセットアップ作業をして回っていた。また、メールシステムがストップすると、オンサイトで対応しなければならないことも多々あったが、Google Apps for Business でそうした業務は一掃。

「当社のように小規模の拠点が数多くある事業者にとって、ウェブ上ですべてが完結できるのは非常に楽ですね。一掃といえば、ウィルスメールが着信するたびに飛んできたアラートやスパムメールも一掃されました」

保育施設の管理職は、担当する施設を回ったり、本社での会議など外出する機会が多い。「移動途中でメールチェックができるようになったことは大変好評」と渡邉氏は手応えを口にする。

ユーザーを代表して、企画営業部の田中みのり氏は次のように言う。

「営業なので外出は多いですが、従来はメールチェックのために帰社していました。その必要がなくなり、時間を有効活用できるようになったのはありがたいですね。さらに、外出時には自分あてに業務に関するメールを送信し、自宅のパソコンでも作業できるようにしています。便利になりましたね」

多拠点間で多くの情報が簡単に共有できる

そのほか、同社では Google ビデオで経営トップのメッセージをはじめ、研修や式典などの模様を配信している。

「従来は動画をメールに添付して送るしか手段はありませんでしたが、それではごく短い動画しか送ることができませんでした。Google ビデオ ならば、容量を気にすることなくリンクをメールで送るだけで済みます。拠点の多い当社ではスタッフが一同に会するのも簡単ではないので、こういう形で共有できるのはとてもありがたいですね」(渡邉氏)

また、Google サイト で保育施設の合同運動会などのページをつくり、動画や写真を共有するといった使い方もしている。さらに、Google トーク の活用も奨励。保育施設にはウェブカメラを配布し、ビデオチャットを使ってミーティングを行っている。

「ユーザーにとってはいずれも直感的に操作するだけで使うことができるので、簡単なマニュアルを配布するだけで使いこなすことができます。こうしたサポートの手間も馬鹿になりませんでしたが、その点でも楽ですね」

震災の被害状況をたちどころに収集・共有

そして、先の東日本大震災の際は、Google ドキュメント が大活躍をした。各保育施設の状況をたちどころに情報収集・一覧化し、全員で共有することができたのだ。渡邉氏は、その時の状況を次のように説明する。

「3 月 11 日金曜日に震災が発生し、担当の取締役に何か情報共有しておかないと困ることはないかと聞きました。Google ドキュメント を使えばすぐに情報共有できるとわかっていたからです。そして、帰宅するタクシーの車内で、スプレッドシート 1 枚で必要な情報を集めて共有するしくみをイメージし、翌日自宅で作成して全拠点にリンクを送信しました。週末に自宅で作業できたのが幸いしましたね」

渡邉氏が作成したシートは、縦軸に全拠点を、横軸には震災の被害状況、利用者やスタッフの安否確認、必要な物資、営業状況、最終お迎え時間、明日の開園時間などの項目を並べたもの。14 日の月曜日、それらのマトリックスはみるみる埋められていった。

「見ていて壮観でした(笑)。幸い人的な被害は何もないことが確認できて安心しましたが、交通機関の乱れでお迎えに来られない保護者がいるといった状況をタイムリーに把握できました」

その後、東京都の水道水が放射能に汚染され、乳児に与えてはならないといった事態が起こる。「ミネラルウォーターの備蓄状況を追加する必要が生じたが、スプレッドシートの列を増やすだけで対応できた。このようにごく簡単かつ柔軟に情報を一元管理できるのは、Google ドキュメント の大きなメリット」と語る渡邉氏は、現在別系統で使用しているグループウェアを Google Apps for Business に一本化し、情報共有と活用に向けさらなる利用度向上を図っていく考えだ。