松竹株式会社
Google Apps の導入でメール環境が大きく向上。
その利便性を見て、グループ会社でも導入へ。
社員の不満を解消するために

「既存のグループウェアと連携する形で、Google Apps のメールアプリケーションである Gmail を利用しています。現在利用しているグループウェアにも社外からのリモートアクセス機能があるのですが、通信速度が遅く、メールを一通送りたいだけなのに途中で切れてしまうなど、ユーザのストレスは相当なものでした。」 (松竹株式会社 システム室インフラ担当 山﨑 敬之氏)。松竹では、この既存グループウェアが抱える問題を解決するために Google Apps の追加導入を決めたという。現在では、IBM の Lotus Notes と Google Apps を併用する、という形で社内インフラを運用している。
導入を即決させたコストパフォーマンスの高さ
リモートアクセスに問題を抱えていた松竹では「社外から、もっと快適にメールを利用したい」という社員からのニーズが強く、"リモートアクセスの強化" が重大なミッションとなっていた。その課題をクリアするためにさまざまな手段を探っていた山﨑氏がたどりついたのが Google Apps だったという。
「私たちが感じた Google Apps の最大の利点は、ローコストでしかも簡単に始められる、ということ。とにかく他のグループウェアと比べて、比較にならないぐらいリーズナブル。普通は、インフラを変更しようと思うと数千万単位になってしまうものですが、"0" が 3 つ 4 つ違うくらい安かったですからね。しかも、Google Apps for Business なら、1 アカウントあたり 25 GB と大容量。バックアップ用ストレージとして考えただけでもすごく安い」 (山﨑氏)。少数アカウントからでも始められることもあり、即、試験運用を決めた。
リモートアクセスの強化というミッションを達成
試験運用の開始は、2007 年 9 月。「まずは 3 ~ 4 ヵ月のテスト運用期間を設けました。20 人ぐらいの社員をピックアップしてモニタリングしてみた結果、特にモバイル機能が好評で、多くの社員から支持があったため、本格導入することを決めました」 (山﨑氏)。社員からの要望も強かった "リモートアクセスの強化" を Google Apps で解決した松竹では、その後、利用申請があった社員に次々とアカウントを配布。大々的な社内広報をしなかったにも関わらず、今では多くの社員が Google Apps を利用しているという。
Google Apps は、ログイン ID とパスワードさえあれば、会社のパソコン以外にも、自宅のパソコンや携帯などからもアクセスできる。また、メールをパソコンにダウンロードする必要がなく、閲覧履歴もサーバー側で一元管理されているため会社のパソコンで見ても、自宅のパソコンで作業をしても、閲覧履歴が常に同期されており、複数の場所やパソコンで作業するには最適な環境であるといえる。
「海外出張が多い社員は、特に Google Apps の利便性を感じているようです。カンヌや、モントリオールなどの映画祭に行ったときにも、会社にいる時と同じように簡単にメールを送受信することができる。海外はインターネットの接続環境が悪いところが多く、全くアクセススピードが出ない。しかし、Google Apps を使えばそういう場所にいても普通にメールを使える。"スマートに仕事ができるようになった" と好評です」 (山﨑氏)。
また、携帯電話からメールをチェックできる機能もあるため、ユーザはどこにいても自分のメールをチェックすることができる。「携帯でメールをチェックしたときにメールの既読・未読が全部反映されるのも利点。あれはいいですよね。それに、iPhone などの最新の携帯電話であれば、PDF やワード、エクセルといった添付ファイルも確認することができますから、簡単なチェックであればわざわざ会社に戻る必要もなくなりました。とても便利ですね」 (山﨑氏)。
Google Apps への完全移行を検討
多彩な Google Apps の機能のうち、現在は主に Gmail を活用している松竹だが、社内掲示板となりえる Google Sites、社内向けポータルサイトとして利用できるスタートページといったアプリケーションにも注目している。「Google Apps は、新たなアプリケーションや機能を追加するなど、常に進化を続けているグループウェアですので、目が離せない存在。これだけ多彩な機能があれば、社内グループウェアそのものの移行対象としても十分考えられます」 (山﨑氏)。
また同社の業務柄、2008 年 9 月より追加された新アプリケーション、Google Video for business (社内限定で映像をアップロードし、共有できる機能) にもとても興味があるという。
松竹芸能でも Google Apps 導入へ
松竹で導入され、好評を博する Google Apps for Business は、その利便性を評価され、グループ会社である松竹芸能株式会社でも採用されることになった。
もともとイントラ機能を持っていなかった松竹芸能では、大阪本社、東京支社の全社員、約 80 人分のアカウントを取得、2008 年 1 月より Google Apps での運用を開始した。
「松竹芸能での導入は、本社で Google Apps を使っていた松竹のプロデューサーが、松竹芸能担当になったことがきっかけ。松竹芸能では、Gmail と Google カレンダーをメインに利用しているそうです。Web メールである Gmail へのリプレースということで、ユーザに当初は戸惑いもあったみたいですが、慣れてしまえば "やっぱり使い勝手がよい" という声が多いと聞いています」 (山﨑氏)。
Google とともに IT リテラシーの向上を
「正直、松竹は IT リテラシーが高い企業だとは言えず、まだまだ "情報を共有する" という意識が低い。取り組みは、今まさに始まったばかりなんです」と語る山﨑氏。Google Apps は、そうした状況下にある企業においても、直感的でシンプルなユーザーインターフェースによる使いやすさを提供するだけでなく、その優れた情報共有機能で、高い IT リテラシーを持つ社員たちにも支持されているという。
Google Apps には、現在松竹や松竹芸能で使用している Gmail や Google カレンダーの他にも、Google Sites やスタートページ、Google トーク、Google ドキュメントなど、ビジネスをサポートする多種多様なアプリケーションがある。
松竹の多彩な業務展開の中で Google Apps のさまざまなアプリケーションを活用していくことは、担当者間のコミュニケーションの活性化や、事業体としてのコラボレーションの促進といった、大きなプロダクトを生むことだろう。松竹は、他の企業と同様に、日々 Google Apps を使うにつれ、その新たな利便性、優位性を発見し続けている。